コトゴのシゴト

小説や絵の展示。また創作のネタになりそうな記事など。

ミーム―心を操るウイルス

ミーム―心を操るウイルス
リチャード ブロディ
講談社
1998-01T


我々は心のウイルスに支配されている。

紹介

 遺伝子と同じように複製されて広がっていく情報、ミーム。
 商品広告や選挙活動、文化や宗教などはすべてミームと見なすことができる。
 ミームは我々人類の心を利用していまもなお広がっていく……人類の利益など考えに入れずに。まるでウイルスのように。
 ミームとはどのように作られるのか。有害なミームから心を守るために、なにをすべきか。
 遺伝子の研究から誕生したミーム学の入門書。


感想

 リチャード・ドーキンスが「利己的な遺伝子」で提唱した概念である「ミーム」。
 ドーキンスは生物の個体を「遺伝子を乗せた乗り物」と考え、情報である遺伝子が次世代に伝わっていくために「利用」する「ロボット」であると見なしました。進化を遺伝子の視点からとらえたわけです。
 遺伝子は複製し、数を増やして伝わっていきます。変異によって進化もします。
 自己複製する存在。それが遺伝子の最も大きな特徴であり、進化はその副産物です。
 さて、ドーキンスは文化にも自己複製する要素があると考えました。たとえば旋律、観念、キャッチフレーズ、ファッション、壺の作り方、橋の建造法などは、人の心から心へと伝わっていきます。つまり複製です。
 それらは伝わっていくうちに変化し、より広く伝わっていくように進化します。
 ドーキンスはそんな文化の中にある自己複製する存在を、ミームと呼ぶことにしました。
 人間の進化には遺伝子と同じくらい、ミームも重要な役割を果たすというわけです。

 詳しい話は割愛します。

 わたしが読んで思ったことは、「これ売れる創作に使えるのでは?」ということでした。

 たとえば恐怖性欲食欲にうったえる作品を作ったり、承認欲求を満たす作品や他人へのいたわりを示す作品を作る。なんらかの問題使命をストーリーに組み込む。
 謎を提示して認知的不協和を狙う。
 売る際にも「○○章受賞!」などと権威付けをする。
 広告で作品の名前を反復して条件付けする。
 美しい挿絵で関心をひく
 などが思いつきます。 

 もしなんらかの作品を読んで「こんな低俗な作品がなぜ売れるのか」と思ったとしたら、それは「ミームとして優秀だから」ということなのかもしれません。

 優秀なミームになる作品、作ってみたいですね。

【謎の信号】ザ・ブザー

またしてもWikipediaより、
なんのために放送されているのかわからない信号の話。

UVB-76-detail
Wikipediaより


ロシアにおいて放送されている謎の信号。
内容はただブザー音がくりかえし延々と続くだけ。
「UVB-76」と仮の名前が付けられているものの、その目的は不明です。

現在までにわかっている特徴は以下のようになっています。
・遅くとも1990年には始まっていた
・ほぼ一日中、単調なブザー音を鳴らし続ける
・ときどきブザーが中断され、暗号のような音声メッセージが入ることがある
・かすかに物音を拾うことがある。どうやらスピーカーの音をマイクで拾って放送しているらしい
・現在の送信所はモスクワ州ナロ=フォミンスクに所在する第69通信基地

実際に聞いてみても、ただブザーが鳴るだけでなにがなんだかわかりません。
このミステリアスな放送の目的はなにか?
色々な説が提唱されています。


いわく、海外のスパイに暗号で指示を送っているのではないか?

いわく、このブザーが止まるとロシアから核攻撃が行われるに違いない。

いわく、ただのデータ通信で聞くためのものではないのだろう。

いわく、電離層の観測に使っているのだろう。


いかがでしょう。不穏な推測もありますね。
もしかすると、常人には考えつかないような異常な目的に使われているのかも……。
これは陰謀説がはかどりますね!

銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
ダグラス・アダムス
河出書房新社
2005-09-03


バカSFの金字塔。

あらすじ

 主人公はアーサー・デント、なんの変哲もないラジオ局勤務のイギリス人。
 ある日、彼の住む家が突然取り壊されてしまう。工事に来た作業員に抗議するも、「この家を取り壊すことはだいぶ前から決まっていた。地方行政に関心を持たなかったのが悪い」と一蹴される。
 と、突然暗くなる空。なんと宇宙船団がやってきて、地球を取り壊すと言う。地球人が抗議するも、「この惑星を取り壊すことはだいぶ前から決まっていた。地方行政に関心を持たなかったのが悪い」と一蹴される。
 そんなわけで、唐突に地球は破壊され、人類は滅びた。
 いや、ほぼ滅びた。アーサーは生き延びていた。彼はまったく知らなかったことだが、なんと友人が宇宙人だったのだ。
 工事船団にヒッチハイクして生き延びた彼と友人のフォードは、奇妙奇天烈極まりない宇宙の旅を始める。
 不可能を可能にする宇宙船。空飛ぶクジラ。人間よりも賢いイルカ。ネズミの正体。生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え。
 頭がふたつあるお調子者のゼイフォード、アーサーと同じく生き延びた地球人のトリリアンも加わった一行の知る、地球の歴史の真実とは。
 大森望の言葉を借りれば「バカSFの歴史に燦然と光り輝く超弩級の大傑作」。あらゆるサブカルチャーに引用された伝説のSFスラップスティック・コメディー。



感想

 祝、42周年!

 なぜそんな中途半端な年数を祝うのかは、本作を読めばわかります。

 日本での知名度はどういうわけかあまり無いように思いますが、この作品はめちゃくちゃに面白い。わたしはまず映画を観てハマり、それから原作を五冊買ってきてほぼ一気読みでした。こんなに早く読めた作品は他にありません。
 中身がスカスカなのか? いえ、それどころかネタがギッチリ詰まってます。科学や哲学、経済学や宗教にまたがる深淵すぎて意味不明の領域に入ってしまっているブリティッシュ・ジョークの奔流!
 なんせネズミが……いや、やめておきましょう。これは読んでみたほうがいい。面白さが理解できない可能性もありますが。

 この作品、まずラジオドラマから始まりました。それの人気が出たので小説版を発表。なんと全世界で1600万部の売り上げがありました。
 サブカルチャーに傾倒する人々に絶大な人気を誇り、本作のネタ(特に「42」)は様々な方面に引用されています。たとえばそう、Googleとか!
42
 本作を読めば、そんな引用されたネタを見てクスッと出来るかもしれませんよ。
 わたしの中ではオールタイム・ベストに入る作品です。
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