2008年10月21日

ポケモンカード回顧録5 〜再起編〜

 日々の生活に振り回され、意識の中心にポケモンカードを置けなくなって、早1年。
 当然ながらその期間、ポケモンカードとの接点もなければ、頭の片隅にさえも存在しなかった。
 少しずつ、少しずつ、時と共に記憶が色あせていくように、このままこの夢から覚めていく・・・はずだった。

 だが、止まっていた時計の針は、再び動きだす...


 再び、触れるきっかけを作ってくれたのは、友人viptakki氏である。春休み、実家に帰省していた俺に、店舗大会に行かないかと誘ってくれたのだ。約1年ぶりの大会参加である。

 期待と不安と懐かしさが入り乱れ、変な緊張感の中、大会に行ったのを覚えている。
 1年前、くだらないデッキっては対戦し、互いに笑いあった仲間達との対戦を楽しみにしていたのだが・・・ここにはいなかった。それもそのはず、既に彼らの殆どがポケモンカードを辞めていた。もう、ここはかつての居場所ではなかった。
 この寂しい事実は、俺の中でポケモンカードの時が止まっている間も、確実に時計の針が進んでいる事を示していた。

 久し振りの対戦でルールはうろ覚え状態、見ず知らずの人との対戦・・・対戦前から何とも言えない不安が俺を襲う。
 昔の仲間達に会いたくて来ただけなのに、その仲間はいない。ここに来た目的を殆ど失い、なんでこんなに不安な気分で、時間を割いてまでゲームをやらなければならないのだろう。
 ・・・来るんじゃなかった、と後悔さえ感じ始めていた。

 ちなみにその時使ったデッキは、ゲンラッキー(注1)。せっかくの大会だからと、e1(注2)を8パック購入したら偶然にもゲンガー4枚出てきたので、思いつきで作ってみた。インターネット上では、2002春道のメタとして注目されており、活発な議論がなされていたと推測される。が、当時の俺は当然そんなことを知りもしない。
 当時のデッキリストを見てみよう。

■ポケモン:20枚
4: ゴース(green)
4: ゴースト(green)
4: ゲンガー(e1)
2: ラッキー(1)
2: バリヤード(J)
1: R団のソーナンス(VS)
2: ピィ(NEO1) ☆
1: バルキー(NEO2) ☆

■トレーナー:23枚
4: ウツギはかせ
2: オーキドはかせ
2: クルミ
2: ウツギはかせの育て方
2: ものまね娘
1: 突風 ☆
1: たたきつけろ!挑戦状
1: 礼儀作法
1: デュアルボール
1: 夜の廃品回収
1: R団の爆発ジム
1: マチスの交渉
2: ワープポイント
2: きずぐすり

■エネルギー:17枚
12: 超エネルギー
4: 鋼エネルギー
1: 悪エネルギー


 R団のソーナンスやマチスの交渉など、個人的趣向のカードが入っている。1人で考えただけあって、とてもトーナメントに出れるレベルの完成度ではない。だが、ここは地方の店舗大会。PPL(注3)などのトリッキーなデッキは存在せず、殆ど全てがエネルギーをつけて殴る直線的なデッキ。そんな環境の中、このデッキは猛威をふるった。

 そして、対戦する度に思い出す、久しく味わっていない感覚。
    検討に検討を重ねたデッキが、実戦で思い通りの動きをしてくれる時の達成感。
    場や隠された手札から相手の手を読み、いかに自分を有利に導くように戦略を築きあげる楽しみ。
    また、相手に自分の手を読み切られないよう、ブラフを掛け、相手の動きを誘導する駆け引きの楽しみ。
    そして何より、互いに思考の極限まで考え抜いた末に、得られる勝利の喜び。

 忘れかけた楽しさが、そこにはあった。ポケモンカードを始めた頃、パック開封やトレード、デッキ構築、対戦など、ポケモンカードの全てが楽しかった。どんなにボコボコに負けても、悔しいけど楽しかった。そんな事を思い出す。
 何故、こんなに簡単に捨ててしまったのだ? 忙しさを隠れ蓑に、いつの間にか楽しさを忘れ、仲間を失った自分を悔やんだ。
 ・・・もう、ここはかつての居場所ではない。だが、ここには笑って対戦しあえる新たな友人達がいる。


 こうして、俺は再び戻るべき場所を見つけた。
 もう二度と、忘れては、失ってはならないと、心に誓って。




(注1):鋼エネで固めたラッキー(1)で殴り、回復ソースとしてゲンガー(e1)を加えたデッキ。鋼エネとゲンガーの2重の防御により、殆どダメージが通らなくなる。
(注2):黒歴史のeシリーズ第1弾。eシリーズのカードは、ドットコードがついており、カードeリーダーで読む事で隠し技が使えるという仕様だったが、殆ど活用されずにただの飾りと化した。また、eシリーズは、カード単価が高くなった上、パック内の◆が1枚と意味不明な封入率で、プレイヤー達を大いに苦しめた。
(注3):Pokemon Power Lockの略、すなわちベドベドン(化石)により特殊能力を封じるデッキのこと。特定のデッキに対しては絶大な強さを発揮するが、アンチデッキのサガか、普通のデッキにはわりと簡単に負ける。

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