国際開発とビジネスを学ぶ ~ Fletcher School MIBプログラム 留学記 ~

2016年秋からアメリカ合衆国ボストンにあるタフツ大学フレッチャースクール(Tufts Fletcher School)のMaster of International Business(MIB)プログラムに留学する日々を綴っています。

<Day 2のスケジュール>

10時~11時 Eurasia Tokyo Officeとのミーティング
12時~13時 JICAとのランチ
14時~15時 Temple Univ Japan Campusとのミーティング
16時~17時 内閣府男女共同参画局とのミーティング
19時~21時 Alumni Party @ 新橋


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2日目は、フレッチャーMIBプログラムのOGが勤務するEurasia Groupの東京オフィスにて、トレック最初のミーティングを行いました。Eurasia Groupは、フレッチャー主催のニューヨークキャリアトリップの訪問先でもあり、フレッチャー生にも人気の高い就職先です。

大変ありがたいことに東京オフィス代表のKei Sakaguchi様より、2018年の10大リスク(TOP RISKS)に関してプレゼンいただきました。中国・北朝鮮の動向、テクノロジーの冷戦、保護主義2.0、南アジアの政治、アフリカの安全など幅広いトピックに関してお話いただきました。

参考:日本経済新聞「2018年の世界10大リスク、首位は中国の影響力拡大」


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ランチ時は、JICAに勤務しているOBの方から、日本の国際協力に関してお話いただきました。他の国際機関との協調、連携業務を担当している方もJoinいただき、国際開発を志す者として非常に興味深く聞かせていただきました。

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午後は、Temple University Japan Campusへ。

学長のBruce Stronachさんから、日本の教育制度の課題や問題点をアメリカとの教育制度の比較の中からお話いただきました。アメリカの大学院で勉強している身としてフムフムと納得できるお話ばかり。アメリカの教育ってグループワークなど学生をモチベートさせる仕組みに満ちていて、学生の本気度も違うなとは感じていました。東大の秋入学検討がBig Newsになるようでは本当にまだまだ改善点は多いのかと思います。。。

参考:日本経済新聞「機敏に自己革新を 外国人教員を教授会メンバーに」

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その後は、内閣府男女共同参画局の方とミーティング。

参加学生にジェンダーに関心の高い学生が多かったことから、フレッチャーの学生ヅテでご依頼し、有り難くもアポ取得へと繋がりました。日本はジェンダーギャップ指数で144カ国中114位。。。諸外国に比べて大きく遅れているものの、政府として民間企業と一緒に進めている政策をお話いただき、非常に勉強となりました。

参考:男女共同参画に関する国際的な指数

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夜は、日本にいらっしゃるフレッチャーのOBOGを交えたAlumni Party。

年始早々という非常にお忙しい時にも関わらず、わざわざ仕事を抜け出してまで駆け付けてくださるOBOGの方々もいらっしゃり、フレッチャーの温かな繋がりを再確認。学生寮Blakeley Hallのどのタワーに住んでいたかなど世代を超えてフレッチャートークができたうえ、来年度以降のジャパントレックにミーティングなど協力可能など心強いメッセージも頂けました。

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朝から晩まで、フレッチャー繋がりの方々のご協力が無ければ、実現しなかった貴重な機会に恵まれました。このブログの場でも、本当に感謝をお伝えしたいです。

Winter Break中の1月4日~10日にかけて、フレッチャースクールにて(恐らく)初となるジャパントレックが開催されました。

ジャパントレックとは、主に大学院の学生有志が主催している、学生を連れて日本を巡るツアー。ボストン地域ではSpring  Break中にMITが100人規模の大規模なジャパントレックを開催。HKSのジャパントレックでは安倍総理と面談するなど観光だけではない要素も。国際関係大学院では、コロンビア大学SIPAが10年以上も開催しています。

<フレッチャージャパントレック企画の背景>


上記のように多くの米国大学院でジャパントレックが企画開催されるなか、フレッチャースクールには日本人学生は少なくないもののジャパントレックが今までありませんでした(過去にはあったかもしれないのですが、他の大学院のように毎年開催するという伝統には繋がらなかったと思います。)

100人規模の学生を連れて行かなくとも、安倍総理との面談など実現しなくとも、「フレッチャーにはフレッチャーなりのフレッチャーらしいジャパントレックがあってもいい」「フレッチャーの学生に是非日本のリアルな姿を知ってほしい」との想いでジャパントレック企画が立ち上がりました。

参加したのは自分を含めて6名。他の大学院に比べれば非常に小規模ですが、フレッチャースクールの歴史上、ゼロをイチにしたという大きな意味のある一歩。そして何よりも、終わって数日経っても興奮が醒めないほど、本当に充実して豊かな経験が出来たと感じています。記憶が鮮やかな今のうちに、1日ずつ大切にお伝えしたいと思います。

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<トレック全体のスケジュール概要>

Day1 - 1月4日@東京(東京観光:浅草、東京駅、Welcome Party)
Day2 - 1月5日@東京(Eurasia Tokyo Office、JICA、内閣府男女共同参画局、Alumni Party)
Day3 - 1月6日@京都(京都観光:三十三間堂、清水寺)
Day4 - 1月7日@京都(京都観光:着物体験、茶道体験、八坂神社、建仁寺、伏見稲荷神社)
Day5 - 1月8日@広島(宮島:厳島神社、広島原爆平和記念資料館、被爆者へのヒアリング)
Day6 - 1月9日@東京(法務省入国管理局、IEE、JAEA、Coffee Hour、Farewell Party)
Day7 - 1月10日@東京(あいおいニッセイ同和損保、J.P.Morganの方とランチ)

<Day 1のスケジュール>


12時~18時 東京観光(浅草、東京駅、皇居外苑)
19時~   Welcome Party @ 新宿


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初日は先入りしたBrianと一緒に浅草観光。

定番の雷門、仲見世通り、浅草寺を案内。

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昼食は浅草の天丼屋さんで。昼食を取りながら日米のマナー文化の違いになりました。日本ってお箸ひとつをとっても、刺し箸や迷い箸はマナーが悪いと色々とルールが多いですよね。。。アメリカでは、ステーキを食べる時のナイフとフォークぐらいで、日本ほど細かくないと。

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夕方から、他のメンバーもジョイン!

リニューアルした東京駅の夜景をバックに集合写真を撮りました。

東京駅もそうですが、西洋の面影を漂わせる建物って、逆にアメリカ人学生に面白いみたいです。日本が明治時代、大正時代とどう西洋の文化を取り入れて行ったか。

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ちなみに、東京駅から徒歩で皇居外苑のほうまで行ったのですが、お堀に夜景が映り込んで、幻想的な風景となっていました。


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夜は、新宿で、つくね鍋を囲みながらWelcome Party。

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夕食後に、都庁の展望台(ちなみに無料!)にのぼって、東京の夜景も楽しみました。

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時差ボケがある参加学生も多い中、初日から、かなり詰め込みました、、、(反省)

日本に初めてくる学生が見せる一瞬一瞬の感動が、自分にも伝わってきて、嬉しい気持ちで満たされました。

あけましておめでとうございます。Winter Breakに入り、日本に一時帰国しています。今回は久しぶりに日本の実家で紅白歌合戦とおソバで年越しをするという、ゆったりとした時間を堪能しています。(昨年の年越しはアジアリーダーシップトレックでベトナムにいました。。。1年という時間の短さを感じます。)

さて、今回はフレッチャースクールの強み、特徴の一つと言われる「コミュニティ」に関して、フレッチャーで1年半が経った今、感じていることを書きたいと思います。

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フレッチャーの校風に関して進学前にブログなどで情報収集している際に「コミュニティ」というキーワードを目にする機会が多かったです。(参考:「風が強く吹いている」Fletcher考察:⑤Fletcherと校風

またこのブログの企画として30名を超える留学生にインタビューをしていますが、フレッチャーの魅力に多くの留学生が「コミュニティ」という側面を挙げています。(参考:フレッチャー留学生紹介㉙ コロンビア人、Nataliaさん

この「コミュニティ」とは一体なんなのでしょうか。「同じ学校で共に学ぶ同志」という意味なら、それぞれの大学院でそれぞれのコミュニティが生まれているわけで、フレッチャーの「コミュニティ」がことさら特別というわけでは本来ないはずです。それではなぜフレッチャーの強みとして「コミュニティ」がわざわざ強調されて伝えられるのでしょうか。

フレッチャーで1年半まなんできた身として、フレッチャーの周りの学生を「同じ学校で共に学ぶ同志」以上の存在に感じるようになりました。そしてフレッチャーには、そのコミュニティ意識を醸成する様々な仕掛け、工夫があることも分かるようになりました。以下にその仕掛け、工夫をお伝えしたいと思います。

①ボストン郊外の立地と少人数

まずフレッチャースクールはボストンの郊外の小高い丘の上に位置しています。ボストンの中心地から地下鉄と徒歩で40分程度と離れた場所。緑あふれるタフツ大学の広大なキャンパスの一角にあります。ワシントンやニューヨークなどの中心部に位置する大学院では、学生は授業後にインターンをする学生も多く、大学院がいわば「就職予備校」的な要素が強いと聞きますが、フレッチャーは逆に良い意味で「学校」的な要素が強い大学院。授業後はインターンをするよりも、キャンパスに残って図書館で勉強したり後述の課外活動に従事したりジムで汗を流したりする学生が多いです。ある意味、都会から隔離されたような独特の空間が、一緒に勉強しているという連帯感を強める構造になっています。

そしてフレッチャースクールはアメリカの他の公共政策/国際関係大学院、あるいはビジネススクールに比べて少人数です。2017年入学組は全てのプログラムを合わせて一学年で232名。(うち自分の所属するMIBプログラムは24名のみです。)ジョンズホプキンス大学SAISは2017年入学組でMAプログラムだけで439名。ハーバードケネディスクールは全プログラムを合わせて1,100名(単純計算で一学年550名)。1年半も経つと同じ学年の学生の多くが授業や課外活動やイベントなどを通じて知り合う関係となり、廊下を歩けば、何人の学生とも「How is it going?」と話しかける温かい雰囲気があります。(キャンパスビジットをされた日本人出願者の方にこの点は驚かれました。)

②グループワークの多い授業


フレッチャーでは名物授業のJacque教授のCorporate Finance、Shultz教授のRole of Forceをはじめ、グループワークを課す授業が多いです。4名~6名程度のグループを組まれ、授業の時間以外で週1回、2回程度ミーティングを重ねて、一緒に課題を進めます。グループメンバー同士で意見が合わず対立したり、締め切り間近の修羅場をちょっと無理をして作業を進めたりするうちに、授業だけのよそよそしい関係から、一緒に仕事をする同僚のような存在へ。フレッチャーの建物には大小様々な多数のミーティングルームがあり、グループワークをしやすい環境が提供されています。

そしてこのグループワークの多さが「勉強は個人でするのではなく皆で力を合わせてするもの」という雰囲気を育みます。MIBプログラムの必修授業であるファイナンスやアカウンティングでは、誰に頼まれたわけでもないのに、より授業内容を深く分かっている学生が、クラスメイトを招いて勉強会を開催するほど。単純に自分の成績だけを気にするのなら、自分の時間を削って他の学生に教えるなんてことはしないはずです。ビジネススクールと違って成績下位の何%は進級できないという制度も無いのと、そもそも競争から取り残された人たちへの支援に関心あるソーシャルマインド溢れる学生が多いことも、そのような雰囲気を作りだすのに貢献しています。

③課外活動の豊富さ


フレッチャーに入って驚くのはその課外活動の豊富さ。Student Organizationという学生サークルは約50程度もあると言われ、自分はその中でも合唱サークルAmbassachords、クラシック音楽サークルFletcher Performing Arts Club、社会的投資サークルFletcher Social Investment Group、アフリカ文化交流サークルAfricana Club、日本文化交流サークルJapan Clubに所属させていただいています。

フレッチャーの「学び」というのは授業で教授から講義を受けることに留まらず、こうした課外活動を通じて多様性のある学生コミュニティで学び合うことも含まれます。実際、アジア文化交流イベントのAsia Nightで各国の学生とソーラン節を一緒に踊ったり、春の音楽祭Spring Recitalにて久石譲の曲のピアノ演奏をして日本文化交流に一助になったりする時間は、直接的なキャリア形成には関わらないかもしれませんが、貴重な人生の一コマになっています。

課外活動を通じて授業では普段一緒にならないような学生とも交流が生まれるほか、課外活動を通じて何かを一緒に創り上げる工程で、コミュニティ意識が促進されます。

(課外活動に一切参加せず他の学生とも全く交流せずに全ての課目の成績でAをとることだけに命を懸けている孤高の天才キャラは、少なくともフレッチャーではあまり歓迎されない気がしています。。。)

④学生寮とソーシャルな付き合い

自分はフレッチャーから徒歩2分のBlakeley Hallという学生寮に2年目も住んでいます。授業以外の時間で学生寮のコモンルームで一緒に映画を見たり、HalloweenやThanksgivingなどのアメリカ文化を楽しんだり、お酒を酌み交わすことも。約80名の学生が同じ屋根の下で住んでおり、ここでも多くの学生と知り合うキッカケとなっています。

学生寮に限らず、学生同士の交流を促すイベントがフレッチャーには数多くあります。毎週の木曜日の17時30分から18時30分は、Social Hourと呼ばれ、簡単な軽食がHall of Flagに無料で食べられ、学生同士が交流する場を大学院が提供しています。それ以外でもフレッチャー生の自宅で手作りの料理を食べるFletcher Feast、各国の文化交流イベントであるCulture Night、フレッチャーのミニ披露会のOpen Micなど様々な交流の機会があります。

⑤親身なアラムナイネットワーク

フレッチャースクールの卒業生ネットワークは別名「フレッチャーマフィア」と呼ばれます。他の大学院では、卒業生にメールをしたけどメールが返ってこない、、、という話も聞いたことがありますが、フレッチャーの卒業生は、フレッチャーへの愛着が高いからか、忙しい社会人生活にも関わらず、時間を取ってメールを返信して、ミーティングやお茶の時間を下さいます。

実際、フレッチャーの卒業生ネットワークのおかげで、世界銀行(World Bank)・国連開発計画(UNDP)・アフリカ開発銀行(Africa Development Bank)・ダルバーグ(Dalberg)のような国際開発業界、ボストンコンサルティンググループ(BCG)・ユーラシアグループ(Eurasia Group)のような民間企業のOBOGにお会いしたりお話をお伺いさせていただきました。

親身なOBOGの温かさに触れるため、後輩世代への貢献で恩返ししようという「コミュニティ」の連鎖のような好循環が生まれています。(正月早々、こうしたブログ記事を書こうと思ったのは、諸先輩方への感謝からです。)

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長々と書いてきましたが、ブログ記事を書く過程で、尊敬しているフレッチャーOBの方から「フレッチャー時代に一生の友人も生まれると思います。」と進学前に仰っていただいたのを想い出しました。今ではその言葉の意味が、確かなものとして、感じられるようになりました。残り5ヶ月で卒業してしまうのが非常に寂しい限りですが、そんなフレッチャースクールの「コミュニティ」の一員に縁あってなれたことを感謝したいですし、その「コミュニティ」出身となることに誇りを持って生きていきたいと思います。

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▲ 学生寮Blakeley Hallの友人らと。

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