fgundamの小説ブログ

 これは私の書く二次小説を読んで貰うためのブログです。  最近ブログを分割しました。そのブログの更新停滞はこちらの比にならないほどになりますが、そちらも見て頂けると嬉しいです。

たまに生存報告と二次創作などを投稿します。

レビューもらった~

 小説家になろうにて投稿している三秒間の凄く不思議 SF of the Three Seconds小説×スコッパーさんにてレビューを頂きました! 以下リンク




たった三秒、されど三秒





 これからもfgundamこと魔弾の射手をよろしくお願いします。

三秒間の凄く不思議 SF of the Three Seconds

 はい、昨日ぶりでございます、fgundamでございます。先日の予告通りに小説家になろうにて公開中の作品を公開します。
 題名は『三秒間のすごく不思議 SF of the Three Seconds』です。とても間抜けな大笑みですが、読み切っていただければタイトルに新しい意味を見出されるのではないでしょうか?そうなればいいなぁとは思っております。

 それでは、魔弾の射手の魔弾を、とくとご覧あれ。


三秒間のすごく不思議 SF of the Three Seconds


 三秒で何が出来るだろう。取りとめも無く、私はそんなことを考えていた。

 

 たとえば男性なら、痴漢冤罪をかけてくるクソな女子高生と、そうと知らないで幇助ほうじょする正義の味方気取りのサラリーマンやOLを振りきって逃げ切れるかもしれない。

 たとえば女性なら、簡単なメイクの準備くらいパパッと済ませながら仕事の用意をすることが出来るかもしれない。

 たとえばプラモデラーなら、プラ板に下書きを起こしてPカッターを手に持っているだろうか。

 たとえばプログラマーなら、簡単なプログラムの計算が頭の中に準備できるだろう。

 たとえば主婦なら、献立(こんだて)を決めて費用の計算に移りだす頃だろうか。

 たとえば無職のニートなら、パソコンに向かって愚痴り現実逃避しながらアニメ幻想でも見ているだろう。

 たとえば――――

 

 

 

 たとえば、私はどうするだろう?

 

 

 

 

 

 

 始業式とデカデカと書かれた、毎年同じ物を使っているのだろう薄ら黄ばみ始めている看板を通り抜けて、校舎の中を通り抜け、多数の同級生たちとともに始業式に参加し、恙無つつがなく終わる。

 いつも通りの日常だ。また学校が始まって、大して親しくも無いトモダチ・・・・と仲良しごっこに興じ、成績さえ取れていれば何も言われない生活をだらだらと続け、そうしていつの間にか無精力に大人になっていく。きっと、子供のままで。

 医学部志望の金持ちの子女はその金で売春や援助交際、大雑把に不純異性交遊という道義から外れた享楽にふけり、医学界の信用を下げる。

 政治家を目指す人間は、あるいは政治家は汚職を起こし、いざそれを糾弾されれば罪と罰から逃れるために口から人糞を垂れ流し続け、政治という物をけがして行く。

 子供のまま大人になって、良い大学・・・・を出たことだけが取り柄の奴は、自分の行動で大学の名誉を汚すばかりか己の社会的地位を下げる。

 または、こんな筈ではなかった・・・・・・・・・・と言って幻想と非現実をパーソナル生み出す小さな猫箱・コンピュータかじりついているか。

 

 大学に行くことが、必ずしも良いことなのだろうか?心を養うことをせずに大人になることは正義なのだろうか?

 

 

 

 彼女は自分が半ば以上に捻くれている自信を持っていた。可愛げがないと自覚しながらもそんな物だと諦め、やがて変わる努力を止めた。

 物ごとのウラオモテが見えて、見えているふりして知らない振りしているか見えていない人間の分の責任まで受け取らされている。そんな風に感じる様な十年と七年ほどの人生だ。そういうのを続けて行けば疲れてくるのは当然だし、捻くれるのもしょうがないことだったのかもしれない。

 そんな彼女にも、やはり春と言うのは来るのだろうか――何処か冷静な彼女が馬鹿らしいと嘲りながら、何処か熱病に犯された彼女はそれを目で追っていた。

 特に容姿が優れているわけでもなく、成績が良いわけでもない。普通、平平凡凡だ。アニメなら描写すらされなさそうな、十人中十人の顔。端的に、彼女は恋していた。何故かは本人にも分からない。ただ、気が付けば恋をしていた。

 

 代わり映えのしない日常は彼女を腐らせていく様な気がして、その中で片思いという非日常に片足を突っ込んでいるような感触は何処か心地よく、だから関係を発展させようと言う考えすらも思い浮かばなかった。

 端的に怖かった、拒絶されることが。対して親しくも無い相手なのだから尚更、拒絶された場合彼女は自分の身の振り方が分からなくなってしまう。そういう未知が恐ろしかったのだ。

 

 やがてそういう関係を意識しだすと、何気ないクラスメイトの恋話にすら神経を尖らせて、自然と“告白”という二文字がチラつく様になっていた。

 この世でただ一人好きになれた存在を逃せば次は無い、そういう強迫観念にも似た思いは段々と、日を追うごとに強くなって、無意味な脳内練習は三桁に達する回数がこなされた。

 始業式の今日、恐れなどを振りきってみようと言う思いは最高潮に達し、比較的仲の良いクラスメイトからの誘いを断り、気を落ち着かせていた。

 

 彼女が特に何となしに机に手を伸ばした時、広くもなければ狭すぎるわけでもない机の中の小さいスペースの奥、爪の先に何か胡桃くるみのような硬質な何かが当たった。

 

「――あれ?

 

 もちろん彼女にはこんな物を入れた覚えは無い。となれば前の持ち主の忘れものだろうか。忘れた奴は大層間抜けだと思いながら、後でそれを職員室に届けるためにスカートのポケットにしまった。

 出鼻を挫かれたと感じ、胡桃の入っている右ポケットを若干ジト目で睨みつけながら、彼女は立ち上がり、振り返りながら歩き出す。

 

 そう、これは胡桃のせいなのだ。彼女は悪くない。それがミサイルの到達三秒の前の行動となってしまったのも、彼女のせいではない。

 そう、これは胡桃のせいなのだ。彼女は――悪くない。

 

――Timeタイム Divedダイブド Transトランスpotationポーテーション Deviceデバイス 通称TDTpD交差時間遊泳機 起動

 時間遡航システム 起動 所有者データの認証 開始

 所有者データ照合 所有者データ“TS330011-Takeru Sazanami”の確認を開始

 エラー 再試行プロセス 開始

 再試行コード自動認証 認証コード“Ohあぁ、I'm私は Scary恐れている

 所有者データ再登録 現所有者を“■■-■■■”に再設定

 以降 所有者の時間遡航意思が確認されるまでの間 ハイバネーションモードに移行します――

 

 ……一秒

 

 目的の人物の目の前にまで移動する。再び意識が高揚してきて、自慰の興奮にも似た気持ち悪いまでに心地よい悪寒と快感が背筋を走る。

 皮算用だとは理解していても、それ・・を期待せずにはおれない。“これだけ己が好意を寄せているのだから”という非論理的かつ非常識的な考え方と普段は切り捨てる筈が、捻くれ者も恋には勝てないのかと、若干ばかりの自問自答と共に『そういうのもありじゃないか』と認めてしまえる彼女がいた。

 恋が人を変えるのか、人が恋に価値を見出すのか――どちらも彼女には分からないことだし、分かる必要は無い。感じられているこの全てが答えなのだから。

 

 何かに諦めて生きて行くことに疲れたと言えばその通りだが、それで死のうと思えるほど能動的でも無かった。その倦怠感を破って好意を抱かせ、先ほどから論理的ではない行動を取らせている。

 端的に、彼女は希望を持ちたかった。好かれることに、好き合うことに、そういう生物としてはごく当然のことに希望を、何より“幸せ”持ちたかった。

 だからだろう――自慰のように彼とそのような関係になることを夢想するよりも、行動してみたくなったのだ。

 

 ……二秒

 

 男友達と談笑する彼の目の前に立ち、怪訝そうにこちらを見やる彼に逸る気持ちを抑えながら。顔面が紅潮して行くのを感じながら彼女は彼に声をかけた。それは一種の公開処刑の様で、けれど行動しなければ・・・・・・・何も変わらないから・・・・・・・・・

 心臓が耳鳴りと共にうるさく鳴り響かせる潮騒しおさい呼吸に紛れずに彼女の耳の中で乱反射していく。

 

「あの……小波さざなみくん――」

 

 ……三秒

 

 続きを言おうとしたその時、校庭側で何かが爆発した。その爆発は余裕で校舎側にまで波及して窓ガラスを割り、壁を半壊させた。

 煙に満ちた教室、机や椅子と思しき物、壁の破片が散乱し、大多数の生徒が死亡している中で、運良く・・・彼女と数人の生徒たちが生き残っていた。

 生き残っているとは言っても、彼女の体には幾つもの破片や机のパイプと思しき物が刺さっていて、とてもではないが息が長い様には見えなかった。それは他の生き残りにしても大なり小なりそうで、生き残った数人の内適切な処置さえ施されれば後遺症は残っても生存出来そうなのはわずかだった。

 

 茫洋として朦朧とした意識の中で、痛みすら最早分からないなかで、彼女は目の前にいた筈の彼を探し――そして見つけた。頭が半分無くなった彼の死体を。

 見つけた瞬間、彼女の中は思った。時間が巻き戻るのだったら、巻き戻せるのなら、巻き戻すことが可能ならばもっと関わりたかった。告白してしまって、そういう関係にまで発展したかった。

 今際の際の思いは強く、結局こういう終わり方なのかと絶望した。結局こうやって責任を果たさせられるのか。

 

 ――いやだ。そんなの認められない。ようやっと人間らしい感情を持てたのに、ようやっと正直になれたのに――

 

 その強い気持ちはやがて渇望となり、何よりその不条理さを嘆いた。

 なぜこうも運が悪いのか。なぜこうも貧乏くじばかりを引かされるのか。なぜこうも、儘ならないのか。

 全ては自分が自分の身体を雁字搦がんじがらめに縛り上げたことが原因と知りながら、けれど認めることはできない。認めてしまったら、それこそ負けだと理解している。負けたくない、嘘をつきたくない――――――自分に正直に生きたかった。

 

 ――何度やり直すことになったって良い。納得のいくところに行かせてよ……そしたら死んでも良いから――

 

 そして偶然でも何でもなく、それは動き出した。

 胡桃の殻と殻の隙間が広がり、それは光を発する。青白いような機械的で冷たい光。それは無機質な声で彼女の鼓膜を揺さぶった。

 いや、揺さぶったのは鼓膜ではない。声は直接脳内に響いている。

 

――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します

 TDTpD 起動

 起動コード自動認証 認証コード“All全て is Fantasy幻想に過ぎない

 時間遊泳を開始します 遡航時間を±10分に設定

 ……所有者の内的要因によりエラー――TDTpD起動プロセスより 再開します――

 

 気持ち悪い吐き気を催す感覚は強くなり、衝動的にそれを拒んだ。

 己の中を得体のしれない何かに浸食されたような、そんな悪寒を伴う不快な感触は脂ギッシュな中年に尻を触られるよりも余程不快で、それは一種の恐怖を伴っている。

 まるで脳味噌ごと何かに弄られているのではと云う恐怖は得も言えず、そして死の際にこんな問答が出来る自分の神経に辟易として、閃くように彼女の頭の中を電流が錯綜した。

 

 いや、逆転の発想をしてみよう。死すればこんな問題に一喜一憂し絶望すると云う柵から解放されるのではないか?どうせ助かる確率なんぞ万に一つもないのだから、時の流れに身を任せてしまったって――どうせもう己が愛した人はいないのだから――

 

 それは彼女にとって妙案だった。弄れるものだったら弄って見せろ。どうせ死の運命には抗えないだろうから。そして死んで、輪廻転生りんねてんしょうし新たな生命として、また詰まらない人生を送るのだろう。

 だったらもう一度、納得のいくところまで駆け抜けてみるのも手かもしれない。どうせまた、つまらない人生を送るのなら、納得いかない不条理に身を任せるのなら、最後の一回くらい――そういう我儘を言ったっていいだろう?

 

『私にはまだ――やり残したことがある!こんなところで死ねるかっ!

 

 使える物はすべて使ってやる。周りにある者すべて道具だと思え。役に立って見せろよ、最後の告白にぐらい。

 

――所有者の時間遊泳意思を再確認 時間遊泳プロセスに 移行します

 TDTpD 再起動

 起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy

 時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定

 ……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します

 時間遊泳耐久用ナノマシンが検出されませんでした 脳髄にナノマシンを注入します

 精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします

 時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください

 緊急事態に着き所有者の意識を|凍結睡眠状態(ハイバネーションモード)に移行します

 時間断層面破壊杭パイルバンカー起動 時間断層面検出

 時間断層面破壊杭パイルバンカー射出 時間遊泳を開始します――

 

 

 

 脳内に響くその声によって、私の意識は刈り取られて、次の瞬間には其処にいた。

 

「――――え?

 

 先ほどの爆発がうそのようなそこそこ清潔な教室。何事もなかったようにふるまう――事実何も起こってないからだろうが――そんなクラスメイト達の姿は単純に恐怖で、しばらくもしないうちに時間遡行したと云う事実を知った。思い出した・・・・・

 

 時計の秒針は今、其処に差し掛かった。

 

 爆音が校舎を動揺させ、軋みは広がり熱波とともに再び・・校舎は半壊させられた。

 

 三秒、冗談でも何でもなく、三秒。たった三秒だ。目が覚めて・・・・・から三秒しか・・・・経ってない――それは同時に、彼女は三秒しか・・・・生きられないことを暗示していた。

 そんなの嘘だ――やり直しを求める。何度でも、何度でも、やり直して見せる。最良の結果を手に入れるために――!

 

 あぁそうだ認められない認めてなるものかこんな死など認めない!

 

 

 

――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します

 TDTpD 起動

 起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy

 時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定

 ……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します

 精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします

 時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください

 時間断層面破壊杭パイルバンカー起動 時間断層面検出

 時間断層面破壊杭パイルバンカー射出 時間遊泳を開始します――

 

 

 

 目が覚めてからの行動は決まっている。

 

 幾何学的な模様の立ちこめる天球儀に支配された空間、その外側にはあらゆる風景が広がり、天球儀に引っかかる大量の軸受けには01が延々と流れて行く。

 彼女はこの中の何処かに行くことは出来ないのだと漠然と悟る。その上で、引き攣った様にも口の裂けた様にも見える笑みを浮かべて嬌声を上げる。そんなことはどうでもいいのだと。重要なのは己が願いを完遂できるかで、良く分からん他の世界・・・・なんぞどうでもよかった。

 そう、ただ目的の完遂を。それさえ出来れば、最後の願いさえ完遂できればそれでいいのだから。

 

 いや、そうではないだろう。たとえ三秒しか・・・・時間が無くともやるべきことはある・・・・・・・・・筈なのだから。目的とは、その後に完遂されてしかるべきだ。それが何より正しいことだと胸を張って言えるから。

 

 

 

「皆机の下に隠れて!

 

 目が覚めたと同時に彼女は机の下に潜って肺の中の空気をありったけ放出した。大音量となって教室中に広がる声はヒステリックで、それまでに出した事も聞いた事も無い高音で、その場にいた全ての人間がそれを聞きそれを瞬時に理解した。

 瞬時に寄せられる哀れむ様な、悲しむ様な、あざけわらう様な、一口に表現できない複雑でかつ単純な多くの視線が、机の下で身を縮こまらせる彼女を間抜けな何かを見る様に貫いていた。

 

 気でも狂ったか、夢の続きでも見たか、少なくとも碌な状態ではないだろう。それが面白い。

 人とは他者と同調できない人間を見分け、それを集団心理によって正義とされる行動から反すれば反するほど、集団心理によって採決されその個人を標的にすることが出来る。

 人間が唯一、他の動物とは違って同族を殺すことが出来る所以である。

 

 誰かが動きだそうとする瞬間、三度みたびに渡ってそれは着弾した。

 

 駄目だ、またこんな結末、認められない。

 目の前で破片に倒れてゆくクラスメイトたちを尻目に、彼女は冷静に、そして熱情の様な何かに突き動かされる様に繰り返しを望んだ。

 三度みたび彼の死ぬ姿を見れば視野は狭まって行き、やがて側頭部に何かが飛来して首の骨を折る音を聞いた。

 意識を失うまでの間、彼女はもう一度、もう一度と強く願っていた。まだ目的を完遂出来ていない。もっと生きなくてはならないのだから。

 クラスメイトの避難だってできなかった。もっと、もっと時間があれば。

 

 

 

――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します

 TDTpD 起動

 起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy

 時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定

 ……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します

 精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします

 時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください

 時間断層面破壊杭パイルバンカー起動 時間断層面検出

 時間断層面破壊杭パイルバンカー射出 時間遊泳を開始します――

 

 

 

 考えろ、考えなければならない。三秒しか・・・・ないなかで全てを伝え全てを終わらせる方法を。

 全員に伝えるべきを伝えなければならない。その上で彼に全てを伝え、後悔の無いように。そう、やりたいこととやらなければならないことを全て、やり残しの無い様に満遍なく。あぁ、何で三秒しか・・・・ないのだ。三秒ではその全てをやりきることなど不可能だと目に見えている筈なのに。

 

 だから、無茶であろうとやらなければならない。

 

 

 

 ――三秒しか・・・・無いのだから――足掻けるだけ足掻かなくてはならないのだ――

 

 

 

――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します

 TDTpD 起動

 起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy

 時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定

 ……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します

 精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします

 時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください

 時間断層面破壊杭パイルバンカー起動 時間断層面検出

 時間断層面破壊杭パイルバンカー射出 時間遊泳を開始します――

 

 

 

 また失敗――次!

 

 段々と冷静さを失っていく、行動から精細さは消えて行く。

 

 三秒――幾ら弄ろうとしても変えることは叶わない。三秒しか・・・・ない。三秒しか・・・・ない。そう、三秒しか・・・・ないのだ。

 自分自身を脅迫して行くように、彼女の中で三秒は大きな意味を持つようになっていた。この三秒でやれるだけをやらなくてはならないのだから。

 この三秒の間に何が為せるのか、数瞬にも満たない時間遡航時のこの風景の中で彼女は思案を重ねた。

 死んでは戻り、死んでは戻る。死なずとも繰り返しを望み、死なずとも繰り返しを望む。袋小路は螺旋状となり、彼女が諦めるか目的を完遂するまで続く……永遠に。矛盾であり螺旋であり、繰り返しでありやり直しであり、故に彼女は、手段と目的を失った。

 いや、失えればそれがどれほど幸せでいられたのか、彼女は目的と手段を維持したうえで視野を狭窄させ、無為な現実逃避と無為な繰り返しを繰り返し続けているのだ。

 

 

 

「良いからみんな隠れて!死にたいの!?

「いきなり何なんだ?!

 

 

 

 壁の破片に巻き込まれて潰れて行く見慣れた死・・・・・。何度も似た死に方を見た。何度も同じ死を見て来た。同じようで違い、違うようで同じ死を、それこそ壊れたビデオテープを繰り返すかのように何度も、何度も。

 気が狂うのではというほどの繰り返しはやがて気力を削いで行くのではないかとさえ思えた。それでも、彼女は諦めなかった。無駄と知りながら全員が・・・生き残る・・・・方法・・を求めて――

 

 幾度目かの繰り返しでも同じ結末が待っていようとも――

 

 

 

――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します

 TDTpD 起動

 起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy

 時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定

 ……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します

 精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします

 時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください

 時間断層面破壊杭パイルバンカー起動 時間断層面検出

 時間断層面破壊杭パイルバンカー射出 時間遊泳を開始します――

 

 

 

 そして彼女は思い違いに気が付いた。とても大きくて、とても小さい。常人では絶対に気が付かず、常人で無かろうと其処に行きつくまでにどれほどの時間を要するのか。それこそ気が遠くなるほどの那由多なゆたの果てだろう。

 

 三秒しか・・・・無いのではない。三秒、されど三秒。いくら数えようと三秒に違いは無いと言われるだろう。だがそんなことは無い。

 一般相対性理論においてはある地点で移動する人間とある地点で静止する人間とで経過する時間には細かな誤差が生まれるとされる。タイムマシンが不可逆的な一方通行であるとされる根拠だ。

 

 三秒しか・・・・ないのではない。三秒も・・・あるのだ、三秒も・・・……。

 誰か一人を選んで生かす・・・・・・と仮定するならこの上なく十分な時間ではないか?

 それに気が着くと同時に眠りから覚める感覚と共に彼女の頬を涙が伝い、憑き物の落ちた様な晴れやかな笑顔が浮かんだ。

 幼少期の、あの周りの人間は全て味方で、身の回りの物が全てきらきらと輝いて見えていた、あの幸せだった時期から進むにつれて忘れて行ってしまった笑い方を、思い出せて、繰り返しを求める前の命題にたちかえった。

 

「なんだ、そんな簡単なことだったんだ」

 

 灯台下暗しとはいうが、こんな物誰も気づかない。気付いたとして、諦めるのが関の山だろう。だから、私はあきらめたくない。

 

 恋が人を変えるのか、人が恋に価値を見出すのか――私は、後者だと思う。

 答えを見つけるとともに、彼女はこれを最後の繰り返しに決めた。もう、後悔は無い、後顧の憂いも無い。答えが分かって、果たし方が分かったのならあとは簡単ではないか。あの中で一番生き残る確率・・・・・・の高い所・・・・へと――この思いを告げられれば良いのだから。

 

 

 

 目が覚めると同時に、彼女はすっくと席を立ちあがり、大股で目的の彼のもとへ――普段はスカートが翻るのを気にして絶対にやらないことだと、仄かな非行気分に気を良くしながら。

 

……一秒

 

 最初と全く同じだ。原点に立ち返ったのだ。答えなんて本当にすぐそこに落ちていたのに、変な倫理観に縛られて馬鹿みたいだ。

 そう、他人なんて気にしないで、最初からこうすればよかったんだ。

 

 男友達と談笑する彼に声を掛けること無く彼の首根っこを掴みあげ、教室の端っこにまで連れて行く。

 何か言っているような気がするが、気にしない。とりあえず、彼には生きていて欲しい。その為に多くが犠牲になるなら、進んで差し出そう。だから彼だけは生かしたいんだ。あと三秒後に皆死ぬとして、私か好きな異性かを選べと言われるなら、私は|生きて欲しい人《好きな人》に生きて貰いたいから。だから――

 

「お?なんだなんだ?

「委員長が小波のこと拉致ってやがるゼ!

 

 外野なんて関係ない。もう、二秒も・・・残っているんだから。この短くて長い三秒を、無駄にさせたくない。

 

……二秒

 

「何なんだ一体!何がしたいんだ!

小波さざなみ たけるさん!私は貴方のことを以前からお慕い申し上げておりました!

 

 

 

 だから――世界の中心で、愛を叫びたい――叫ばせて下さい――――

 

……一秒

 

 彼女は口を開きかけた彼を迷い無く後ろにある掃除用具入れに押し込んで、身体全体でそれを守る。もう誰にも殺させたくなかったから。

 

 爆発の後で生き残った事もあった。けれどその後の混乱で生徒同士が殺しあいを始めた事もあった。限りのある食料を巡って。

 またあるときは熱波に焼かれ骨すら残さずとけ切った事もあった。目の前でコンクリート塊に押しつぶされた事もあったし、ミサイルが教室に突っ込んだ事もあった。そう、今回はその中でとても運が良かったのだ、少なくとも彼女の経験の中では最も原点に近く、最も最良だったのだ。

 

 爆音と地響きが教室を壊して行く。内部に熱波を押し込みとぐろを巻き、内部をかき混ぜ凌辱して行こうとする。

 それでも彼女は、対流に身を逆らわせながら彼に最期の告白を、また3秒前の彼とまた同じようなやり取りをするのだろうことを、けれどこの気持ちは間違いなくホンモノであることを証明したいから。声なんぞ聞こえないことは分かりきっていても必死で声をかけた。

 

「ごめんね――時間が無かったから、こんなやり方になっちゃった……ごめんね。また、また三秒前のあなたと全く同じことをやるんだろうね、私は――でもこれだけは覚えていてください。私は貴方が好きです。初めて目にした時からずっと……繰り返し繰り返し、貴方を追いかけ続けるくらいには」

 

 それは独白だった。同じ時間を過ごしながらも、同じ時間を過ごせない。今ここで告白した所で何ら意味が無い物だと分かっていながら、当初の目的を果たすために。そして何より、同じ時間はもう来ないのだから、本当に後悔の無いようにしたかったのだ。

 自己満足だったとしても、これを逃せば二度と同じ機会はやって来ないから。自己満足だとしても、満たされなければ満足して逝けやしないと理解しているから――。

 これは一方通行不可逆の告白で、一方通行不可逆の独白だと胸を張って言える。これは彼女の自己満足の為なのだ。

 

「私、何度も同じ時間を繰り返してるんだ。何度も何度も、貴方が死ぬ所を見て来た。繰り返しを始める前には一度、告白しようとしたけど邪魔が入った。ようやっと、ようやっと叶ったんだ」

 

 だから、覚えなくて良いから・・・・・・・・・覚えていてください・・・・・・・・・

 私が生きていた痕跡が確かにあったことを――私は確かに今この三秒後・・・に生きていたんだと言うことを。

 

「だから、覚えていてください」

 

 私は貴方が好きでした。

 何度でも、何度でも、約束された三秒後・・・から確かな三秒前・・・へ――それでも、私は生きています――それでも、私は生きていたんです。だから貴方は、生きていて・・・・・生きていた・・・・・私の代わりに、生きて下さい。何より私が好きになったあなたには生きていて欲しいから。

 

「――私は貴方が好きです・・・・・・・…………私は貴方が好きでした・・・・・・・・。もしも生き残ったら私のことは忘れて、綺麗な彼女さん作って、いっぱい子供を作って、立派なお父さんになって下さい。私はしばらく戻れないかもだし、次も、その次も忘れているだろうけど、絶対に生き残って見せるから」

 

 もっと生きていたい。生涯で初めて彼女はそう強く渇望した。最初の時と同じでありながら彼女が好きになった彼と共に平穏であった日常を……。

 普通に恋して普通にデートして、普通に結婚して普通に子どもを産んで、普通に年を取って子供は大人になり、普通にお爺さんお婆さんになって『せぇ~の』で普通に死んで行きたかった。

 身体が溶けているのを自覚しながら、涙すら蒸発するなかで彼女は涙を堪え慈しむように抱きしめた。

 

 もうそろそろかと思ったときに、自分と同じようにしゃくり上げながら彼は薄いステンレスの扉を隔てた向こうから、彼女に告白した。

 

 もしそうだとして、なら余計、忘れられない。忘れようともきっとフラッシュバックして来るだろう。絶対に忘れない。また三秒前に戻るなら、三秒前の自分が覚え続ければいいのだから。

 話したことなんて一度としてない。けれどあの告白がホンモノであることは疑いようもない事実で、秒速五センチメートルで落ちる桜の花びらの様にあっけなく、彼は見えないことを苦々しく思った。

 たとえどんな姿となっても、たった先ほど告白されてもこんなときくらい、誰かと一緒に死にたい。だから声を張り上げるように焼けついた喉を酷使した。

 

 彼女にはそれが嬉しくて、早くやっていればよかったと思いながら、彼の声に耳をすませた。

 

「……覚えてる!俺は一生、君のことを覚え続ける!君が忘れようと思い続ける!たとえ君が言うとおり、また三秒前に戻るなら、三秒前の僕がずっと君を覚え続ける!いや、五秒前だって十秒前だって!

 

 もう、後悔は無い。後悔は無いのに、続けたくなってしまう。何度でも、何度でも。同じようで違う三秒間を――でも駄目なんだ。たとえ死が待っていようとも前を向いて生きて行かなきゃ・・・・・・・・ならないから、後顧の憂いは絶たなければならないのだ。

 好きになってよかった。清々しい思いと共に後悔と自責が募る。もうお別れなのに、もう少し、もう少しと留まりたくて――身体は堕ち始めた。見慣れた天球儀に吸い込まれる様に。

 

――時間遊泳プロセスを開始

 TDTpD 起動

 以降 所有者の死亡と同時に起動

 自動時間遡航設定 全プロセスの承認をスキップ 実行

 

「これから何回も繰り返すなら、繰り返すたびに生き残る方法を試すから!――なぁに、百回やってだめなら百万回繰り返せばいい!百万回繰り返してもだめなら一億でも十億でも!那由多の果てまで繰り返せばいい!

 

 起動コード自動認証 認証コード“Over痛みを the超えて Pain行け

 時間遊泳を開始します 遡航時間を±?秒に設定

 時間断層面破壊杭パイルバンカー起動 時間断層面検出

 時間断層面破壊杭パイルバンカー射出 時間遊泳を永続開始

 以降 所有者が所有権を放棄するまで時間遊泳は継続されます――

 

 最期に告白出来て、良かった――この三秒が無駄にならなくて、良かった――最期にワタシを残せて・・・・・・・……良かった――

 

「――ありがとう…………そして、さようなら」

 

 

 

――未来情報 消失 アクセスコマンド エラー

 バージョン情報更新…………該当のアプリケーションの検出に失敗しました

 時間……遊…………泳――えwrfwfwdf;をうhf@すhgh――

 

 

 

 戻ってきた。慣れ親しんだ空間だが、今この時ほど、これほどまでに憎々しいと思ったことは無い。

 涙は堪えようと決めたのにほろほろと落ちるそれは止め処を知らずに流れ落ち、思いの通じ合う奇跡と不幸を同時に痛感し、告白しなければ良かったと言う後悔と、告白して良かったと言う充足感と共に流れるのは嬉し涙なのか――

 

「ごめんなさい……ありがとう――幸せな一瞬でした」

 

 それでも、あの一瞬の時間は嘘ではないと分かっているから、それを糧に、これからも生きて行ける。あの瞬間を目指して、やっていけるから――

 

「だから、待っていて。絶対にあの瞬間に追いついて見せるから――」

 

 

 

 

 

 

 老僧侶の御経を詠む声をBGMに、彼は黄昏ていた。

 

 自衛隊に救出された現場に、生き残りは彼だけだった。骨まで解けて掃除用具入れの扉を抑えていた彼女の死体と共に見つけられ、彼はその葬儀に参加していた。

 クラスメイトだと言うのに、初めて名前を知った。初めて異性に好かれ、初めて告白されて、同時に失った。悲しいのに、いつかまた会えると言う希望が、まだ何処かに残っていた。彼女はきっと追い付くのだと。漠然と信じるに足る超常が、彼にそれを信じさせた。

 

『あれが唯一生き残ったっていう?

『あまりパッとしない子ねぇ……もう少し鼻がシュッとして目が切れ長だったら幾らでも援助してあげたのに……』

『そうよねぇ』

 

 ひそひそと、本人に聞かせる為だけの陰口は、暗に平等に・・・死んでいれば・・・・・・よかったのに・・・・・・と、そう言いたいのだ。

 彼女のおかげで拾った命をむざむざ散らすわけにはいかなかった。

 

 数か月、ぼんやりとしながら卒業を控えたある日、彼女の『繰り返してきた』という単語がちらついた。彼女は短時間を何度も繰り返してきたのだろう。そう、何らかの方法で、未来から来たネコ型ロボットの力を借りずに。

 誰がつくって誰が与えた?誰がやってきて誰が帰れなくなった?それを知るために、彼は探求し続けた。

 

 大学へは政府からの補助金と修学支援金で通い、物理学を極めた。

 

 多くを発明し、多くを壊し、多く世界中を震撼させた。それでも彼の求める物は遥か遠くに存在する。それを求め、その先にある物を見つめ、あの日あの時を糧に求め続けた。

 

 ただ、あの時に帰りたかった。

 

 ただ、あの瞬間の軌跡をもう一度。

 

 ただ、彼女とともにありたいがために。

 

 体が老いさらばえようと、精神が摩耗し尽くそうと――彼の脳裏にはあの時の、掃除用具入れの隙間から見えた彼女の笑みが残っていた。

 あの時の告白と、あの時の情熱だけで、ギシギシと軋みを上げる体は活力を取り戻し、あの地平への回帰を、あの地平からの脱却を――彼女との逢瀬を熱望し、焦がれる魂はそれでもなお燃え続ける。

 

 いつしか彼の目の前にはそれがあった。

 

 胡桃のような球形の皺くちゃな物体。その小さな中に物理学と天文学と一般相対性理論の全てを内包した、機械でありブラックホールであり、機械であり魔法であり、機械であり宇宙だ。時間と空間をも越えて、ただ一人の少女に会うがために、多くを捨てて多くを凝縮して作った、科学の行きつく先。ついに彼は、作り上げたのだ。

 

 片手に握った杖とともに、今では公園となってしまったあの学校跡地に向けて、彼は確かな足取りで、まるで少年のような光をともして歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 そうか――私だったのか…………。

 

 

 

 後悔と懺悔がともに到来する。

 曖昧な時代設定とともに転移した先は彼女が入学する一年前・・・だった。教師として時代を改竄した彼は、その事実に気がついた。TDTpDがその手を離れたことに。

 いつの間にか手を離れていたTDTpDの所在は知れず、捜索に一年を要した。もともと老いさらばえて死に体だった彼の身体では一年では探しきれていない箇所の方が上回る。だからか、彼はあの日あの瞬間になってようやっと、その所在を掴んだのだ。

 

 彼女があの瞬間に立ち会い転移するためには、彼女の近くになければならないという絶対的で確定的な未来・・に。

 

 彼女にもう一度会うために、彼女が覚えているかなどどうでも良く、ただ彼女のためだけにここまで来て、目の前で失われるのだけは耐えきれなかった。それでは、己の一生は一体どれほどの価値があったのか

 バイブレータのうるさいスマートフォンを投げ捨て、他の教師が慌てる中をかき分けて、ただ彼女に会うためだけに、爆音と振動で揺れる校舎になど構わずに歩き続ける。杖がなくなろうとも、その場所で彼女を愛す助けるために。

 

 辿り着いた時にはすでに遅い。すでに彼女は、時間を跳躍した後だった。

 青白い光の残滓ざんしは彼女の温もりを切り取りどこかに連れ去って――故に彼はTDTpDあんなモノを作ったことを後悔していた。助けを求める生徒たちの声すらも耳には届かず、彼はただ自分を罵倒して殴ってやりたい気持ちをどこにぶつけるべきなのかを、置いてきてしまった青年時代を思い出していた。

 

 

 

 そうか――そういうことだったのか………………

 

 

 

 自嘲的な笑みがこぼれるとともに、理解した。時間跳躍これが完成した理由と、試運転を前に成功したのか、彼女との出会いと彼女との別れの意味を。

 

 全ては既定路線で、全ては定められていたのだ。そう、彼が交差時間遊泳機TDTpDを作り、彼が交差時間遊泳機TDTpDを与え、彼がやってきて彼が帰れなくなったのだ。全てはそのための布石で、全てはそのために決められていたことだったのだ。

 彼女が終わらない時間の旅を始め、彼に告白し、告白したのちも時間に囚われ続けて開放を求めるために旅に出た。其処に至るための|布石《要素》が、彼だったのだ。

 

 乾いた笑いとともに、彼はすでに動く者の無くなった教室・・・・・・・・・・・・・・を見渡して、その中から息をしている者・・・・・・・を探す為に動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 見慣れた街並み、見慣れた風景、見慣れた場所。

 

 見慣れぬ街並み、見慣れぬ風景、見慣れぬ場所。

 

 荒れ果てた廃墟のような街を、ただ一人女とも少女ともつかない妙齢の女が歩いていた。

 時代遅れの迷彩服一型を着用して、背中には巨大なバックパックを。外側には弾薬の込められた弾倉マガジンが複数個つりさげられ、歩くたびに独特のこすれ合う音を立てている。

 両手にはサブマシンガンの銃身を二丁分に増やして、片側に刃物を収納したような異魚のマシンガンを持ち、歩いていた。

 顔立ちは幼いとも言えれば整っているともいえる。良くも悪くも中間で、けれど彼女は悲嘆することなく其処を歩いていた。砂嵐の吹き荒れる、変わり果てた故郷を。

 

 右腕に輪を掛けて吊るされるようにされた胡桃・・は、壊れてしまったのか、時折青白い光を放ち、すぐに沈黙する。

 既に元の時代への回帰は絶望的になったが、それでも彼女は、あの瞬間に追いつく・・・・ために歩き続ける。その先に、絶望のみが待って居ようと、彼女は歩き続ける。

 一度目は成功しなかった。幾度目かは成功した。あれ以来ずっと、この崩壊した世界を歩き続けていても、彼女はあの瞬間に追いつくために、ただ歩き続ける。それが、いつかの“約束”だからだ。

 

 何よりも、この言葉がある限り、彼女は死なない――死ねない。

 

 いつかの回帰の時に、笑って “初めまして” ができるように――そう、この言葉があれば、いつまでも生きていられる。

 

 

 

 右腕に吊るされた胡桃が、淡く輝いた。

 

 

 

――前所有者“TS330011-Takeru Sazanamiよりメッセージがあります

 自動翻訳装置起動 自動読みあげ開始

『生きて■■■■■■、■■■■■■■■■』

 データの破損を確認 データの自動消去を開始 消去完了――

 

 

 

 ただ、貴方に会うために

 ただ、貴女に会いたい

 

 



 如何でしたか?少しでも心が動くような、そんな物を目指しました。これで少しでもファンとか増えてくれたらうれしいなぁとか考えてますww

 これからもfgundamおよび魔弾の射手のことをよろしくお願いします。
 文末にリンクを張っておきますので、興味をもたれたらで構いませんので見ていただけると嬉しいです。 


三秒間のすごく不思議 SF of the Three Seconds

魔弾の射手

ペシミズムを乗り越えるための魔弾

真・魔獣伝説 ~世界最後の日~

魔王と勇者 ~畜生世界を生き抜きしサバイバー~

空想科学戦艦伊吹(完結済み)

シュウ・ラングランと云ふ男

現世と幽世を繋ぐ物語(未完)

Der Freischütz~魔弾の射手~

強化兵姫軍団 設定資料集

強化兵姫軍団

未来への懸け橋

Das Dunkelheit von der Schwarzschild ~シュヴァルツシルトの闇~

潜水艦を愛するTS転生者

小説家になろうの片隅で愛を叫んだ男

 毎度のことながら、小説家になろうの更新報告で生存報告を兼ねるこの方式が定着し始めてきていて嫌気がさしてきてますww
  今回の更新は『三秒間のすごく不思議 SF of the Three Seconds』です。以下twitterでのCMです。

 【宣伝・拡散希望】
覚えなくて良いですから、覚えていてください
私は貴方が好きです…………私は貴方が好きでした
あなたは三秒間で何を残しますか?
本日投稿
『三秒間の凄く不思議 SF of the Three Seconds』境目

 です。
 タイトルがすごく間抜けですけど、読んでいただければそれにとても重要な意味を孕ませてくれるかもです。読んでみてください。本当に、今回は空想科学戦艦伊吹と同レベルの本気を出して書いたので(今までのも本気だが)
 三秒は短いようでいて、とても長いです。長いと感じるときは、とても長いんです。私がガンプラ作るとき、いつもジャストスタートを切るために秋葉に行く前にニッパーなどを用意して買い物に行き、帰ってきてガンプラの箱を開き包装を開けてランナーを取りだし、説明書を広げてニッパー握り、三時スタートなら三時ジャストに、四時スタートなら四時ジャストになるように時計とにらめっこして、後三秒でジャストになると云うのに全然三秒が経たなくてイライラして、ようやっと分針がジャストを刺したところでスピードダッシュ、って感じですから。時と場合によって、三秒と云うのは一分や十分と同じ意味を孕むのだと思ってます。
 それをネタに書こうと思ったのは、別のブログか何かで一分でどうチャラと云う話を聞いて、丁度後三秒でコズミックブレイクのログイン報酬が手に入るときにこの二つがオートマッチングしたんです。その結果、私はこのシュールなタイトルのシュールな物を書くに至りました。とりあえず、読んでいただければと思います。
 この更新の翌日(2017/08:03)に 本文の内容を全掲載させていただきますので、なろうにまで足を運ぶのが面倒くさい方は明日の更新を舞って待って頂ければと。

 では恒例の文末リンクを張ってお暇させていただきます。

三秒間のすごく不思議 SF of the Three Seconds

魔弾の射手

空想科学戦艦伊吹

Twitterの片隅にて

 実は去年からTwitter支部開いてたんですよ。気づいておられる方は気付いておられたかもですが。
 そもそもなんでfgundam7なのかと云うと、ブログを開設した時に適当に付けた“fgundam”と云う単語が、なんか気に入っちゃったからなんですよね。ですからYouTubeの垢を取った時も同様に“fgundam”のHNを使おうとしたのですが
このハンドルネームは既に他の方が使用しております』(こんな感じだった)
 の表示が出て、じゃあ別のHNを考えなきゃなぁ、と思った時にどうしてもfgundamを入れたくてしょうがなくって、その時に閃いたのが
『fgundamがダメなら数字を付ければ良いじゃないカッ!』
 だったわけです。其処で1から順番にやっていったところ、fgundam7でようやっと垢が取れたんですww一体何人fgundam居るんだよって思いましたね。他のfgundamには終ぞ出会ったことないですがww
 ということで、fgundam7@fgundam71名義でtwitterやってます。

 本題はここからで、 以前twitterに上げた内容で短編が思いついたので、短編を書いてみましたので小説家になろうの方に公開させていただきましたww




 これからもfgundamおよび魔弾の射手をよろしくお願いします。



 他にも、空想科学戦艦伊吹の少佐殿をイメージして描いて頂けたイラストも頂きました。貼り付けておきますね。
 一枚目は、街中を疾走してそうなキチガイなおじさま。

オッチャン

 二枚目は、ちょっとキチった笑顔のおじさまです。
オッチャン2


空想科学戦艦伊吹

魔弾の射手

真・魔獣伝説 ~世界最後の日~ を投稿しました

 小説家になろうにて『異世界転移の物語』関連の短編小説を投稿しました。タイトルは『真・魔獣伝説 ~世界最後の日~』になります。
 前書きの方でも記載してありますが、ちょっとゲッター線に汚染された勢いで書いたので『あれ?』なところがかなり散見されると思いますが、偶にどこかのヤクザ屋さんが募集している資材運びのバイト同様に深く詮索されないことをお勧めしますww
 当序方式を採用して冒頭部分に結末を配置しておりますが、冒頭の部分につながるところで話は区切ってありますww後は皆さんの想像力にお任せします。
 話のさなかで何かを悟るシーンがありますけど、それは今後の異世界転移の物語を読んでいただければ悟った内容の全体のうちの一割くらいは氷解するかと思われますので、これからの異世界転移の物語に期待してください。
 これからもfgundamおよび魔弾の射手をよろしくお願いします。以上、生存報告でした。

※注意!Caution!
 ・ “真”と銘打ってありますが元ネタとなる話は存在しません。
 ・“世界最後の日”と銘打ってありますが 、世界は終わりません。
 ・話が基本的に虚無ってます。 
 ・主人公の攻撃方法がとても文明的ではありません。まぁ、是非もないネ。



 真・魔獣伝説 ~世界最後の日~ 



歌詞をまとめてみた

 前の記事、Die Eisen Nachtigallに上げた歌詞の中身をすべてまとめてみましたww
 とはいっても、ちょくちょく書き直したりしたのをなろうのほうでルビ確認しながら更新していただけなので途中に前の記事に入っていなかったところも入っていますが、補完していただければと。
 ついでに、歌詞ですが分かる人にはわかる歌詞だと思います。勿論、曲そのものは原曲の方で、歌詞だけはRepriseで。

では、皆さまのフロム脳に乾杯。


Thinker-Reprise-(Die Eisen Nachtigall仕様)


I’m a Thinker.《私は思惟する者だ》
I could break it down.《私は世界をすら飛び越えられる》
I’m a Shooter《私は戦士だ》
a Drastic baby.《極端な方法しか取れなかった赤子だ》

Agitate and jump out《戦ってそして絶望し》
feel it in the will.《運命を変えられると盲信した》
Can you talk about Deep-sea with me.《そんな私と、語り合ってくれないか?》



Highway to down and out《物の道義から外れて影に落ちた》
push it on, round and round.《数々の死線をも潜りぬけてきて》
Straying the way to the sun《救いを齎す為に私は迷子になった》
no man know me.《故に誰も私を知らない》

I'm sleeping well. 《私は眠りに落ちていた》
No thinking it anymore.《全てを知悉したから他には何もいらない》
Hey, I want to see the rising sun.《あぁ、私は私を殺して彼らを救いたかったんだ》



The deep-sea fish loves you forever.《愚かな私は憎むべき貴女を愛していた》
All are as your thinking over.《そう、全ては貴女の言うとおりだったんだ》
Out of space, when someone waits there.《闘いしかできない私でも、貴女を愛することが出来た》
Sound of jet, they played for out.《だから、私は貴女の帰りを待ち続ける》

あ、それと空想科学戦艦伊吹もよろしくお願いします!


魔弾の射手

空想科学戦艦伊吹




新作予告(嘘) セリフのみ

 今度なろうに乗っけようと思っている嘘予告篇ですww題名は


Die Eisen Nachtigall ~鉄のナイチンゲール~

 です。鉄はラインバレルのように『くろがね』と読みます。


 では、嘘予告篇スタートですww(※注!冒頭以外セリフの身となっております!)


Die Eisen Nachtigall ~鉄のナイチンゲール~



 

『ここは――――――――』

 

 黒い巨体が、目視可能レベルにまで濃縮された光子とともに暗い暗黒の宇宙に姿を現した。

 黒い騎士。宛らそういう表現が適切なのではというくらいにそのロボットは中世の騎士甲冑のように佇むそれは幾多の|寂寥(せきりょう)と幾多の絶望を伴い、黒い甲冑は暗黒の海の中に埋没している。

 傍らに浮かぶ槍はそれまでの半生を物語るかのように刺々しく、哀愁にも似た何かを放っている。

 打突を前提に先が細くなり、けれどなおも太い槍は先端、中腹、末端の三つで別回転となっており、根元には二十ミリ機関砲と六十ミリ機関砲が備えられ、槍を主武装に敵陣に突っ込むための機体だということが分かった。

 そしてその穂先は、慣性に任せて漂っていたそれは偶然か、それとも神の|悪戯(いたずら)なのか青く蒼い地球に、刺々しいインテークの付いた穂先を向けていた。

 

『そうだ――どうせ変わらないのなら――』

 

 おもむろに槍を手に取ると、その漆黒の巨大は暗黒の海の中で騎士のような礼を取り向かって行った。

 惰性によって未来が閉ざされ多くの人間が壊死するというのなら、未来が変わらないというのなら、己の手で未来を変えてやろう。それが、この悪戯好きな神に対する|幽霊闘士(ゲシュペンスト・ケンプファー)のやるべきことだと信じて。

 

 

 

 

 

 

 その日、人類は再びの騒乱に巻き込まれた。

 |黄金の夜明け団(ゴルドーデンメルング・ブリゲイド)による、進入禁止を破った|静止衛星軌道居住区(コロニー)への|機甲化強化歩兵(マシーネントルーパー)の襲撃、汚染されゆく街並み、殺されゆく人々。

 少女は英雄と出会う。

 

 

 

「な――なんで、ここに……だって、だって夢に出てくるだけの、ただのMTのはずなのに?!

 

 

 

「私は死にたくない、死にたくないんだ!アナタでしょう、私を救ったのは!

 

 

 

「無責任にあの時私を助けて、楽になることも安穏とすることも許されずに苦しみを与えて――だから、だから助けなさいよ!もう一度、もう一度だけで良いから……責任とってよ!

 

 

 

『開発コードPrototype Next=Maschinen Trooper001シュトルム・ウント・ドラッヘが起動しています!

『パイロットは誰だ!今すぐに止めさせろ!

『アンタは黄金狂どもがタジロ汚染していくのを指加えてみているつもりかよ!?

 

 

 

『見たことねぇタイプだが、おい、やっちまうぞ!

「死んでたまるか!私は私が何故生きているのかを知らない!知るまで死んでやるものか!

 

 

 

『俺が、死ぬだと!?

『黄金卿は、九十九日間天に祈りをささげてついに干ばつにあえぐ村に雨を降らせたのだぞ!!

「――――――そんだけ待ってれば雨の一つや二つ降るでしょ…………」

 

 

 物云わぬ証人が――――――

 

 

 

『人間は空を飛ぶように作られてはいない。彼のイカロスが、そして彼のレオナルド・ダ・ヴィンチですら失敗し、動力に頼らねば人が空を飛ぶことはできないと証明した。

 暴的な異星生命体に抵抗する意思をすら忘れ、安穏とし、そして静止衛星軌道に浮かべられた|揺り籠(クレイドル)によって壊死していくならば、それらは我ら黄金の夜明け団が是正していかなければならない。

 私は信じている。諦めなければ人は、人類は!憎き略奪者どもを退けることが出来るのだと!

 さぁ立ち上がれよ人類!逃げることはすでに許されないのだから!

 

「くそが!黄金の夜明け団め、すでにそんな場合じゃねぇってのに何を悠長なことを――希望的観測で勝てるんだったら、とっくに勝ってるんだよ!

「それが|MTND(マシーネントルーパー・ニュークリアードライブ)、なのですか」

「そうだよ……!地球環境を壊してでも種の存続のために戦争して、それでも勝てそうにねェからこんな泥仕合続けてるんだ!

 

 

 

「形態変形?換装させるまでもなく……?

「この機体は――おかしい。とりあえず輸送艇の艦長にだけは話を通しておく。詳しくは任務後、だな」

 

「自己進化能力とでも呼ぼうか、ゲームみたいな話だが。どうやらこいつは、お前さん以外をパイロットとは認めないらしい。なら、胸張っとけよ」

 

 

 

『――――シュトルム・ウント・ドラッヘが人類の最後の希望だ』

『なんでか知らんが、そいつはお前を守ろうとしている。どこの誰が仕込んだのか分からない|生体電脳(グリムゲルデ)の機能だろうが、そいつはきっと今に大きなことを成し遂げる。自動回復、自己強化、自己整備も、それのための副産物に過ぎない』

『そいつは進化したがってる。お前とともに成長したがっている。だったら、そいつに|手前(テメエ)ってものを教えた母親であるお前がそいつを上手く使いこなせ』

『じゃあな、可愛いパイロットさんよ。向こうであわねぇことを祈っとくぜ』

 

 

 

『猛烈な速度で接近する機影を確認!機体反応は――シュトルム・ウント・ドラッヘ!?

『どういうことだ!他の試作機は全機解体したってのに!

 

「黒い、シュトルム・ウント・ドラッヘ……?

『初めまして、妹』

「その声、姉さん!?なんで、なんでそんなところに!

『問答は無用だ。進化する前に、お前には死んで貰わなければならない。お前はそのために存在する。それが、私の復讐だ。恨めよ、お前と言う存在の罪を』

 

「なんで私がいつもこんな役回りなんだよ――ならなんで私を助けたんだよ……!姉さん、答えてよ!

『聞けば答えてもらえるという甘え、流れに任せるまま機械のように殺し続ければ良いという安堵、私はそれが――――堪らなく憎い……!あぁ、気持ち悪いよ反吐が出る』

「ふざけるな!

 

 

 

『早すぎる……こんな進化、計画に入ってない!

「■■■■■■■■!!

『機体がパイロットを取り込んだだと!?くそっ、所詮は獣か!

 

 

 

 ゼロ時間へ向かい――――――

 

 

 

「元気だしなよ。お姉さんが君を襲ったのだって、もしかしたら已むに已まれぬ理由があるのかもしれないんだし」

「アナタも、アナタまでそういうの……?じゃァなに、全部ワタシが悪いッていうノ?大人しく殺されろッて言うの?――皆、テキになるンだね」

「……………………」

「――誰か、助けてよぉ…………」

 

 

 

『ここは俺たちで抑える!君はお姉さんを一発ぶん殴ってこい!

「でも!

『デモもダッテもない!俺は君に生きてほしい!一方的に死ねだの何だの宣告してくる姉なら、何発でも殴って正気に戻してこい!

 

『ハッチ開くぞ!後は勝手に発進してくれ!

「ありがとう!帰ってきたらお礼するから!

『期待しないで待っとくよ……ほら、さっさと行った行った!時は金成って言うだろ?

 

「頑張れよ――――」

 

 

 

「なんで、姉さんはなんで私を殺そうとするの?教エテよ」

『――良い目をするようになったじゃないか…………まぁ、答えてやらんでもないさ』

 

『お前は私のコピーなんだよ。厳密には違うが、そう大して中身の意味合いは|違(たが)わない。私は一巡目でお前が二巡目、ただそれだけさ』

「訳分かラねェッツッてんだろ!馬鹿にモ分かるヨウニ話せよ!

『いずれわかるさ――とにかく今はその|幻影猟兵(ゲシュペンスト・イェーガー)を抱いて安らかに眠れ』

 

 

 

「ごめん。姉さん、戻ってくれなかったよ」

「だから云ったろ、期待してないって」

「なぁに、それ?もう少し慰めてくれたっていいじゃない」

 

「でも、同じ機体を使う以上、そして計画にない進化と言った以上あの機体も、ほんとは進化前の形態に戻しているだけなのかもな。ほら、ゲームによくあるじゃん。進化後も進化前の形態になれるってやつ」

「私は、姉さんじゃないから――」

「それで良いんだよ。お前はお前だ。生きたいって願いだってお前の物だ。だから、お前はお前のお姉さんみたいにならなくて良いんだ。お前はお前が望むままに、求めるままに我儘であればいいのさ。まだ子供なんだから」

 

 

 

 死が、最後にやってくる――――――

 

 

 

「お、おい――なんで市街地に、軍用MTが……」

「じ、自衛隊だ!自衛隊を呼び戻せ!あの税金泥棒たちだ、早く!

 

「無茶言わないでくださいよ。もうMTNDも停止させちまってるんですから。再始動まであと数時間はかかりますよ」

『誰が税金払ってると思ってるんだ、この税金泥棒!

『そうだそうだ!こういうときのための軍用MTだろうが!

「――アンタらが戦争反対だの何だのと云うから、だからこっちはそっちの言い分に従ってやっただけでしょうが!自分で言った言葉の責任くらいしっかり果たしやがれ!――艦長、出航準備終わりました!すぐに出航しましょう!

 

「あれは――噂には聞いていたが、ああも早いとはな――――」

 

 

 

「これより、黄金討伐作戦を開始する!

「ゲシュペンスト・イェーガーを先陣に各個撃破、一人も逃がすな!

 

「私が、私が一人でやります!――いえ、やらせてください。お願いします」

 

 

 

『人類は諦観のうちに壊死する。それを加速させる箱舟に乗せることは断じて許さん!

 地上で生まれ地上に生きてきた。そして人の意志が結集すれば、それはとてつもないエネルギーへと変わる!私はそう信じている!

 

『私はそれをこの目で見てきたのだ!惨禍の中佇む黒い巨人を!多く人々を背にたった一人戦い続けるあの雄姿を! たった一人の勇気によって異星生命体のことごとくを討ち滅ぼした姿を、一巡目で!

 何も全人類に強制するわけではない。逃げることだって時としては正解だろう。ただ、ただほんの一握りの勇気を出してほしいだけだ!補給などの後方活動でも良い、全人類一丸となることこそ、勝利のカギなのだ!

 戦えぬなら戦えぬなりに闘い、戦えるなら先陣を切りその背中で語っていく。それが真に勇者というものだろう?――そうとも、全人類皆等しく勇者なのだ!

 

 

 

『黄金の夜明け団諸君――――――――――我らの負けだ!

 だが、ただの敗北ではない!ここにいる彼女を頭に、私は宣言しよう!国際連合軍のためではない、全人類の未来のために!彼女とともに、ともに戦おう、諸君!異星生命体の邪知暴虐から、無辜の民を救うために!

 改めて、改めて諸君に頼みたい、私と、いや、彼女とともに戦ってくれ!

 

「――――――何、この茶番……」

 

 

 

『憎たらしい――あぁ、憎たらしいよ、|二巡目(ワタシ)。一巡目で出来なかったことをいとも容易く…………すでに黄金狂から聞いているだろ、一巡目の話を。そうさ、私がそれだよ、私、柊ミソギは一巡目の世界の柊ツカサだ。だからこそ私はお前が憎い。安穏として、戦う理由すらもなく、ただただ生き残りたいがゆえに闘い、生き残りたいがゆえに殺す。これほどの身勝手、許されようはずもない。

 故に私は、お前を殺す。それが一巡目で果てた彼らに捧ぐ|無謬(むびゅう)の慰めになると信じて』

「私は私だ!姉さんは姉さんだ!それに間違いはない!いつまでも前のこと引き摺ってんな!姉さんが間違いを重ねると言うなら、私がその間違いを正す!

『だから、姉妹ですらねぇって言ってんだろ!何度言えば分かるんだこの馬鹿野郎が!

 

 

 

『私はどんな理由があろうと、生きていたい。事故死なんて嫌だし、誰かに殺されるのも嫌だ。だって、私はお母さんとお父さんの分まで生きなきゃいけないから――あそこで死んだいろいろな人のために、老衰で死ぬまで絶対に生き抜いてやるって、あの|四方(よも)を白い壁に囲まれた部屋で、そう決めた。姉さんも、同じでしょ?

『――――良いのかよ、だって、私はお前を殺そうとしたんだぞ』

『分かるもん。仲良くなくっても、嫌われていても、一緒に生活していた人が消えたら、私も同じことすると思うから』

『――――――馬鹿な妹を持ったものだなぁ、私も』

『じゃあ、私は馬鹿な姉を持って苦労してるよ』

 

 

 

「――|鉄のナイチンゲール(アイゼン・ナハティガル)。私が辿り着けなかった、進化の先の姿……鉄のナイチンゲールとは、云い得て妙かな。大事にしろよ、妹」

「分かってるよ」

 

『ケンプファーのオルクス・ランツェとアイゼンのオプファー・シュラーク、両方のフォトンブラスターで一気に片付けるぞ!どうせ相手は言葉が通じない、倒せるだけ倒しておこう』

「分かった。じゃあ、敵の本体に取りつくまでは、援護してね」

『分かってるよ、アイゼンが最後の希望だからな、守り抜いてやるよ』

 

 

 

「そうか――そういうことだったんだ…………君たちも、被害者なんだね。なら、もうお互い傷つくようなことはやめよう。無益だから――私が|人身御供(ひとみごくう)になれば済む話なら、この体だって捧げるからさ――ね?

 

 

 

『ごめん、やることが出来ちゃった。見過ごせないよ、攻め入りたくって攻め入ったわけでも、意思疎通の方法を知らなくって間違えて――うん、姉さんが一巡目の世界から来た理由も、そして光子波動機関の謎も、全部理解したよ。そう、このときのためにあったんだよ――だから姉さん、ごめんだけど“さよなら”』

 

「おい、おいツカサ!どこ行くんだよ、ずっと一緒に居ようって言ったじゃないか!そうやって、そうやってまた私を置き去りにして行っちゃうのかよ……!もう嫌なんだよ、失うのは――もう嫌なんだよ、大切なものが目の前で消えて行くのは」

「なんで、なんで分かっている癖にそうやって勝手にいなくなるんだよ!本当に勝手すぎる!勝手すぎるよ、お前は!

 

 

 

「絶対に、梃子でも私はここを動かねぇ――あいつは帰ってくるって言ったんだ、だったら姉として、絶対に待ち続けて、帰ってきたら一発ぶん殴ってやる」

 

 

 

 そして誰もいなくなった――――――

 

 

 

『ただいま、姉さん』

『――全く、遅すぎるよ。もう一カ月だぜ?

『そんなに経ってたんだ――まだ私は三十秒くらいだと思ってたよ』

 

 

 

『――帰ろう、私たちの家に。旅話は、その間にでもゆっくり話してくれればいいさ』

 

 

 

Im() a() Thinker(思想者だ).《私は思想者だ》

I(私は) could(世界を) break(すら飛び) it(飛び) down(越えられる).《私は世界をすら飛び越えられる》

Im() a() Shooter(戦士だ)《私は戦士だ》

 a(極端な) Drastic(方法しか取れなかった) baby(赤子だ).《極端な方法しか取れなかった赤子だ》

 

Agitate and(戦って)  jump out(絶望し), 《戦って絶望し》

feel it (運命を変え) in the will(られると盲信した).《運命を変えられると盲信した》

Can you(そんな私と)  talk about(語り合って)  Deep-sea with me(くれないか?).《そんな私と、語り合ってくれないか?

 

Thedeep-sea fish(愚かな私は憎むべき) loves you forever(貴女を愛してしまった).《愚かな私は憎むべき貴女を愛していた》

All are as your(そう、全ては貴女の) thinking over(云うとおりだったんだ。).《そう、全ては貴女の言うとおりだったんだ》

Out of Spacewhen(闘いしか出来ない私でも、) someone waits there(貴女を愛することが出来た).《闘いしかできない私でも、貴女を愛することが出来た》

Sound of jetthey(だから、私は貴女の) played for out(帰りを待ち続ける). 《だから、私は貴女の帰りを待ち続ける》





 いかがでしたか?何となく作品の空気が分かるようにセリフも思わせぶりなものだけで作ってみましたww
 連載するかどうかは現在検討中です。まぁ、最終的には劇場版機動戦士ガンダムOOみたいになりますww進化とか何とか、ゲッター臭い単語が出てきましたが、どちらかと言うとゲッターとマジンガーと甘粕成分とヴァルゼライド成分をミキサーで混ぜたらこうなった、って感じです。
 これからもなろうで活動中の私、魔弾の射手ことfgundamをよろしくお願いします。


魔弾の射手 




空想科学戦艦伊吹、堂々の完結!

 明日の更新を待たずして完結編の予約投稿を宣言します。散々難航していた最後の幕間を書き切り、設定資料集と共に隔日予約投稿しました!
 予約日時は両方とも明日と明後日の深夜0時です。ぜひとも読んでいただきたく思います。
 なお、投稿が完了した物から順にリンクを張っていく予定です。
 空想科学戦艦伊吹の世界からやはりシリーズものを考えております。以前投稿した短編小説もその一部という位置づけとして、何個かシリーズを書いて終わらせようと思います。
 これからもfgundamと魔弾の射手をよろしくお願いします。



 空想科学戦艦伊吹 
 幕間 ~就役~
 機密 ~資料~

新作投稿+幕間予約投稿

 小説家になろうにて以前投稿した『Der Freischütz~魔弾の射手~』とシリーズそのものネタバレ的展開を含めた短編を昨日投稿しました。いつも通り記事の最後尾にリンクを貼り付けます。
 この短編では主にシュウ・ラングランという本編では噛ませ犬だった人のバックボーンなどを描写しており、本編の意味の分からなさに拍車をかけるためのモノになります。それでも本編の意味の分からなさを緩和させる描写も入っております故、一概に意味が分からないモノには仕上がっていません。

 そして、以前から空想科学戦艦伊吹の幕間を二話投稿すると言ってきましたが、どうにも二個目の幕間がうまく書けないので、アイデアがまとまるまでのつなぎとして別の案のほうを採用、午前零時から午前三時までに書き上げ予約投稿済みです。幕間のサブタイトルは『雷撃』です。その名にふさわしいとんでもなく重い話が展開されていますが、一言だけ断っておきます。作者は病んでおりません。作風がそうなだけです。
 既定の時間になったら空想科学戦艦伊吹の幕間のリンクもこちらに張らせていただきますので、お待ちください。
 これからもfgundamと魔弾の射手(fgのなろう内でのHN)をよろしくお願いいたします。






シュウ・ラングランと云ふ男
空想科学戦艦伊吹
空想科学戦艦伊吹 幕間 ~雷撃~



空想科学戦艦伊吹の幕間、予約投稿しました

 空想科学戦艦伊吹の幕間を4月16日の午前零時に予約投稿しました。
 今回の話は本編よりも以前の話なので、主要キャラクターのほとんどは登場しません。話の内容そのものもかなり暗い話なので、それらに耐性のない方にはあまりお勧めできません。
 第六話と第七話同様にこの話も読んだ皆様自身に考えていただくことが前提となっております。この話を呼んでどう思うかは皆さまの自由です。自分の中で整え他者の意見とすり合わせて納得のいく結論を得、そしてそれを現実でも生かしていただければと思います。
 とかなんとか偉そうに言ってますが、要するに頭良いだけの馬鹿にならないほうが人生楽しいよねってだけです。
  実はこの幕間、三話に増やそうかなとか考えていたりするんですよねぇ……。本編で描写しなかった戦争するしか能がない国のパートを入れ忘れていたので、入れるべきか入れないべきかで悩んでいます。まあ、もしかしたら入れる可能性があるかもとだけ覚えておいてください。
 次回の幕間は本編では全く描写されなかった婚約者君のパートとなります。こんな作品でも楽しみにして頂けるのなら、自分は本当に幸せだと思っております。
 これからもどうぞよろしくお願いいたします。ついでに、毎度のごとくですが空想科学戦艦伊吹のリンクを張っておきますので、気になった方がおられたらどうぞ気軽にお立ち寄りください。4月16日には幕間のリンクも貼り付けます。

 空想科学戦艦伊吹


幕間 ~竣工~
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