アメリカで2006年に出版された「線維筋痛症とそのほかの中枢性の疼痛症候群」(Fibromyalgia & Other Ceintral Pain Sundromes)には、線維筋痛症が、中枢感作といわれる痛みをめぐるメカニズムによって引き起こされる疾患グループの一つであることが示されています。
この中枢感作は、この疾患を理解する上で重要な要素なので、下記に説明したいと思います。
1965年に、MendellとWallは、通常は痛みと感じない程度の刺激を皮膚に連続的に加えると、人体が徐々に本物の痛みを感じる現象について研究していました。
そして研究の結果、皮膚に対して連続的に刺激を加えた場合に、皮膚の感覚受容器から脊髄に送られる痛みの信号じたいは増加しないにもかかわらず、その一方で、脳に送られる痛みの信号は増加しているという現象を見出しました。
この現象は、簡単には[wind up]と呼ばれ、脳の中枢が、疼痛の感度を増大する機能を持っていることを示しています。
健康な人でもこの[wind up]は起きますが、顎関節症、線維筋痛症、慢性疲労性症候群、原発性月経困難症、過敏性大腸炎では、健康な人とは異なり、痛み感度の異常な増大が起こることが報告されています。
そして、この異常な痛み感度の増大が起こる[wind up]のことを、中枢感作と呼びます。そして、この中枢感作のメカニズムは、そのほかにも図1に示されているようなさまざまな疾患を引き起こす可能性があります。
この中枢感作は、この疾患を理解する上で重要な要素なので、下記に説明したいと思います。
1965年に、MendellとWallは、通常は痛みと感じない程度の刺激を皮膚に連続的に加えると、人体が徐々に本物の痛みを感じる現象について研究していました。
そして研究の結果、皮膚に対して連続的に刺激を加えた場合に、皮膚の感覚受容器から脊髄に送られる痛みの信号じたいは増加しないにもかかわらず、その一方で、脳に送られる痛みの信号は増加しているという現象を見出しました。
この現象は、簡単には[wind up]と呼ばれ、脳の中枢が、疼痛の感度を増大する機能を持っていることを示しています。
健康な人でもこの[wind up]は起きますが、顎関節症、線維筋痛症、慢性疲労性症候群、原発性月経困難症、過敏性大腸炎では、健康な人とは異なり、痛み感度の異常な増大が起こることが報告されています。
そして、この異常な痛み感度の増大が起こる[wind up]のことを、中枢感作と呼びます。そして、この中枢感作のメカニズムは、そのほかにも図1に示されているようなさまざまな疾患を引き起こす可能性があります。