記録室 裏

表に出せないオンガク系舞台系記録。
合い言葉は「広く浅く」

2012年01月

スザンヌ・ベガ@Billboard Live東京

 Stingと並んで好きなんだけど、あんまりメジャーじゃない?のか?或いは、自分の回りにはそもそも洋楽を聴く人種が少ないのか?というか、洋楽版中島みゆきじゃないけど、歌う内容が暗いのか?地味なのか?
 まあねえ、Lukaは有名だけど、一発屋的な扱いなんかなあ。マレーネの肖像とか名曲なんだけどな。
 と、思っていたら、J-WaveからいきなりTom's Dinnerが流れてきた。しかも、何だか奇天烈な(失礼)アレンジで。何でも、どっかのDJが勝手にアレンジしたのをネットに載せたのを本人が聴いて、怒るどころか「あら、それいいわね」で採用したとか。うわ、太っ腹。
 で、3日後にライブがあると。
 ・・・・3日後!?月曜日!?でも、これを逃すと一生後悔する!
 ちなみに、DJは、その後に、「この方、まだ活動されていたんですね。」的な事を言っていた。うん、普通なら失礼な発言なんだけど、ファンであるわしも同感だから許す。

 ちなみに。
 Billboard Live東京は、ミッドタウンの一角にあり、そもそもおハイソ具合が半端無かった。確か、昔、渋谷のライブに行ったときは、立ち飲み形式のライブバーで、己だけがコドモコドモしていて、後はずらりと外人の、しかもブラックばかりで、ぎゃああ、だった。
 しかし、今回は別の意味でぎゃああである。お値段的にはさほどではないが、何だこの、高級感あふれる感じは。出張先でそれなりのかっこで良かった。
 自由席だったので、咄嗟に残っていたがぶりつきの席を選ぶ。ちなみに、そこまでもスタッフが案内してくれるんだぜ。しかもテーブルがついてて、メシとか酒とか頼めるんだぜ。しかも、紅茶が700円でスパゲッティが一人2100円もするんだぜ。間違ってコースとか頼んだら、それこそ卒倒だぜ。というか、席に置いてあったアンケート用紙で、ご職業選択肢に、「専門職:医師・弁護士など」とか書いてあるんだぜ。つか、そもそもご職業選択肢に「公務員」とか無いんだぜ。わしも軍人(仮)だから、ある意味専門職かと思っていたけど、医師・弁護士が想定された客層なのかと思うと、無駄に死にそうだった。
 が、振り返ってみると、客層はわしより同年代か、ちーと上か。服装を見ると、確かに安っぽくはないが、ぎらぎらでもべかべかでもない。なるほど、スザンヌ・ベガを聴きそうな人々だ。そう思うとちょっと安心した。

 ステージは、彼女と、エレキのおいちゃん一人だけだった。わしは丁度、エレキのヒトの真ん前になっていた。が、このエレキのヒト、すげ、ぱねぇ。足下にチェンジャーっての?踏んで音を変えたり、録音して何度も繰り返させたり、打ち込みだったりがぽこぽこ並んでいる。エレキ1本でどうすんだとか思っていたけど、ベースから何から何まで、本当に一人でこなしていた。更に、ライトのせいか、顔にほとんど色素が無くて、髪の毛が真っ白なのは脱色と考えても、もしもーし?みたいな外観で、なのに、ジャケットのポケットにレタスを飾っていた。    いや、レタス型のチーフなのかもしれないけど、誰がどう見ても、あれは確かにレタスだった。形も、凹凸感も。
 で、彼女自身はというと、声は全然変わっていなかったけど、ああ、それなりに年をとったというか、成熟したというか、しゅっとしていた体型も、それなりに、まあ、アメリカ人女性になっていたと思う。かっこいいにはかっこいいけど。
 1曲目がマレーネの肖像で、そうそう、それそれ、判ってんじゃん、と感動したが、こんなおハイソな場所じゃ、拳振り上げるわけにもいかず、ひたすら耐えた。
 MCは当たり前だが全部英語で、何とか判ったつもりではいたが、奥の席で外人の人々がオンタイムで笑うのに比べて、がぶり寄りの自由席の日本人は反応出来なかった悲しさ。
 何か、知らない間にベスト版と共に地味に新曲も混ぜて3枚出していたそうで、後で会場で買った。
 The Queen &The Soldierを聴いて、突然はっとした。これは、愛の歌だ。なるほど、一見、社会的歴史的問題を扱っているように聞こえるけど、何てことはない、普遍的な恋愛の風景だ。その、寓話だったんだ。    いや、作り手本人はどういう意図だったかは別として。
 最後の方になって、彼女がジャケットを脱いだ     ら、白いTシャツと思っていたらその背中に、日本語で「捕ったど〜!」と大書してあった。・・・・ど   どうリアクションすればいいのか判らないので、地味に汗をかいた。


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歌川国芳展 前半

 いや、行きたいなとは思っていたんだけど、高校天文部の新年会でその話が出たんで、じゃ、行こうかと一番身軽?な友人と二人でへろりと。

 思ったこと。
 所謂、教科書的な浮世絵じゃない、こりゃ漫画じゃないのか、と。
 フラッシュ線ての?集中線ての?後は、雷の線とか、漫画の効果線そのまんまじゃんと。
 一緒に行った友人も、まあ自分と同類だから話が合う合う。多分、近くで鑑賞なさっていた方々は、さぞやご迷惑だったことだろう。でも、美術鑑賞だから黙ってお行儀よくてのは、もう旧いんだよ。美術館関係者の知人がおっしゃってたもんね。
 これを見る前に、「日本人の知らない日本文学」を読んでから行くと、ちょっと楽しさ倍増かもしれない。
 後は、丁度、服飾史の「縞のミステリー」を読んだ後だったので、もっとタノシイ。
 ヒーローが複数人描かれている時に、頭の上に名前の四角が浮かぶところなんか、これはネトゲか?とか。(ごめん
 友人曰く、「どうしてこうもヒーローは体中ヘアリーなんだかねえ。」(英語な仕事をしているので、ヘアリーときた。ツボだった。)
 江戸後期というか、ほぼ末期の頃に活躍していたヒトなので、鎌倉とか平安の頃のヒーローヒロインを描く時は、      あれ?でも、江戸な服装だな。要するに、水戸黄門に、島田に結った女性や、半幅帯や半襟をつけた登場人物が出るようなもんか。
 人物画も面白いけど、動物の絵、猫ぉや金魚やの絵とか、風刺画とか、滑稽絵とか、もう、面白いったら。特に受けたのは、だるま職人ちで、だるまに手足が生えてきて、職人びっくり!ての。
 あとは、よくよく見たら、うちわの裏表の絵だったりとか。(扇じゃないところがいいよね、庶民派で。)しかも、裏が影絵で、表がそのブツってのとか。
 友人が気がついたんだけど、猫ぉの絵ぇで、「エンボスになってる!」と言っていた。白猫のカラダに、毛並みが見えるんだわ。でも、よくよく見るとエンボスではなく、白地より更に白い色で毛並みを摺ってんのな。脱帽だぜ。
 後の方になると、西洋画の影響もあって、みたいなのもあった。やっぱり絵師もえらかったと思うなあ。

 ふと気がつくと、3時間もかけて鑑賞していたのだった。
 いや、一人鑑賞もいいけど、ぼけ・つっこみつつ鑑賞は良えのお。
 若いカップルで、地獄絵を見ながら「これ、知ってる、昔読んだ、歯医者が出てくる話で、地獄で釜ゆでとかされて・・・・」とか姉ちゃんが言ってるんだけど、彼氏には判らんらしい。いや、それ、「地獄のそうべえ」だから、と、余程言ってやろうかと思ったけど、耐えた。
 昼飯抜きで、もう4時近くだったので、バリ料理の基本コースを食って帰った。バリ料理、スパイス天国だった。

 友人は、摺り師と彫り師の素晴らしさをたたえていたが、わしはそれらのシステムが成立し得た江戸文化ってのに脱帽だな。何度も倹約令で、メディア統制もされるけど、それでも負けずに出版し続ける、そして幾らでも高めていく、その民衆の力がすげえ。

鋸南町大崩・水仙郷+菱川師宣記念館

 親が行くというので、ついて行ってみた。
 鋸南町は、千葉県で最も高い鋸山の南側にある。ちなみに、キョナンチョウ だ。そこが、村中、水仙だらけである。道も水仙、休耕田に水仙、崖に水仙、のり面に水仙、全て和水仙。
 大崩は、名前の通り、崖が崩れて出来た地形だ。大地震(江戸後期かな)で、谷が埋められたらしいんだな。
 しかし、こういう村おこしって、すげえ。
 有名どころではなく、ここは本当に知る人ぞ知るの場所らしく、行列も無く、それでも休日だったから混んでいたらしいんだけど、大変良い感じだった。農家の人々が出している店がまた良い感じだった。

 帰りに、見返り美人の菱川師宣の記念館があるから寄ってもらった。
 菱川師宣は浮世絵の初期の頃の絵師で、錦絵(色つき)ではない。確かに出版はされたけど、一色刷だったみたいで、故にあの見返り美人は肉筆画なのだ。中期になってようやく、色がほんのり着きました、だからね。
 で、こんな小さな町にホンモノがあるわけはなく、里帰り企画で超精密複製(デジタル的な)のが飾られていた。ま、そりゃそうだわな。でも、それでも面白かった。
 後は、18禁な春画もあって、親が一緒に鑑賞ってのは具合悪いなあ、と(笑
 企画展で、明治期の錦絵もあって、これは英雄画。でも、昔の英雄を描いているんだけど、実はこないだの幕末で闘って亡くなった志士や幕臣の姿なのだとあって、ああ、そうだなあ、と思った。

 で、親お勧めの、漁港の近くの魚料理屋に寄った。くろむつと、ほうぼうと、かさご。3人で3皿つついたら、もう、腹一杯で、なのに美味過ぎて止まれない。
 やっぱり、海の近くの魚は美味だ!!!
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