2005年07月17日
[ジャンプ感想]
週刊少年ジャンプ32号
NARUTO
更新停止中、我愛羅死亡?の辺りは、画面中で何が行われているのかさっぱり判りませんでした。折角第2部に入ってから良くなったと思っていたのに、元の木阿弥か……と思っていたら、暁の儀式が終わってからはまた面白いです。よ、良かった……。とにかく、NARUTOの担当さんには、なんとしても影の処理やトーン処理が上手いアシスタントさんを見つけて捻じ込んで欲しいです。
チヨ婆とサソリがちゃんと似て見えるのは凄いな〜と思います。相変わらずサクラちゃんが前線でバリバリ頑張っているのも嬉しいです。今の彼女は「愛しいサスケ君を必ず見つけて取り戻す」と「大切な仲間であるナルトを守る」という気持ちをちゃんと整理した上で行動に繋げているので、見ていて気持ちがいいです。願わくばサスケ再登場後に変にドロドロしてその辺がこんがらがったりしませんように。
BLEACH
この漫画に関しては、更新停止中、私の中で評価が休まず乱高下を続けていました。
死神同士の戦闘で「キログラム」という単位が使われた時には仰け反って爆笑し、藍染の眼鏡越しの濁った視線の迫力に戦慄し、そしてその肝心の眼鏡を彼が外してしまって、ありきたりな美形キャラになってしまった事に脱力し……。
ただ、舞台が日本に戻ってきた事は心底歓迎しています。もうコンやたつきちゃんに会える事は無いのかと諦めていましたから。
今は新しい展開に入ったばかりなので様子見しています。一護のお父さんを普通の人間ではなくしてしまった事が、果たして吉と出ますか凶と出ますか。
銀魂
赤ちゃんがすんばらしく可愛かったです。
また、赤ちゃんの仕草だけでなく、周囲の大人達の反応、赤ちゃんグッズに至るまで非常にリアルに描けており、若い男性である作者さんの観察眼に感心する事しきりでした。
ムヒョとロージーの魔法律相談事務所
エンチュー紹介編がどうにもこうにも肌に合わなかったので、それ以来この漫画は流し読みになってしまいました。ムヒョが作中で「実はいい奴」として扱われているのに、彼の過去に触れたエンチュー編でさえその「実はいい奴」ぶりが殆ど描かれない事に落胆してしまったのです。その尊大な態度から、ベテランなのだとばかり思っていたムヒョが単に才能があるだけの子供だったり、ロージーの精神面の成長が描かれるよりも先に、彼が「秘めた才能を持つ人」として扱われるようになったのもキツかったです。
今週の描写は素晴らしかったと思いますし、リオ先生の造形は思いっきり私の好みど真ん中ストレートなので、惜しいな〜という気持ちは残っているんですけどね〜。これだけ好調でも描かれないという事は、私が求めている部分(主人公2人の精神的な成長や絆の描写)は、この漫画では要らないと思われている部分なのかな。残念です。
切法師
今期の新連載3本の中ではこれが1番好きです。
今週は心理描写にページをたっぷり使って、主人公倫太郎の魅力を余す所無く見せてくれました。ともすれば嫌味になりそうな所を、外の世界を知らない世間知らず、という面で上手にカバーしていらっしゃるなーと思います。……ただ、私が好感を持った主人公は世間では受け入れられない事が多いので、非常に不安です……(泣。
D.Gray-man
このエピソード、規模は全く違いますが、初期の「歌う人形」編と描いている内容はほぼ同じだと思うんですよ。主人公アレンが、相手の善悪には関係なく、目の前にいる困った人は何が何でも救わないと気がすまない子だという事を描いているんですよね。で、「目の前の困った人は救わないと気がすまない」という気質自体は少年漫画の主人公としては珍しいものではないので、私はずっとアレンはキャラが薄いと思い続けてきた訳です。
しかし今回、「何故ここでこのエピソードを入れるの?」と多くの感想サイトで言われるタイミングで、読者が全く知らないスーマンというキャラクターを対象にして、大量のページ数を割いて、作者さんは執拗なまでにアレンのなりふり構わない救助活動を描き続けました。スーマンが殺した人間の数は歌う人形が殺した人間の数とは比べ様もないほど多いですが、アレンはそんな事気にしちゃいません。自分の肉体に繰り返し与えられるダメージも気にしません。今回はアレンの骸骨まで数コマに渡って描いてあり、アレンだけでなく作者さんも鬼気迫るものがあります。
ここまでやる、という事は、アレンの「目の前の困った人は救わないと気がすまない」気質、その為の視野狭窄ぶりは、ただの主人公らしい性格という範囲に留まらず、作品世界中でも明らかに常軌を逸しているものとして描かれていると解釈しても良いんじゃないでしょうか。
いずれ訪れるアレンと周囲の軋轢を示唆する為にこのスーマン編が描かれたのだとすれば、スーマンがアレンとも読者とも全く面識の無いキャラであった事に逆に意味があった事になり、先でどう生かされるのか非常に楽しみです。
……でも、単に状況に嬲られるアレンが描きたかっただけなのかも、という気もしないでもないです(笑。
いちご100%
ここ数ヶ月は、いちごの為にジャンプを買っていると断言出来るほどのめり込んで読んでいます。でも単行本は未だ買っていません。最終回まで読まないと怖くて買えないんです……。
感想は次号分でまとめて書きます。
ユート
ゲドー君、WaqWaq、そして武装錬金に続いて、また、私の期待していた漫画が打ち切られてしまいました……(泣。
しかし正直に言いますと、今回のダイジェスト部分を見て、これは打ち切られてもしょうがないかも、と思いました。正確に言うと、「この内容で今のジャンプで成功する訳が無い、何故編集部はGOサインを出したの!?」と思ったのです。逆に言えばGOサインを出したからには編集部には責任持ってもう少し(せめて舞台が長野に移るまでは)気長に様子を見て欲しかったです。
ダイジェストには殆どレースシーンは出て来ません。あくまでもこの漫画の主題は、雄斗が困難を乗り越えていく過程にあるという事が、このダイジェストだけでも判ると思います。
この内容、私はすごく読みたかったです。子供1人に6つの財布が付いていると言われる現代だからこそ、「君の周りの大人が君の都合良く動いてくれるとは限らない、やりたい事があるなら自分で道を切り開け」というこの漫画の主題は子供達に伝える意味があったとも思います。……でも、どう考えても、多少テコ入れしたぐらいでは、ジャンプで人気を取るのは無理ですよね、これ……。
いっそ昼ドラの脚本とかだったら成功したのかも。ほったさんが今後も漫画原作者を続けられるのであれば、是非、ビックコミックスピリッツなど、青年誌に場を移して頑張って頂きたい、と思います。
個人的には、雄斗のお父さんが、何故ネットでこんなにまで総スカンを食らってしまったのか、最後までよく分かりませんでした。私は彼に不快感を感じた事が無く、(寧ろ彼はよく頑張ってる方だと思ってた)作中でも彼が人格に問題があるように描かれているとは一度も思ったことが無かったので、最終回でややフォローっぽい会話が入ってホッとしました。……ダイジェストのアレで台無しになってたけど(笑。連載が続けば、雄斗の成長と共にお父さんの子離れも描かれたんでしょうねぇ。読みたかったなあ。