久しぶりの「音名と階名を正しく区別するための楽譜集」カテゴリーの記事となります。
今回の曲は《ピクニック》。

今回の楽譜では、振られている音名の文字の中に「○」という丸い記号があります。
これは変ロ音を表します。

西洋の中世~ルネサンス時代の音組織理論では、現代で言うロ音が「四角いb」、それよりも増1度低い変ロ音が「丸いb」として、記号の上で区別されていました。
(これについての詳細は、『正しいドレミの歌い方』の78頁か、こちらの本の111~112ページなどをご参照ください)

それに倣い今回は、幹音のロ音をいわば「四角いロ」として普通に「ロ」と表せるのに対し、変音である変ロ音を「丸いロ」として「○」と表した、というわけです。

読み方はいずれも「ロ(ro)」で問題ありません。

では、歌ってみましょう。
階名唱と併せ、コダーイアプローチのリズム唱によるリズム読譜も行うと効果的です。(「スィンコーパ」も登場します)

*画像を大きくすると楽譜が見やすくなります

ピクニック000


以下はこの旋律の調・旋法の分析です。今回から、東川清一氏の理論ではお馴染みの「均」という概念を導入してみます。

・均記号(いわゆる調号)の一番右の♭はファを表す
・したがって、均は変ロをファとするものである
・ファが変ロならばドはヘなので、均はヘ均である

・最後の音が主音である
・最後の音=主音の音名はヘである
・したがって、調はヘ調である。

・最後の音が主音である
・最後の音=主音の階名はドである
・したがって、旋法はド旋法である

・以上より、この旋律の均・調・旋法は「ヘ均ヘ調ド旋法」、いわゆるヘ長調である。

旋法は、ド~ティの7音全てが登場するド旋法、すなわち長旋法です。
しかし、7音全てが対等というよりは、ドレミソラの5音が軸となりつつ、ファとティは5音に対しやや付加的にのみ登場していると見ることもできます。
この点は《灯台守》などと同じです。


以下はボチェディ式階名唱法のための楽譜です。

ピクニック(ボチェディ階名)000