2015年09月16日

番外 2015年9月16日

憲法意思に基づく憲法を法制により操作改変可能にすることは、基本的人権に関わる了解を一般意志にはかることなく改変可能とすることです。これは人類が到達した近代を否定することです。「安全保障法制」の成立を、考古学者として容認できません。*

人類は、暴力をなんとか抑止し、おたがに殺傷することなくコミュニケーションを続けてゆくことができるための道具立てを、気の遠くなるような歳月と気の遠くなるような暮らしの経験の反復を通じて進化的に獲得してきました。その今日までの帰結が近代的諸機構・憲法です。日本国憲法には、そのような、気の遠くなるような人類の暮らしの経験の積み重ねの延長線上にある人類の未来への希望が託されています。この言明は、学問的に、けっして大げさではありません。「安全保障法制」の成立を、考古学者として容認できません。

暮らしはつづきます。生活世界は終息しません。そして、生活世界のリアリティが政治的なものに浸(ひた)されるとき、生活(の一部)は政治的にならざるを得ないときがあると感じます。それは当然、そうではないときもある、ということです。2015年9月終わりのことを忘れないように、記します。(2015年9月16日 12:15 (お昼休み))

*一般意志が侵害されるとき、私たちには合法的デモンストレーションをおこない私たちが権力を付託した立法府に影響を与えることを試みる権利があります。これは人類が気が遠くなるほどの長い時間をかけて作り出した仕組みです。考古学者として、市民として、今日、この権利の行使を強く支持します。

2015年09月13日

番外

憲法意思に基づく憲法を法制により操作改変可能にすることは、基本的人権に関わる了解を一般意志にはかることなく改変可能とすることです。これは人類が到達した近代を否定することです。人類はコミュニケーション継続のための媒介を進化的に多様化・形式化することによりコミュニケーションを停止・消滅させる相互殺傷の発現をなんとか押さえ込んできました。その今日までの帰結が近代的諸機構・憲法です。その意味で、日本国憲法には人類の希望が託されています。「安全保障法制」の成立を、考古学者として容認できません。

2015年05月17日

近況:日本考古学協会第81回(2015年度)総会

日本考古学協会第81回(2015年度)総会(於 帝京大学 5月23・24日)での私の報告「世界考古学会議:歴史・課題・展望」(発表番号30番)は、24日(日)第4会場にて、10:50~11:15です。

WAC誕生の契機と今日までの展開を、近代世界システムの展開が産み出した「考古学たち('archaeologies')」の相互作用の領野に位置づけ、それが創発してきた現代考古学の実践諸課題と、WACがこれまでそれらにどのように対応してきたかを整理します。その結果に基づき、WAC-8 Kyotoへの期待・課題を展望します。*

*最後の課題のキーワードは、'in-between-ness'です。

2015年04月03日

近況:XV Nordic TAG 2015で拙稿の論点が討議されます

XV Nordic TAG 2015 (スカンジナビア理論考古学グループ第15回大会)のパネル・ディスカッションで、拙稿:A Future of Archaeology (Antiquity, Vol. 89, Issue 343, pp. 12-22)の論点が下記のテーマとして討議されます。

N-TAG Panel Discussion:
“The Next 30 Years in Theoretical Archaeology”

Copenhagen 16th April 2015 10:30-12:30,
KUA, room 23.0.50

'1) In a recent op-ed in the journal Antiquity (89, 2015:1) Koji Mizoguchi has called on archaeologists to re-engage with long-term historical patterns, to better integrate method with theory and to have a greater dialogue between archaeologists from different backgrounds around the world. Would you support Mizoguchi's analysis or not, and why?'

その柔軟さと革新性で定評ある同学会が今後30年の理論考古学の未来を考えるパネルで、このような形で自身の意見を検討し、議論を展開していただけるのは、本当に光栄なことです。瞬間移動マシーンがあれば、柱の陰からこっそり覗いて見たいですが...。

当日の議論のレポートがあれば、また報告いたします。

2015年03月10日

世界考古学会議 『死海協定』制定とモスル声明発表

世界考古学会議は、『紛争時の文化財保護に関する協定:死海協定(“WAC Accord on the Protection of Cultural Property in the Event of Armed Conflict.”)』を制定採択しました。

(an excerpt from the introduction letter) 'The World Archaeological Congress announces the adoption a new accord: “WAC Accord on the Protection of Cultural Property in the Event of Armed Conflict.” The accord was originally proposed as a resolution to the WAC Assembly in WAC-7 Dead Sea, Jordan in January 2013. The general membership was consulted in April and May 2013, and a WAC Inter-Congress, jointly organized by The American University of Rome, Blue Shield, University of Vienna and University of Newcastle, took place in May where the content of the accord was further discussed. The accord was then approved by the WAC Council in early December 2014.'

また、世界考古学会議は、イラク共和国のモスル博物館、ニムルド遺跡等の破壊に関する声明を発表しました。

Cultural heritage is the embodiment of human experiences that include suffering from, coming to terms with, and solving conflicts of various natures and scales. We should put our knowledge and efforts together to prevent the destruction of cultural heritage of this nature from happening again and protect our common human heritage.


2015年02月03日

拙稿A Future of Archaeology (Antiquity誌)出版

Koji Mizoguchi (2015). A future of archaeology. Antiquity, 89, pp 12-22. doi:10.15184/aqy.2014.39.

上記の拙稿が出版されました。多くのご意見お聞かせいただければ幸いです。また、このテーマにつき、多くの方々と議論できますことを楽しみにしております。

2014年12月30日

近況

雑誌『考古学研究』第61巻3号に、拙稿「世界が変わるとき:弥生時代中期の北部九州を素材として」(When the world changes: an archaeologicl approach by studying the Middle Yayoi period of northern Kyushu as a case)が掲載されます。

考古学が扱いえる社会の変化とは、つきつめるといったいどういう事態なのか、また、付随的にですが、社会関係が「安定的に」成層化することの<必要条件>とはいかなるものかについて、検討させていただきました。

また、2015年2月出版のAntiquity, Issue 342に、招待展望論文として、'A Future of Archaeology'が掲載されます。新シリーズ'Future of Archaeology'のキックオフ論文です。


'The main interest in life and work is to become someone else that you were not in the beginning.' (Michel Foucault)

悲観と楽観の交錯する日々を歩んだ2014年、さようなら。

2014年12月09日

史学会125周年リレーシンポ2014『過去を伝える、今を遺す』


上記のシンポジウム、次の土曜日となりました。

私は、「考古学の現在と未来:公共考古学の位置価の視点から」というタイトルで報告します。

社会システム論的・社会考古学的観点からパブリックアーケオロジーが分化した背景について検討し、そこから(ある種必然的に)導かれるパブリックアーケオロジーの潜在力と課題と諸問題を明らかにします。
パブリックアーケオロジーという枠組みに媒介された個別の経験の蓄積が私的体験/物語の蓄積にとどまらず、今日の<世界社会>・<生活世界>において有効な相互批判と共有、洗練化の対象となり得るための枠組みの構築を模索します。

ご参加・ご批判いただければ幸いです。

2014年10月15日

JMOOC グローバル社会考古学いよいよ大詰めです

JMOOC グローバル社会考古学、Week 3も公開一週間をすぎ、講義終了(当該期日までに受講・試験に合格すると修了証が発行される期間の終了)まで一週間あまりとなりました。

世界49カ国以上からの聴講をいただいています。また、通常の講演会などではいただけない種類のコメントやご質問、また、感想なども多くいただいています。

考古学の歴史をひもとくと、考古学が<社会的行為の一領野>であり、それは、他の領野とともに構成された社会総体のシステムのなかにしっかりと埋め込まれてきたことが良く理解できます。そして、今、私たちは、その事実を反省的に認識しつつ、それに基づいて自己の行為を選択してゆくことのできる立場にいます。

私たちが生きるこの社会の複雑性と再帰性が要求する感受性と繊細さ、柔軟性に、考古学はどのように対応してゆくことができるか?MOOCを担当させていただいたことをきっかとして、さらに考えてゆきたいと思っています。

2014年09月24日

JMOOC グローバル社会考古学いよいよ開講です

JMOOC グローバル社会考古学 いよいよ明日9月25日開講です。

世界30カ国以上の方々と受講・ディスカッションをともにしていただけます。

字幕も、英・日ともに、しゃべっている部分がハイライトされ、とてもわかりやすくなっています。

Part 3では、意識はしていませんでしたが、考古学的ネット言説空間の一部で現在話題になっている問題にも踏み込みます。

10月23日まで、いつでも登録・受講開始可能です。

ご笑覧いただき、コメント・ディスカッションいただければ幸いです。

よろしくお願い申し上げます。


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