一昨年、公開された映画「ジョーカー」は、公開時、この主人公のように悪を肯定しかねない人たちが出てくるのではと懸念されましたが、まさにそのジョーカーに自らを扮して社会に衝撃を与えた事件が日本で発生しました。

ハロウィンの日に、ジョーカーに扮した男は、京王線の特急列車に乗り込み、次の停車駅までの距離が一番長い区間に差し掛かったところで、持っていたナイフで乗客を斬りつけ、車内に放火しました。斬りつけられた人は重体とのことですが、幸い車内の火災は大事には至らずに済んだようです。

こういう事件が起こると、必ず模倣犯が出かねないと言われていましたが、案の定、 京王線の放火事件を模倣した事件が九州新幹線で発生しました。

九州新幹線 車内で放火未遂か 男逮捕「京王線事件をまね」供述https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211108/k10013338381000.html

ちなみに京王線の犯人も、小田急線での放火未遂事件を参考にしていました。

宮部みゆきの小説に悪の連鎖を描いた作品がありましたが、まさにそんな状況が発生しています。


ところで、この一連の列車放火事件、小田急線の犯人はサラダ油に火をつけようとするも失敗。京王線の犯人はその失敗から学び、ライターオイルに火をつけます。九州新幹線の犯人もしかりです。

この話を聞いて、なぜ犯人はガソリンを使わなかったのだろうと疑問に思っていたのですが、京王線の犯人がその理由を説明していました。

現在、日本ではガソリンを容器に入れて買うには身分証明を提示しなくてはならず、車の免許を持っていない京王線の犯人がそんなことをすれば怪しまれると思って、ガソリン購入を控えたのだそうです。

僕は、日本では普通に容器にガソリンを買えたと思っていたので、いつからそんな法律が施行されたのだろうと調べてみると、令和2年(去年)からなんですね。こんな最近できた法律のおかげで、大事故になる可能性を防げたという事実を知って、この法律を通した関係者の方々にあっぱれ!と言ってあげたい心境です。

でも、なぜ、日本ではこの様な法律が施行されたのだろう…と調べてみると、この法律の背後には、あの京都アニメーション放火事件があったことが分かりました。

覚えている方も多いと思いますが、京都アニメーションのオフィスビルにガソリンが撒かれて放火され、才能溢れるアニメーターの方々大勢が死亡するという痛ましい事件がありました。その事件の後に、ガソリンを容器に販売する際には身分証明を提示するようにとの法律ができ、昨年施行されたのだそうです。

その対策のおかげで、今回の列車放火犯にガソリン入手を諦めさせたのは、法律の施行が功を奏したと言えるのではないでしょうか。法律施行に尽力した方々を労ってあげたい心境です。