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山田洋次監督『武士の一分』。

深谷シネマ怒涛の三週間興行。

最後の一週間。

 

赤塚真人は山田時代劇には欠かせない存在。

緒形拳演じる剣術の師匠役は、やっぱり田中泯に演じて欲しかった。

木村拓哉は…やっぱり木村拓哉。

 

男が刀を握る瞬間。

『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』は藩命。

今回は、愛する妻のため。

 

だからだろうか?

前二作とは全く違った趣。

僅かな日本の原風景と共に、物語の世界観も極々シンプルな印象。

 

“つましさ”

“身の丈”

そんな言葉が、五臓六腑に染み入ってゆく。

 

前二作では、大好きな神戸浩チャンが演じた主人公に仕える中間役。

『ミリオンダラー・ベイビー』モーガン・フリーマンを意識した笹野高史サン。

父、ときには母の様に、つましく生きる若い夫婦をどこまでも不器用に、どこまでも優しく見守り続ける。

 

背伸びせず“身の丈”に合った生活をすることの潔さ。

“つがい”の文鳥を探す(笹野サン演じる)徳平に想いを馳せながら観るエンドクレジット。

ラストの晴れやかな余韻と、暖かな山形庄内弁は三部作すべてに共通する。

 

おそらく日本で一番“つましい”映画館。

日本人の“身の丈”に合った映画館。

深谷シネマでの上映は、あと5日。