2014年7月18日の朝刊「特報」より、「食品ロス もったいない」の引用!
 今、日本人って、食べ物を粗末にしていますよね・・5・0年ほど前では考えられなかったことです・・・!!!
香川「うどんサイクル」、松本「乾杯後食べる」運動
 売れ残りや期限切れなどで食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」が、国際的な問題になっている。世界の生産量の三分の一に当たる約十三億トンの食料が、毎年廃棄され、日本では毎年約五百万~八百万トンが無駄になっている。あまりにも、もったいない「食品ロス」の削減に向けた取り組みが始まっている。(荒井六貴、篠ケ瀬祐司)
大量廃棄
 「廃棄うどんのサイクルは、讃岐うどんのイメージアップにもつながるはず」。香川や大阪で11店舗を展開する「さぬき麺業」(高松市)の香川政明社長(67)は胸を張る。
 香川県と県内の製麺業者や環境保護団体などは「うどんまるごと循環コンソーシアム」を組織。2012年から、「うどんからうどんをつくる」をキーワードに、「うどんサイクル(循環)」に挑戦している。
 「うどん県」として知られる香川県だが、その裏には、うどんが大量廃棄されている実態があった。
 讃岐うどんの店では、客に早くうどんを提供するため、注文前からうどんを提供するため、注文前からうどんをゆでる。ゆでてから30分たってしまうと、コシがなくなるため、そのまま廃棄処分していた。冷凍うどん工場でも大量の廃棄うどんが発生していた。
 県内の推計廃棄量は年間約3000トン。「さぬき麺業」だけでも年間約150トンが廃棄され、その焼却処分に約450万円がかかった。うどんは水分が含まれているため、焼却には多量の燃料が必要で、廃棄はデメリットばかり。
カスから発電
 そんな「うどんロス」を削減しようと始めたのが、うどんサイクルだ。
 まず、廃棄うどんを市内の産業機器メーカー「ちよだ製作所」に運び込み、うどんをゆでる燃料にもなるエタノールを生成。生成後の残りかすから発生したメタンガスを利用して発電する。さらに、メタンガスの発生過程で出る液体のかすも、肥料に加工。この肥料で小麦を育てて収穫し、うどんの原料とする。
 13年12月までに、うどん発電までのサイクルは成功。電力の固定価格買い取り制度を利用して、四国電力に売電し、すでに約160万円の収入を得た。
 今年5月末には、「うどん肥料」を使って育てた小麦を収穫。今月5日、この小麦でうどんを打って食べるイベントが高松市内で開催され、香川社長が約40人に打ち方を指導した。
 参加した高校教師の柏秀樹さん(57)は「うどんはコシがあって、うまかった。エネルギー自給率の向上にもつながるし、うまく事業化につながればいいですね」と期待する。全過程が完成したサイクルは今後、県内にあるうどん店約800軒に参加を呼び掛け、規模を拡大させる。
 「ちよだ製作所」の池津英二社長(74)は「食品ロスをエネルギーに変えていきたい。今はうどんが中心だが、ほかの食品にも広げることができるのでは」と意欲を示す。
年800万トン
 日本での食品ロスは、10年度末の推計で500万~800万トン。およそ半分は食品メーカーやスーパーなどの事業系で、あとの半分は一般家庭からとみられている。家庭で一人当たり年間15kg。60回分の食事量に相当する。日本のロスは世界全体の食料援助量(約400万トン)の2倍に近く、国内のコメ収穫量(約850万トン)に匹敵する。その半面、日本の食料自給率は39%で先進国の中で最低水準という矛盾も抱える。
 世界でも食品廃棄量は生産量の3分の1に当る年間約13億トンに上る。一方、栄養不足人口はアジア、アフリカを中心に8億4千万人とされ、8人に1人という状況だ。欧州議会は12年1月、食品廃棄物を25年までに半減させるよう各国に求める決議を採択。今年を「反食品廃棄物年」に定め「食品ロス」削減に向けた取り組みを強化している。
 日本でも食品ロスを削減する動きが出てきた。日清食品は今年4月から、袋めんの賞味期限を6カ月から8カ月、カップめんを5カ月から6カ月に延長した。
 また、「年月日」の記載が主流だった賞味期限を、「年月」に変更するメーカーも出てきた。例えば「7月」の表示なら、「7月31日」が期限となる。
 業界には「3分の1ルール」と呼ばれる商習慣がある。賞味期限が6カ月の賞品の場合、製造から2カ月を超えてしまうと、スーパーなどの小売り側は納品を拒否できるといものだ。拒否された商品は、廃棄されていた。業界の一部や農林水産省は、これを「2分の1ルールに」変更する試みを始めている。農水省食品産業環境対策室の長野麻子室長は「菓子と飲料だけでも全国で実施すれば、食品ロスを年間4万トンぐらい減らせるはず」と話す。
文化を変える
 NPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」(東京)は食べられるのに廃棄される食品をメーカーや農家から引き取り、経済的に厳しい人に届けている。年間の食品取扱量は02年の30トンから、12年には3000トン以上に。これまでに37万人以上に届けた。
 井出留美広報室長は日本の現状を「消費者は店の棚が空くのを嫌うため、店側の供給が過剰になる。買いだめや調理しすぎる傾向もある。メーカーも販売のため多くの季節商品を出し、その時期が外れると売れなくなる」と分析した。
 中京学院大の小林富雄准教授(食品流通)は、消費者が鮮度や期限に敏感すぎることも一因とみる。「こうした食文化を変えるには長期的視野で考える必要がある。今後はまず『三分の一ルール』や、外食産業が食材(の見栄えの悪い部分)を過剰に取り除いている実態などを明らかにしていくことが大切だろう」
「残さない」中部でも
 中部地方では、福井県が2006年度から、生ごみ減量を目的に「おいしくふくい食べきり運動」を展開している。県民に対しては買い物前の冷蔵庫の中身確認や、ばら売り・量り売りを利用した必要量の購入などを推奨。
 ホテルやレストランにはハーフサイズや小盛りの料理提供といった食べ残しが出にくいメニュー設定を、スーパーを中心とした食品販売店には「材料使い切りレシピ」紹介や閉店間際の割引販売などを提案しており、協力店・応援店として計1096店舗が登録されている。
 長野県松本市では「30・10(さんまる・いちまる)運動」を始めた。宴会での食べ残しを減らすため、乾杯後30分間と、お開き前10分間は料理を食べようという呼び掛けだ。市環境政策課によると「市の宿泊施設では30・10運動に加え、一口で食べられる料理や、締めのご飯をタイ茶漬けにするなど工夫して、食べ残しが半減した」という。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071202000167.html