今回は」久しぶりに行った「奈良」のお話をしました。
■奈良へ
名古屋から近畿日本鉄道、近鉄利用が便利。
近鉄名古屋駅と大阪難波駅を結ぶ特急アーバンライナーだと、
奈良方面への乗り換え駅、大和八木まで2時間弱。
特急列車は快適で、遠いという感じはしなかった。
■正暦寺
奈良市の郊外の山間にある。
お寺の敷地を囲む緩やかな2つの尾根は龍が伏せているように見えることから、
二柱の龍王が守る大乗仏教の聖地として宗教都市が創られた。
インドのガンジス川上流にある聖地リシケシに似ていることから、
菩提山「悟りの山」と呼ばれる。
正暦寺は日本酒、清酒の発祥の地。
仏様に献上するお酒として、お寺の中で自家製造されていたのが始まり。
ここで酒造りの技術が確立され、近代の酒造りの基礎となった。
と、室町時代や江戸時代の古文書にも書かれている。
お寺の敷地には3000本を超える楓があり、11月は順番に色づいて紅葉する。
木々の緑と黄色や赤が織り交ざって素敵!
この鮮やかさから「錦の里」と呼ばれる。
■橿原神宮
開門時刻は6時30分。
朝の神社は人も少なく空気が澄んでいてとても爽やか。
砂利の敷地は早朝には綺麗に箒で掃かれていて、歩くと気持ちが引き締まる。
橿原神宮の由緒:
「日本書紀」(日本最古の史書)に「日本建国の地」とある。
天照大神の子孫で、初代天皇とされる神武天皇が、
豊かで平和な国造りをめざして、九州の高千穂から東に向かって、
想像を絶する苦難を乗り越えて、畝傍山の東南の麓に橿原宮を創設。
明治時代に、橿原宮趾に神宮を建てたいとの要望が民間有志から起こり、
明治天皇が深く感銘を受けて、明治時代中期1890年に創建。
11月末頃までは七五三詣の時期で
紅葉をバックに橿原神宮のマスコットキャラクター、やたちゃん、カーコちゃん
と記念撮影するパネルがセットされていた。
やたちゃんとカーコちゃん:
3本足の八咫烏をモチーフ。
八咫烏は、神武天皇が熊野で道に迷われた際、道案内として天から遣わされた鳥。
■長谷寺
桜井市初瀬にあり、近鉄大阪線の長谷寺駅から歩いて15分位。
万葉集など古くから「隠国の初瀬」と歌に詠まれて、
王朝文学の舞台にもなっている。
枕詞の「隠国」とは、三方が山に囲まれて奥まった場所を指す。
古くから、清少納言、紫式部、紀貫之、松尾芭蕉など、
多くの文人が訪れていた。
日本の昔話「わらしべ長者」のお話の中では、
主人公が長谷寺のご本尊である十一面観音さまにお願いをして、
お告げを受けたと言われいる。
桜、牡丹、紫陽花、等々四季折々、境内のあちこちに美しく花が咲いて
「花の御寺」とも呼ばれている。秋の紅葉もとても美しい。
山門は大きくて重厚な仁王門、迫力あり。
門の東側には5月から6月には藤の花が美しく咲く。
仁王門をくぐると、本堂へ続く399段のゆるやかに登る屋根つき階段「登廊」。
天井には丸い灯篭がつるされているのが特徴。
登廊を進みながら、左右に咲く花や緑の樹々を観察するのがとてもいい気分。
登廊を登りきると本堂。舞台が外に向かって張り出していて眺めは抜群。
満開の桜や真っ赤な紅葉の中、遠くに見える五重塔は、
写真や絵ハガキなどでもよく見かける。実際に自分の眼でみると、本当に感動!
ご本尊は十一面観世音菩薩様で、木造では日本最大級、高さが約10m。
柔和な眼差しは、何もかも包み込んで下さる感じ。
春と秋の年2回特別拝観で、普段は入れない本堂の中に入って、
観音様のお御足に直接触れてお参りすることができる。
艶があって温かみのある木のお御足、
参拝すれば、きっとご利益があるでしょう。
■女人高野
高野山は近代まで「女人結界」=女性立入禁止!
境内に入ること、参拝することができない!
そんな時代でも、女性たちの「身内の冥福を祈る声」「明日の安らぎを願う声」
を聴いて、女性を迎え入れていた4つのお寺
・女人高野の中核と言われる「室生寺」(奈良県)
・皇族の女性と関わりの深い「金剛寺」(大阪府)
・弘法大師の母が暮らした「慈尊院」(和歌山県)
・高野山への参道入口に設けられた、女性の信者達が籠って祈りを捧げる「女人堂」(和歌山県)
■室生寺
奈良時代に建立、その後一旦衰退。
江戸時代の元禄年間に、徳川五代将軍綱吉の母の庇護を受けて再興
門前の室生川に架かる朱色に塗られた太鼓橋を渡って入る。
橋の手前から表門を臨むアングルは最高のフォトスポット。
春はバック桜が、秋は橋の両側の紅葉が美しい。
五重塔(国宝)は高さ16m。外にある塔としては日本最小。
堂々とした塔ではなく、こじんまりと上品に立っている感じ。
女人高野に相応しいとても美しい五重塔。
五重塔の後ろ、昼間でも薄暗い杉木立の中の
急な坂道と370段余りの石段を登ると「奥の院」
でも、高い所は景色も良いし、空気も爽やか。
やっぱり来て良かった!と感じて、心も癒される。是非お勧め!
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歴史的に価値ある場所で、先人に思いを馳せながら、
ゆっくりと観光すると本当に心が落ち着きます。
日常を離れて、自分のペースで静かに時が流れるのを感じるのです。
心が十分に癒されて「さぁ、明日からまた頑張るぞ!」
という前向きな気持ちが湧いてくる、素敵な「奈良」でした。
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【お届けした曲】
♪1 北風小僧の寒太郎/堺正章
♪2 ベイビー、外は寒いよ/ウィリー・ネルソンfeat.ノラ・ジョーンズ
♪3 雪が降る/アダモ
♪4 今年の冬/槇原敬之
♪5 「冬の旅」より「おやすみ」/フィッシャー・ディスカウ