2008年10月04日
■不思議な1960年TYPE-1
今日紹介するのは、現在FLAT4にて販売中の1960年TYPE-1 ヨーロピアンモデル。しかしこの1960年モデル、不思議な事にヨーロピアンモデルの最大の特長とも言えるセマフォ−(腕木式方向指示器)が有りません!!
書籍や資料によれば、1960年ヨーロピアンモデルにはセマフォ−(腕木式方向指示器)が残されたとありますが、1959年11月の生産までしかセマフォ−(腕木式方向指示器)は使用されて無いというのが事実とされてきました。しかし、その事実も。。。というのが、この現車がレジスター(登録)されたのが、1959年10月17日なのです。という事は10月の時点で既にセマフォ−(腕木式方向指示器)は使われていないのです。そうすると1960年モデルでセマフォ−(腕木式方向指示器)付きは、僅か2ヶ月程という事に成ります。(これも貴重ですね!)モデルイヤーは、基本的に1955年以降に関しては8月が変更月と成ります。(例:1956年“モデル”は1955年8月から1956年の7月の間に生産されたVWを指します。)ここで“基本的に”と言ったのには例外も有るからなんです。実は1958年モデルだけは、1958年の7月迄では無く10月迄だったのです。その為、必然的に1959年“モデル”は1958年11月から生産されたモデルを指します。ですから1958年9月生産のVW TYPE-1は普通なら1959年“モデル”と思いがちですが、違うんです。
ちょっと話がずれました。では1960年モデルについて解説したいと思います。(1960年も最初の...、最後の・・・と、かなりマニアックなんですが。。。)

ではマニアックな所から。。。先ずはステアリングホイールですが、前年の1959年モデル迄が俗に言われるオーバルステアリングだったのに対し大きくモデルチェンジ。ハーフムーンタイプと言われるクロームリングが備わるモデルになります。これは1967年まで使われ続けるスタイルとなりますが、1960年と1961年は"オンリ−"なのです。センターに備わるWolfsburgのホーンセンターを外すと1962年からとの違いが判ります。そこにはホーン配線を止めるプレートが備わりません。ホーンの配線機構を含めステアリング自体が1960年と1961年は特別なのです!


そして、クリアーニードルの通称"飴針"スピードメーターは、この1960年モデルが最終となります。また、この現車にはダッシュにグラブハンドルが取付けて有りますが、これは当時のオプションでグラブハンドルは本来1961年からです。ビス止めのサンバイザーも当時のオリジナルです。
グローブボックスの裏面にはアイボリーのキャップが3箇所ダッシュモールピン用のスピードクリップの取付けの為にありますが、現車は一度も外された形跡が有りません。
1960年モデルから採用されたパッセンジャードアに付くアームレスト(写真右)も新品の様です!ちなみにこのパターンのドアパネルも1960年からのアイテムです。写真左は、1959年のドアパネル&アームレスト。
ドアを開いて気が付いたのは、現車には通常の丸いヒンジプラグでは無く、当時のGermanメーカーBIL-TEKNO AB製のドアバファーが付いてました。


そして外観では、1959年までのプルレバー式(写真左)に代わり、1960年からはプッシュボタン式(写真中)のハンドルが採用されます。そしてフロントフッドに付くWolfsburgのクレストがブルーベースのフルカラーからブラックベースのタイプに変更されます。



また、ウィンドーウォッシャーは1961年からの採用ですが、現車には当時のオプションタイプが備わります。ガスタンクも通称"オーバルタイプ"と呼ばれる形状のタイプが1960年迄に採用され、1961年からはフラットタイプに変更となります。現車にはブリーザーパイプを追加するVWオプションが取り付けられていました。



1960年は36HPエンジン(スタンドエンジン)を搭載した最後のモデルとなりますが、現車には珍しいオイルヒーターが取り付けられていました。これはエンジンルーム内に出て来ているコネクターに家庭用電源(ヨーロッパの3ピンタイプ)をつなぎ、出発前に事前にオイルを暖めておくという優れものです。
そして、ヨーロピアンモデル最大の特長であるクロスシート(現車は#53 fur grey)。この縦ストライプも1960年オンリ−です。1961年からはストライプがもっと細くて細かいタイプに変更されます。しかしこの現車に残されているシートのコンディションは奇跡としか言い様のないEXCELLENTな状態です。
こんなコンディションをキープしてきたオーナーは一体どんな方だったのでしょうか?残された資料の中には、毎年VWディ−ラ−でBOSCHの計器にて計られた圧縮表や修理内容も残されていたりと、かなり几帳面な方だった事が伺えます。まだまだヨーロッパにはこんなVWが残されているのでしょうか!?羨ましいですね!!
そして最後に不思議アイテムを1つ。現車についているこのテールライトレンズ(写真右)は何でしょう??良く見かけるHella製(写真左)やHassia製の物と少し違います。まだまだ知らない事が発見出来るVWは楽しいですね。Enjoy your life with VW!!
