2023年12月17日
SEIKO 5 GMT のカスタム (SBSC001, SBSC003)
SEIKO 5 SPORTS GMTはこの時計です。発売当時は予約してもすぐに購入はできなかったようですが、発売から1年を過ぎ入手は容易になっているようです。
相変わらず公式の写真は時計の魅力を最低限に抑えるものになっていますね。
デザインはSKXを踏襲し、大きさは少しだけ小さくなって上下左右の比率も変わり、スポーティーな印象です。リューズがねじ込み式ではないとか、防水機能が劣化しているとか、Office GMTだとか、いろいろとネガティブなことも言われていますが、トータルとしてよくできている時計かと思います。
とはいえ、SEIKO好きとしてはカスタムしてこそでしょう。ところがGMT用のパーツがいまいち流通していません。海外のサイトを見ると「できること」「できないこと」リストがまとめてありましたので、少し紹介したいと思います。
この中では、Lucius のページが最も詳細に記述されています。特にムーブメントの高さの違い、それによって使うことのできるケースや、風防の種類なども分かるように書かれています。このページを翻訳して読めば、「できること」「できないこと」が一目瞭然です。おおまかにまとめるとこんな感じです。
1. できること
(Nikon Z5 + Contax Planar 1.4/50)
(同上)
- 風防の交換(サイズが同じ)
- 針の交換
- チャプターリングの交換
- 文字盤の交換(GMT用の針に必要な穴が大きいため)
- ベゼル・ベゼルインサートの交換
- 裏蓋の交換
今までのSKX用のパーツを使ってもできないことの方が多すぎるので、カスタム例があまり見当たらないのも理解できます。SBSC用のパーツも売られ始めているようですが、円安もあってまだ少し高い状態です。
(Nikon Z5 + Contax Planar 1.4/50)
できることからコツコツと始めるのが良いので、まずは針を交換しました。文字盤のインデックスから Tudor の SnowFlake の針が似合いそうだったので、GMTの針もまとめて namokimods に注文しました。
この交換が少し難易度高めでした。というのもLuciusのページからも分かるように針の取り付けの高さがかなりシビアです。3針のムーブメントではある程度適当に取り付けてもさほど不具合が無いのですが、GMTでは文字盤から風防までの高さがそんなに増えていないため、針の間隔のクリアランスが少ないのです。並行度合いに細心の注意が必要です。
(同上)
どうせなので風防もサファイアクリスタルに変更しました。このところ、いかにもなARコーティングに飽きがきていたこともあって、コーティング無しのモデルを選んでいます。また、サイクロップスレンズも倍率の高いものに変更しました。これは otto frei で購入したものです。この店のものは全体的に品質が良く、安心して使えます。
デフォルトの状態よりも日付が見やすくなっています。サイクロップスレンズはいらないといえばいらないですし、これはそのうちに取り外すかもしれません。
何というか、このシリーズはSEIKOのファンなら必須のアイテムですね。私が購入したのはSBSC003ですが、文字盤が黒いSBSC001も購入してしまうかもしれません。あまりROLEXに近づけたくないので今回は避けましたが、今度はベンツ針も良いかもしれません。
2023年10月15日
4R36 曜日・日付板の位置の調整
入手したSDBY013の日付と曜日の位置が微妙にずれているのが気になってしょうがなくなりました。
この画像を見てみてください。数字の「2」が何だか飛び上がっているように見えませんか。これはヨドバシカメラのウェブサイトに掲載されている商品画像です。
私の個体も同じような感じがするのです。該当となる部分を拡大してみました。
曜日は上下のスペースが均一ですが、日付は上下のスペースに偏りがあります。こういった何となくのズレが高級感を損ねているのです。QCを頑張ってください > SEIKOさん
さて、この修正方法です。手順はシンプルです。
- 裏蓋を開ける
- ムーブメントを取り出す
- 針を外す
- 文字盤を外す
- 曜日板を外す
問題となる箇所は赤丸で囲ってある部分です。
この三角形の部分が日付板を「固定&位置決め」をしています。このプレート自体の工作精度は良く、ムーブメントにピッタリと付けられるようになっています。つまりプレートを動かす余地は無いのです。さらにバネ部分を曲げるのはとても困難です。細くて薄いのです。
そこで、青色の部分を削ります。このときに削る分量には十分に気をつけてください。削りすぎると日付窓の下方向に日付が表示されちゃいます。そうなったらバネをいじるしかなくなります。
「削り、文字盤で確かめ、削り、確かめ...」を繰り返していき、ベストな位置を見つけてください。
さて、日付や曜日がずれる問題はムーブメントにのみ起因していないように思います。というのも別の文字盤を付けてみると「あれ?ピッタリ」みたいになるのです。つまりエト足の取り付け位置にも原因がありますし、スペーサーの穴の位置にも原因はあるのでしょう。日付のズレ自体が、0.1-0.2mm程度のズレなのですから、さまざまな部品の精度が複合的に影響してくるはずです。
製造時にここまでQCを行なっていたら、価格は跳ね上がりますね。ちゃんとQCしてくださいなんて言ってすみません。> SEIKOさん
2023年10月14日
SBDY013 のカスタム
陸ガメに来ていただいてから、どうにもウミガメのことが思い出されてしょうがなくなりました。
日々、思い悩むのも疲れてしまったのでウミガメにも来ていただくことにしました。
しかしながら、ここしばらくのSEIKOの値上げにはついて行くことができず、King Turtleには手が届きません。「欲しくなっちゃった〜」みたいな気軽な気持ちで買えるものではありません。さらに、いろいろと完成されているようにも見え、カスタムの面白さも期待できなさそうです。たとえばこのモデルなど、風防がサファイアグラス、ベゼルインサートもセラミック、ベゼルのデザインもまとまっています。
そこで古いモデルを探しました。以前はSRP777(SBDY015)を持っていたので、そのバリエーションでSBDY013をゲットしました。もはや公式サイトには情報さえ乗っていないモデルです。このショップでは公式サイトから流用したと思われる画像がありますのでリンクをはっておきます。SEIKOの写真は、相変わらずの所有欲を失わせてくれるクオリティーです。
今回のカスタムは以下の3点です。
・針の交換
・チャプターリングの交換
・ベゼルインサートの交換
針は文字盤のデザインと合っている(12時、6時、9時のインデックスの飛び出ているところと針の先端を合わせている)ので実用的かつ統一感はえられるのですが、Seiko Boyを思い出してしまうので変えました。
丸いインデックスとSnow Flakeの相性が良いのと、秒針の先端部が6,9,12時のインデックスと意外と合っています。
次にチャプターリングです。もともとが黒いプラスチックに白く目盛りが印刷されているものです。プラスチック感が質感を下げてしまうので、金属製のものに変更です。
候補は2つ。「艶あり黒」「艶あり青」です。
まずは艶あり黒から。
次は青を。
写真でははっきりとは分からないのですし、見てもよくわかりません。どっちも良い感じがするし、どっちも良くない気もするのです。
それでも考えてみると、黒は周囲を暗くしてくれるので、文字盤を目立たせて重量感が出る一方、青は文字盤をにぎやかにしてくれて、時計が明るくなります。落ち着かせたいときは黒、カジュアルにしたいときは青でしょうか。
針はどちらの色でも大丈夫そうです。
チャプターリング単体では判別が難しいので、ベゼルインサートと合わせてみました。
青です。
黒です。
デフォルトのベゼルインサートならどちらのチャプターリングでもいけます。0-20時の青が効いてます。
ベゼルインサートを黒いセラミックにしてみたところ、圧倒的に黒でした。
カスタム終了後
標準のベゼルインサートです。
腕につけてみると、やはりタートルはしっくりきます。ウミガメも陸ガメもどちらも素晴らしいです。