『トランスアメリカ』を観た。
最高。
あんときゃ良かった70年代アメリカ映画の匂い。
「あなたは今幸せですか?」
「これからなるの、なるつもり…」
男性が女性になる手術を前にした、不器用だけど特別な親子のロードムービー。
性同一性障害の男性を演じるデスパレートな主演女優、驚くべきフェリシティ・ハフマン。
声、仕草、歩き方…すべてが愛しくて、可笑しくて、哀しい。
旦那ウィリアム・H・メイシーがエグゼグティブ・プロデューサーなのも、なんか微笑ましい。
彼(彼女)と相性バッチリの息子トビーを演じるケヴィン・ゼガーズは、初めてジョニー・デップを目にした様な輝きを放つ。
ぶっちゃけ、“リバー・フェニックスの再来”は言い過ぎ。
ルックスはスキート・ウールリッチ(最近見掛けない)そっくりだし、『マイ・プライベート・アイダホ』と、キャラがカブるだけ。
「体は中途半端でも魂には何の曇りもないわ」
心が何度も傷付いたって、魂には…
手術をしても、治らない病気がある。