※このセッションはどどんとふを使用したオンラインでのプレイが前提です。
よってロールプレイ用の余白を多めにとってあります。
オフで使用される場合プレイ時間が半分程度になるものとお考えください。



「迷宮の見る夢」

推奨プレイ人数:3~4人
推奨レベル:2~3
プレイ時間:5時間~
スタイル:ダンジョン

雰囲気:ホラー、ラストはほっこり


〇コンセプト 
少しホラーなダンジョン探索

〇どんな話?
蛮族に殺された少女の思念が魔剣の迷宮を生み出した。
その迷宮の情報を得た冒険者たちは迷宮に挑む。
少女の無念を晴らし、魔剣を手に入れることができるか?

〇クリア条件
迷宮からの脱出

〇失敗条件
冒険者達の全滅

〇背景設定
かつて、とあるのどかな村にオリンという少女がいた。
彼女の父親は仕事で忙しく、
オリンは日々独り寂しく遊んでいた。

だがそんなある日、
彼女の住む村に蛮族が襲撃をかけてきた。
大人たちは殺され、
オリンら子供たちは蛮族の食料として連れ去られた。

たまたまそこへ通りかかった冒険者の男が、
子供たちを助けるべく蛮族の元へと向かった。
彼は蛮族たちを退治したものの時すでに遅く
オリンたちを助けることはできなかった。

彼はオリンの亡骸を埋葬し、
自らの魔剣をその墓標とした。
彼の持っていた魔剣は「アーリワルド」といい、
持ち主の想像したものを具現化する力があった。

墓標となったアーリワルドはオリンの思念に反応し
彼女の生前の願い
「もっと遊んでほしかった」
という想いを増大させ
魔剣の迷宮を生み出したのであった…。



プレイヤー操る冒険者一行は、
とある経緯で魔剣アーリワルドが眠る迷宮の情報を得る。

はたして彼らはこの迷宮から
魔剣を持ち帰ることができるのだろうか…。



イメージとしては不思議な国のアリスのように
あやふやでどこかイカれており、
常人からすれば時には恐怖も感じる
そんな迷宮となっています。
これはオリンの死亡した際の恐怖や遊んでほしかったという無念が
魔剣の力で歪んで増大した結果です。

また、迷宮内の各部屋はオリンの生前の願いや思い出が
歪んで具現化した構造になっています。

そして迷宮脱出後、プレイヤーはその事実を知ることになります。


〇登場NPC
・オリン
目的:プレイヤーたちと楽しく遊ぶこと。

かつて蛮族に殺された少女。種族は人間で年齢は5歳ほど。
迷宮内で幽霊となってPCたちに遊んでほしいと懇願する。

生前はごく普通の少女だったが、
魔剣の迷宮内で幽霊となった結果「遊んでほしい」という
想いだけが増大し、遊んでくれない人は殺すといった
かなり危険な性格となっている。

しかし自分の遊び相手となってくれる人物には好意的で
年頃の少女らしい無邪気さも見せる。
人形遊びが大好きで、特にウサギの人形がお気に入り。

彼女から得られる情報は、
魔剣を入手する重要なヒントとなる。
よって、できるだけ彼女の願いを聞いてやり、
情報を得ることが大事とプレイヤーに印象付けること。


・ウサギさん(キラーラビット)
元々はオリンが大事にしていたウサギの人形。
迷宮内では魔剣の影響でキラーラビットとなっている。
生者を見つけると襲い掛かり、その首をはねようとする。
いわゆる即死トラップ。
オリンがいれば制止してくれる。



・お父さん
オリンの父親。
数年前の蛮族襲撃の際に殺されてしまった。

迷宮内ではオリンから見たイメージとして出現。
ひたすら机で仕事をしており、話しかけても
「今忙しいから、自分のお部屋で遊んでなさい」
と繰り返すのみ。




〇シナリオ内容
※シナリオ中で文章が斜体になっているところは
GMによる状況描写の一例です。
そのままコピペして貼り付けるなり読み上げるなりしてください。



・オープニング
冒険者の店で魔剣「アーリワルド」の眠る迷宮があることを知り
迷宮の入り口へとたどり着いたところからセッションがスタートする。
あらかじめPTを組んでいるという設定だとスムーズ。
もし店内からセッションを始めたいときは以下の情報を与えること。



君たちは冒険者の店で依頼を探している
駆け出しの冒険者パーティだ。

ある日酒場のマスターが耳寄りな情報を持ってくる。
魔剣「アーリワルド」が眠る迷宮の情報だ。
マスターの話によると、
ここから馬車で三日ほど行ったところに
廃墟となった村があり、
その村のはずれに赤いレンガの屋根の住居がある。
その住居のそばに入り口があるそうだ。

この迷宮の入り口の情報は、
冒険者の店御用達の情報屋「エイリス」が店に仕入れてくれたもの。
以前あの村を通った時は
あんなものなかったと彼は言っていたので
おそらく魔剣の迷宮ではないか?とのことだ。



「今朝早速この話を聞いて、別の冒険者パーティが調査も兼ねてその迷宮へと向かった」
「もし本当に魔剣の迷宮だとしたらまだ間に合うかもしれないから行ってみるといい」

と、マスターがPLにも情報を回してくれる。



この時
「既に別のパーティが迷宮に向かった」
ことを明確にPLに伝えておくこと。
この別のパーティを迷宮内で犠牲者として演出し
プレイヤーに迷宮の恐怖を感じさせるのである。詳しくは後述。
PCたちがこの情報を得て村へと向かえば
徒歩三日ほどでその廃墟へとたどり着く。
村にたどり着いたら以下の描写をする。



村は荒れ果てて年月が経過しており、草が生い茂っている。
住居は壊され、まるで何者かの襲撃にあったように無残に荒れ果てている。
住民、そして先行したという冒険者一行の姿は見当たらない。

※この村はかつて蛮族の襲撃で滅ぼされてしまった。
PLたちはまだこのことを知らないので単に廃墟とだけ認識してもらえればよい。

マスターの情報を頼りに村のはずれに行くと
そこには赤いレンガで出来た屋根の家があった。
その家の近くに不自然に盛り上がった丘があり
丘の頂には黒い洞穴がぽっかりと開いている。
穴を覗くと、下へと続く階段が闇の中へと続いている。



村に着いたらすぐに迷宮の入り口の描写へ進めてしまってもよい。
この穴に入るとPCたちは不思議な光に包まれ気を失い
気づくと迷宮のスタート地点の部屋に横たわっている。




・迷宮内

迷宮内の構造は以下の画像を参照。
map

ドアの画像のところはドアがあり閉まっている。
6の部屋のドア以外は基本的に判定なしで開く。
しかし、スカウトの出番を増やしたいなら
他のドアにもいくつか簡単に開く鍵や罠を仕掛けてもいいだろう。
その場合はやりすぎない程度に、一つか二つ増やすのがオススメ。


各部屋はオリンの想いが具象化したものであり
その部屋でプレイヤーたちがとった行動で
5の部屋にいるオリンの反応が変化する。

また、各部屋には子供の字でメッセージがある場合があるが
それらの言語は全て交易共通語とする。






1.開始地点の部屋

迷宮に入り気を失ったPCたちはここで目を覚ます。
短時間で遊びたいときはオープニングをやらずに
いきなりここから始めてしまってもよい。

その場合は

・冒険者たちは気づいたらこの部屋に横たわっていたこと
・魔剣の迷宮の情報を得て、その迷宮があるという村の廃墟に来たこと
・廃墟の外れに迷宮の入り口があり、そこに入ったら光に包まれ気を失ったこと

これら三点をPCが思い出すということにして、プレイヤーに説明すること。

迷宮内にPCたちが入ったらまず次の描写をする。

君たちはハッと目を覚ました。
意識を取り戻しあたりを見渡すと、
どうやら室内にいるらしいことが判明する。
部屋は白を基調とした壁や柱で出来ており、
床は薄い桃色の絨毯が敷いてあった。
どことなくかわいらしい感じの雰囲気だ。

君たち以外に部屋には誰もおらず
物音一つしない。

体に特に異常はなく、持ち物もちゃんと持っている。
体の無事を確認した君たちは改めて部屋を見渡す。
この部屋はオモチャが床に散らばり、正面にはドアがある。
広さは5m*5mほどで、ドアのほかに出口は見当たらない。
また、部屋の中央には木でできた机がある。
その上には
『PC達そっくりの人形』
『ウサギの人形』
が置かれている。




PC達そっくりの人形は
雰囲気づくりのフレーバーで特に効果はない。
見識判定をしてもただの人形であることがわかるのみ。
コンジャラーがいる場合、操霊魔法の対象にできる。
また、オリンの所へ持っていくと人形遊びに使える。

ウサギの人形は牙が長く伸びており
赤く染められていて不気味な雰囲気。
ただし特に効果はない。
首にはネームプレートがかけられている。
共通語による子供の字で
「ウサギさんとおにごっこ つかまるとしんじゃうよ」
と書かれている。

ドアを調べると木のプレートが下げられており
共通語、子供の字で「わたしとあそんでいってね オリン」と書かれている。
ドア自体は特に判定なしで開く。

他には特に何もない。



プレイヤーが机の人形を調べ終えたあたりでイベント発生。
突然遠くの方から「うわああああ!!!」と男の悲鳴が聞こえる。
この時プレイヤーに聞き耳判定をしてもらい、
目標値9以上で以下の追加情報を与える。

悲鳴に続いて
「うわああああ!なんだこのウサギは!」という男の声
さらに別の声「助けてくれ!ぎゃああ!」

これらの声が聞き取れる。
失敗で最初の「うわああああ!!!」という悲鳴のみ聞こえる。

暫くすると悲鳴は止み、再び迷宮は静寂に包まれる。







2.無限回廊

ここは3とつながっている。
ドアを開けると長い通路の奥にドアが見えるが
これは反対側(3の通路)の入り口のドアである。
もし反対側のドアが開けてあれば
ドアを開き覗いているPCたち自身の姿が見える。

入り口のドアには子供の字で
「おいかけっこのろうか」
と書かれた」プレートが下げてある。

構造解析判定9以上で、魔法の力が働き空間がいびつに歪んでいることがわかる。

ここはプレイヤーが8の部屋で遭遇する
キラーラビットを閉じ込めるための救済ギミック。
キラーラビットは扉を開けられないので
遭遇したらここまで逃げ込み、
両方のドアを閉めてしまえば閉じ込められるというわけだ。

プレイヤーたちがウサギの対応に困っているようなら
ウサギは扉を開けるすべを持たない
ウサギをここまで誘い込みドアを閉めれば閉じ込められるかもしれない
というようにヒントを与えてあげてもよい。





3.無限回廊

2と同じなので省略する







4.お父さんの部屋

書斎のような部屋で、本棚とテーブルが置いてある。
そのテーブルには一人の男が座り仕事をしている。

これは彼女から見た父親のイメージ映像のようなもので
プレイヤーが話しかけても
「今は仕事だから、あっちで遊んでいなさい」
としか言わない。
姿も半透明で触ったりすることもできない。

見識判定9以上で、これは意思を持つ幽霊等ではなく
記録映像を映す幻影のようなものということがわかる。

オリンがいる場合
「お父さんはおしごとでいそがしいからべつのおへやに行こう」
とPCたちに部屋を出るようにせがむ。
彼女からしたら父親の邪魔はしたくないと考えているのだ。

この部屋は雰囲気作りのためのフレーバーで
シナリオの攻略上ではここに来る必要はない。
プレイヤーが父親に何かしようとしても
特に何かイベントは発生しない。
オリンは父親にかまってもらえず寂しい思いをしていた
という演出をするのに利用すること。
「今はPCたちが遊んでくれるから寂しくないけど、お父さんもまた後で遊んでね」
などとオリンに喋らせるとよい。

本棚を調べても特に何もない。





5.少女オリンの部屋

中にはこの迷宮を生んだ少女オリンの幽霊がいる。
彼女からうまく情報を聞き出し、機嫌をとって
協力してもらえるようにするかどうかが攻略のカギとなる。


入り口の扉には「オリンのへや」というプレートが下げられている。
部屋は7m*7m程の大きさで、中央にはベッドがあり
その上に黒いドレスをきた少女が座っている。
少女は冒険者たちに気付くと「こっちにおいでよ〜」と手招きをする。


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PCたちが警戒している場合、魔物知識判定を振らせてもよい。
目標9以上で、彼女がゴーストだということがわかる。

彼女に接近すると、魔剣を探しに来たのか?と質問してくる。
これにPCたちがyesと答えるとオリンはPCたちに遊んでくれとせがむ。
オリンは自分と遊んでくれたら魔剣の情報を教えると約束する。
また、先ほど別の冒険者一向が来たが、
相手をしてくれなかったということも話してくれる。


「こんにちわ わたしのなまえは オリンっていうの」
「おにいちゃん(おねえちゃん)たち、ふしぎな剣をさがしにきたんでしょ?」
「ならわたしとあそんでよう。そしたら剣のこと教えてあげるよ」
「さっきのおじちゃんたちはあそんでくれなかったの。だからわたしとあそんで〜」



PCたちが要望に応じ、彼女と遊んであげると以下の情報を話してくれる。

・魔剣は劇場にある
・しかし劇場のカギはウサギさんが隠してしまった
・ウサギさんの部屋はここの隣にある
・ウサギさんに見つかると追いかけてくるから気を付けたほうがいい

遊ぶ内容としては何でもいい。
PLのロールプレイにお任せしてやりたい放題させておこう。
PCたちが相手をしてあげないとつまらなさそうなことを伝え機嫌を損ねてしまう。
また、彼女についてくるよう頼むと
「わたしは しばられちゃってるから うごけないの」
と言い、ついてきてはくれない。
何に縛られてるのかと問うと
「てつのくさりだよ。わたし にげられなかったの」
と話してくれる。



・処刑部屋で少女人形を助けるイベントをこなしていた場合

「おにいちゃんたち、わたしをたすけてくれたのね? すぐわかったよ!」
「これでわたしも ここからうごけるようになったわ ありがとう」
「わたしもいっしょにいってい〜い?」
と言い、彼女がPCに同行してくれる。
彼女がいればキラーラビットの部屋に入っても襲われる前に
「ウサギさん!ダメッ!」と叱って止めてくれる。
結果安全に劇場のカギを入手できる。
オリンを連れた状態で劇場の扉を開け中に入ろうとすると、
「じゃあわたしはさきにいってるね。またね」と言い残して消えてしまう。


・PCたちがオリンに攻撃を仕掛けた場合
「たたかいごっこであそんでくれるの?」と言って戦闘になる。
オリンを倒すと
「おにいちゃん(おねえちゃん)たちつよいんだね!」
「でもほかのあそびもしてほしいなあ」
とPCたちにせがむ。勝っても特に何も貰えない。


・彼女の相手をせずにスルーした場合
「あそんでくれないの?つまんない…」
とつぶやき彼女は寂しそうにベッドの上で一人で人形遊びを始める。
いずれにせよ、オリンはPCたちには危害を加えてこない。






6.処刑部屋

オリンが蛮族にさらわれ、殺されてしまった時の
恐怖の記憶がこの部屋で悪夢となって繰り返されている。
ここで冒険者たちが悪夢を振り払うことができれば
オリンの心の鎖が解かれ、彼女はベッドの上から動けるようになる。

ここの部屋の扉だけは他の部屋と違い
鎖でがんじがらめにしてあり鍵がかかっている。
これは彼女にとって忌々しい記憶の為、思い出したくないという演出上の理由。
解除判定10以上で開けることができる。



この扉は他の扉と違い錆び付いた鉄ごしらえになっている。
扉には鎖ががんじがらめにかけられ、大きな錠前が掛かっている。
扉には小さなプレートがかけられ、子供の字で「だれか たすけて」と書かれている。
冒険者たちがその文章を読んだ次の瞬間!
中から「ドゴッ」という何かを叩きつけるような鈍い音が聞こえてきた!



しばらく待っていると再び同じ音がする。
聞き耳判定をしてもほかには特に何も聞こえない。
センスオブエネミーをしても特に反応はないが
マナサーチをすると部屋の中に6つほどの反応を示す。
(少女人形1と蛮族人形5で合わせて6)
ずっと部屋の前に立っていた場合、音は5分ごとに周期的に聞こえてくるということがわかる。
PCたちが中に入った場合、以下の描写をする。


錆びた鉄の扉をギィィッと開けて中に入る冒険者たち。
中に入ると部屋は7m*7mほどの広さがあった。
部屋はごつごつした岩の壁と黒いもやで覆われ、禍々しい雰囲気を醸し出している。

部屋の中央には錆びて所々が赤く染まった鉄の台座があった。
台の上には黒いドレスの少女の人形が手足を鎖で繋がれていた。
台の周りには幾つかの人形が台を囲むようにして立っており
その中でもひときわ大きい一体の人形は、赤く染まった斧を持っている。
また、壁際には木でできたボロボロのテーブルが置いてあり
その上には大小さまざまなサイズの皿が置かれている。



既にオリンと出会っている場合、鉄の台の上の少女人形は
彼女と同じ格好をしているとわかる。
その他の人形は蛮族のボガードとレッドキャップによく似た造形をしているということがわかる。
人形の外見をPLに伝えた後で、次のイベントを発生させること。



しばらくすると蛮族の人形の目が光り、動き始めた。
斧を持った人形は大きく斧を振りかぶると
黒いドレスの少女人形目掛けて斧を振り下ろそうとする!


ここで冒険者が斧を止めて少女人形を助けられるかで分岐する。
人形に攻撃をしたり、斧を剣や盾で受け止めるなどすれば止めたことになる。
判定は特に必要ないが、成功感を演出するためにダイスを振らせてもいいだろう。



・斧を止めた場合
黒いドレスの少女人形についていた鎖の手枷がパキィンと外れ、
少女人形は優しい光に包まれた。
光に包まれた人形がふわりと宙に浮かぶと、ゆっくりと霧にように消えていった…。
そして周りの蛮族人形は砕け散り、ゴツゴツした岩の壁が他の部屋同様の白い壁に変わる。
部屋全体が淡い光を帯び、きらきらと優しく輝き始めた…。

・斧を止めない場合
大きな人形は斧を振り下ろした!
斧は少女人形に直撃し「ドゴッ!」という鈍い音がした…。
と、同時に冒険者たちの目の前が真っ暗になる。
そして冒険者たちは気づくと部屋の外の廊下に立っていた。



もう一度部屋に入ると同じ光景が繰り返される。
冒険者たちが助けるまで斧が振り下ろされるのがループしている。
なので部屋の外で待っていると定期的に斧を振り下ろす音が聞こえてくる。
二回目以降で少女人形を助けた場合、一回目と同じように処理を行う。
一回目で見事助けられた場合は、ボーナス経験点をアップさせてあげてもいいかも。





7.血痕

扉の下から真っ赤な血が広がっている。
どうやら部屋の奥から流れてきたものらしい。



8の部屋に入った先手の冒険者たちがキラーラビットに襲われた跡。
PCたちよりも先にこの迷宮に入り、キラーラビットに殺されてしまった。
冒頭1の部屋で聞こえた悲鳴は彼らのものである。

血痕を見識判定か探索判定で調べると目標7以上で
血はまだ新しく、最近流れたものとわかる。

扉に聞き耳判定をすると目標8以上で
中からカジカジと何かをかじるような音が聞こえてくる。
これは中のキラーラビットが冒険者の死体をかじっている音。

GMはこの扉の前で8の部屋の恐怖を演出し、
うかつに中に入ると危険だということを
PLたちに印象付けること。





8.ウサギさんの部屋

扉を恐る恐る開けて中を覗くと、
そこには血の海が広がっていた。
5mほどある部屋へと続く廊下は真っ赤に染まり、
その途中には3体の首なし死体が転がっている。
死体の格好からすると、
どうやら冒険者のようだ…。

廊下の奥には薄いレースのカーテンが掛かっている。
カーテンは血で染まり、
部屋の奥がどうなっているか
ここからでは見ることができない。
が、一瞬ちらりとカーテンの奥で何かが動いたのが見えた。
小動物ほどの大きさの影だった。



ウサギさんことキラーラビットがいる部屋。
冒険者を見つけると即座に襲いかかってくる。
部屋の奥には劇場の扉の鍵があるので、
どうにかしてキラーラビットをやりすごす必要がある。

キラーラビットは首刎ねという特殊能力を持ち、
一発当たれば即死の危険がある。
冒険者たちが戦うことを選択すれば戦闘になるが
全滅の可能性も十分あるので非常に危険だということをGMは伝えること。



レースのカーテンを開き部屋の奥を覗くと、
鎧を着た冒険者のものと思われる死体があった。
その死体の上には白いもふもふとした小さな動物が伏せていた。
それはこちらに気づき、顔を上げ振り向いた!
長い牙を持ったウサギだった!その牙は赤く血で染まっている。
ウサギは素早い動作で死体から降りると
君たち目掛けて飛びかかってきた!



もし見つかった時点で逃げることを選択すれば、
キラーラビットは冒険者たちを追ってくる。
キラーラビットの移動力は15なので
それ以下のキャラクターは追いつかれる危険がある。
移動力15以下のキャラクターが逃げる場合は
冒険者レベル+敏捷ボーナス+2dを降り目標値8以上出せば逃げ切れる。
ただし金属鎧を着ていれば-4のペナルティを受ける。
移動力が16以上あるキャラクターの場合、判定は必要なく逃げ切れる。

ドワーフなどの鈍重キャラが金属鎧で固めていた場合
ほぼ逃げ切れないので、もしPTにそのようなキャラがいて
カーテンの奥に無策で進もうとした場合は
GMは「危険なものがいた場合、逃げ切れないかもしれない」
念入りに警告すること。

逃げ切った場合、キラーラビットは廊下まで追いかけてくる。
冒険者たちが逃げる途中で7の扉を閉めれば閉じ込められる。
またはどこかの部屋に入り扉を閉めれば
キラーラビットは扉を開けることができないので中までは追ってこない。
しばらく待っていると8の部屋に戻っていく。


どうにかしてキラーラビットをやりすごすか、
戦闘で撃破した場合は部屋の奥へと進める。
PCたちはテーブルの上にある劇場の鍵を入手できる。



恐ろしい殺人ウサギをやりすごし部屋の奥へと入る君たち。
部屋の奥には血で染められた白い大理石のテーブルがあり
その上には小さな鍵が置いてあった。
鍵には紐で札が括り付けられている。
その札には子供の字で「げきじょうのかぎ」と書かれていた。
冒険者たちは劇場の鍵を手にいれた!



劇場の鍵があれば9の部屋に入ることができる。




9.劇場

魔剣がある部屋で実質ゴール地点。
部屋の扉には鍵がかかっており、
8のウサギさんの部屋で鍵を入手しないと入ることができない。
中に入るとオリンが襲われた日のことが上映され
オリンをさらった魔物(の幻影)が襲ってくる。
魔物を倒せばオリンから魔剣アーリワルドを入手でき、
迷宮の外に脱出できてセッションクリアとなる。



通路の一番奥にはひときわ大きい両開きの扉があった。
扉には鍵がかかっており、下げられたプレートには大きく
「げきじょう」と書かれている。



鍵は劇場の鍵以外では開けることはできない。
また、扉も頑丈で破壊できそうにないということをPCたちに伝えること。



PCたちが鍵を開けて部屋に入ると
そこは小さな劇場のようだった。
部屋の奥には高さ60センチほどの舞台があり、暗幕が垂れている。
その舞台の前には椅子が並んで置いてある。
椅子には札がつけてあり、子供の字で
「みんなでみてね」と書いてあった。



椅子の数はPCの人数と一緒。
全員で椅子に座ると暗幕が上がりイベントが発生する。
もしこの時点で死亡者がいた場合、
そのキャラクターの人形が椅子の上に置いてある。
死亡者以外が椅子に座ることでイベントが発生する。



冒険者たちが椅子に座ると愉快な音楽が鳴り響き
暗幕がゆっくりと上がっていく。
舞台の上には室内のはずが屋外の景色が広がっていた。
草原は風に揺れ、色とりどりの花が咲き乱れる。
風が吹くと共に、冒険者たちの足元も草原になっていく。
君たちが座っていたはずの椅子もいつの間にか無くなっている。
まるでどこか別の空間に入ってしまったかのようだ。
草原には小川が流れ、小さな橋が架かっている。
その向こう側には道が伸びており、赤いレンガの屋根の家が見えた。
その家の近くで一人の男と黒いドレスの少女が遊んでいるのが見える。



PCたちが近づくと、
突然蛮族たちが現れて男と少女を襲い始める。
これはオリンとお父さんが遊んでいるところへ
蛮族たちが襲ってくる過去の記憶である。
蛮族たちはPCを見つけると襲いかかってきて戦闘になる。



冒険者たちが橋を渡り赤レンガの屋根の家に近づくと
突然地鳴りがして周りの風景が荒れ果てた荒野へと変わっていく…!
荒野の向こうから蛮族たちが現れ男と少女に襲いかかろうとするが
彼らは君たちに気づくと方向を変えこちらに向かってきた!



ボガード1体とレッドキャップ数体との戦闘になる。
数の目安
PCの数が2人:ボガードとレッドキャップ1体ずつ
PCの数が3人:ボガード1体とレッドキャップ2体
PCの数が4人:ボガード1体とレッドキャップ3体
PCの数が5人:ボガード2体とレッドキャップ3体

戦闘中、どこからともなく少女の声がして
「がんばって!」などのメッセージを
PCたちに伝えるイベントを発生させても面白いかもしれない。
蛮族は幻影なので、倒すと煙のように消えてしまう。

戦闘終了で元の劇場に戻り、エンディングに移行する。









・エンディング
蛮族たちを倒すと、冒険者たちはいつの間にか
劇場へと戻ってきており椅子に座っていた。
目の前の舞台の上でオリンが君たちに拍手をしている。
その隣にはきらめく剣が一振り、ふわふわと宙を漂っていた。

「おにいちゃんたち、あそんでくれてありがとう」
「あいつらもやっつけてくれて とってもうれしいよ」
「おれいに このふしぎなけんをあげるね」
「じゃあね、バイバイ…」

オリンはそう言うと手を振りながら消えていった…。



PCたちは残された魔剣アーリワルドを手に入れる。
PLたちに1d6でロールしてもらい、
一番高い目を出した人の元へ魔剣が飛んでいき、
そのPCを所有者と認める。



そして再びこの迷宮に入ったときと同じような光が
君たちを包み込み、視界がまっしろになっていく。
再び目を開けるとそこには草原が広がり
きれいな花が咲き乱れ小川が流れていた。



これで迷宮から脱出できて無事にクリアとなる。
時間に余裕がありそうなら以下のエンディングイベントを
発生させても良い。



小川の先には道が伸び、見覚えのある
赤レンガの屋根の家がたたずんでいた。

冒険者たちが赤レンガの屋根の家に入ると
中はボロボロで、壁も屋根も穴が開いており
床には朽ちた家具やおもちゃの残骸がちらばっている。
そこに混じってウサギの人形が一つ落ちていた。
ウサギの人形はかなり昔のものではあるが
何度も縫い合わせた跡があり、
大事に使われていたことが想像できる。

部屋の壁の棚にはホコリの被った絵が置いてあった。
その絵にはあの少女と、おそらく父親と思われる男の絵が描かれていた。


ここは生前オリンと父親が住んでいた家である。
中は蛮族に荒らされ年月も経っているので
無残に荒れ果てている。
彼女が生前大事にしていたウサギの人形と
家族を描いた絵は残っている。
PLの皆さんに感慨深いRPをしてもらおう。
PC達が絵を手に取ると次のイベント。



PCたちが絵のホコリを払うと、絵がほのかに光り輝き
子供の字で「ありがとね」と字が書かれていく…。
暫くすると光は消え、後には元の絵だけが残った。




また、追加で以下のように背景を説明するNPCを出しても良い。
かつて村を救った英雄だとか、そのへんの伝説に詳しい爺さんとかがいいかも。



家を出ると、そこには一人の老人が立っていた。
彼は君たちに語りかける。
「おまえさんたち、こんな廃墟に何の用じゃ?」
「この村はかつて蛮族に襲われてしまってな、大勢の犠牲が出たらしい」
「子供もさらわれてしまってな、それを助けようと通りすがりの男が救出に向かったんじゃが」
「蛮族の住処にたどり着いた時にはもう手遅れ、子供らは全員殺されてしまっていた」
「男は蛮族を倒した後、子供たちの墓標にと持っていた魔剣を突き立て、弔ったそうじゃ」
「せめてこの魔剣の元で安らかに眠ってくれとな」
「まあ、遠い昔の話じゃがな…」
そう言って老人は去っていった…。



こうしてPC達は少女の悪夢を打ち破り
迷宮から魔剣を手にいれて脱出した。
PC達は再び冒険の旅路へと戻っていった…という感じで
セッションは終了となる。






〇報酬
クリア報酬+500経験点
処刑部屋でのイベントをこなした+500点
魔剣を手にいれた+500点
合計1500点






〇データ集
モンスターデータ

※ボガード、レッドキャップのデータはルールブック参照。
--------------------------------------------
キラーラビット 魔法生物Lv4

知能:動物並み 知覚:魔法 反応:敵対的 言語:なし 生息地:迷宮
知名度:8 弱点:12(打撃+2)
先制:12 移動速度:15
生命抵抗:4(11) 精神抵抗:4(11)

牙 命中:4(11) 打撃点:2d+7 回避:3(10) 防護:3

HP:30 MP:9

特殊能力
○精神効果、毒、病気無効
これらの属性の攻撃を受け付けません。

○感知される
センスマジックなどで感知されます。

▽首跳ね/3(10)/生命抵抗/消滅
攻撃が命中したPCの首を飛ばします。
この魔物からの攻撃が命中したPCは目標値10の生命抵抗を行い、
失敗すれば残りHPに関わらず首を飛ばされ即死します。

戦利品
2〜5:なし
6〜9:魔力を帯びた布(300G)
10〜:鋭利な牙(500G)
--------------------------------------------



アイテムデータ


魔剣アーリワルド
銀色の装飾が施された美しい剣。
所有者が見ているもの(生物非生物問わず)
のミニチュアを作成する力を持つ。
生成には10分の時間がかかり、1日に1つまでしか作成できない。
ミニチュアは10cmほどの大きさで、
生成元が10センチ未満の大きさならほぼ見分けがつかない精巧さ。

武器としての能力はお好きに設定してください。





〇プレイ時の注意点 
プレイヤーがいきなり8のウサギ部屋に向かい
判定失敗すると即死の危険が非常に高いデストラップになります。
何の策もなしにPCが入ろうとしたら
GMは警告してあげてください。
さもないと開始5分で全員即死という事態になってしまい
非常に気まずくなりますのでw