2019年01月01日

謹賀新年

今年も無事に新年が明けました。

昨年を振り返るのはこれまで以上に難しいです。
何か沢山のことが起きたようで、
何の変哲もない日々が過ぎていました。
【人生何事も経験】という自身の哲学に基づき、
これまでに経験したことのないものに
いくつか挑戦していった年でした。

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パラグライダー然り、
トライアスロン然り、
REDBULL ASHRAへの参戦然り、
英会話教室への入会然り。
大小・ピンキリあるけれど、




『人生は記憶と経験の累積』




そうした前提をして僕は日々を暮らしました。
今際の際に僕を満たすものは、
素晴らしい記憶や経験だろう。
そんなしたり顔はダサいと淡く自覚しつつも、
僕の哲学は揺らがなかったですし、
勿論今でも僕のコアでさえあります。
でも、『親指トムの冒険』を登ったとき、
僕の琴線に触れるものがありました。
ただ経験しただけでは、
ただ記憶されただけでは、
漫然と、漠然と、安穏と日々を過ごすだけでは、
僕に何一つ残らないというすさまじい直感。
思い出すだけでも僕に尊い喜びを与えるのは、
もがき苦しみ、懊悩し、切に望んで手に入れる、
そうしたプロセスに他ならないという直感。
クライマーとして14年程のキャリアを積み、
企業人として18年の歳月を経て、
人として43年を迎えんとする今になり、
僕は、ほんの少しだけ、
今際の際の僕に残したいものを手に入れるには、
今のままでは絶対に後悔する、
後悔先に立たずを実践しているつもりが、
最期に、豪快に卓袱台返される、
そう直感し、実感すらしました。




クライミング的には去年も悲喜交々ありつつ、
自身のパフォーマンスの高低に苦しみつつも、
二段や初段くらいまでの課題をそれなりに登り、
登りたいと思う課題を思いのままに登りました。
その意味では、ピュアなクライミングというか、
ただ登りたいという欲求に身を傾けて
クライミングを楽しめた一年だったと言えます。
幸いにも共に登る友人にも恵まれ、
僕のクライミングは充実していたと感じます。
本当にありがたいことです。




ただ、




ただ、渾身の、僕の脳天を突き刺すような、
そんなクライミングがどれだけできたんだろう。
血管から決意を捻り出すような、
心が恐怖や苦痛を丸呑みするような、
海馬と脳内皮質に焼きごてするような、
そんなクライミングがどれだけできたろう。
矮小な承認欲求を土手の下まで蹴り倒し、
瞬き一つない刮目を岩肌に叩きつける、
そんなクライミングに僕は見舞われたろうか。
クライミング以外でもそうです。
日常で、仕事で、遊びで、
脳天を一発で貫通するような鮮烈を、
心象の両目を焼き払うような閃光を、
僕はどれだけ感じ、
その記憶を人生に積み上げられたろうか。
昨年でなかったとしても、来年でなくともいい、
いつの日か、五臓六腑が破裂するような、
理屈や論理の鉄格子を容易くひん曲げるような、
僕がちまちま積み上げた凡庸の積み石を、
躊躇も容赦もなく颯爽と踏み砕くような、
そんな衝撃を積み上げることはできたろうか。

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『親指トムの冒険』は一級です。一級。
百鬼夜行の完登を目指し、
一応は四段を視野に入れ、
ジムでファイル課題の一級や初段をトライして
たまには登るクライマーが、
息を止め、両目を開き、
リップへの一手に咆哮した、
それが昨年の『親指トムの冒険』、一級でした。
ちなみに僕がいまだに忘れられない
自身のクライミングの最高峰は、
笠間の『シンプル&ディープ』、初段です、初段。
僕にとってグレードは、
僕の血潮を煮沸するような、
自身の五感を丸呑みするような、
そんな体験を僕に与えてくれるであろう、
その指標です。
『親指トムの冒険』は、
グレード的にはたった一級。
でも僕にとっては、
昨年登ったどの課題よりも強烈に、
僕の五感を揺り動かしました。

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あ、ナナメジ もかなりガンと来ましたけど。




43歳を迎える僕は、
一つの確信を得ようとしています。
良くも悪くも僕の直感は
僕の理性よりずっと理知的で、スマートだと。
糞の役にも立たない、糞に申し訳ないレベルの
ロジックとか呼称されるゴミをこねまわすなら、
ずっとずっと遥かにロジカルな直感に導かれ、
得体の知れぬ世間や社会の白目を気にせず、
思いのままに歩むべきなのだ、と。
これまでわかっていたようでわかっていなかった
その確信の片鱗に触れては消え、見ては見失い、
ズルズルグダグダと人生を過ごしてきました。
でも侮るなかれ、僕の直感というヤツは、
僕よりもずっとしたたかで賢明で、
怠惰な僕の尻を、諦めずに叩き続けてくれている。
直感のロジカルさという詭弁のような存在に、
僕はずっと疑念を抱いていました。
論理の方が優れているはず。カッコいいはず。
僕の直感にはエビデンスがない。
直感が明確に指し示す松明に、
論理とかいうろくでなしがそっと水をかけにいく。
いつしか感情や直感の目から力強さが消えた頃、
なんだか物足りないなぁと思った僕が、
僕の中の論理に改めて懐中電灯をあてたその時、
直感に比すれば役不足感極まりない
虚栄や欺瞞や傲慢や嫉妬、
そうした文字列にし得る限りの醜悪が、
理性の顔をしていただけだと気づきました。
舞台袖にいた孤独がそっと言いました。




あーやっちまったな。どーすんだオマエ。




自業自得にも程があります。
何という馬鹿さ加減でしょう。
人から受けた優しさを返していきたい。
こんなゴミ屑のような僕に安らぎをくれる友だちに
何か一つでも返していきたい。
本当にそう思っても、まるで何もできない。
そりゃそうです、僕の肢体を動かすのが
孤独だの傲慢だの、醜悪のベストメンバーです。
ただでさえ欠落してる感情を穴埋めしてるのが
見るに耐えない糞の塊。
直感・感情と対峙し、格好いいと思っていたのは
論理でも賢明でも何でもない、
ましてや決して憧れのヒーローではない、
ただの烏合の糞。
上手く機能しないわけです。阿呆か。




でももし、
僕が少しでもまともに動くとすれば、
そんな僕を機能させるものがあるとすれば、
それは多分直感なんだと直感しています。
我慢して我慢して、けたたましいノイズから
純粋な直感の声に耳を傾ける。
多分それがいい歳こきつつ末期を迎えた
夢見がち中年独身サラリーマンを、
末路の果てから救い出す蜘蛛の糸だろうと
ほぼ確信に近い思いでいます。
弱々しくも垂らされた直感を信じて歩めたのなら、
僕はクライミングを通じ、
日々の暮らしや仕事を通じ、
僕の脳天直撃するような経験を得る機会を
手中に収めることができるやもしれない。
いつまでも変わらぬ景色のなかで
皆の遠のく背中を見守る僕の景色を変えるのは
きっと他ならぬ手垢まみれの直感だろう。
これは僕の賭けですが、
賭け切ることができれば、きっと勝てます。




新年を迎えるその前から、
僕が直感していることの一つとして、
僕の望む姿に近づくためには
これまで手にできたことがない経験を
一つでもいいから得る必要がある、
というものがあります。
それは何かと言うと『小さな継続』です。
兎に角僕は続けることが大の苦手で、
直感的に『あ、これは続ける必要がある』
と思うものほど放り出してしまう悪癖があります。
先ず間違いなく大切なはずなんです。
それを今年は一つでもいいからやろうと思います。
途切れ途切れの100%よりも、
途切れることのない60%を目指したい。
僕に必要なのは不完全を許容する懐の深さです。
あと一つ、これが大変難しいんですけど、
どこかに霧消してしまった感情を、
もうちょっとだけ豊かにできないもんかと
思っています。
僕は心底、人の形をしたろくでなしなので
せめて人らしさを得ていけないかと思案してます。
こんな歳になって自分をすこしでもマシにする
というドリーミーな試みはかなり痛々しいのですが
四十路も越えた今更に恥も外聞もありません。
厚顔無恥を強みに、僕は僕にささやかな抵抗をし、
真に自身を充たせるもののために、
今年も迷走していきたいと思っています。
クライミングは真に自身を充たすものの一つです。
僕の信じるもののため、僕を充たすもののために、
もう少しだけ奮起したい。
それが今年の抱負です。
そして、来年の元日を迎える頃、
改めて自分に問いただしてみたい。
【オマエ、あのブログ本心だったの?】と。




いつも手垢まみれの常套句ながらも、
僕と友人と家族とクライマー諸氏の健康とご多幸、
毎週末の好天と、低い湿度と、適度な気温、
最高の体調とパフォーマンスを祈念し、
久々のブログ投稿にします。
じゃあ今年も、早速登りに行きましょう。




2019年元日
F皮


fkawa125 at 00:00コメント(0)場外  

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