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リトル・ミス・サンシャイン』を観た。

爆笑&号泣。

負け組家族の、押しがけロード・ムービー。

 

丹念によく練り上げられた、手打ちうどんのようなマイケル・アーントの脚本。

ツルリとした喉越し、それでいて腰がある(座ってる)。

そばより断然うどん好き。

 

上昇志向の強い、いかにも中流家庭のアメリカ人リチャード役、グレッグ・キニア。

シェリル役、逆境に強い母親ならトニ・コレット。

ただ、そこにいるだけで笑わせる存在感はビル・マーレイとタイ、スティーヴ・カレル演じるフランク。

歓喜の悲鳴とともに、宝石のような輝きを放つオリーヴ役、アビゲイル・ブレスリン。

ドウェーン役、ポール・ダノとの出会いが最大の収穫…日本版なら新井浩文に演じて欲しい。

「毒が強すぎる」と監督に一度断られたとき、最高の褒め言葉と感じた…毒舌おじいちゃん、アラン・アーキン。

 

坂道発進か、押しがけじゃなきゃ走らない車。

やがて大声(クラクション)で喚き散らす車。

華麗じゃないフーヴァー家の一族が乗り込む、黄色信号のフォルクス・ワーゲン・ミニバン。

 

夢破れたドウェーンが大声で喚き散らし、車から飛び出して丘の下に蹲る。

ぎこちなく坂を下り、何も言わず兄の肩を抱く妹オリーヴ。

家族が待つ車に向かって坂を上るとき、妹を助ける兄ドウェーン。

 

人生は、果てしなく続く坂道を、ゆっくりと下って(上って?)いるような…

上りも下りも、坂には変わりない。

「勝ち組」も「負け犬」も、“老い”には勝てない。

 

砂肝、軟骨、きくらげ…“歯応え”のあるものに目が無い、今日この頃。

心の片隅にずっと置いておきたい、スルメ映画。

第79回米アカデミー賞は、この作品への予想以上の高評価が、唯一の救いかも。

 

…満腹なのに、お腹空いた。