終りながら新しく続いてゆくもの。
何もなかったように続いてゆくもの。
何もなかったように終ってゆくもの。

今年の夏はそんなことを考えさせる
身辺のマイナーチェンジが静かに取り巻いている。

2000年4月〜私の拠点であったSHIBUYA-FMのスタジオが
渋谷駅から連結しているマークシティから移転するという。
(番組は継続しますが)
ラジオのリスナーにはスタジオの中のこと知る由もないだろうが、
私にとっては数多くのミュージシャンをはじめとする人々との
出会いの場所であり、音楽の創作の場であり、
伝えたいコトバと音楽を発信する場所であった。
渋谷東交番前のスタジオ、代官山鎗ヶ崎交差点スタジオから
換算すること15年。SHIBUYA-FMを媒介にしてすれ違った人々は
1000人は下らないだろう。


移転の話を聞いた時には通い慣れた学校がなくなるような気持ちがしたが、
終わってゆくものに対するセンチメンタルな感情は、
すぐに消えてなくなることに気付いた。
歳を重ねてゆくにつれ感情の力点は
一点に留まることを望まないということなのかもしれない。
日々の中ではすぐに良悪問わない次の何かが訪れるだけなのだ。


人との別れ、場所の消失etc
私たちは通り過ぎるものの中で暮らしてゆくのが常なのだという
だいぶ達観した捉え方ではあるが。


【ラストショウ】
運動不足解消
お酒とお食事とラテンダンスを
打ち水を放った路上に
夕張りが溶け込んだ頃に
ひとりのコロニーの中に
今夜もゆっくりと入ってゆく
誰もいない惑星の中に降り立って

人は人を許さない
人が人を許せない
すれ違って

服の先がすれ違ったら
男がこう言った
舌打ちをしながら
その舌打ちが・・・・
ビルの間と間に
ビルの間と間に ビルの間と間に ビルの間と間に 
ビルの間と間に響き渡って
今夜も知らない間に
東京にスコールが舞い降りて涼しくなって
その熱気がゆっくりと立ちあがって蒸した空気がとても気持ちの良くない
そんな煙の雲が射している
だから
運動不足解消
お酒と食事とラテンダンスを
ゆるく楽しめば誰かと誰かを許すことが出来るかもよ

ある時に咲いた花は
短い時間で枯れてしまい
ある時に朽ちた木は
誰かのためになって
ひとつの輝いた時間が終わっても
次の新しい…


人は消えるし
場所はなくなるし
物はどこかへ消えてくし
僕たちは毎日何かを食べて生きていかなきゃいけないから
ワントゥスリーハー!

ありのままを受け入れて
さようならは新しい挨拶の言葉
ありのままを受け入れて
さようならは新しい挨拶の言葉

君とは壁を一枚挟んで
君とはモニターを一枚挟んで
この声が届けばいいなんて思いながら

消えてゆく夏の夕方
打ち水が沁みて蒸気に上がってゆくように
声も消えてゆく
さようならは新しいはじまりで
そろそろ幕を閉じて次にいこうかね
ありがとう

2012/08/12


★マークシティスタジオでお送りした最後の「ERVERYBODY KNOWS?」で
Flight Of Ideaのメンバーと今年初めて揃って顔を合わせて
いつものように生セッションを交わした。
ベースのタカアキは不在だったが、
平松慎吾のアコギと広川晴基の打ち込みと三人で。
一期一会の即興セッションは成形、継続楽曲に至るかは分からないが
その時の即興詩を書き起こしてみた。
たまにブログを開くと多弁になってしまうのだが、
最近の思考はやはり詩の中に内包されているのだと思う。

FOI20120812

Photo By金子山

今年は人と音を交えることなく地味な日々だったが、
会わないメンバーと大した会話することなく、
音楽で会話するのはやはり健全なコミュニケーションだなと。

これからはじまるゆっくりと長い旅になりそうな予感がしている準備として
YAZUMAのソロアルバムは、最終仕上げ場所として
ひっそりマークシティスタジオで構築させてもらっていた。

これからソロ作を作り続けられるかは未知数だが、
マークシティスタジオを去る前に完成に至ったことに
感謝している。

014


由あって夏の旅は沖縄だけ。

そのことについては出来るだけはやくに。