2010年03月13日

トム・ウェイツ(Tom Waits) - 「トム・トラバーツ・ブルース(Tom Traubert's Blues)」

Tom Waits - Tom Traubert's Blues

20100318Tom_Waits_Small_change

トム・ウェイツのアサイラム(ワーナー)時代の音源は、Youtubeにはスタジオ盤も含めて結構ある。この辺のワーナーの対応がどうなっているのか、まったくもって不思議である。この「トム・トラバーツ・ブルース(Tom Traubert's Blues)」は、おなじみ英BBCの番組“The Old Grey Whistle Test”の映像だ。筆者はテレビドラマが好きだったりするので、当然“不毛地帯”も観ていた。エンディングでトム・ウェイツの曲が流れた時はちょっと驚いた。


もうすっかり一般的に周知されたが、日本のドラマの主題歌は、キャスティング・バーターといって、主演俳優の事務所の政治力で決まるケースが殆どである。唐沢寿明氏は研音の所属であるので、系列もしくは提携先のコブクロあたりになるのが通常だが、なにかあったのだろう。2クールドラマ“白い巨塔”の時は、色々な行政と番組プロデューサーの意向で、ビッグ・ネームを起用し、3ヶ月ずつ2曲を主題歌に使用するとほぼ決まっていたのが、某所よりの鶴の一声でなくなり、結局洋楽になった、と噂された。洋楽を使うケースは、ドラマ・プロデューサーや脚本家の強い意向が尊重されるときもあるが、まず、政治的に調整できなかった場合である。面白いのがSMAPで、メンバーの誰かが主演の場合、SMAPの新曲があれば、当然主題歌になるのだが、無い場合、洋楽になるか、ジャニーズの提携先、スマイル・カンパニーの仕切りで、山下達郎になったりするのだ。決して、TOKIOの曲がSMAPのドラマに使われることはない。この辺りが、外から見ていると判りにくいのだが、同じ事務所内であっても、決して一枚岩ではないということの証左だろう。案外、芸能界の政治力は、事務所単位というよりも、担当者個人の力量、人脈によるところが大きかったりするのだ。

 トム・ウェイツの楽曲は、映画、ドラマで使用されることがたびたびあるが、CMはほぼない。これは、本人が基本的に望んでいない、という理由による。過去にも何度も訴訟騒ぎになっている。一度目は'88年にペプシの系列会社Frito Layが、トム本人にオファーしたが、断られたため、トムの唄真似が得意なそっくりさんを起用して、似た曲のジングルを製作。これをトムは訴え、4年後、勝訴する。2度目は、'93年にリーヴァイスがスクリーミン・ジェイ・ホーキンスがカヴァーしたトムの曲を使用したもので、同じくトムに訴えられ、リーヴァイスは、CMを取り下げ、ビルボード誌に全面謝罪広告を掲載した。3度目は2000年、アウディのスペインでのCMで、これもトムに断られたことから、そっくりさんに似た曲を歌わせたが、同じく訴えられ、敗訴する。4度目は2005年、オペルが北欧のCMで、そっくりさんにブラームスの曲を歌わせたが、これにもトムは噛み付いた。注目すべきは、そっくりさんに、トム・ウェイツが作りそうな曲を歌わせ、CMに使用しただけで、著作人格権の侵害という判決が出たことだ。これは、例えば、コロッケが、美川憲一のものまねで五木ひろしの曲を歌った場合でも、訴えられれば負けてしまう、ということを意味する。著作権裁判は、サンプリング案件も多く、現在では、実際にサンプリングせず、同じフレーズを自分で弾いたものを使用した場合でも、ネタ元の作曲家に印税を支わねばならない、という判例が出ている。

さて、トム・ウェイツの曲を選んでいて、ちょっと困った。果たして彼の代表曲はどれになるのだろう。誰でも挙げるのが、カヴァーで有名になった「Ol' 55」、「ダウンタウン・トレイン」とか、「ジャージー・ガール」辺りだろうが、後は好みか。なにしろ、この人は、キャリアも長く、グラミー賞も2回も獲ってるというのに、いわゆるヒット曲が1曲もない。フランク・ザッパですら何曲かはあるのに。筆者はダミ声唱法になる前の方が好きだったりするのだが、結局、てきとーに選んでいるうちに多くなってしまった。

Tom Waits - Martha


Tom Waits - Ol' 55


Tom Waits - I Hope That I Don't Fall in Love with You


Tom Waits - Diamonds on My Windshield


Tom Waits - (Looking For) The Heart of Saturday Night


Tom Waits - Shiver Me Timbers


Tom Waits - Warm Beer Cold Women


Tom Waits - Eggs and Sausages


Tom Waits - Better Off Without a Wife


Tom Waits - The Piano Has Been Drinking (NotMe)


Tom Waits - Invitation To The Blues


Tom Waits - Step Right Up


Tom Waits - I Never Talk to Strangers


Tom Waits - Burma Shave (Summertime)


Tom Waits - Christmas Card From a Hooker in Minneapolis


Tom Waits - Romeo is Bleeding


Tom Waits - Jersey Girl


Tom Waits - On The Nickel


Tom Waits - Heart Attack and Vine


Tom Waits - 16 Shells from a Thirty-Ought Six



Tom Waits - Frank's Wild Years


Tom Waits - Singapore


Tom Waits - Jockey Full of Bourbon


Tom Waits - Downtown Train


Tom Waits - Time


Tom Waits - Hang On St. Christopher


Tom Waits - Temptation


Tom Waits - I Don't Wanna Grow Up


Tom Waits - Hold On


Tom Waits - Chocolate Jesus


Tom Waits - All the World is Green


Tom Waits - God's Away On Business


Tom Waits - Day After Tomorrow


Tom Waits - You Can Never Hold Back Spring

ユーズド・ソングス:ザ・ベスト・オブ1973-1980ユーズド・ソングス:ザ・ベスト・オブ1973-1980
アーティスト:トム・ウェイツ
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2009-11-25
おすすめ度:4.5
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firebleeder at 00:01│Comments(0)TrackBack(1)音楽 

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1. 『酔いどれ詩人』~元祖・ちょいワルオヤジ~  [ 面白ブックマーク♪ ]   2010年03月25日 19:41
 もし街で見かけたらオシャレな酔っ払いのオッチャン? 愛しの、“酔いどれ・・・ちょい不良オヤジ”♪^^ その名は、トム・ウェイツ。 歌手、そして俳優。 唯一無二、誰にも真似できないオリジナリティがここにある。 大好きな・・・オッチャン♪ ←ランキング参加...

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