ボストン美術館展@森アーツセンターギャラリー恋力はミルフィーユ

2010年06月05日

ゴッホ「星降る夜」と「星月夜」

国立新美術館『オルセー美術館展2010「ポスト印象派」』に行って来ました。

オルセー至宝の名作が大量に海を渡って来てました。
日本の他の美術館にも沢山来日中ですが(笑)、オルセーが大改装中だからこそ。
多分、こんなチャンスはそうそうありません。

オルセー美術館は3回行きました。そのたびに感動していた作品が
東京で見れるって、すっごく不思議(笑)
セザンヌのセクションも素晴らしい作品ばかりだし、モローの「オルフェウス」
ナビ派の始まるきっかけとなったポール・セリュジエの「タリスマン(護符)」
クロード・モネ「日傘の女性」、アンリ・ルソーの「蛇使いの女」、「戦争」、 
ヴァロットンの「ボール」
まで来てた。
あと、ロートレックの「赤毛の女」も!・・・すごい。

しかし、混雑を回避するためか、美術館によくある名画の横の解説書きが
ほとんどありません。各セクションの最初にざっくりとした説明があるのみ。
なので、これから行かれる方は、是非500円払ってでもイヤホンガイドは必携です。
基本的に、私は必ず借りるようにしてます。

けど、マネの「オランピア」「草上の昼食」、
ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」等はやはり門外不出なのかな(笑)

しかし、再会出来て一番嬉しかったのは、やはりこれだった。

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ゴッホの「星降る夜」
「ひまわり」などで強烈なインパクトがありますが、夜空、とりわけ星空を
たくさん描いてる数少ない画家です。絵の世界では、意外と珍しいんだよね。
画面の真ん中に北斗七星。下の方に恋人達。満天の星空と街の灯り。
暖かな黄色と暗闇。静寂。

空の星や恋人は"永遠"の輝きを放っているようにも見えるけど、なぜか水に揺れる
灯りや小船と共に、この恋人達の"いつかは終わる恋"を連想させられたりもして。

見てるとどんどん悲しくなってくる。いや、、切ないというのが正しいのかな。
なんだか涙が出そうになる。理由はわからない。

絵画にも色んなものがある。レースのひだ、手の透き通るような血管まで
精密に描き分ける画家もいれば、完全に"イメージ"の世界に浸っている画家、
"戦争"や"死"など、強烈なメッセージを伝えようとする画家。
ゴッホは、自分の部屋だったり、花だったり、自画像だったり、
描く対象に大きなインパクトはないのに、実物を眼にすると、物凄い感情が
ドバーっとこちらへ降り注いでくる。
"言霊"だけじゃないんだな。生命を宿すモノは。

この静けさ。
こんなにも静けさの中、、、なのに色んな感情が高ぶってくる。
ただの川辺の風景のはずが、とてつもなく宇宙的にも見えてくる。
夜空の持つ魔力なのか。

初めてこの絵を見た時にも全く同じ様な感覚があって、
とりあえず本などで調べてみた(まだネットがなかったから)
この作品はゴッホの最も幸福だった時代のものと言われている。
このアルルの地でゴーギャンとの共同生活をする。たった2ヶ月で破綻するけど。
しかし、この作品を描き始めた時には、既に苦悩の中にあったと書いてあるものも。

どっちが正しいとか、間違っているとかではなく。

その時の自分のテンションで、そんな風に見えてしまうのかと思ったりもしたんだけど
私は何度見ても、この絵が幸福な絵には見えない。切なさでいっぱいになる。

きっと、いろんな解釈があっていい。
是非、実際に眼にして欲しい作品です。

うーーん、、しばらく動けなかったな(笑)

ちなみに

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こちらは「星月夜-糸杉と村」
アルルでゴーギャンとのケンカの後、左耳を切って病院に運ばれ、
自らサン・レミの精神病院へと向かった後に描かれた作品。
この後、ピストルで自殺。37歳。

同じ夜空でも、こんなにも違う。後者の苦悩は言わずもがな・・・。

でも、なんだろう。
ゴッホの描く作品は、どんな状況、、たとえ狂気の中にあっても"透明"に感じる。
子供のような、無垢な透明感。

生きてる間に1枚しか売れなかった彼の絵は、
100年後には当時100億以上の値がつけられた。日本人が買ったのよ。
(「医師ガシェの肖像」の8250万ドル)

もしも私がゴッホと同じ時代に生まれていたら
私がゴッホの絵を眼にする事があったとしたら
同じ様に感情を揺さぶられたんだろうか?
"有名なゴッホ"じゃなかったとしても・・・?
と、いつも思ってしまう(笑)
・・・大丈夫。夜空大好き仲間だし・・・・(ほんとかよ)

やっぱり、素晴らしい絵だった。

あ、あと、大好き!と描いたばかりのルドンも2点だけど来てたんだよー(喜)

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ルドンの「目を閉じて」が来てたよーー(涙)!!

そして、、知らなかった!岐阜県立美術館にルドンがたくさんあるという事を!!
「ルドンといえば岐阜県美」と言われるほど世界的にも注目されていると
書いてあった・・・・。い、い、行かなければ!!

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「青い壺とミモザ、アネモネ」@プティ・パレ美術館
実物見て、感動の渦だった事を今でも覚えてる。

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「アポロンの馬車と竜」@オルセー美術館
これも。色んな意味で度肝抜かれた。

このページ、ルドンの絵の写真が充実してるから、自分のためにメモ♪

fillmore35 at 02:22│Comments(5) その他 

この記事へのコメント

1. Posted by ともこ   2010年06月06日 11:23
まいねーさんの感じる心って人並みではないと思っていたけど
とても繊細な感覚を持ってるんだなぁと改めて感じます。
そしてそれを言葉にして文字にして表現できることがすばらしい!

いちいち、うんうんそうだよね、と感じながら読み進めました。

ゴッホの「星降る夜」是非本物が見てみたくなりました。
2. Posted by もも   2010年06月07日 16:50
まいねー、ルドンが好きなのね! 「ウオ」って聞いたあとだと腑に落ちる。私は、オルセーなら、職人で気難しいドガだな! 小さいころは、スーラも好きだった。今回来ている中では、ルソーも好き。ピシッとしてるか、ニュートラルなのが落ち着くみたい。ピカソはどうでもいいようなのが来ていた(笑

後半に差し掛かるくらいにあった、白いネコの絵が印象的でしたよ。

ただ、もう印象派ってだけで混んじゃって、絵より、その場に居る人たちの雑多なエネルギーで全然立ち止まれなくて、名前を確認してこなかったよ。日本人って絵を見るときに、自分の生活を引き摺った思念を駄々漏れにし過ぎなんだもん。
3. Posted by まいねーさん   2010年06月08日 02:21
*ともこさん
お返事遅くなりました!
そうなんだろか?繊細な感覚なのかな?
子供の頃、自分が妄想好きだと確信したのは美術館でした。
絵が、動き出して、その絵の先のストーリーを作っり
話しかけてくるような気になったり、画家がそれを
描いてるシーンを想像したり(笑)
絵を見ながらニヤついたりする、かなり危ない子だったと思います。あはは。

*ももちゃん
うん、ルドン大好き!うお座っぽいよね〜
ある意味、みずがめ座っぽくもある(私は月がみずがめ座)
ドガ、、この人も生で見てその凄さに感動した一人。
画集で見てる時は「なんだ、この踊り子フェチは」
ある意味キモいって思ってたんだよね(笑)
小学生の時、卵の殻の貼り絵で、スーラの絵を
模写した記憶あるよ。

そして、あったね!白ネコ。うちのおかんが気に入ってた。
私は平日の早い時間に行ったから、まだマシだったかも。休日はギュウギュウだろうね。
絵はゆっくり見たい。色んな位置や角度から。

今度美術館めぐりしよっかぁ〜
4. Posted by 美々   2011年08月04日 15:32
学校の宿題でこれを見ました。すごく詳しく書けていて、すごいと思いました。
5. Posted by まいねーさん   2011年08月05日 22:49
美々さん、読んでくれてありがとう!
・・・あは、お褒め頂き光栄です。
少しは、、宿題のお役に立ったかしら・・・?

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