国際開発とビジネスを学ぶ ~ Fletcher School MIBプログラム 留学記 ~

2016年秋からアメリカ合衆国ボストンにあるタフツ大学フレッチャースクール(Tufts Fletcher School)のMaster of International Business(MIB)プログラムに留学する日々を綴っています。

フレッチャースクールは入学早々の8月末から9月頭までの期間にOrientation Weekという実際に授業が始まる前までの導入週間があります。(詳しくはコチラのブログ記事をご参照)

これにちなんで、春学期の期末試験最終日の翌日から卒業イベント(Class DayおよびCommencement)の前までの期間は「Dis-Orientation Week」と呼ばれており、言わば卒業式前の最後の1週間をまだフレッチャー生がボストンにいる間に交流を深めに深めようとたくさんのイベントが行われます。

具体的には、Dip-Ballという年度末打ち上げ@ボストン湾クルーズ、ハイキング、サッカー、クリケット、サルサダンス、ボストンレッドソックスの野球観戦、etc ・・・挙げればキリが無いくらいですが、学生メーリスのSocial Listで各イベントごとに参加者募集してスケジュール管理してという徹底ぶり(汗)

Orientation Weekがフレッチャースクール主催の公式イベントであるのに対して、このDis-Orientation Weekはフレッチャー生有志によるイベント。Disという否定の接頭語をつけて勝手にイベントを企画しちゃう創作意欲がいかにもフレッチャー生らしいなと感じています(笑)

自分も全部に参加できたわけでは全くありませんが興味があるのにはなるべく多く参加しました。何よりも卒業してしまう2年生の方々や1年制プログラムの方々と最後に交流を深めたかったからと、あとボストンは春学期は基本的に雪の積もるぐらいの寒い日ばかりで、この晴れた春の気候を最大限に活かさないと外に出歩きたくなくなる長い冬がやってくるため。。。(涙)

写真を何点か共有させていただきます。


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▲魔女狩りでも有名なSalemという街へ。Salem Witch Museumでは実際に女性が魔女容疑で裁判に掛けられた歴史を知ることが出来ました。


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▲トランポリンで有名なSky Zoneという屋内型テーマパーク施設へ。写真はトランポリンではないですが、オレンジの陣地に立って押し合いへし合いするというゲーム。大人げないですが非常に盛り上がりました(笑)

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▲キャンパスから車で20分程度のMiddle Sex Hikingというハイキングスポットへ。生憎の天気でしたが、犬を飼っている方々が多く来られていて、じゃれている姿に癒されました。


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▲Charles Riverでのボートクルーズ。晴れやかな天気で、川面から眺める美しい景色を堪能できました。

フレッチャー留学生紹介もついに第30弾!
自分のペースでゆる~く続けてきましたが、今年度中に30カ国をカバーできればいいな~ぐらいに考えていたので、達成できたことに感慨深いさとフレッチャー生の温かい協力への感謝の気持ちが溢れています。

今回はガーナ人のNaabさん(Naab Kunbuor)をご紹介させていただきます!

ガーナの首都アクラの出身で大学では一つ目の学士号を政治学・社会学の分野で取得されたあと、法律号の学士号取得、ロースクールへと進まれます。ロースクール卒業後、ガーナの法律事務所にて民事訴訟、刑事訴訟など個人関連の法律実務を積まれますが、企業関連の法律実務を積まれたいとガーナの財務省に転職。財務省では租税条約、二国間通商協定をご担当。フレッチャーではLLMプログラムに所属されビジネスに関連する法律を中心に学ばれ、卒業論文のテーマは「ガーナと諸外国との二国間通商協定」。卒業後は派遣元の財務省に戻られる予定です。Naabさんの専門は法律、自分の専門は金融・会計と異なりますが、海外直接投資(FDI)など共通の関心分野があって大いに盛り上がったインタビューでした。

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<Naabさんにインタビュー>

1.Before Fletcher?

ガーナの首都アクラの生まれで父は弁護士です。小学校から高校まで地元アクラで通いましたが、ガーナの公用語は英語なので英語で教育を受けました。

大学はガーナ大学(University of Ghana)に進学して政治学と社会学を専攻しました。本当は法律に興味があったのですが当時の制度として一つ目の学士号が無いと法律の学士号が取得できなかったため、社会科学系を選びました。(今は直接、法律の学士に進めるそうです。)

その後、法律の学士号取得、ロースクールを経て、ガーナの法律事務所Law Templeに就職して2年間実務経験を積みました。民事訴訟、刑事訴訟、契約書作成など様々な業務経験をさせていただきましたが、基本的にクライアントは個人の方々。企業に関連する分野で法律の実務を重ねたいと思い、財務省に転職。法律事務所より給与は大分低くなるキャリアチェンジでしたが、経験を重ねたいという想いが勝りました。

財務省では法務部に所属して、主に民間セクターに関連する法規制に関して担当しました。具体的には租税条約、二国間投資協定などです。激務の法律事務所と違ってワークライフバランスの取れた職場で(汗)ちょうど家族との時間を大切にしたいと思っていた頃だったのでありがたかったです。

2.Why Fletcher?

国際法を学べるプログラムを探している際にフレッチャーのLLMプログラムのことを耳にして出願する運びとなりました。国際法を学びたかったのは、将来的に国際機関へのキャリアも考えた際に国際法の基礎が必要なのと、何よりも母国ガーナにとって非常に重要な学問であるから。フレッチャーのLLMプログラムとしては私が初のガーナ出身の学生となります。

フレッチャーでは主にビジネスに関連する法律の授業を多く取りました。具体的には国際商取引(International Business Transaction)、国際金融法(International Fiscal Law)など(ちなみに同2つの授業はMIBプログラムの選択必修課目です。)そのほか、ハーバードロースクールでクロスレジスターをして環境法(Environmental Law)の授業も受講しました。この授業はとても実践的で環境に関する訴訟のシミュレーションを行って実際の法律文書のドラフト作成まで実施しました。

LLMプログラムは少人数で参加者は11人のみ。様々なバックグラウンドの学生ばかりで、卒業論文をお互い発表しあう2泊3日の合宿も行われて交流を深めることが出来ました。

3.After Fletcher?


ガーナの財務省からの派遣留学生としてフレッチャーに来ているので卒業後は派遣元の財務省に戻る予定です。引き続き租税条約や二国間通商協定を担当するほか、融資契約書の形態など金融法規制に関しても担当する予定です。

卒業論文は、ガーナと諸外国との二国間通商協定に関して書きました。ガーナは現在27カ国と二国間通商協定がサインされていますが、批准(Ratification)されたのはそのうち8つだけ。私は二国間通商協定が海外直接投資(FDI)を呼び込むには重要だと思って調べ始めたのですが、結果的にはそれ以上に安定した政府、インフレ整備などのビジネス環境のほうがずっと重要だと分かりました。有り難いことにガーナは西アフリカでは比較的ビジネス環境が良いので、オランダ、シンガポール、マレーシア、中国など各国から投資が増えてきています。しかし諸外国と交渉していくには、圧倒的に政府における人財不足。ガーナの各省庁の人財が国際法を学ぶことが重要だと感じていて、私のような留学生が増えればと思っています。

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Naabさんとはフレッチャーの食堂Carmichael Dining Centerで食事した際に、ありがたくもチョコレートのプレゼントをいただきました。ガーナと言えば日本ではロッテの商品「ガーナチョコレート」が有名ですが本場ガーナ産のチョコレートは非常に美味しかったです。ガーナは世界有数のカカオ産出国ですが、近年では原油の商業生産も行われていると仰っていました。

インドの地場会計事務所に勤務している頃に日印租税条約に関する手続きをサポートしたり、日本企業のインド事業展開支援をしていたので、Naabさんとは租税条約・海外直接投資(FDI)などのトピックに関して大いに盛り上がりました。Naabさんの専門は法律、自分の専門は金融・会計と異なりますが、「海外直接投資(FDI)や民間セクター開発を通じて国の成長に寄与したい」という想いは共有してあり、そんなガーナ出身のNaabさんと所属プログラムは違えど、フレッチャーで出会えて本当にありがたいと思ったインタビューでした。

フレッチャー留学生紹介の第29弾!

今回はコロンビア人のNatalia(Natalia Prieto Nino)さんをご紹介させていただきます!

コロンビアの首都ボゴタの生まれで小学校からBritish Schoolに通い高校時に国際バカロレア資格を取得。大学はエンジニアリングと経済を専攻してフランスに交換留学も。エンジニアリングの修士号を取得後、非営利コンサルティングファームであるCompartamosに就職。マッキンゼー・PWCと連携してNPO向け業務改善や企業のCSR活動アドバイザリー業務に従事。本業の傍ら、学生向け体験型スタディツアーを企画する教育事業会社OBA/Envoysにパートタイムで参画されます。フレッチャーではMIBプログラムに所属しテクノロジーと経営戦略を専攻。卒業後はビッグデータを扱うData Wheelという会社に勤務される予定です。卒業式の在校生代表スピーチも務めるFletcherの顔と言うべきNataliaさんの「テクノロジーを通じて社会に貢献する」という情熱に触れたインタビューでした。

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<Nataliaさんにインタビュー>

1.Before Fletcher?

コロンビアの首都のボゴタの生まれです。父は土木技術者(Civil Engineer)で母はシステムエンジニアというエンジニア一家に生まれました。ちなみに母はコロンビア政府主導のトレーニングプログラムで日本の通信技術を学ぶため6ヶ月日本に滞在したこともあるんですよ。

幼稚園はFrench School、小学校からBritish Schoolに通って高校時は国際バカロレア資格を取得。母国語のスペイン語のほか英語、フランス語、ポルトガル語が話せます。海外志向の両親に連れられて海外旅行に多く行かせていただきましたが、高校の頃はちょうどコロンビア政府とゲリラの戦いが日常化していたころで学校として海外旅行は禁止に。小さい頃から貧富の差、ドラッグ、紛争と多くの社会問題を抱えるコロンビアを目の当たりにしたのがその後の人生の方向性に影響していると言えます。

大学はUniversidad De Los Andesに進学してエンジニアリングと経済を専攻。エンジニアの両親の影響があったのと、また社会問題を解決するツールとして学びたかったんです。在学中、フランス語能力を磨くためにフランスに交換留学にも行きました。

大学卒業後は、スペイン系投資銀行でアナリストとして勤務したのち、大学院に進学してエンジニアリングの修士号を取得。私は教えるのが好きで企業戦略(Corporate Strategy)の授業ではTA(Teaching Assistant)も務めました。

大学院卒業後は、社会貢献にフォーカスしたコンサルティング会社であるCompartamosに就職。Compartamosはユニークなコンサル会社で、マッキンゼー・PWC・デロイトなどと連携しながら、①NPO向けの業務効率改善、②官民連携でのスタートアップ事業の活性化、③企業のCSR活動のアドバイザリー業務などのプロジェクトに従事しています。アナリストから始まってエリアマネージャーとなるまで働いて様々な経験をさせていただきコンサルスキルを磨くことが出来ました。

本業のコンサル会社のほか、学生向けのスタディツアーを企画する教育事業会社のOBA(Off Bound Adventures)にパートタイムで関わっていました。このOBAという会社、単なる観光旅行ではなく例えばホームステイも組み込むなど体験型のスタディツアーを学生向けに提供しています。私はOBAの海外展開をサポートして、モロッコ、スリランカ、ペルーなどの新しいスタディツアーの企画もしました。OBAのボストンでのパートナー会社がEnvoysで私の旦那さんが働いている会社でもあります。

2.Why Fletcher?

教育事業会社Envoysのパートナーがハーバード教育大学院とフレッチャースクールMALDプログラムの卒業生で、その方からMIBプログラムを薦められたんです。MBAやMPAなど様々なプログラムを受けましたが、最終的にMIBプログラムにしたのは、ビジネスと同時に国際関係を学べるという複合性から。

フレッチャーではテクノロジーと経営戦略を専攻。テクノロジーに関してはMITやハーバードの授業もクロスレジスターで受講しました。サマーインターンはフレッチャー所属の研究機関であるIBGC(The Institute for Business in the Global Context)で実施。前職のコンサルスキルを活かしてクラブ活動のFSIG(Fletcher Social Investment Group)の事業戦略を考えてボストンにあるテクノロジー系会社と多く会って新規案件発掘に従事しました。

授業のほかフレッチャーのフットサルクラブに所属して活動したり、Leading the Global CorporationとInternational Business Strategyの2つの授業のTAも務めました。


3.After Fletcher?

Datawheelというビッグデータを取り扱う会社に勤務する予定です。MIT Media LabのCesar Hidalgo教授のData Analysisという授業をクロスレジスターで受講して、その教授から紹介していただいて採用へと繋がりました。この会社は米国政府がクライアントで、Data USAというビッグデータを一般市民・企業・NGO等向けに無料で公開するプラットフォームを運営しています。ビッグデータを活用してそれぞれの組織の意思決定に利用してもらうという事業にテクノロジーが社会に貢献する大きな可能性を感じてワクワクしています。

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ちなみにNataliaさんですが、フレッチャーの卒業式であるCommencementにて在校生代表としてスピーチをされる予定です。フレッチャーの2年間がどうだったかを尋ねると下記の回答が。

「学部生時代から専攻しているテクノロジーや経営戦略に関しては一定のレベルに達したのかと。様々な授業やイベントを通じて世界には多くの諸問題があるのを実感するとともに、多くのフレッチャー生はそれら世界の諸問題に重きを置いて本気で解決しようとしていることに感銘を受けました。各分野の第一線を走る教授の方々との出会いは今後の人生に大きな意味を持つもので、特にフレッチャーで金融を教えるSchena教授には感謝しています(※Schena教授は今年度のBest Teacher賞を受賞されました)。小さなコミュニティーで助け合いの精神に溢れる学生の友人らから多くを学び、これから世界のどこに行っても繋がっていけることは人生を豊かにしたと感じています。」

2つの授業のTAを務めるほど学業優秀でフットサルは怪我をしなければコロンビアでプロになるレベルというスポーツ万能ぶり。それでいて在校生代表に選ばれるほど人望が厚い。人間的に本当に素晴らしいNataliaさんの「テクノロジーを通じて社会に貢献したい」という夢・情熱に触れる、忘れられないインタビューの時間となりました。

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