February 21, 2005

室井チームに入りたくて

そしてちょうど読む本がなくなったので。

室井佑月の熱帯植物園と、本人もオススメのPissを買って読んだ。

おもしれぇ。

書き出しからハマるって感覚が初めてわかった。出版社に持ち込んで、よく書き出しだけで帰される人とかTVドラマや話で見たり聞いたりするけど、実際にもあるんだろうなと思ってしまった。
それほどこの本の話1つ1つの書き出しはすごい。

内容はほとんどの作品で過激な性描写や暴力描写がある。
けれど、どれも嫌悪感よりも哀しい感じが先に出る。

登場人物の誰もが大きな心の穴を持っているのがわかるからだろうか。

それに、今は韓流だかオレ流だか知らないが、「純愛」というのが流行ってる。
でもあんなのは取り繕った上澄みが綺麗なだけの愛なんじゃないだろうか。本当の「純愛」は室井佑月の書く愛なんではないだろうか。
愛が人間の根底であり本能ならば。ね。

室井作品に描かれる愛はどれも取り繕ってない。
それがいい。

Pissの中のぎんの雨という話と鼈のスープという話が個人的に好きだ。
ぎんの雨の主人公、萌の言葉「お願い。捨てないで」はとても哀しい。
ホームレスの英次をペットのようにしていても、最後に自覚するのは英次がいないと自我が保てないほど弱った自分。
出ていった彼に彼女は最後に体裁かまわずすがりつく。「お願い。捨てないで。」

鼈のスープにおいては本当にスゴイと思う。
最後の死体のある部屋でバラチンと風呂に入ったり、セックスをするような無邪気さは圧巻だった。最後には金を奪って鼈のスープを飲みに行く。ものすげぇ。

どうしようもない男バラチンと住みながら、女優の夢を追い続ける主人公カナコ。
カナコも自分に明るい未来が見えているとは思ってない。
どんなに小さい役でも死に物狂いで取りたいと思っていた。
女優であるというプライドのために。

1つ思うのが、多くの登場してくる女性がSっ気があるというか、自分が主導権を握っていると思うことで自我を保っていた。

熱帯植物園の中の話で屋上からずっとという話と清楚な午後三時という話がある。これも好き。表題の話が決してよくないわけではないものの、なぜか中盤の話が印象に残る。理由はわからないが。。。

屋上からずっとの書き出しが一番好きだ。

十時四十五分。あたしたちはみらい島に置き去りにされる。

いじめの対象となってレイプされる時、「おまえはおれたちの奴隷だ、おもちゃだ」と言われて「違う。あんたたちが奴隷になるの」と頭で考えるシーンに驚いた。

清楚な午後三時でも、そのSっ気が出ている。無口な野口をホテルに誘ってはセックスをする宇佐見。
「つまんない」と一瞥したり、「命令もしてないのに」と叫んだり。

処女喪失なんてお気に入りのソックスのかかとが破れたくらいのこと。

石田衣良のような都会的な小説が好きなら読んでいて絶対に気に入ると思う。俺がそうだから。
過激な描写の裏にある哀愁と喪失感が憎い。

そして室井チームに入りたくなって、本を買って読もうと思った最大の理由は彼女が自身のblog物書きの中には、作家という生き方を選んだという人もいる。けれど、あたしは作家という職業を選んだ。と語っていたことだ。
かっこよすぎて言葉が出なかった。

最後に言わせてもらいます。

室井って、フランス人なんだって!

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この記事へのコメント
 僕も、かなり室井小説に浸かってきた。「作家の花道」も抜粋読みし始めた。 「ぷちすと」は、アトランダムに手を挟んで、出てきた所を読んでる状態。 「赤い花」に至っては、音読してみた。僕がこれを口にしたら、どれくらいのリアリティーが出るだろうと感じて、音読してみた。可愛い用語は、僕の感覚で頭ン中で変換しながら。
 そういう本との、楽しいやり取りが出来たのも、この小説だからだろう。こういう形態の本じゃないと、僕もこういう変則的な読みかたしなかっただろうし。
 読み業1 
  
  読んでる途中で、自分の口に出している部分の文章の少し先を観察しながら読み、自分の声の感じに合わない表現が「ポンっ」と表出しているとき、とっさに単語を頭の中で変換する。
 
 読み業2
 
 ショート・ショートのページバラバラ捲ってとっさに手挟んで読む。そのアトランダムさが、何度も読み返すとき、楽しさを保持する。
 
 あとは、表現に負けないように、自分をキープしながら読む練習でもするしかない。自分の頭に文を入れながら、脳内復唱する。先に目で追いながら、流れを感じるのが一番の良い読み方らしい・・・・。
 「職業人の書いた、心の総てがつまってる本」。それはぜっっっっったいに大事に読んだ方が良いと思う。
 紙の集合体としての本は量産したときとても低価格だけど、ひねり出す時は、個人がたったひとりでひとつの媒体から生み出してるものだ、と自覚して読む〜。
 ときには僕も、真剣にならないと。そして、その真剣さをいくつも種類としてもたないと。
Posted by 梅田聡一郎 at February 21, 2005 19:18
 あと、これって読み方で大分変わる。本当。なんかあるっぽく、含みをもって音読したら、とっても深くなるし、成人男性が軽く流し読みすると、滅茶苦茶ショボイ音波が出る。これは、腕まくりして読んでるぞ!(笑)
 
 堕落っていうか、勉強になると思うよ・・・・。
 
Posted by 梅田 聡一郎 at February 21, 2005 19:23
 
 僕はね!なんせ仏蘭西人の書いた小説だし!!
Posted by 梅田聡一郎 at February 21, 2005 19:48
僕はおんなじ事は書かん。読んでもらってるという自覚があるから。
 だから次何書こう・・・・・・・・・。
Posted by umeda souichirou at February 21, 2005 20:02
すごい読んでみたいっ!
面白そう(´▽`)

室井さんはフランス人だったんだぁ〜
そうなんだぁ〜

そうなの?

なんかあたしもたまにはちゃんとしたこと書きたい…

あっ!リンク貼らせてもらいました。。
Posted by codama* at February 22, 2005 01:45
な・なん・・なんか珍・・しい名前ですね・・・・・。(・・・・。)
 僕はまだ、人生で一度・・・しか出会ってないんですが・・。
 まあ、他人の空似!という事でしょう!!(ひょっとして漫画とか、お好きですか?)
Posted by souichirou umeda at February 23, 2005 16:30
>梅田さん
いやーだって本名じゃないし。マンガは人並みに好きですが、「禄郎」なんて名前は見たことないです。
使われて名前にしたかっただけなんだけどなぁ。

>こだまさん
室井さんがフランス人なわけじゃないよーむしろフランスは嫌いらしいよ?
なんか、室井チームの挨拶ってことになってるの。笑

そうそう、俺の虎場について室井さんがコメントしてくれたんだよ!
彼女のblogに飛んで見て見て!!
Posted by 禄郎 at February 23, 2005 18:11
今日ね暇だったから禄郎ちんの本の話思い出して買いにいこうと思って本屋にいったら、ないのです(ノд`*)探せない自分が悪いのか…店員に聞く勇気もなくトボトボ帰路へ、、、室井氏みにいく!
Posted by codama* at February 23, 2005 19:00
 少数派でいる勇気・・・・・。その辺に関して言うと、僕はもう、100パーセント満ち足りてる・・・・。これ以上無い少数派だからなあ・・・。
Posted by 梅田 聡一郎 at February 25, 2005 14:53
 嫌、そのcodamaっという方ね。そういう名前少ないなあと、感じました。
Posted by 梅田聡一郎 at February 25, 2005 14:54
 なんかスゲエ長い中国人の名前みたいなのが入ってて笑ってしまった・・・。男塾系の漢字だったんだけど。語尾が「神。」
 はああ、気苦労が絶えないし。
Posted by 梅田 聡一郎 at February 25, 2005 14:56
 「お月様が、私と一緒に空を飛ぶ」。センスが良い。結構な事で。左手がビキビキしてきた。また感覚点を揺すられるぜ。
 目的が励ましなんで、どんな奴がしても構わんのだが…。
Posted by umeda souichirou at February 25, 2005 15:07
こんにちは 室井さんのblogより辿って来ました。
近頃室井さんて自分の事しか語らないなぁ。。。
なんか汚い話ばっかりだし。。。
と敬遠し、blogを読む事をしていませんでした。
しかしあなたの事をblogで神様か?と言っていたので
覗きに来ました。小説の裏の裏を読んで
本当に2度楽しめる読み方をしていらっしゃるんですねぇ。
そしてその感想を読んでその本を読みたくなってしまいました。
感性がすごいんだなぁ。。。きっと。
私には無いものを持っているんですね。
Posted by ちゃくら at March 01, 2005 16:20
登場人物の哀しさが、なんか救われるような気がする。

Posted by らび at March 03, 2005 23:33
 僕褒められちゃった〜。
 僕また褒められちゃったよん〜。
Posted by 梅田 聡一郎 at March 07, 2005 19:24
 最初の文の事でしょ?僕じゃなくって。
Posted by 梅田 聡一郎 at March 07, 2005 19:26
 僕の近所は恐山本屋。!!
Posted by 梅田 聡一郎 at March 07, 2005 19:26
 最近楽しい。
 
 なにがかって?

 1.書店が
 
 2.仕事が
 
 3.勉強が

 4.活動が

   です。ふふふのふ。
Posted by 梅田 聡一郎 at March 07, 2005 19:29
 
    「ここだけの告白」


最近、何書いていいのか…。実生活の充実が著しいので…。本当。良く働かせてもらってるし、沢山勉強してる。だから、描く事があっても書く事が無いんだよね…。
 どうしよう…。
 ちなみに僕は、平成教育委員会で、室井先生をテレビで見て、「大学教授」と思っていました。

  「この大学教授、美人だな〜♪これで頭良いなんて、世の中良く出来てるな〜♪」なんて素敵な勘違いをしていました。

 そう、僕は初めて室井先生を見たのは「平成教育委員会」。僕は実は、つい一年程前まで「大学教授」と思っていました。だって、あのクイズ、当てるときに「ムロイ先生」って言ってたから…。「室井教授」とずっと思っていました。

 フフフ…素敵勘違い。
Posted by 梅田 聡一郎 at March 08, 2005 12:05
 官能小説の御偉いサンだったなんて…。驚愕した。

しかし、それにしてもこの一件以来、何故かあんまり人が近づかない…。大ショック…。もう彼女出来ないかも…。
Posted by 梅田 聡一郎 at March 08, 2005 12:11