2007年05月05日

憲法施行60年 歴史に刻まれる節目の年だ(5月3日付・読売社説)

現在の憲法が1947年に施行されて60年。2007年という年は、憲法が単に還暦を迎えたというにとどまらず、制定以来の戦後の憲法の歴史の中でも、極めて重要な一歩を刻んだ年として記憶されるだろう。

 憲法改正の手続きを定める、与党の国民投票法案が、今国会中に成立することが確実になっている。新たな時代の指針となる新憲法制定へ、不可欠な法的環境が整備されることになる。

 憲法96条には憲法改正条項がある。だが、これまで、実際に憲法を改正するための手続きに関する法律がなかった。

 ◆改正手続き法が成立へ◆

 国民投票法案は、1953年に、当時の自治庁が法案化に着手したことがあるが、閣議決定にも至らず、その後、提起されることはなかった。保守、革新の政治、イデオロギーの対立が続く中で、政府、自民党も政治争点化するのを避けたためだ。

 憲法の付属法である国民投票法は本来、憲法制定の際に作っておくべきものだ。憲法の欠陥を放置してきた長年の立法府の“不作為”がようやく解消されるのは、画期的なことである。

 冷戦終結と、その後の国際社会の変容、55年体制の崩壊と護憲勢力の中核だった社会党の衰退、日本社会の急激な変化など、90年代以降の内外の大きな歴史のうねりが、その背景に見える。

 国民投票法の成立は、新憲法への具体的な動きを促進するだろう。

 国民投票法は、国会法を改正し、衆参両院に、2000年に設けられた憲法調査会に代わって、憲法審査会を設置することも明記している。公布後、早急に憲法審査会を発足させるべきである。

 憲法審査会は、憲法改正原案の審査や発議、提出の権限を持つ。だが、昨年暮れの与党と民主党の協議を踏まえ、公布後、法施行までの3年間は、そうした作業はしない、とされている。

(2007年5月3日1時40分 読売新聞)

墓石

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