楽譜が読めるとはどのようなことでしょうか?

 

それは、目の前に楽譜があるときに、それが知らない曲であっても、その楽譜が記している音楽を頭に思い浮かべることができるということです。

 

楽譜の記す音楽を正しく想像でき、頭の中だけで一から構築できるということです。

 

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例え話をしてみましょう。

 

今、あなたは広い野原の真ん中を歩いているとします。

 

手には一切の楽器も、音が出る器具も持っていません。

 

すると、突然空からあなたの目の前に一枚の楽譜がヒラヒラと降ってきて、それをあなたが手で受け止めたとします。

 

それを見ると、次のような楽譜が書かれています。*

空から降ってきた旋律000

 

あなたが今までに音で聴いたことも、その楽譜を目でみたこともない曲の楽譜です。

 

それをじっと見つめるあなた。

 

見つめ始め数秒後、あなたは「なるほど、この楽譜が記しているのはこういう音楽か!」と合点します。

 

そもそも楽器を持っていなかったので、音を鳴らして確かめたわけでもありません。

 

また、声を発して歌ってみたわけでも、手拍子などでリズム確認してみたわけでもありません。

 

しかしあなたは楽譜を見ただけで、それの記譜する音楽を頭の中で想像・構築できました。

 

これこそが「楽譜が読める」ということです

 

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なお、ソルフェージュというととにかく歌っている時間が多いため、あたかも歌うことがソルフェージュの目的であるかのように思っている人も多いかもしれません。

 

しかし、歌うという行為は、決してソルフェージュの目的ではありません。

 

歌うことは、頭の中に想像した音楽が本当に正しいのかを確かめるための手段にすぎません

 

つまり、それを自分自身で確かめるため、あるいは、周囲にいるチェック役の人が確かめるための手段にすぎません。

 

特に楽譜を見ている本人以外の周囲の人にとっては、本人の頭の中でどのような音楽が想像されているかということは、本人に歌って「現実音」化してもらい、聴かせてもらうことによってしか確かめようがありません。

 

他方で、ソルフェージュの目的はあくまで「楽譜を読めるようにすること」イコール「楽譜から音楽を想像できるようにすること」の方にあります

 

この点を常に意識し、手段(歌うこと)がいつの間にか目的化してしまわないよう注意しましょう。

 

あるいは、一時的に目的化するだけならばまだしも、最後まで目的化したままで終わらないよう注意しましょう。

 

ソルフェージュ学習における「確認手段と確認対象の混同」あるいは「強化手段と強化対象の混同」に対する注意喚起はこちらの記事にもあります。



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注)

* 初級の視唱課題として使えます。実際に視唱してみましょう。変ホ長調の音名と階名についてはこちらの(11)にて。「調号の一番右の♭はファ」です。