2008年01月03日

高まる怒りの声と反撃の狼煙3(パナソニックブランドのテレビの不買運動・続報)





■松下プラズマディスプレイ偽装請負事件訴訟



【公正な判決を求める要請書】







<署名送付先/連絡先>

〒530-0054 

大阪市北区南森町1-2-25 南森町iSビル7F 

大阪民主法律協会 派遣研究会気付




※署名の送付先が変更されています。署名へのご協力よろしくお願いいたします。




松下プラズマ裁判の公正な判決を求める要請書

(↑からダウンロードできます)



【次回裁判日程】



2008年2月13日(水) 時間:13時30分から



大阪高等裁判所 8階 83号法廷(別館の8階にあります)




■派遣社員過労自殺裁判



【公正な判決を求める要請書】







<署名送付先/連絡先>       

〒140-8601 品川区西大井1−6−3

「上段さんの過労自殺裁判を勝たせる会」

JMIUニコン支部 気付




個人署名用紙

(↑からダウンロードできます)

団体署名用紙

(↑からダウンロードできます)



【次回裁判日程】



2008年1月29日(火) 時間:14時から



東京高等裁判所 8階 808号法廷




【雨宮処凛さんのコメント】



(↑雨宮処凛さんの本をお求めの方は写真をクリックして下さい)



 上段さんの裁判には、現在、不安定な働き方をしいられているこの国の多くの若者たちの未来がかかっている。

 

 彼は何も悪くない。偽装請負という働き方の中、必死で頑張ってきた彼の姿は、今、製造業の派遣などで働く若者たちの姿とまったく同じだ。

 

 これ以上若者たちを苦しめないでほしい。



 未来のある若者たちが不安定雇用の中で犠牲になるなんて、一体この国はどうしてしまったのか。



 私たちの周りには、無数の上段さんがいる。彼らの声なき声に少しでも耳を傾けてほしい。



【上段さんの裁判に対する思い 吉岡】







 上段勇士さんの過労自殺事件は私に声を上げさせるきっかけとなった事件でした。松下プラズマディスプレイの偽装請負事件が起こった時に上段のり子さんのHPを見させてもらい、「偽装請負」についていろいろと勉強させてもらいました。



 上段さんのHPで過労自殺した息子さんの勇士さんが自宅のホワイトボードに書き残した『無駄な時間を過ごした』という言葉が自分の心に引っかかりました。というのも、私と一緒に住友特殊金属の職場で偽装請負状態で働いていた友人が、私にこのような言葉を言っていた事があったからです。



「どうせ俺の将来はホームレスですから・・・」



 自分の身に起こった松下プラズマの偽装請負問題、上段勇士さんが過労自殺した問題、そして私の友人の言葉・・・。



 「偽装請負」の問題について自分なりに考え、辿り着いた結論が、「偽装請負」という犯罪行為は、何も知らない若い人達を騙し続けている国家ぐるみの詐欺行為であり、将来ある若い人達に「無駄な時間を過ごした」「どうせ俺の将来はホームレスですから・・・」と言わせるような酷い働かせ方はなくしていかなければいけないというものでした。



 2005年5月26日に松下プラズマの「偽装請負」を告発した後、今まで「いつもありがとう」「吉岡ちゃんのおかげで現場が持っている」と言っていた松下の正社員の人達が急に黙り込んで何も言わなくなったり、中には陰湿な嫌がらせを仕掛けてくる人達もいました。今まで人間としてまともだった人達がまともでなくなる犯罪行為「偽装請負」であるということを私は自分の身を持って経験しており、このような人間を精神的におかしくしてしまう働かせ方はなくしていかなければいけないという思いを私は強く持っています。





松下プラズマが行なった隔離テントこそが偽装請負という犯罪行為の象徴である



 そして、松下プラズマが「偽装請負」を告発した私に対して用意した隔離テント。この異常な姿こそが「偽装請負」という犯罪行為を行う企業の醜い体質を体現化したものだと私は思っております。このような反社会的な行為は人道上決して許してはいけないということはいうまでもないでしょう。



 違法な「偽装請負」を職場からなくす闘いは、上段勇士さんの「無駄な時間を過ごした」というメッセージから遺族となった母親ののり子さんの勇気ある告発へとつながり、矢部さんや私の告発、そして多くの若い人達の告発へとつながっていきました。 



 この闘いに立ち上がった人達は勇士さんと違い、自分の言葉で「偽装請負」という犯罪行為に対する怒りを世の中に訴える事ができます。自分達の声で訴えることができることがどれだけ幸せな事か・・・。そして、私たちは世の中に自分達の怒りの声を伝え、このおかしな世の中を変えていきたいと思っています。



 私は上段さんがこの裁判で納得できる形で勝訴される事が私たちの闘いの大きな力になると信じております。



 最後にこのブログを見ている皆様にお願いがあります。皆様ができることで構いません。裁判傍聴・「公正な判決を求める要請書」の署名へのご協力よろしくお願いいたします。



■松下プラズマディスプレイ



【松下プラズマディスプレイに対する不買決議 続報】







 札幌地域労組のHP『松下プラズマディスプレイに対する不買決議』がUPされましたのでお知らせします。







■2007年12月1日、定期大会における、松下プラズマディスプレイに対する不買決議



 「松下プラズマディスプレイに対する不買決議」が採択された後、札幌地域労組の鈴木書記長からはもちろん、キヤノン非正規労働者組合の方からも「頑張ってください」と激励の言葉をいただきました。北海道は私の亡き父の故郷です。2004年3月に父を亡くしてから、松下プラズマの職場で一生懸命頑張って働こうと心に誓い、死に物狂いで私は働いてきました。そんな私に対して松下プラズマが行なった数々の非人道的な仕打ちは松下が謝罪するまで決して許す事ができません。北海道から不買運動が始まったというのもきっと何かの縁だと思います。私の闘いに協力してくれまして本当にありがとうございます。以下の文章は激励の言葉をいただいて、私がすぐに返した返事です。



【吉岡コメント】

 札幌地域労組の松下不買決議は大変心強いものがあります。決して松下プラズマという一企業を痛めつける目的ではなく、不当極まりない行為を働いた企業はこうなるのだぞということを示すという意味でこのような不買決議もあってもいいと思います。

 全国の仲間が応援してくれている以上、頑張ります。



 2007年12月に松下プラズマ茨木工場でウィルテックの請負従業員120名が雇い止めされたという話が私のところに入っています。



 理由はプラズマテレビの売れ行きが芳しくなかったからだと聞いております。



 そして、2008年1月にも、松下プラズマが第2弾の請負従業員の大量雇い止めを実行するという話が私のところに既に入ってきております。



 こういう時期に不買運動をするのはいかがなものかという声もありますが、勘違いしないで欲しいと思います。松下プラズマの職場で働いている従業員達をまるでモノを扱うかのように使い捨てにしているのは、一個人である私ではなく、使用者である松下プラズマであるという事にいい加減気づくべきです。



 私たちは「生きるため」に働いているのです。労働者の首を切るという行為は「生きる」ということを否定した行為であり、明らかな人権侵害だと言えるでしょう。



 今回、札幌地域労組が出した『松下プラズマディスプレイに対する不買決議』が、まるで労働者をモノのように扱い、人間を人間として見ず、人権侵害をいまだに懲りずに繰り返す、松下プラズマの異常な企業体質に対してのものである以上、私はこの不買決議に賛同いたします。





写真はパナソニックブランドのテレビの不買決議を通達された松下電器産業会長の中村邦夫氏(写真左)と松下プラズマディスプレイ社長の森田研氏(写真中)と松下プラズマ茨木工場(写真右)



■全国から寄せられた声



◎すばらしいことだと思います。札幌地域労組を皮切りに、日本全体の労働組合までと考えますが、恐らく××あたりからの横やりが入るのでしょうね。キャノン、●芝、どれも不買に値します。不当労働行為の老舗であった●●の株もついに管理ポストに指定されました。御用組合を育てた結果ですね。

(公務員 管理職Aさん)




◎息子たちの受験で、2人とも国公立の学校に合格できたら、TVを買い換えようと思っていました。パナソニック制は候補からはずします。情報、ありがとうございます。

(牧師Hさん)




◎私の家もテレビが壊れそうで買い換え期なので、パナソニック製品は買わないようにします。

(マスコミ Sさん)




◎こういうのは、一般市民も協力しやすく、労働組合運動と市民運動・消費者運動が一緒に行動できていいですね。

(リサイクル会社 経営者 Tさん)




◎私の定年退職の記念に液晶テレビを購入いたしました。ワイフに松下テレビ不買運動の理由を説明し、他社製を購入いたしました。不買運動を推進拡大致したいと思います。

(元・松下社員 Kさん)




◎マスコミ関係者から、よく「フランスなどに行って法違反を繰り返す悪徳企業の問題でデモするべきだ」といわれていました。あちらの人は、人権などに非情に敏感だから、間違いなく不買運動になると言っていました。経済もグローバルならば、労働運動もグローバルにといったところですね。

(●●労組 Mさん)




◎松下プラズマの件、さっそく社内、社外、知人にも転送させていただきます。全国的な動きになる事を願っています。

(●●テレビ放送 Mさん) 




■神戸ワーカーズユニオンでも不買運動が拡がる



神戸ワーカーズユニオンのHP



■大阪過労死を考える家族の会のHPより



吉岡事件を通して過労死遺族も考えさせられます。



規制緩和によって非正規雇用が拡大された結果、ワーキングプアーの問題が世間でも大きく取り上げられています。



正社員と同じ仕事をしながら、低賃金で働かされていました。体に有害な鉛や有機溶剤を取り扱う業務をしていました。実際は派遣であるのに、請負だという理由をつけられ、同じ人間であるのに、健康診断を受ける事はありませんでした。

 

偽装請負である事を労働局に告発した結果、一旦は正規雇用をされましたが、5ヶ月で雇い止めをされています。告発後の彼は、普段は人が出入りをしない倉庫で、隔離テントを張られ、その中での業務を強いられました。人から遠ざけられ、単純作業の繰り返しの5ヶ月間・・・・

 

彼が生きていてくれた事がとても嬉しい・・・

 

自分の置かれていた状況を、自分の言葉で訴えている彼の決意と勇気に、エールを送りたい・・・

 

過労死・過労自殺を生み出す会社は、様々な労働問題を抱えているのが現状です。



長時間労働の末、命を落とす労働者が後を絶たない一方で、低賃金で働かされている労働者もいれば、仕事につけない人もいます。



「人間の働かされ方」を改めて考えさせられる事件です。




■雨宮処凛・吉岡極秘対談







 2007年12月22日、雨宮処凛さんを講師として、エル大阪で「生きさせろ!難民化する若者たち」〜野宿労働者と非正規労働者をめぐって〜という講演が行なわれました。講演の前に雨宮さんから取材依頼があり、いろいろとお話をさせていただきました。松下プラズマの事、労働組合のこと、これからの展望などなど・・・。もしかしたら、下ネタな話が一番多かったかもしれません。雨宮さん、どうもすいませんでした。この時の対談は雨宮さんが執筆するみたいですので、その時はまたこのブログでお知らせします。



■今後の予定







【参加予定】


1.20貧困の拡大を許さない!人文字&デモンストレーション実行委員会



日時:1月20日(日)

場所:扇町公園(JR天満)

11:00- 集会

12:00- 人文字アクション

13:00- デモンストレーション




■光洋シーリングテクノ





正社員化を実現したJMIU光洋シーリングテクノ分会の組合員たち=07年春闘で獲得した組合室で



ついに正社員 光洋シーリングテクノ 請負労働者たちの快挙

(しんぶん赤旗 2007年12月30日・1月6日合併号)



 ついに、請負労働者が正社員への道を開きました。トヨタ自動車の孫会社、光洋シーリングテクノ=徳島県藍住(あいずみ)町=でのことです。04年9月に労組をつくって3年余。使い捨てにされてきた請負労働者の初の快挙に、各地から歓声があがっています。

(岡清彦記者)



 午後2時51分、昼勤(午前7時始業)の仕事を終えた労働者が、続々と全労連・JMIU(全日本金属情報機器労組)徳島光洋シーリングテクノ分会の組合室に集まってきます。ライトブルーの作業服に安全靴。正月を前にした、07年12月21日から組合員をふくむ14人が正社員になりました。



“顔写真つき”







 安宅(あたけ)徹さん(27)は、真新しい社員証カードを手にいいます。

 

 「うれしい。年収で100万円以上のアップになります。これで、定年まで働けます。結婚をふくめて人生設計ができるようになります」



 請負、期間工労働者のカードには、顔写真がありませんでした。正社員になって、安宅さんのカードに顔写真が入りました。「“人間”扱いされるようになった」のです。





テクノがトヨタなどに納入している製品=テクノのパンフレットから



 5年前、人材派遣会社最大のクリスタル(グッドウィルが買収)系に登録。テクノで請負労働者として、トヨタなどに納品する部品、ピストンシールをつくってきました。



 夜勤(午後2時39分から午後10時30分)は、トヨタの急成長に合わせ、3時間から5時間もの残業があります。



 「社員さんと同じ仕事をしていても雇用期間は3ヵ月。いつ首を切られるかびくびくでした。時給は1100円と3分の1程度でした」



 正社員になり、期間の定めのない雇用期間=定年まで働けるようになったのです。賃金も時給から月給になり、残業をのぞいた年収では、約210万円から約350万円にアップします。現在、50代中ごろの正社員の年収は、約700万円。そこまでアップする見通しです。ワーキングプア(働く貧困層)から脱出できます。







 喜びを組合室で語る安宅さん。組合室は、07年春闘で獲得したもの。机、いす、パソコン・・・まだ、部屋はがらんとしています。二十数人から出発した組合員は、2倍の四十数人になりました。



 正社員になった吉崎透さん(29)は、「組合員全員が正社員になるのが目標です。これは、一つの通過点です。これからも頑張らなくちゃ」と気を引き締めます。



 分会代表の矢部浩史さん(42)は、「数学や英語などのテストではなく、過去の経験を考慮して正社員に登用するよう交渉したが、合意に達しなかった。ひきつづき要求していきたい」といいます。



偽装請負を告発して



 矢部さんらが、偽装請負を厚労省徳島労働局に告発したのは05年12月。テクノで仕事の指揮・命令をするのは、請負会社ではなく、受け入れたテクノの社員でした。請負会社の労働者を指揮・命令するのは、偽装請負になり、労働者派遣法と職業安定法に違反します。実態は派遣になり、派遣法は、同じ職場で1年以上働いた場合、派遣先に直接雇用の義務が生じます(現在は3年)。











 労働局はテクノに対し、「適正な請負」に変えるように、というものの、派遣法にもとづいて、矢部さんらを直接雇用するよう会社を指導しませんでした。



 日本共産党は、矢部さんらから聞き取り調査などをし、くり返し国会で取り上げ、厚労省に直接雇用と正社員化の指導を求めました。



















 徳島県商工労働部長が仲介に入り、06年9月、直接雇用(6ヵ月契約の期間工)を実現しました。07年4月と10月には合わせて3回のストライキを決行し、正社員化などを求めてきました。



 徳島労連の森口英昭事務局長は、「組合員は、よく団結して正社員化をたたかいとった。偽装請負なら正社員にするのは当たり前、という流れをつくるものです」とたたえます。



 黒坂和也さん(27)は、今回正社員になれませんでした。その技術力は、正社員も一目おくほどです。



 「正社員になったもんに、おめでとうといいたい。今回、わいの技術力を会社は買(こ)うてくれなかったが、みんなここまで苦労してきたんや。組合員全員が正社員になるまでたたかうぞ!」



たたかいの力 証明 非正規で働いたことのある作家 雨宮処凛さん







 正社員化!すごいですね。ありえないようなことを実現しちゃったんですから。



 本来なら、厚労省が偽装請負のテクノにたいし、正社員にするよう指導をすべきなんですよ。労働者派遣法が有名無実になっているときに、テクノの請負労働者は労組をつくってたたかえば正社員になれることを証明しました。



 日本の若者は非正規労働で働かされ、お金もなく、結婚もできない。こんな国、社会はおかしい。正社員になるために、テクノのみなさんのように、苦労するなんて絶対に変です。



 日本の非正規労働者に、テクノの労働者のように労組をつくって運動しよう、と呼びかけたいですね。



いい励み もらった キヤノン非正規労働者組合 宇都宮支部(栃木県)支部長 大野秀之さん(33)







 僕らもキヤノンの偽装請負を告発(06年10月)し、07年8月に直接雇用になりました。しかし、テクノと同じように最長2年11月の期間工でした。厚労省栃木労働局は、「雇用の安定」といいながら、正社員化の指導をしませんでした。正社員でないために、組合員のなかには気を落としている仲間もいました。



 それだけに、テクノの正社員化はすばらしいニュースです。元気づけられました。望みはゼロではないんです。







 僕らより先に偽装請負を告発した矢部さんらに、これまでも多くのことを教えてもらいました。僕らも正社員化をめざしています。いい励みをもらいました。



正社員化の波 全国へ 松下プラズマディスプレイ偽装請負事件訴訟 原告 吉岡 力







 矢部さんと初めてお会いしたのは、2006年2月11日のトヨタ総行動の時でした。あの時に私がした発言(←をクリックしていただければ発言内容を見ることができます)を覚えているでしょうか。



【発言内容の要旨】

 トヨタの奥田会長に言いたい。松下のやり方は私をテントに隔離したり、他の従業員からは挨拶もさせない言論統制をしたり、たくさんの問題はありましたが、形はどうであれ、松下は私を『直接雇用』しました。松下でさえ、『直接雇用』をしたのにトヨタの孫会社である光洋シーリングテクノでは何故『直接雇用』をしないのか。私はその事を強く言いたい。



 とにかく、徳島の光洋シーリングテクノで偽装請負という法律違反で働かせてきた派遣労働者の人達を法令遵守ということをトヨタの会社のCSRで謳っているのならば、法律を守って『直接雇用をしろ!』と訴えておきます。



 まだ、矢部さん達が望んでいる組合員全員の正社員化ではありませんが、組合員7名が期限の定めのない形での正社員を勝ち取った事は大きな成果だと思っています。



 これからは「トヨタの孫会社である光洋シーリングテクノでさえ、『正社員』にしたのに松下電器産業の子会社である松下プラズマディスプレイでは何故私を『正社員』にしないのか。私はその事を強く言いたい。」と訴えていきたいと思います(笑



 違法な「偽装請負」を職場からなくす闘いは『直接雇用をしろ!』の闘いから『正社員にしろ!』の闘いへと確実にステップアップしています。



 正社員化の波を全国へ拡げていく闘いをこれからもみなさんと一緒に取り組んでいければと思っております。 



※私のコメントは赤旗には掲載されておりません。



「世の中変える」思いが

取材をつづけて




 記者が光洋シーリングという企業を初めて知ったのは、クリスタルから入手した極秘資料でした。



 全国になる大企業の370工場に、約1万4千人の請負労働者がいて、35億9千万円余の請負料をクリスタルが稼いでいる、という04年8月の資料でした。その一つに、「光洋シーリング 75人 2050万円」とあったのです。



 その翌月の9月、テクノの請負労働者が労組を結成した、と聞きつけ徳島に飛びました。



 ほやほやの20代が中心の若々しい労組。イチローのようなひげをはやした黒坂さんは、「社員さんが『仕事を教えてくれ』といってくるくらい頑張っているのに、時給は1100円」と怒りました。







 労組を結成すると、新しい雇用契約書に、「契約期間満了を待たずに解雇することがある」とつけ加えておどしてきたクリスタル。たくましいひげをはやした中村早途さん(35)は、「負けません。働きがいのある職場をめざします」と語りました。



 04年10月10日号の日曜版に掲載された記事がメディアで最初になりました。



 矢部さんに、「よくここまでたたかいましたね」というと、返事はこうでした。



















 「長かった。会社から、『おまえに何ができる。おまえが何をしても世の中変わらん』といわれた。『やってみないとわからん。世の中変えるんじゃ!』といい返してやった。組合員が正社員になり、胸を張れるまで、こんなに時間がかかった。組合員だけじゃなく、非正規労働者全員がもっと早く正社員になれるよう、これからもやるんじゃ!



 いまや日本の労働者の3割が非正規労働者。テクノの工場近くの大河、吉野川は滔滔(とうとう)と流れています。「テクノで切り開いた正社員化の流れが、日本中で滔滔たる流れになれ!」。吉野川の橋を渡りながら強く願いました。



光洋シーリングで正社員化 ! −問われる厚労省の姿勢−

(2007年12月19日付け しんぶん赤旗より)



 光洋シーリングテクノで偽装請負で働かされていた労働者が、直接雇用に続いて12月21日から正社員化を実現しました。 直接雇用にしても短期契約で雇い止めにされるケースが問題となるなか、たたかって正社員化の道を切り開いたもので画期的な意義を持っています。



 同時に、労働者派遣法にも反して、直接雇用・正社員化の指導を怠ってきた厚生労働省の姿勢が改めて問われています。



 派遣労働は、常用雇用の代替とならないように派遣期間 (3年) が定められており、これを超えると、派遣先企業は派遣労働者に直接雇用を申し込む義務があります。
偽装請負とは、こうした規制を逃れるために、「業務請負」 を装っている違法派遣のことです。



指導はゼロ




 しかし、厚生労働省はこれまで、違反企業に直接雇用を指導したことはただの一度もありません。 これまで直接雇用が実現しているのは、労働者のたたかいによって実現させているものです。







  派遣法では、直接雇用の申し込み義務は、派遣元が派遣先に派遣停止を事前に通知しているごとが条件です。厚労省は、この通知がないので、直接雇用の指導ができないとしてきました。



 光洋シーリングの場合も、この通知がないことを理由に直接雇用の指導を拒んできました。



 しかし、偽装請負は、派遣先と派遣元が共謀して行っているものであり、派遣停止の通知を行うはずがありません。



 現行法に不備があることは明らかですが、直接雇用の申し込み義務を課した労働者派遣法の原則にたてば、直接雇用を指導するべきです。



雇い止めは



 同時に、仮に直接雇用に切り替ても、短期契約にして期間満了を理由に雇い止め (事実上の解雇) にするなど脱法行為を許さないことが求められています。







 松下プラズマ・ディスプレイでは、偽装請負から直接雇用に切り替えたものの、わずか5ヵ月で雇い止めにしてしまいました。 労働者は裁判に訴えてたたかっています。







 何年も偽装請負を続けてきたのであり、是正するのであれば正社員にすべきです。 柳沢伯夫前厚労相も 「必ず長期雇用を申し込む義務がある」 と答弁しており、政府の責任で正社員化を指導することが求められます。



 派遣労働者の権利を守るために、延長された派遣期間の上限を3年から1年に戻すことや、派遣期間をこえたり違法行為があった場合、直接雇用の申し込み義務にとどまらず、「派遣先が直接雇用したものとみなす」 規定を導入し、正社員化を確実にすることが求められます。
その際の雇用契約は、期間の定めのない契約とすることが必要です。




■ヘラルド朝日







 この事件は2006年夏に『反偽装請負キャンペーン』に取り組み、『第7回 石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞』の公共奉仕部門で大賞を受賞した朝日新聞の職場の『偽装請負』を告発した労働者の闘いです。何故か大手メディアである朝日新聞の偽装請負事件を取り上げようとしない日本のマスコミの体質についてもこの事件を通じて考えていただければと思います。



■朝日新聞の足元で起きている偽装請負を英語ニュースで告発(UNIONTUBEより)

(↑をクリックしていただければ映像を観ることができます)





ヘラルド朝日労働組合委員長の松元千枝さん。松元さんを含め不当解雇された3名の組合員が朝日新聞社を相手に裁判で地位確認を争っている。

























契約書を交付しないのは明らかに労働基準法第15条違反である。













「ヘラルド朝日労組 VS 朝日新聞社」裁判闘争の経緯2003年5月の項目を見ていただければわかるが、朝日新聞社側の提案内容は「解雇予告」した契約を飲めというものである。労働者は「生きるため」に働いているのである。使用者より立場が弱い労働者に対し、「解雇予告」をした契約書にサインをしなければ契約をしないというやり方は脅迫行為と同じである。朝日新聞が行なった事は松下プラズマが行なったことと全く同じであり、許される事ではない。













「反偽装請負キャンペーン」を行なってきた朝日新聞社が「偽装請負」を理由に解雇するとは笑止千番である。

















2006年夏に朝日新聞がスクープした『反偽装請負キャンペーン』で偽装請負問題は大きな社会問題になったことは否めないが、そのこととこのヘラルド朝日の問題は別問題であるので、私のブログで『ヘラルド朝日争議』を紹介していく予定です。





日本のマスメディアがこのヘラルド朝日の問題をなかなか取り上げようとしない理由は自分達の職場で朝日新聞と同じような不安定雇用が横行しているためである。









ヘラルド朝日争議を取り上げた数少ないマスコミの記事です。ぜひご覧下さい。



週刊金曜日



月刊誌「サイゾー」(2007年8月号)



ビッグイシュー72号(2007年5月12日号)









レイバーネット・アメリカ代表のスティーブ・ゼルツアーさんのコメント











松元さんのコメント(ビッグイシュー72号より)



「イジメに耐えかねて辞めていった仲間たちは、不当労働行為で訴えたいと思っていたけれど、そのチャンスもなかった。そんな泣かされてきた人たちの声を、とにかく多くの人に知ってもらいたかったんです。紙面では労働問題で他の大企業を叩いている朝日が社内では不安定雇用の人たちを叩いていたことを、とくに朝日の読者には知ってもらいたかった。それで、一人でも多くの人に、私たちのような労働形態が社会的に認められていいのか、正社員じゃなきゃ本当に労働者じゃないのか、ということを考えてほしいんです」

















2007年11月29日の東京高裁判決で不当判決を下された松元さんですが、上告して闘うと決意を語っています。『正義を実現したい』という理由で闘う松元さんを応援する意味でも『ヘラルド朝日労働組合』のHPをリンクさせていただきました。『正義を実現したい』という思いはこの闘いに立ち上がった人たち全ての共通の思いです。ヘラルド朝日労働組合の闘いに皆様のご支援よろしくお願いします。



■ヘラルド朝日労働組合の映像



●解雇撤回闘争中〜ヘラルド朝日労組の松元さん

 朝日新聞の英語紙「ヘラルド朝日」の非正規職員だった松元千枝さんら3人は、組合をつくったらクビに。現在、解雇撤回闘争中だ。9・18ユニオンYes!キックオフ集会で上映したもの。




●朝日新聞は足元の「偽装請負」を見よ@ヘラルド朝日労組

 不当解雇を東京高裁で係争中のヘラルド朝日労組。11月9日、朝日新聞特別報道チームが偽装請負報道で「早稲田ジャーナリズム大賞」をもらうという。「それはおかしい。朝日新聞は足元を見よ」と労組は宣伝行動に立ち上がった。



■尼崎市役所



 この事件は尼崎市役所の「偽装請負」を告発した武庫川ユニオン尼崎市役所分会の労働者の闘いです。市民の個人情報を扱う入力スタッフという仕事でこのような違法行為が平気で行なわれていることをこの事件で知っていただければと思います。





(武庫川ユニオン機関紙12月号より)



■「知ってください私たちのこと・・・」

市役所前でビラまきをしました

直接雇用を求めます・・・・




 11月12日(月)と19日(月)の朝、尼崎市役所前で、市役所分会の仲間たちがビラまきをしました。



 「市の職員のみなさんに私たちの現状となぜ声をあげたのかを知ってほしい」という想いを一面に綴ったビラは、ユニオンの仲間はもちろんの事、尼崎市職労働組合の皆さんも手伝ってくださり、足りなくなってしまうほどでした。

 

 業務請負で働いていた頃「請負」にもかかわらず「常時4人出勤」という勤怠管理を市役所にされ、つらい目にあった事や、長く働いてやっと1060円になった時給が入札で900円になってしまった事。そして、何よりもつらかった事として、ユニオンに入って契約が偽装請負だとわかり新聞に大きく取り上げられた後、今までよかった職場の雰囲気がギクシャクし、コミュニケーションをとりながらの手渡しだった書類も、指示命令に当たるからと口をきいてもらえず、箱に入れるようになった事など、契約が悪いのに、仕事に不満があるように思われたときが一番しんどかったと書かれています。



 尼崎市は今、公務員の仕事をアウトソーシング、民間委託にすることが市民サービスに繋がると言い、躍起になっています。公務職場で業務請負や派遣で働いている人たちの仕事内容は、もともと公務員である職員のみなさんが市民のためにしてきた仕事です。それは、誰かが儲けて、誰かが安い賃金でガマンする仕事ではなく、税金を使い、将来を見越して尼崎市のためにしてきた仕事です。そんな仕事をこんな安い賃金で、雇用不安を抱えながら働いている請負や派遣の労働者に任せているのです。尼崎市民のため、そして、市民サービスに繋がる仕事が不安定な雇用でいいはずがありません。隣で働く人が、誰に雇われ、賃金がいくらで、いつまで仕事するのかなどわからない状態で大切な仕事を任せることができるでしょうか。市民サービスの向上は安定した雇用が前提条件のはずです。派遣ではなく、雇用責任を明確にした直接雇用でなければならないのです。



 私たちはJR福知山線事故を経験しました。その最大の原因は、民営化による利益第一主義、競争と効率の極限までの追及にあったことは明白です。民営化は公務職場に市民サービスに競争至上主義を持ち込むことにあります。尼崎市の財政健全化は、市民生活を守るための手段です。単年度の財政収支の改善のみにとらわれるのではなく、長期的な視野に立って、自治体の力、市民の力をつける市政運営こそが今、望まれています。



 近いうちに市の方針を伝える団体交渉が持たれます。彼女たちの想いが伝わり、良い結果が出ますように・・・。



■武庫川ユニオン尼崎市役所分会代表の声



 私たちはメンバー5人の分会です。仕事は尼崎市の住民票の入力です。



 市民の個人情報を扱い、熟練の必要な責任の重い仕事をしているのに、去年9月に、市役所で競争入札が行われ、請負会社が変わることになりました。



 私たちが仕事を続けるためには、その請負会社に移って、時給の大幅ダウンや有給もゼロになるという悪条件を受け入れるしかありませんでした。全く同じ仕事を、全く同じメンバーで続けているのに何でやねん!と悔しい気持ちを抱えながら・・。その後、尼崎市と請負会社の契約内容がおかしい、偽装請負ではないか?という問題が発覚し、私たちは直接雇用を求めて今年2月に武庫川ユニオンに加入し、尼崎市役所分会を結成しました。



 2月、3月にかけて数回、尼崎市と団体交渉を持ち、市は、最終的に偽装請負については全面的に認め、謝罪しました。ただ、直接雇用はそうそう簡単にできるものではなく、時給のアップは勝ち取ったものの、今年度はとりあえず違法状態を解消するために、契約を請負から派遣に切り替え、直接雇用については全力で調整・検討をするということで合意しました。



 それから半年たち、10月3日に団体交渉を持ちました。



 まだ結論は出ていないものの、財政上やはり直接雇用は厳しく、市の方針として財政を立て直すためアウトソーシング化を推進している中、それに逆行することは非常に難しいとのことでした。しかも4年後にはまた入札が避けられないと言われました。じゃあ結局前と何も変わっていないやん!と、また悔しい気持ちでいっぱいです。私たちは、今までの色々な複雑な経緯も含めて、絶対に直接雇用にして欲しいと思っています。あくまでも直接雇用を求めて頑張っていきます。ユニオンの皆様、応援よろしくお願いします。



■自らが立ち上がるということ

武庫川ユニオンさんのブログ

『ターザンの呟き・・・ ( ̄ε ̄ )』より




 11月12日の早朝、尼崎市役所に武庫川ユニオンのノボリが翻り、直接雇用を求める拡声器からの声がこだました。今年2月に尼崎市役所住民票入力業務が、偽装請負であることを告発し、尼崎市と団体交渉を重ねてきたことはご承知の通り。尼崎市は偽装請負については最終的に謝罪し、一定の賃金の引き上げととりあえず一年間は派遣でと回答し受け入れた経過があった。しかし私たちは長期の派遣を受け入れたわけではなく、次年度からの直接雇用を求めていた。10月にやっと再開された団体交渉で、尼崎市は市民局としては、嘱託という形での雇用するとの結論に達したが、市全体の合意が得られなかったとして、途中経過と良いながら事実上次年度以降も派遣でという尼崎市の考え方を回答してきた。住民票入力業務を担う組合員たちと共に、今後の活動を話し合った。市役所やターミナルでの宣伝活動は、正直大きな抵抗があった。毎日仕事している職員の人たちとの人間関係が壊れないだろうかという不安が最大のものだった。彼女たちは何度も議論し、このままでは、尼崎市は変わらない。自分たちが行動の先頭に立とうと決意が固まった。5人全員が宣伝活動に参加した。







 私たちのチラシはほとんどの職員の方が受け取ってくれた。「彼女たちの気持ちはよく分かる」という感想も寄せられた。今回の行動には尼崎市職労のみなさんの応援も頂いた。



 最初はあんなに心配していた組合員たちは「楽しかった。今後は私もマイクを持つ」と次回の行動が話し合われた。市役所での宣伝活動は闘争宣言集会であった。尼崎市の態度に変化がないとすれば、社会的に尼崎市を追いつめていく決意が固まった。



 労働組合の基本は誰かに頼るのではなく、自分たちが立ち上がることの大切さ、強さを学び合うことができた重要な行動になったと思う。さあ立ち上がろう!働く仲間たち。



【武庫川ユニオン東芝分会代表のコメント】



 大阪労働局が東芝家電製造の違法派遣(偽装請負)に対して是正指導する少し前、兵庫労働局は尼崎市役所の“住民票入力業務”の違法派遣を認定、是正指導を行った。



 尼崎市役所は、東芝と違い偽装請負であったことを認め、ユニオン組合員に謝罪した。自ら行った違法行為に対して謝罪する姿勢を見せなかった東芝家電製造とは違う対応を尼崎市役所はとった。しかし、その後彼女たちの雇用は、直接雇用でなく派遣とされたままだ。



 違法行為を行った側には、なにもダメージはない。市役所は偽装請負を追求されたが、誰かがその責任を取ったのか。声を上げた労働者側は、雇用を賭けた闘いを強いられる。派遣のままだと期間制限があり、この仕事を続けてはいけない。仕事をしながら、運動を続けなければ雇用を失う。圧倒的に弱い立場である彼女たちは、一方で市役所内では必要不可欠な労働者なのだ。



 一生懸命仕事をしても、その先に何もない。そんな状態で仕事をする苦痛というものを、多くの人に知って欲しい。必要な時は、正規労働者以上に働かせ、要らなくなったらポイ捨て・・・。いや、彼女たちの仕事は無くならない。これからも市民の個人情報を扱う重要な仕事として在り続ける。市は単に人を安く使いたいという理由以外にどんな理由で、彼女たちを派遣労働者待遇にしたいのか。



 「働くことは生きること」



 私も彼女たちも生きるために働き続けなければならない。今日も、そして明日も・・・。



■尼崎市役所に直接雇用を求めて闘っている武庫川ユニオン尼崎市役所分会の皆さんの声は武庫川ユニオンさんのBBSに掲載されていますのでご覧になって下さい。私は一人でも多くの方に偽装請負争議で闘っている当事者の人達の声を伝えたいと思っています。皆様のご支援よろしくお願いします。

(吉岡)




武庫川ユニオンさんのBBS



■グッドウィルの悪行と派遣法改正を見送った厚生労働省の無責任



■グッドウィル 事業停止命令へ

(2007年12月22日付け NHK報道より)








 
日雇いの人材派遣会社大手のグッドウィルは、ことし2月、契約上の会社とは別の会社に労働者を送り込んで法律で禁じられた港湾地区での業務に当たらせていたとして、東京労働局が調査を進めていました。















 その結果、グッドウィルの各地の事業所で、法律で禁じられた港湾の業務などへの人材派遣や違法な二重派遣が確認されたほか、法律が定めた人材派遣の責任者がいない事業所も複数あることがわかったということです。







 このため、厚生労働省では、グッドウィルの全国737の事業所すべてを対象に、早ければ来月にも、事業停止命令を出す方針を固めました。







 事業停止は、違法な派遣が確認された89の事業所については4か月間、ほかの事業所は2か月間になる見通しだということです。厚生労働省が事業停止命令を出す方針を固めたことについて、グッドウィルグループは「方針については東京労働局から通知を受けています。これに対する弁明書を提出する期限は来月8日になっており、その後、処分が決定する見通しなので、決まった際には速やかに開示します。お客様や登録するスタッフをはじめ関係者にたいへんご迷惑をおかけしていることを心から深くおわびします」というコメントを出しました。グッドウィルをめぐっては、グループ企業の介護サービス大手だったコムスンが、事業所の申請を偽ったなどとして、厚生労働省からことし6月、処分を受け、介護業界から撤退しています。







 また、日雇いの人材派遣をめぐっては、グッドウィルと並ぶ大手の「フルキャスト」が、ことし8月、港湾地区へ労働者を派遣したなどとして1か月間から2か月間の事業停止命令を受けています。



■折口会長 近く代表権を返上へ

(12月23日付け NHK報道より)











 日雇いの人材派遣会社大手の「グッドウィル」をめぐっては、法律で禁止された港湾や建設現場の業務への人材派遣を繰り返していたなどとして、厚生労働省が来月にも全国の730余りの事業所を対象に、最長で4か月をメドに事業停止命令を出す方針を固めました。















 これを受けて、親会社の「グッドウィルグループ」では、折口雅博会長が責任を取る形で近日中に代表権を返上することを決め、23日未明、会社のホームページで発表しました。











 事業停止の間、グッドウィルは、登録している派遣労働者をグループ会社や別の人材派遣会社に紹介して、仕事の機会を確保したいとしています。グッドウィルは来月8日までに厚生労働省に対して弁明書を提出する予定で、厚生労働省は、弁明書の内容をあらためて検討したうえで事業停止命令を出す方針です。



■折口会長留任 代表権は返上

(2007年12月26日付け NHK報道より)












人材派遣会社大手のグッドウィルは、法律で禁止された港湾や建設の業務への派遣を繰り返したなどとして、全国の事業所を対象に厚生労働省から来月にも事業停止命令を受けることになっています。











 これを受けて親会社のグッドウィル・グループは25日、臨時の取締役会を開き、折口雅博会長が問題の責任を取るとして今月31日付けで代表権を返上する一方、取締役会長の職にはとどまる人事を正式に決めました。











 また、取締役会ではグッドウィルの管理体制を強化するとして全国の730余りの事業所をおよそ400まで削減する方針を示すともに、プロ野球・西武の本拠地の球場「グッドウィルドーム」の命名権を解除することも決めました。







 グッドウィル・グループをめぐっては、介護サービス大手だったコムスンが、ことし6月、事業所の指定を不正に受けていたなどして厚生労働省から処分を受け、介護業界から撤退しています。処分を受けてコムスンの当時の社長は辞任しましたが、親会社の折口会長はそのまま会長にとどまってきました。







 グループ企業の不正が相次いで発覚するなか、グループを率いてきた折口会長が依然として経営トップの一員にとどまることについて、事業停止命令で影響を受ける派遣労働者や取引先、それに株主などから批判の声が上がることが予想されています。



■“日雇い派遣”法改正見送り

(2007年12月26日付け NHK報道より)
















 厚生労働省の労働政策審議会は、日雇いの人材派遣をめぐって違法な派遣や賃金の天引きなどのトラブルが相次いでいることを受けて、ことし9月から労働者派遣法を改正する方向で協議を進めてきました。







 審議会はこれまで6回開かれましたが、労働者側が「日雇いの派遣は低賃金で雇用も安定せずワーキングプアの温床となっている」と主張して禁止するよう求めたのに対し、企業側は逆に「今は禁止されている建設や港湾への派遣も認めるよう」規制の緩和を求め、真っ向から対立してきました。







 このため25日の審議会では、両者の主張に隔たりが大きく意見をまとめるのは難しいとして、労働者派遣法の改正案を来年の通常国会に提出するのは見送ることを決めました。







 今後、大学教授ら第三者でつくる研究会を新たに設置して法律の改正について検討を進め、来年の夏をめどに方向性を示すことになりました。







 一方、人材派遣会社に対して派遣先との契約の金額や契約を公開させることについては、一定の合意が得られたとして今後、指針を作って対応することになりました。











 日雇いの人材派遣をめぐっては、厚生労働省がことし8月、違法な派遣を繰り返したとして大手の「フルキャスト」に事業停止命令を出したほか、最大手の「グッドウィル」に対しても来月にも事業停止命令を出す方針を固めています。



■続・ハケン集う駅

追跡グッドウィルの日雇い

(2007年12月17日から19日付け しんぶん赤旗より)




毎朝バスで1000人






 「千葉県のJR西船橋駅前には毎日早朝、日雇い派遣労働者がざっと千人集合する」



 十一月中旬、大手派遣会社グッドウィルの日雇い派遣労働者の男性から、編集局に通報がありました。



 十一月下旬から十二月上旬にかけて、同駅前に数回いってみました。



●「クズだ」と


 午前七時。あいにくの小雨交じりの寒空。同駅南口から一本離れた道路のわきの各所に、ジャンバーとジーパンを着て、携帯電話を持った労働者が数十人ずつ集まります。



 しばらくするとバスが到着、労働者を乗せて午前八時前後に次々と出発していきます。バスの運転手は「派遣先の会社と契約し、派遣労働者を乗せている」と話します。





(写真)バスに乗り込む日雇い派遣労働者ら=11月30日、千葉県船橋市



 出発するバスは、のべ二十数台。確かに集まった日雇い派遣労働者は、合わせて千人に達する規模です。



 バスを待つ何人かの労働者に声をかけました。「登録している派遣会社は?」の質問には、「SBS」、「グリーンスタッフ」などの名前が返ってきました。



 道路わきの広場に集合していたSBSの日雇い派遣の男性(33)=千葉県在住=は話します。



 「きょうは時給八百円の仕事。親と同居しているので、なんとか生活が成り立っているが、こういう生活は、あまり続けたくない」



 その理由の一つをこの男性はこういいます。



 「派遣先によっては、上司のアルバイトの労働者が仕事内容を一回説明しただけで『やってください』という。当然できませんよね。そうすると、『クズ』といわれたこともある。言葉の暴力ですよ」



 大手スーパーのイオンで倉庫作業をした、派遣会社エスプール(本社・東京都中央区)の日雇い派遣労働者の男性(四十代)=東京都在住=は、いいます。



 「事前に示された労働条件は時給八百円、一日七・五時間労働で、支給額は六千円。しかし、受け取った金額は、所得税百三十五円と『クラブ費』二百五十円が天引きされ、五千六百十五円でした」



 自己負担の交通費を引くと、実際の手取りは五千円を切ります。時給換算だと六百円台。これでは最低賃金(現在の最賃は千葉県七百六円、東京都七百三十九円)すら下回ります。



●40日で1万



(写真)派遣会社エスプールが日雇い派遣労働者に交付した書類



 「クラブ費」とは何か―。この労働者は、派遣会社の支店にあったパンフレットに、「クラブ費」を払えば、“四十日無遅刻無欠勤をすると労働者に三千円が返るなどの制度”と書かれてあったと告発します。



 「毎日、職場や仕事の時間帯が変わる日雇い派遣は、体調管理が大変なんです。風邪を引いて事前に仕事を休むと連絡しても欠勤あつかいです。だから、四十日間、無遅刻無欠勤なんて、まずありえない。しかも、四十日間の『クラブ費』は合計一万円。たとえ三千円戻ったとしても、差し引き七千円は会社に入る。あくどいやり方です」



 労働基準法第二四条は賃金について、原則として税金を除き労働者に全額を支払わなくてはならないと定めています。



 エスプール本社の広報担当者は、「クラブ費」の“天引き”や「無遅刻無欠勤」での一部返済制度の存在を認めました。違法ではないかとの指摘には「任意加入の制度で、派遣登録時に労働者から同意を得ている」(同担当者)などと弁解します。しかし、任意であるなら、強制的な控除はやめるべきです。



 大手派遣会社グッドウィルなどの日雇い派遣労働者。冬空の下、どんな暮らしをしているのか――真夏の実態を探った前回の連載(十月十三、十四、十六日付)に続き、千葉県内のJR駅前に集まる労働者の声を聞きました。

(2007年12月17日付け しんぶん赤旗より)



保険にも入れない



 十一月下旬の早朝、千葉県のJR西船橋駅近くの道路わきのコンビニ前。雨を避けてバスを待っていた日雇い派遣の男性(37)=東京都在住=は「SBSという派遣会社に登録している」といいます。



●寒空に待つ


 「きょうの派遣先は佐川急便で、倉庫作業です。時給は八百円。年収は二百万円を切る。賃金は本当に低いが、一人暮らしなので、なんとか暮らせる。不満はないかって? もう割り切っていますから…」



 十二月初旬の早朝、晴天。ふたたび、西船橋駅前にいくと、土曜日にもかかわらず、多数の日雇い派遣労働者が寒さに震えながらバスを待っていました。





(写真)西船橋駅前のインターネットカフェの看板



 大手スーパーのイオンに日雇い派遣されるという男性(38)=千葉県在住=が口を開きます。「きょうの時給は千円。派遣会社からは交通費は出ない。年収は二百万円程度。両親と住んでいるから、この収入でもなんとか暮らせる。ゆくゆくは正社員になりたいが…」



 年収二百万円前後では、一人で都会のアパートに住むことは困難です。このため、アパートに住めず、インターネットカフェで寝泊まりする「ネットカフェ難民」になる人もいます。



 西船橋駅北口前には、全部で四十六席のネットカフェがあります。一泊九時間で二千円の「ナイトパック」もあります。



 受け付けのアルバイトをしている若い男性によると、常連客は中年男性で二、三人。もう二年近く利用している人もいます。



 「朝八時すぎに出ていき、夜十時ごろに帰ってくるので、働きにいっているのだと思います。夜はいすを倒して寝るのですが、いびきの苦情もある。生理現象ですから仕方ないのですが、あまりにひどいときには声をかけます」



 朝八時すぎ、紙袋をさげた青年が、そのネットカフェから出ていきました。



 「持病で痛みがひどく働けないのだが、先立つものがないから医者にも行けない」。西船橋駅前に集合し派遣先にいったこともある、グッドウィルの日雇い派遣で働く中年男性から最近、こういう訴えがありました。



●仕事中激痛



 「親といっしょに住んでいるので、世帯で国民健康保険に加入している。治療のために医者に行きたくても、三割負担のお金が払えない。その三割負担を稼ごうと、日雇い派遣に行っても、仕事の最中に激痛で働けなくなり、仕事を早退する。そうすると賃金は出ない。交通費だけの出費になる。悪循環です」



 多くの派遣会社は、日雇い派遣労働者を、政府管掌健康保険や厚生年金などの社会保険に加入させていません。



 この男性は、別の派遣会社にも登録しています。



 その派遣会社から「タクシーに乗ってもいいから、すぐ来てくれ」といわれ、派遣先にタクシーで行ったことがありました。労働時間は二時間だけで、タクシー代を差し引くと、手取りはほとんどありませんでした。



 「タクシー代を派遣会社に要求しても、全然聞いてくれません。派遣会社の担当者は『タクシー代を払うとはいってない』と言い出す始末で…」



 派遣会社の横暴は、エスカレートしています。



 国民健康保険にすら入っていない「ネットカフェ難民」が病気になれば、さらに深刻な事態が予想されます。





(2007年12月19日付け しんぶん赤旗より)



ピンハネ率は31%



 グッドウィルの日雇い派遣労働者は今年夏、千葉県市川市のJR二俣新町駅前から、西武運輸が手配したトラックの荷台で、派遣先の外資系大手運送会社「DHL」の倉庫に運ばれていました。前回の連載で明らかにしたことです。



●いまも集合


 その後、この連載をみた男性(46)=千葉県在住=から次のような電話がありました。





(写真)DHLが手配したバスに乗る派遣労働者=17日午後7時20分、千葉県市川市のJR二俣新町駅前



 「私は数年前まで、派遣会社の常用型労働者として、都内の別のDHLの倉庫に派遣されて働いていた。DHLの職場は、残業がひどく、朝から働いて夜、家に帰れないこともあった。倉庫作業もしたことがあるが、体がじょうぶでないとできない事実上の荷役だ。厚生年金や政府管掌健康保険などの社会保険もない。DHLで働くドライバーの人たちも派遣で、同じように無権利でした」



 十二月初旬、改めて二俣新町駅前にいってみると、午後七時すぎ、ジャンパーを着た若い男性約二十人が、寒そうにしながら黙って集まっていました。



 グッドウィルに登録しているという男性(25)はいいます。



 「グッドウィルの人にいま、点呼を受けたところ。派遣先の会社はDHLです」



 午後七時十五分ごろ、バスの窓に「DHL」と手書きの張り紙をした大型バスが駅前に到着。集合していた労働者をみんな乗せ、午後七時二十五分、出発しました。



 派遣先の市川市内のDHLの現場責任者は「西武運輸との契約はやめ、いまは、グッドウィルと直接契約し、その派遣労働者を倉庫作業で使っている」と認めます。



 なぜ、DHLは、いまだに日雇い派遣労働者を使っているのでしょうか。DHLの広報担当者は「夜間業務はあくまで臨時の業務なので派遣を使っている。正社員と比べてコストが安いかどうかは、お答えできない」というだけです。



 ただ、グッドウィルのホームページの派遣先会社向けのページに次のような文章がありました。



 「ご案内できる業務―倉庫。…入出庫・構内作業は、物流倉庫マネジメントにおける付加価値の源泉です。…弊社では、…物量に応じた効率的な人員配置が可能。流通コストの大幅ダウンを実現します」



 グッドウィル側は派遣先の会社に「コストの大幅ダウン」ができるから、日雇い派遣労働者を使ってくれと売り込んでいるのです。



 厚生労働省が昨年十二月二十六日発表した二〇〇五年度の派遣労働者一人一日(八時間労働)あたりの「派遣料金」は一万五千二百五十七円、「派遣労働者の賃金」は一万五百十八円。差額の四千七百三十九円が、派遣会社にピンハネ(中間搾取)されている計算です。ピンハネ率は31%です。



●人間扱いを



 派遣労働者を使えばなぜ、派遣先の人件費のコストを下げ、派遣会社にも31%のピンハネができるのでしょうか。



 グッドウィルの日雇い派遣の男性(前出)はいいます。



 「派遣先や派遣会社が、正社員には当然払うような交通費や労働保険料、社会保険料を負担せず、まるでモノのように私たちを扱っているからでしょう。私たちを正社員と同じく、人間として扱ってほしい。それで採算がとれないような日雇い派遣制度なら、禁止すべきではないでしょうか」





(2007年12月20日付け しんぶん赤旗より)



■グッドウィルを事業停止へ 各地で違法派遣繰り返す

(12月22日付け 共同通信より)




 日雇い派遣大手「グッドウィル」(東京、GW)が、労働者派遣法で禁止されている港湾荷役業務への派遣など違法な派遣業務を各地で繰り返していたとして、厚生労働省は22日までに、事業停止命令を年明けにも出す方針を固めた。



 年明けにGWの弁明を聞いた上で命令を出すとみられ、対象は全事業所約800カ所となる見通し。



 親会社のグッドウィル・グループ(折口雅博会長)は22日、GWが19日付で東京労働局から処分について弁明の機会を与える、との通知を受けたと発表。予定される処分内容は、浜松北支店など89事業所が事業停止4カ月、その他のすべての派遣事業は同2カ月、と明らかにした。弁明書の提出期限は来年1月8日。



 GWと並ぶ大手のフルキャスト(東京)も事業停止命令を受けており、日雇い派遣の在り方があらためて論議になりそうだ。グッドウィル・グループでは、訪問介護大手コムスンが事業所に関し虚偽申請をしていたことがこれまでに発覚、経営姿勢も問われそうだ。



■グッドウィル違法派遣、最長4カ月の事業停止へ

(2007年12月22日付け 朝日新聞より)




 グッドウィル・グループは22日、子会社で日雇い派遣大手のグッドウィルが労働者派遣法違反で最長4カ月におよぶ事業停止命令の処分を通知されていることを明らかにした。東京労働局が今月19日付で通知し、来年1月8日を期限に同社から弁明を受けた上で、正式に決める。グッドウィル側は基本的に争わず処分を受け入れる方針。



 通知された処分の理由は、派遣法で禁じられた港湾運送業務への労働者派遣や二重派遣などの違反。処分の内容は、浜松北支店など89事業所に対する4カ月間の事業停止命令と、グッドウィルが行う全労働者派遣事業に対する2カ月間の事業停止命令で、実施されれば、派遣大手に対する処分としては過去最長となる。



 グッドウィル・グループの広報IR部は「弁明書は提出するが処分を受け入れ、法令順守を徹底したい」としている。



 同社については7月、二重派遣の状態で港湾荷役業務に東京都の男性労働者を従事させていたことが発覚するなど、複数の違法行為が明らかになっていた。



■グッドウィル事業停止へ、違法派遣で全800支店

(2007年12月22日付け 読売新聞より)




 グッドウィル・グループの日雇い派遣大手「グッドウィル」(東京都港区)が違法派遣を繰り返していたとして、厚生労働省は来月にも、労働者派遣法に基づく事業停止命令を出す方針を固めた。



 全約800支店が対象で、事業停止の期間は長くて数か月になる見通し。同社は2005年6月、同法が禁じる建設現場への労働者派遣で事業改善命令を受けたが、その後も違法派遣を続けたため、厚労省はより重い処分が必要だと判断した。



 同社では今年7月、偽装請負の状態で都内の港湾地区に派遣した男性が、労働者派遣法で禁止されている港湾での荷物の積み下ろし作業に従事させられていたことが判明。派遣労働者の安全衛生の管理などを行うため配置が義務づけられている「派遣元責任者」が不在であることもわかった。



 厚労省が行った実態調査でも、全国各地の支店で違法派遣が恒常的に行われていたことが確認された。早ければ年内に同社に処分内容を伝え、弁明の機会を与えた上で処分を行う。事業停止期間中は、新たに派遣契約を結んで労働者を派遣することができなくなる。



 同社によると、登録スタッフは11月末現在で約291万人、1日約3万人を派遣している。派遣先となる顧客数は約7万社に上る。



 グッドウィル・グループでは、訪問介護大手「コムスン」が、介護事業所の指定を不正取得していたことなどで、全国の事業所の新規指定・更新を5年間認めないとする処分を受け、介護事業から撤退している。



■グッドウィル、事業停止へ=違法派遣で厚労省方針−来月にも処分

(2007年12月22日付け 時事通信より)




 グッドウィル・グループの子会社で、日雇い派遣大手のグッドウィルに対し、厚生労働省は22日までに、事業停止命令を出す方針を固めた。グッドウィル・グループが同日、処分の予定について、東京労働局から通知を受けていたことを明らかにした。派遣が禁止されている業務への違法な派遣が複数の事業所で行われていたことが、厚労省の調査で判明したためとみられる。全国の事業所を対象に来月にも処分を出す見通し。

 グッドウィル・グループによると、事業停止命令は、浜松北支店など89事業所が4カ月間、その他が2カ月間。これと併せて事業改善命令も出される。グッドウィルが来年1月8日までに弁明書を提出した後、処分が決定する見込み。同グループでは、もう1つの事業の柱だった訪問介護のコムスンも不正行為で行政処分を受け、事業から撤退したばかり。相次ぐ不祥事は経営陣の責任問題にも発展しそうだ。

 グッドウィルは2005年6月、建設業務への違法な派遣で東京労働局から事業改善命令を受けたことがある。今年に入ってからも、派遣先企業を経由してさらに別の会社に労働者を派遣する違法な「二重派遣」を行っていた疑いが浮上。厚労省が調査を進めたところ、複数の事業所で違法な派遣が判明したという。



■グッドウィル、事業停止へ

(2007年12月22日付け 日刊スポーツより)




 日雇い派遣大手「グッドウィル」(東京、GW)が、労働者派遣法で禁止されている港湾荷役業務への派遣など違法な派遣業務を各地で繰り返していたとして、厚生労働省は22日までに、事業停止命令を年明けにも出す方針を固めた。



 年明けにGWの弁明を聞いた上で命令を出すとみられ、対象は全事業所約八百カ所となる見通し。



 親会社のグッドウィル・グループ(折口雅博会長)は22日、GWが19日付で東京労働局から処分について弁明の機会を与える、との通知を受けたと発表。予定される処分内容は、浜松北支店など89事業所が事業停止4カ月、その他のすべての派遣事業は同2カ月、と明らかにした。弁明書の提出期限は来年1月8日。



 GWと並ぶ大手のフルキャスト(東京)も事業停止命令を受けており、日雇い派遣の在り方があらためて論議になりそうだ。グッドウィル・グループでは、訪問介護大手コムスンが事業所に関し虚偽申請をしていたことがこれまでに発覚、経営姿勢も問われそうだ。



 厚労省などによると、今年2月、GWから派遣された20代の男性が、派遣契約を結んだ会社とは別の港湾荷役会社の指示で働かされ、労災事故に遭った。職業安定法に違反する二重派遣の状態で、派遣が禁じられている港湾荷役業務に派遣していたとみて、東京労働局を中心にGWの事業所を調査していた。



 この結果、禁止業務への派遣のほか、派遣法が定める派遣元責任者を置かずに働かせたり、運送業での荷役作業を中心に二重派遣をするなど、複数の法令違反が分かったという。



 東京労働局は2005年6月、派遣法が禁じる建設業務に労働者を派遣したとして事業改善命令を出した。厚労省は命令後も違法派遣を繰り返していたことを重視、期間中は新たな派遣業務ができなくなる事業停止命令に踏み切る。



 GWをめぐっては、給与が「データ装備費」名目で不当に天引きされたとして、派遣労働者が今年8月、全額の返還を求めて提訴。コムスンの虚偽申請では厚労省が6月、約8割に当たる事業所の更新を認めず、介護事業から撤退した。



 フルキャストに対して厚労省は8月、派遣法が禁じる港湾業務への派遣をしていたとして、全事業所に1〜2カ月の事業停止命令を出していた。



■グッドウィル:厚労省が事業停止命令 港湾荷役に違法派遣

(2007年12月22日付け 毎日新聞より)




 厚生労働省が、日雇い派遣大手の「グッドウィル」(東京都港区)に対し、2〜4カ月の事業停止命令を出すことを決め、通知した。労働者派遣法で禁じられている港湾での荷役業務への派遣や二重派遣が処分理由。日雇い派遣のあり方など派遣法改正の検討が進む中での大手への処分は、改正論議にも影響を与えそうだ。



 グッドウィルによると、事業停止期間は、737事業所のうち、浜松北など89事業所が4カ月、それ以外の事業所が2カ月。弁明書の提出期限は来年1月8日で、その後、処分が正式決定するとみられる。



 今年2月、男性(27)が、契約している会社とは別の会社に派遣される二重派遣の形で、港湾での荷役作業をしていたと証言。男性が荷崩れによる労災事故に遭ったことから、東京労働局などが調査に乗り出し、他にも二重派遣があったり、法で配置が義務づけられている派遣元責任者が不在の事業所などがあることが判明した。



 事業停止期間中は新たな契約を結んでの派遣はできないが、これまでの適正な契約に基づく長期間の派遣は継続される。このため、影響が出るのは全国で約3万人いると見られる日雇い派遣労働者だ。処分で仕事がなくなっても失業補償はなく、他の会社に登録して仕事を探すことも可能だが、仕事が減るのは確実だからだ。



 グッドウィルのグループ企業の介護サービス大手の「コムスン」は今年6月、事業所申請を偽ったなどとして厚労省の処分を受け、介護事業から撤退している。【東海林智】



 ▽グッドウィル 95年設立。グッドウィル・グループの母体となった人材派遣大手。一般事務や製造、運送など各分野に人材を派遣している。07年11月末現在、登録スタッフは約290万人、顧客数は約7万社に上る。同年6月期の売上高は約1384億円。



■グッドウイル事業停止

複数事業所で違法派遣

厚労省方針 来月にも

(2007年12月23日付け しんぶん赤旗より)



 日雇い派遣大手のグッドウィル(本社・東京都港区)に対し、厚生労働省は事業停止命令を出す方針を固めました。親会社のグッドウィル・グループが二十二日、処分の予定について、東京労働局から通知を受けていたことを明らかにしました。



  労働者派遣法で禁止されている港湾運送業務への派遣や二重派遣などが複数の事業所で行われていたことが、厚労省の調査で判明したためとしています。同社の全国七百三十七事業所(千七十五支店)を対象に来月にも処分を出す見通し。



 事業停止命令は、浜松北支店など八十九事業所が四カ月間、その他が二カ月間。これと併せて適正な雇用にするための事業改善命令も出されます。グッドウィルが来年一月八日までに弁明書を提出した後、処分が決定する見込み。



 同グループでは、もう一つの事業の柱だった訪問介護のコムスンも不正行為で行政処分を受け、事業から撤退したばかり。相次ぐ行政処分は、折口雅博同グループ会長はじめ経営陣の重大な責任も問われています。



 グッドウィルは二○○五年六月、建設業務への違法な派遣で東京労働局から事業改善命令を受けたことがあります。今年も、派遣先企業を経由してさらに別の会社に労働者を派遣する違法な二重派遣が横行しているという指摘や告発が相次ぎました。厚労省が調査を進めたところ、複数の事業所で違法な派遣が判明したといいます。



 日雇い派遣をめぐっては今年八月、同じく大手の「フルキャスト」が港湾業務への違法派遣をしたとして、全事業所が最大二カ月の事業停止命令を受けました。また、グッドウィル・グループが買収した旧クリスタルが○六年十月、契約は業務請負でありながら、実際には派遣のように受け入れ先企業の指示の下で働かせる「偽装請負」を繰り返したとして、大阪労働局から事業停止命令を受けました。



解説

労働条件・法の抜本改善を




 厚生労働省のグッドウィルに対する処分方針の通知は、二重派遣などの違法や不正を、勇気をもって告発し是正させていく派遣労働者らの運動の広がりを反映したものです。



 本紙は連載「続ハケン集う駅――追跡グッドウィルの日雇い」(十七日付から三回)などの記事を掲載。同社の日雇い派遣労働者が二重派遣として、トラックの荷台で派遣先に運ばれるなど、その非人間的な労働や生活の実態を告発してきました。



 日本共産党の志位和夫委員長は十月四日の国会の代表質問で日雇い派遣労働者の実態を取り上げ、労働法制の規制緩和路線の根本的見直しや、若者に安定した仕事を保障する規制などを福田康夫首相に求めました。



 党国会議員は質問で、何度も同社の違法行為の是正を迫ってきました(十一月五日、参院行政監視委員会での山下芳生議員の質問など)。党国会議員団は今月十七日、派遣労働者の正社員化や均等待遇を実現するための労働者派遣法の「改正要求」も発表しています。



 今回の処分について、同社の日雇い派遣労働者は「違法をただす処分なら歓迎だが、この処分でグッドウィルの派遣労働者の仕事がなくなるのであれば困る」と話しています。



 厚労省の処分には事業停止命令だけでなく事業改善命令も含まれます。この間、明らかになった交通費の不払いや社会・労働保険の未加入など、同社の日雇い派遣労働者の労働条件改善や雇用確保、派遣法の抜本改正こそ求められています。

(今田真人)



■グッドウィル:社員の履歴偽る 派遣元責任者、経験かさ上げ

(2007年12月23日付け 毎日新聞より)




 厚生労働省が事業停止命令を出すことを決めた日雇い派遣大手のグッドウィル(東京都港区)が、労働者の安全管理などを行う「派遣元責任者」選任の講習を受ける社員に必要な要件を満たすため、履歴書を偽って記入させていたことが元支店長の証言などで分かった。労働基準監督署の検査時に、責任者のいない支店には別の支店から責任者を呼び対応していたことも判明。急速に事業を拡大させる一方で、安全意識が希薄な実態が浮かんだ。【東海林智】



 派遣元責任者は、労働者派遣法に基づき配置が義務付けられており、派遣労働者の個人情報の管理や派遣先との安全衛生の調整、労働者からの苦情処理などを行う。労働者の安全確保など派遣業務と深くかかわる仕事のため、20歳以降に3年以上の雇用管理業務の経験を有する者などの要件を満たし、厚労省から委託を受けた民間による専門の講習を受けた者を選任しなければならない。



 毎日新聞の取材に応じた、1年以上前に同社の関東の支店で支店長を務めた経験のある20代の男性は「講習を受ける時、大学卒なのに高校卒までしか書くなと会社に指示された」と証言する。大学卒業後に入社、約半年で支店長となって受講したが、大卒とすると、要件の3年以上の経験を満たせなくなるためだった。



 毎日新聞が入手した同社の内部資料では、新規出店や異動をスムーズにするため、責任者の受講者を増やすよう指示。受講対象者として満23歳以上の全社員などと記されているが、23歳でも大卒の場合は3年以上の業務経験がなく要件を満たさない。また、男性が責任者の資格を取る前、支店長をやっていた時に労基署の検査が入った際は、他の支店に異動になった責任者に検査当日だけ来てもらって対応したという。



 男性は「事業拡大が続く一方で、厳しいノルマから人の出入りが激しく派遣元責任者の選任は非常にずさんで、安全に働けるか不安だった」と話している。



 ◇派遣労働者ら「救済措置を」



 「失業者は誰が面倒を見てくれるのか」「年明け早々、仕事がなくなるのでは」。グッドウィルの派遣労働者からは不安の声が相次いだ。



 運送会社をリストラされ、医療事務のアルバイトや日雇いで食いつないできた神奈川県横須賀市の男性(54)は「行政は後手後手だ。処分を出すなら救済措置を決めるのが先では」と訴えた。大工見習をしながら事務所の引っ越しなどをしている東京都世田谷区の男性(39)は「派遣先に直接雇用してもらえる人が2〜3割。あとは他の日雇い派遣会社に流れるしかない」と話した。



 グッドウィルユニオンの関根秀一郎書記長は「規制緩和により派遣拡大を図った国の責任は重い。日雇い雇用保険の加入促進や緊急雇用対策を講じるべきだ。雇用の調整弁として日雇い派遣を受け入れてきた企業も責任を果たしてほしい」と強調した。

【市川明代】



■4都県で禁止業務や二重派遣 グッドウィル

(2007年12月23日付け 共同通信より)




 人材派遣大手「グッドウィル」(東京、GW)が厚生労働省から行政処分を通告された問題で、親会社のグッドウィル・グループは23日、東京、千葉、静岡、熊本の4都県の派遣先で、労働者派遣法で禁じられている港湾運送、建設業務への従事や、二重派遣などの法令違反があったことをホームページで公表した。



 それによると、GWイベント新宿支店(東京都新宿区)など5事業所では、2004年10月から今年6月、労働者52人を東京都江東区の埠頭などでの港湾運送業務に派遣したり、二重派遣で同業務に従事させたりした。また2015人について就業条件の明示などが不適切だった。



 GW浜松北支店(浜松市)など24事業所では04年11月から今年8月、1994人を二重派遣で浜松市の倉庫で働かせたほか、就業条件明示などが不適切。GW柏オフィス(千葉県柏市)など58事業所でも、同県市川市の倉庫に派遣された452人について、同様の違反があった。



 同グループは、計89事業所について、事業停止4カ月の処分を受けるとみている。



■グッドウィル 4都県で3万人を違法派遣

(2007年12月23日付け 朝日新聞より)




 事業停止命令を受ける見通しとなった日雇い派遣大手のグッドウィルが、04年10月から今年8月までの間に、少なくとも4都県で延べ3万人以上を違法に派遣していたことが23日わかった。契約とは別の企業に労働者を送り込む二重派遣や、建設や港湾といった禁止業務への派遣が89事業所であった。適切な派遣元責任者がいないケースも118事業所に上った。



 グッドウィルの親会社グッドウィル・グループが23日未明に公表した資料によると、グッドウィルイベント新宿支店など5事業所では、東京都の港湾地区での荷役や船内作業に延べ1240人を派遣していた。港湾業務への派遣は安全面の配慮から禁じられている。今年2月には20代の男性が港湾作業で足の骨を折る事故にあった。



 熊本県内の工場では、建設業務に延べ10人が従事していた。「危険な高所作業をさせられた」という派遣労働者の通報で発覚した。



 雇用責任があいまいになるため職業安定法で禁じられた二重派遣も、浜松北支店などで行われていた。このほか、労働者派遣法が定める派遣期間の制限を2年近く超えて派遣を続けた例や、就業条件を適正に明示していない事例も多かった。



 派遣元責任者は、派遣労働者の勤務実態を把握し安全を確保するため、各事業所に置くよう派遣法で義務づけられ、一定の経験や講習の受講が必要。だが派遣元責任者がいなかったり、ほかの事業所の社員を責任者にしていたりしたほか、大阪府八尾市などの18事業所では、社員ではなく派遣労働者を責任者に選んでいた。



 グッドウィルは再発防止策として、本社に契約内容を監視する部署を新設し、派遣スタッフからの聞き取り調査を行うとしている。



■派遣法改正 見送り狙う厚労省

グッドウィル処分のカゲで

(2007年12月24日付け しんぶん赤旗より)




  グッドウィルは、二〇〇五年六月、建設業務への違法な派遣で事業改善命令を受けるなど、数々の違法・脱法行為がとりざたされてきました。



政治的思惑か



 「偽装請負」で事業停止命令を受けた派遣最大手のクリスタルを買収し、派遣業トップに踊り出る裏で、違法派遣や不当な給料の天引きなど数々の違法・脱法行為を繰り返すなど社会問題になっていました。



 にもかかわらず、事業改善命令にとどめるなど厳正な処分をせず、不法行為を放置してきた厚労省の責任は免れません。



 今ごろになってグッドウィルの新たな処分の動きが浮上した背景には、焦点になっている労働者派遣法の改正を見送る代わりに、一定の処分でごまかそうとする政治的な思惑もうかがえます。



 労働者派遣法の見直しを審議している労働政策審議会の労働力需給制度部会は二十五日にも、財界・大企業の猛反対にあい、抜本改正を見送る報告書をまとめるとみられています。今回の処分の動きはその“世論対策”という見方も出ていますが、派遣法改正と引き換えにするなど、許されるものではありません。



 グッドウィルがもうけをあげてきた「日雇い派遣」をとってみても、単なる職業紹介にすぎず、本来なら労働者派遣事業として認められないものです。それが大手を振ってまかり通り、“ネットカフェ難民”などワーキングプアをつくりだしていることからも、派遣法の欠陥は明らかです。



抜本改正こそ

 厚労省はあわてて指針などで一定の要件を設けることを検討していますが、禁止すべき違法派遣を装いを変えて存続させるなど許されません。



 大手を先頭に違法派遣が後をたたないのは、「派遣労働は臨時的・一時的業務に限定して、常用雇用の代替にしない」という原則を投げ捨てて、対象業務を原則自由化し、製造業にまで解禁するなど、財界いいなりに規制緩和を進めてきたことが大本にあります。



 派遣労働者の権利を守るためにも、一時的・臨時的な業務に限定するという原点に立ち戻って、登録型派遣の禁止はじめ派遣法を抜本改正することがいよいよ求められています。(深山直人)



■続・グッドウィル・パニック! スタッフ3万人の仕事はどうなる?

(2007年12月25日付け ライブドアニュースより)




 12月23日未明、グッドウィル・グループの折口雅弘会長が代表権返上との発表があった。事態収拾のための”首の差し出し”と言うことだろうが、取締役を辞任していない上、折口氏が同社の株を資産管理会社分を含めて約40%保有しているため影響力を保持するだろう。



 グッドウィルは85年に設立以来、売り上げを急速にのばしており、98年には約65億円だった売り上げが06年には約1075億円というのだから、膨張と言うより爆発的である。



 ちなみにグッドウィルは折口氏が設立したのではなく、佐藤修氏(現・マスターピース・グループ代表)らが設立した。折口氏は佐藤氏に誘われる形で経営に参加するが、会社の運転資金に自己資金を投入したこともあって折口氏の事実上のオーナー経営となって佐藤氏が分社し経営から離れたという。



スタッフには仕事を紹介するといいっているのだが・・・



 あるスタッフはニュースを見てグッドウィルの事務所に電話したところ「大丈夫心配することはない」といわれた。報道によるとグループ企業や他の派遣会社の仕事を紹介するとしているが、スタッフを人質にした脱法行為にならないよう行政はしっかり監視すべきだろう。



 グッドウィルの取引先は大手企業が少なくない。これは上場企業がいかに安く調整可能な労働力を欲しているかである。また財界は以前から建設現場、港湾労働への派遣解禁と事前面接の解禁(長期派遣の場合は派遣会社がスタッフを選び派遣元は原則面接できない)と、業務請負形態(いわゆる偽装請負)の解禁を主張している。しかし、労働側は断固認めず逆に99年以前の26業種の専門職への派遣に戻すべきと主張している。



 建設現場、港湾作業は危険であることは言うまでもないが、業務請負形態の場合は事故やトラブルがあった場合、責任がスタッフに過度にかかる場合がある。基本的に自己責任なのだ。しかも保険などはなく、給料は正社員より低いケースがほとんどで、働く者にとってはたまったものではない。だが、企業にとって極めておいしいシステムだ。



 私が知っている話ではソフトメーカーに勤めていた女性がセクハラを受け、派遣先や派遣元の上司に相談すると、かばうどころか逆に怒られて、女性はうつ病になって仕事をやめざるを得なくなり、半年ほど仕事ができなくなったという。もちろん退職も「自己都合」ということになる。



マージン規制も必要



 グッドウィルは粗利率が33%といわれている。これは事務系派遣が13%ぐらいといわれているから、極めておいしいビジネスで経常利益も高いという。経営者が高給を取ってスタッフはワーキングプアなのだ。経営陣が高級外車やビジネスジェットに乗るぐらいだったらもっとスタッフに給料を渡してもいいはずである。現役スタッフに聞いたら「緊急の案件や一部の客は粗利が50%ぐらいある時がある」というのだからほとんど”ぼったくり”である。派遣労働者の組合では「マージン規制も必要」としている。





グッドウィルのユニホーム これも有料で買わされたという



 グッドウィルグループの社訓では「正しくない事をするな、常に正しい方を選べ」ということがあるが、結果としてほとんど逆になってしまったようである。

【了】



■グッドウィル、折口会長が代表権を返上、違法派遣で事業停止へ

(12月25日付け 日本経済新聞より)




 労働者派遣法違反で業務停止命令などが予定されるグッドウィルの親会社グッドウィル・グループは12月23日、折口雅博会長が同月末で代表権を返上する社内処分を発表した。 併せて、神野彰史社長が役員報酬の50%を6カ月返上する。これに加え常務取締役3人が報酬の30%を、取締役2人が20%を、執行役員5人が10%を、それぞれ6カ月返上する。



 グッドウィルでは、派遣先がさらに別企業に労働者を派遣する「二重派遣」や、建設、港湾といった禁止業務への派遣が、89事業所で見つかった。また118事業所では派遣元責任者を適正に選任していなかったことが分かった。一部の違反行為は、6月に厚生労働省から事業改善命令を受けたあとも続いていた。



 厚労省は今回、二重派遣や禁止業務への派遣が判明した89事業所に4カ月の事業停止命令を、そのほかの全事業所に2カ月の事業停止命令を出す予定。グッドウィルに対し、2008年1月8日を期限として書類による弁明の機会を与えており、書類提出後に正式な処分を決定する。



 グッドウィルは再発防止策として、すべての派遣契約について、各事業所での点検に加え本社の受注承認センターで事前確認を行う体制を導入する。また各事業所と本社の法令順守部門が、労働者に定期的な聞き取り調査を実施して違反行為の予防を図る。



■派遣法、通常国会での改正断念=日雇いは指針を新設へ−厚労省

(2007年12月25日付け 時事通信より)




 労働者派遣法の見直しを検討してきた厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会は25日、意見集約を先送りする中間報告をまとめた。雇用が不安定になりがちな「登録型派遣」や規制緩和のあり方などで労使間の主張に隔たりが大きいためだ。同省はこれを受け、来年の通常国会での法改正を断念した。ただ、日雇い派遣については、労働者保護のための省令や指針を整備する。



■労働者派遣法:労使の隔たり大きく、改正先送り

(2007年12月25日付け 毎日新聞より)




 厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会は25日、労働者派遣法の見直しについて、学識経験者による研究会を作り検討を続けるとの中間報告をまとめた。派遣会社の日雇い派遣など働かせ方が問題になる中、来年の通常国会での法改正が検討されたが、労使の意見の隔たりが大きく、改正は先送りになった。同法を巡っては、民主党など野党が、日雇い派遣規制など労働者保護の視点での改正案提出の準備を進めている。



■労働者派遣法の改正案、厚労省は提出見送りへ

(2007年12月25日付け 読売新聞より)




 派遣労働のあり方が問題となる中、労働者派遣法の改正を検討していた厚生労働省は25日、来年の通常国会への改正法案の提出を見送る方針を明らかにした。



 舛添厚労相の諮問機関・労働政策審議会の専門部会内で、日雇い派遣などの「登録型派遣」の原則禁止を求める労働側と、規制緩和を目指す経営側の主張が真っ向から対立し、意見を一本化することができなかった。



 厚労省では、新たに設置する有識者による研究会の議論を経て、2009年の通常国会に同法改正案を提出したい考えだ。また、違法派遣が相次いでいる日雇い派遣については、省令や指針で指導を強化したいとしている。



■派遣法改正、結論見送りを提言 労政審が中間報告案

(2007年12月25日付け 朝日新聞より)




 労働者派遣法の見直しを検討している厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会の中間報告案が24日、明らかになった。登録型派遣の是非など労使の隔たりが大きい論点は結論を先送りし、学識経験者による研究会を新設して審議を続けることを提言。一方で、違法行為が相次ぐ日雇い派遣などについては、規制強化に必要な省令や指針の整備を急ぐことを求めており、厚労省は年明けから具体的な内容を詰める方針だ。



 25日に開く部会で公益委員が提案し、労使代表も了承する見通し。これを受け、厚労省は08年の通常国会に派遣法改正案を提出することを正式に断念。09年の提出を目指し、新設する研究会で審議を続ける方針だ。



 中間報告案では、労働者派遣を「原則自由」とする使用者側と、「限定的なもの」と考える労働者側とでは「根本的な意見の相違がある」と指摘。「議論を続けても有意義な結論に到達することは困難」と断言した。



 また、日雇い派遣に対する規制強化や派遣元の情報公開の促進については「一定程度労使の意見の一致が得られている」と明記。現行法に基づく省令や指針の整備を急ぐよう提案している



■日雇い派遣、年度内に指針 就業場所・業務を規制 

(2007年12月25日付け 朝日新聞より)




 厚生労働省は25日、日雇い派遣を規制する指針を今年度内に新設することを決めた。違法派遣により事業停止命令を受けることが確実になったグッドウィルをはじめ、業界全体に不正が広がっているため、労働者派遣法に基づく指針で規制を強化する。ただ、労組側は「派遣法を改正し原則禁止にすべきだ」と主張しており、指針の実効性が問われそうだ。



 派遣法の見直しを検討してきた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会は25日、来年の通常国会での法改正は見送るが、日雇い派遣の問題は省令や指針の整備を早急に進め、規制を強めるべきだとする中間報告をまとめた。これを受け、厚労省は来年1月以降の部会で指針の内容を詰め、年度内に施行する方針。



 厚労省によると、新指針では、日雇い派遣で横行している不正な二重派遣を防ぐため、就業場所や業務内容など労働者に提示すべき就業条件を詳しく規定。派遣契約の長期化に努めることも盛り込む。派遣法に基づく省令も改正し、日雇い派遣労働者の数などを毎年報告することを派遣元企業に義務づけるほか、派遣先企業にも責任者の選任を義務づける予定だ。



 日雇い派遣を巡っては、グッドウィルのほかフルキャストなど大手でも違法行為が常態化し、行政処分を受けている。このため、自民党雇用・生活調査会が今月21日、日雇い派遣などの規制強化を求める要望書を舛添厚労相に手渡し、早急な対応を求めていた。



 一方、労組側は、現行法の枠内にとどまる指針ではなく、法改正により日雇い派遣という雇用形態をなくすべきだと主張している。



 連合は同日、審議会にあわせて厚労省前で集会を開き、法改正を求めて気勢を上げた。90年代から一貫して規制が緩和されてきた派遣法について、「時計の針を少しでも戻したい」考えだ。日雇い派遣労働者らでつくるグッドウィルユニオンの関根秀一郎書記長も、「規制緩和で日雇い派遣が急速に拡大した」と、改めて法改正による日雇い派遣の禁止を訴えた。



■派遣労働の規制緩和見送り、労政審が中間報告

(2007年12月25日付け 日本経済新聞より)




 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)は25日、派遣労働に関する中間報告をまとめ、規制緩和の早期実施の見送りを決めた。派遣労働力を効率的に活用したいという企業や、規制改革会議の要望は退けられた形になった。厚労省は規制緩和を盛り込んだ労働者派遣法改正案の2008年の通常国会への提出を断念。一方、日雇い派遣は規制を強化する方針を正式に決定した。



 同日の労政審の部会では経営側委員が「多様な働き方を求める労働者がいる」(全国中小企業団体中央会の市川隆治氏)と規制緩和を促す立場を繰り返した。労働側委員は逆に「偽装請負や違法派遣、日雇い派遣などで様々な問題が起こっている」(連合の長谷川裕子氏)と規制強化への転換を主張。隔たりは大きく中間報告で「有意義な結論に達することは困難」として審議会の議論の一時中断を表明した。



■見送られた派遣法改正 労政審部会

身勝手な財界の主張

労働者の願いに背向ける

(2007年12月26日付け しんぶん赤旗より)



 労働者派遣法の見直しを検討してきた労働政策審議会の労働力需給制度部会が二十五日まとめた中間報告で、派遣法改正の見送りを決めたことは、労働者・国民の願いにそむくものです。



 派遣法の相次ぐ規制緩和によって非正規雇用を増大させ、ワーキングプアや偽装請負、日雇い派遣など社会問題まで引き起こしているもとで、雇用の安定と労働条件の向上を図るために、抜本的見直しを行うかどうかが焦点になっていました。



■強引に改定



 中間報告では労使の間で「根本的な意見の相違がある」ことを見送りの理由にあげますが、言い訳になりません。厚労省はこれまで労働者側が反対しても強引に法改定を進めてきました。長時間労働野放しのホワイトカラー・エグゼンプションも昨年、労働者側が強く反対したのに審議会の報告に盛り込みました。それが財界に反対されると、改正を見送るなど許されないことです。



 もともと財界側は、審議会を労働者派遣法のさらなる規制緩和にお墨付きを与える場にしようとねらっていました。



 ところが、非正規雇用の増大に国民の怒りが高まり、参院選では自公政治にノーの審判が下されました。「これでは規制緩和どころか逆規制をかけられかねない」と慌てた財界側は、身勝手な言い分を並べ立てて抜本改正に逆らってきました。



 審議会では、派遣労働を増大させている「登録型派遣」について労働者側が、「雇用が不安定で技能も向上しない」と禁止を求めましたが、財界側は「ニーズがある」と反対。不法行為が相次ぐ「日雇い派遣」についても「適正に運営されている業務もある」として禁止に反対しました。



 違法派遣の場合、派遣先に雇用されているとみなす「みなし雇用」についても「一定期間で契約が終わり、雇用が不安定になる」として逆に制限の撤廃を主張しました。不安定になるというのなら正社員化すればいいのであり、こんな身勝手な言い分はありません。



■原点に戻り



 中間報告では、労働者派遣が原則自由であるべきか、本来は限定的なものであるべきか基本的考え方の違いがあるため、根幹にかかわる問題について、研究会で検討をすすめるとしています。



 しかし、「期限の定めのない直接雇用が基本。派遣は臨時的、一時的なものであり、常用雇用の代替にしてはならない」というのが派遣法制定時の原則です。政府も繰り返し、この立場は不変だと言明してきました。



 ところが、財界の要求に従って、一九九六年に対象業務を十六から二十六に拡大。九九年には原則自由化し、二〇〇三年には製造業への派遣も解禁され、ほとんどの業務で派遣労働ができるようになっています。



 派遣法制定の原則に立ち返って、規制緩和の流れに歯止めをかけ、労働者派遣法から派遣労働者保護法に切り替えることこそ求められています。



 労働組合と日本共産党など野党が一堂に会した抜本改正を求めるシンポジウムに与党議員も出席するなど、世論と運動の広がりを与党も無視できなくなっています。審議会が見送りを決めても、参院で与野党が逆転した情勢を生かして抜本改正を実現するため、いよいよ世論と運動の出番となっています。

(深山直人)



★最後に・・・



 グッドウィルの事業停止命令を出す方針を打ち出しながら、労働者派遣法の改正を見送った厚生労働省の正義心のかけらもない役人どもへ







 この闘いに立ち上がった者達はお前達を絶対に許す事はないだろう。







 なぜなら、この闘いに立ち上がった者達は、この闘いが日本の国民がこれから奴隷として働きつづけるのか、それとも人間らしく働くための権利をつかむことができるのかを決める闘いだということを知っているからである。







 「偽装請負を内部告発する非正規ネット」のメンバーに「雇用の安定を図る」措置を講じながら指導をすると言っておきながら、何もせず、今度はグッドウィルに雇用の安定も図らずに事業停止命令を出そうとしている厚生労働省の人でなしの役人どもへ







 お前達はその日の仕事がなければ、その日の寝るところも食べるものさえ奪われてしまうネットカフェ難民という存在がいることを知りながら、「雇用の安定」も図らずに事業停止命令を出そうとしている。お前達自身が無責任に作り出してきたネットカフェ難民たちをこの寒空に放り出そうとしているお前達は人間の心もない「人でなし」である。













 私たちは「生きるため」に働いている。しかし、お前達が今やろうとしていることは「生きる」ことを否定する行為ではないのか。お前達が今やろうとしていることは「死刑宣告」そのものであるということを伝えておく。





(写真はギロチン)

 

 グッドウィルの事業停止命令のどさくさに紛れて、労働者派遣法の改正の見送りをした厚生労働省の無責任極まりない役人どもへ







 現実に向き合わず、行政として無責任極まりない行為を繰り返すお前達をこのままで決して許す事はないだろう。この闘いが人間の「生存権」を賭けた闘いである以上、このままで済むと思ったら大間違いだという事をこの場で通告しておく。



厚生労働省へ怒りを込めて



松下プラズマディスプレイ偽装請負事件訴訟

原告 吉岡 力

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この記事へのコメント

1. Posted by 売国奴パナソニックは不買に値する   2008年01月14日 19:44
幸之助が亡くなって、松下は完全に終わったのだろう。パナソニックという名前も所詮はソニーのものまねというのは業界の中では有名な話。マネシタ電器の体質は全く変わっていない。

創業者に対する畏敬の念もなく、松下の名前を捨てた中村や大坪は、経営者としての資質がないばかりでなく、人間としてのモラルすらないことがよくわかる。

「パナソニック電工」あほか?

笑ってしまった。幸之助が泣いているわ。

欠陥ファンヒーターのリコール隠しから始まり、吉岡さんへの人権侵害とも言える偽装請負事件、48人も殺した欠陥湯沸し器のリコール隠し・・。最近の松下の惨状はあまりにも酷すぎるものがある。
2. Posted by 売国奴パナソニックは不買に値する   2008年01月14日 19:46
そして、中村と大坪の馬鹿ソニックコンビがこれらの不祥事に対し、一度も謝罪をしていないという事実も、経営者としての驕りというものが如実に表れている。

会社内の犯罪行為を隠蔽しながら、製造された松下のプラズマテレビは欠陥品である可能性はかなり高いだろう。そして、欠陥品が出た場合、この会社はきっと隠蔽する。吉岡さんをテントに隔離したように・・。

いくら社名を変更しようが、不祥事を隠蔽するような体質を持った会社が国際社会で認められることはないということをよく覚えておいた方がいいだろう。
3. Posted by 売国奴パナソニックは不買に値する   2008年01月14日 19:54
グローバルだか何だか知らないが、そこで働く労働者をテントに隔離するような極悪非道な隠蔽体質を持った会社の商品は不買に値する。私も会社の同僚や海外の知人にも不買に協力するように呼びかけます。吉岡さん、身体に気をつけて頑張ってください。

PS:それにしても偽装請負の問題に必死に取り組まれ頑張っておられる吉岡さんを見捨てる大阪労連という労働組合も酷いものですね。大阪労連という組織も所詮、既得権益しか守れない労働組合なのですね。がっかりしました。私は吉岡さんを応援していますので頑張ってくださいね。
4. Posted by 松下のプラズマTVだけは絶対に買わん   2008年01月14日 21:54
吉岡君が声を上げたおかげで期間工になり、労働条件が上がった連中もおるんやろ。それで吉岡君の裁判に協力をしないんやから、基本的に松下プラズマで働いている連中って、人間のクズばかりだよな。

松下の正社員のクズどもは話にならんが、他人のふんどしで飯を食っている期間工の連中も人間として恥ずかしい奴らばかりや。

吉岡君がおらんかったら、お前らずっと奴隷だったわけじゃねえか。

お前ら、吉岡君がこの問題でどれだけ必死に取り組んでいるのかわからんのか。お前ら自身の問題やろ。
5. Posted by 松下のプラズマTVだけは絶対に買わん   2008年01月14日 21:56
自分の事件以外の事件も取り上げて必死に頑張っている吉岡君の姿見て、何にも思わんのか。

わしが言っているのは勇気があるないの問題とちゃうわ。ヘラルド朝日の松元さんとか尼崎市役所の女性の方、声上げて闘ってるやん。

この問題は人間として正義心があるのかないのかの問題とちゃうんか。

吉岡君がテントに隔離されているのに、知らん振りするような卑怯者の連中が製造に関わっている製品など、わしは買う気がせえへんわ。

吉岡君、頑張れよ!
6. Posted by 河村誠   2008年01月30日 02:15
松下プラズマ裁判の公正な判決を求める要請書の署名に微力ながら協力させていただきました。それと勝手ながら、私の派遣先に対しての職場復帰を求める署名を同封したので、ご協力いただけると幸いです。

今後は全国コミュニティユニオンでの参加を考えておられるとのことで、全国コミュニティユニオンに連絡を取っているのですが、電話、メールとも応答なく、更新も止まっているようなので、もし、吉岡様の受け入れ先がどこにもなかったときは、私もどこにも受け入れ先がないので、一緒に労働組合をつくりませんか?

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