国際開発とビジネスを学ぶ ~ Fletcher School MIBプログラム 留学記 ~

2016年秋からアメリカ合衆国ボストンにあるタフツ大学フレッチャースクール(Tufts Fletcher School)のMaster of International Business(MIB)プログラムに留学する日々を綴っています。

カテゴリ: キャリア

地味にですがボストン開発コミュニティーの幹事を務めさせていただいています。

先日は企画したイベントにて、在ウィーン国際機関日本政府代表部の古田参事官に「IAEAへの就職ガイダンス」、また在ニューヨーク国際連合日本政府代表部の福田一等書記官に「国際機関全般への就職ガイダンス」をMIT Sloan School of Managementの教室にて行っていただきました。

古田参事官からは、一般の方々には馴染みの少ないIAEAに関して概要をご説明いただいたほか、実際にJPOやインターンとして働かれている日本人職員の方々3名のインタビュー動画なども流していただきました。その中で印象に残っているコメントをいくつか。

「IAEAはじめ国際機関では多国籍、多宗教、多民族など様々なバックグランドの職員が集まって働いており、自分の予想してない回答が返ってくるという難しさと面白さがある」

「語学よりも多様な職員と有効な人間関係を築き、いかに自分の仕事に協力を仰げるかが重要」

「ネットワークを築き、能動的に仕事の実績を出すということが(IAEAなど)国際機関で生き残るのに大切」


福田書記官からは国際機関をキャリアの候補として考えている自分に非常に有用な情報をたくさんいただきました。備忘録として書き記しておきたいと思います。

・国際機関は平均年齢の高い組織。30歳~35歳の職員は全体の10%もいない。P2レベル(職位)も全体の10%もいない。

・P35年以上の職務経験を求めるが、もし狙えるならP3のほうが人数も多い=ポストも多くチャンスもたくさん。とはいえ自分で制限するのではなく、P2P3P4など受けられる職位レベルは全て受けること。

・国際機関の外部応募からの採用者は30%程度。ただし、これには外部の国際機関からの応募(UNICEFUN本部)も含む。そのため完全なる外部からは更に少なく非常に厳しい。

・ネットワークの一つのコツは就職したいというアプローチよりも、知りたい、研究したいというアプローチのほうが話を聞ける可能性が高くなる。

・地域制、専門分野で語学の求められる程度も変わってくる。教育は西アフリカがホットでフランス語できるといい。

・同じ能力があったら現役の職員から紹介(reference)のある人を選ぶ。紹介ある人のほうが雇う側としても安心感がある。そのためネットワーキングが非常に重要。

・Reputation
が大事。人に見られているという意識を常に持つこと。あまり良くない評判という形で紹介されると次に繋がらない。

・日本政府からFundingを引っ張ってきてプロジェクト資金を捻出するというようなケースも。

・国連の予算は近年減少傾向にある。それに応じて予算の大半を占める人件費も削減され、国連に入るのがさらに難しくなる傾向。

・「やりたいこと」も重要ながら「得意なこと」を仕事にするという意識も大切。Political officerとして入ったが、エクセルが得意でBudget部門に移るというケースの職員も。


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国際機関への道は狭き門ですが、キャリアの大きな選択肢の一つとして出来ることから一歩ずつ歩んでいきたいと思います!

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▲ イベントの会場だったMIT Sloan School of Managementのキャンパス内。さすがビジネススクールで綺麗で開放感のあるデザインです。
 

ミッドターム(中間)試験に忙殺されており、すっかりブログ更新が滞っておりました。。。
地味にこちらのブログ、色々な方々に読んでいただけているようで、自分のペースですが少しずつ発信していきたいのと、何よりも数年後、数十年後に自分自身がフレッチャーの日々を振り返られるように記録していきたいなと思っております。

何はともあれ、本日はフレッチャースクールのOBの方による「世界銀行に就職するにはどうすべきか?」をテーマにしたセミナーが開催されました。ご講演くださったのはフレッチャーを1998年に卒業したGarrity氏。Garrity氏はハーバードケネディスクール(HKS)やジョンズホプキンス大学(SAIS)の卒業生よりもフレッチャーの卒業生が世銀で活躍してほしいとの想いをお持ちで大変実践的なアドバイスをいくつも下さいました。

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備忘録として記録しておきます。

・日本は出資比率に比べて職員数の少ない国なので日本人であることは世銀就職にあたっては非常に有利(アメリカ人、インド人はいくらでもいるので就職が相対的に難しい、、、)世銀で働く日本人には「日本人マフィア」的なコミュニティー意識があるはずので日本人職員へのネットワーキングを重視すること。
・世銀は従来は地域ごとの専門性を重視していたが、ADB、EBRD、AfDBなどと競合する形になってしまい、地域を越えての専門性(Global Practice)を重視するよう構造改革がなされた。そのため最近では2つ以上の地域(アジアとアフリカなど)での経験を求める採用ポストも増えてきている。
・Short Term Consultant(STC)に是非応募すること。出来れば夏休み中にSTCのポストで勤務できるといい。(International Studentはビザ要件として難しい可能性あり、、、)Garrity氏もSTCから昇進してフルタイムのポスト就職へと繋がった。
・狭き門だが32歳以下ならヤングプロフェッショナル(YP)にとりあえず応募すること。YPとして採用されなくともレジュメなどの情報は一定期間、世銀の人事データベースに残るので別の部門で人を欲しがっているところが声を掛けてくれるかも。
・各国のExecutive Directorにコンタクトをして自分を売り込むと良い。Exevutive Directorには自国の出身の職員数を増やすという責務があるため。
・フレッチャーの卒業生ネットワークである「フレッチャーマフィア」は非常に活きてくる。ワシントンの卒業生クラブには2,000人もの卒業生がいる。Garrity氏もフレッチャー在校生、卒業生からのメールならどんなに忙しくとも返信するとのこと。
・英文履歴書(CV)へのタイピングミスなどは言語道断。世銀職員に送るメールの文面にも細心の注意を払うこと。博士号を取得し国際機関での勤務経験もある知り合いがタイピングミス一つで就職できなかった。
・英文履歴書(CV)に記載する文言は、世銀のホームページに掲載されている職務内容(Job Description )のフレーズをふんだんに盛り込むこと。(人事はチェックリストを基にCVを見ており、自身の独自の言い回しよりも世銀で良く使われているフレーズを盛り込むことで人事の目に留まりやすい。)
・世銀職員は毎日大量のメールを受信しており、「端的で具体的なメール」を心掛けないとメール自体読まれもしない可能性がある。逆に「端的で具体的なメール」は関心ありそうな他の部門の職員に転送(FYI)される可能性が高まる。
・自分の面接を担当してくれる職員や個人面談をしてくれる職員はLinkeInなどオンラインで取れる情報をもとに徹底的に調べてから会うこと。
・フレッチャーの卒業生はマスターを取得しているのでGFレベル以上の採用ポストに応募すること。逆にGEレベルでは低すぎるかもしれない。Garrity氏も10年勤務して一ランクしか昇進しておらず昇進が難しい世銀では入り初めからなるべく高く入れるほうが良い。 
・Garrity氏の個人的意見としてはエコノミストや何かの分野のリサーチマネージャーなどの仕事以外では特段PhDを取らなければいけないわけではない。PhDを取得してるのにマネジメントスキルやコミュニケーションスキルに劣る人よりマスターレベルでそれらのソフトスキルに長けている人を好む。
・日本人は謙虚すぎるので自分がトランプ氏であるかのように堂々と振舞うほうが良い(笑) 

 また本日、フレッチャースクールのキャリアセンターであるOffice of Carrer Service(OCS)のElana所長にも面談を実施して、

・LinkedInの卒業生機能を駆使して、自分の大学出身、フレッチャー出身に世銀職員にどんどんコンタクトすると良い。

とのアドバイスも頂きました。
何だかやるべきことが膨大な気がしてきましたが、、、(汗)焦らず一歩一歩がんばっていきたいと思います。 

フレッチャースクールのInternational Business Clubが主催するキャリアトリップに参加するため、先週はワシントンのあとニューヨークにも弾丸訪問してきました。
 

世界的な財団のRockefeller Foundationでは歴史ある財団だけに保守的かと思いきや真逆の革新的でSocial Investmentをガンガン進めていてカリフォルニアの森林破壊の防止に投資するお話も聞けました。
 

アキュメンファンドのニューヨーク本部にもお邪魔させていただきました。アキュメンファンドと言えば大学生時代にCEOのジャクリーン ノヴォグラッツ氏による「ブルー・セーター」を読んでビジネスだけでもなく慈善活動だけでもないというアプローチに感動したのを想いだし、巡り巡って本部オフィスで情熱ありスマートな職員の方々からお話聞けるのは感慨深いものがありました。
 

Happy Hourというニューヨーク在住のフレッチャーの卒業生との交流会では国連に勤めるセネガル出身の方とモーリタニア出身の方と盛り上がり。
 

ボストンの郊外のキャンパス漬けではなく足を運んで色々な方々に会って話を聞いていきたいなと強く感じました。

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▲▼ アキュメンファンドのオフィス。まるでITベンチャー企業のようなデザイン性あふれるオフィスでカッコいい雰囲気を醸し出していました。

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