5日もブログを休むと、書きたいことが山積してしまってにっちもさっちも行かなくなります。ホント。消化不良というやつですかね、頭の回転も遅くなるような気が…



さて今日は


思考の整理学 (ちくま文庫)思考の整理学 (ちくま文庫)
著者:外山 滋比古
販売元:筑摩書房
発売日:1986-04-24
おすすめ度:4.0
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に関するお話し。




実はこの本は高校の教科書にも引用されていたり(=「寝させる」という章)、
意外と身近な存在だったはずなのですが、この2年ほどで急速に売れ始めました。

そもそもの出版は1986年。

それが2007年に仙台の書店員が書いたコメントによって再ブレイクしました。
そのコメントというのが、有名なこちら。


もっと若い時に読んでいれば…。そう思わずにはいられませんでした。


この時期、「王様のブランチ」でも紹介されたようです。
今では


「東大・京大で一番読まれた本」


を帯コピーに掲げ、ついに2009年9月に累計100万部を突破したという。
息の長い、まるで紅白効果を彷彿とさせるようなストーリーです。



この本は実際に買って読んでるんですが、興味深いのは売れ方です。

私見ですが、ここには出版社の戦略があるように思えてなりません。






今、世の中にはありとあらゆる「ランキング」「オススメ」「権威付け」が存在しています。

〇〇書店ビジネス部門第1位…
ダ・ヴィンチが選ぶ今年のプラチナ本…
「間違いなく私の人生を変えた一冊です」というK間氏のコメント…
amazonランキングNO1…

きりがない。
毎年新しい賞が誕生したりもしています。




その中で出版社が目をつけたのが、

思考の整理学 × 東大・京大

というコンビだったのではないでしょうか。


このコンビは相性がいいはずです。

 ・さっき書いたように、今の大学生は外山氏の文章に教科書で既に接している
 ・文庫なので手頃な値段ゆえ、学生にも手を出しやすい
 ・大学で本を買えるのはごく限られた場所だけなのでプロモしやすい

特に上手いなぁと思ったのは最後のやつ。
大学で本を買うと10%オフになるので、本をよく読む人ほど生協で本を買います。
その生協の店舗はたくさんあるわけではなく、各大学にたいてい10もないです。
しかもそのうち本の品揃えが充実していて書店のようになっているのは3か4もあれば上等でしょう。京大でいえば、ルネという大規模な書籍コーナーが最大の規模で、文庫やハードカバーの品揃えはここが圧倒的。本を買うならまずルネに学生が集まってくるのです。




では、そのルネでどんなプロモーションが行われたか。



答えは徹底的な平積みです。
古典的すぎて拍子抜けしそうですが、これが相当徹底してます。

京大で一番でかい書籍コーナーの中の、文庫が集まるコーナーの一番目立つところに、それこそ20冊分だか30冊分だかの量で平積みですよ。


▼このコーナーが全部「思考の整理学」になってるとこをイメージしてください

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帯には「もっと若い時に…」って書いてある。
全くの無名作家ではなく、大御所に近い外山氏が著者。
平積みも平積み、とにかく大量においてある。
しかも安い。(520円+税)



買うでしょ、そりゃ。



そのキャンペーンが東大や京大で丸一年くらい続けられていました。
結果、2008年の年間ベストセラーは東大も京大も「思考の整理学」。
2009年からは帯が「東大・京大で一番読まれた本」に変わり、今度は大学を超えて一般書店でもブームに火が点いた、と。
(ちなみに2009年も東大・京大で売上NO1は「思考の整理学」です)




上手いなぁ、と思ってしまいました。
これはおそらく偶然生まれたヒットではないはずです。
マーケティングってやつですね、きっと。




ちなみに。




自分の周りだけかもしれませんが、6人くらいの京大生は

 「つまんなかった」
 「おんなじようなことを何度も書いてある」
 「なんか文章がまわりくどい」

と、なんだか微妙な評価でした。
個人的には、途中で飽きましたが一読の価値はあるかと。


くれぐれも、東大・京大で売れている = 一番評価されている だなんていう誤解をされないようご注意ください。はい。