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◆実験目的など 
 ある食品を食べようとすると、まず飛び込んで来る情報は色や形などの視覚に関する情報である。食実_ピーマンついで香り(臭覚)に関する情報である。この両者が「食べる」本人の嗜好に合致したときに口内に食品を運ぶ。そのとき初めて味覚(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)や食感(硬い、柔らかい)を感じる。食べた後は体内で分解、吸収され各種の栄養素単位で利用される。すなわち、食品の色は食品を「食べる」際の最初の情報であり、嗜好を決定する重要な因子である。
 今回の実験では食品に含まれている天然色素を分類しその化学的性質を理解することを目的として実験を行った。

 具体的には、アントシアニジン系色素、クロロフィル系色素、フラボノイド系色素、肉色素の酸やアルカリ、金属イオン、熱などに対する安定性を確認した。

◆天然色素とは
 食品に含まれている色に関する成分をさす。食品には様々な色があることから分かるように、色素は多種多様である。しかし、一般的には色素の色や化学的な構造からa〜fのように分類される(グループ分けされる)ので、それぞれのグループの性質について理解することが大切である。
 a クロロフィル 
 b カロテノイド  
 c フラボノイド  
 d アントシアン
 e ミオグロビン
 f 食品成分の反応による色

◆実験項目(詳細については配付プリント参照)
・色素液を用いた実験
 イチゴ、ホウレン草の葉、糠(ぬか)より色素液を抽出して酸やアルカリ等で処理した後観察。さらに、加熱処理して再度観察をする。
・食品を直接処理
 ホウレン草の葉、豚肉を所定の試薬で茹でて観察をする。

◆実験結果について
・色素液を用いた実験
 アントシアニジン系色素はイチゴより、クロロフィル系色素はホウレン草の葉より、フラボノイド系色素は糠(ヌカ)よりそれぞれ抽出して色素液として利用しました。
 観察のポイントは「何色?」になったかを考えるのではなく、対照(試薬の代わりに水を添加したもの)と比較して「どのような変化が起こったのか」を表現して下さい。
 アントシアニジン系色素は、酸性(塩酸処理)にすると赤味が強くなり、アルカリ性(炭酸水素ナトリウム処理)にすると青味が強くなります。また、カリミョウバンで処理するとアルミニウムイオンの影響で色素が安定となるため色調ははっきりとします。熱を加えると退色するため、全体的に色は薄くなりますが、カリミョウバン処理のものは他のものに比べて色調がはっきりしていたと思います。なお、紫キャベツを用いて行ったデモ実験では酸によって赤変、アルカリによって緑〜青変することが確認できました。
 クロロフィル系色素は、酸性にすると褐変(主に茶色になることをさしますが、黄〜黒変したときにも用います。)し、アルカリ性にすると鮮やかになり、硫酸銅で処理したものは色調がはっきりとします。熱処理をすると、アルカリ処理、硫酸銅処理はさほど変化しませんが、酸処理はより褐変します。
 フラボノイド系色素は、酸性にすると色が薄くなり、アルカリ性にすると濃くなります。糠の浸出液は乳白色をしているためよく観察しないと酸による変化が分かりにくいでしょう。アルカリにより黄色に変わり、より強いアルカリ(水酸化ナトリウム処理)を用いるとより強い黄色になります。これは、加熱でより顕著になります。

食実_紫キャベツ







食実_イチゴ







食実_ホウレン草1







食実_ヌカ







・食品を直接処理した実験
 ホウレン草を用いた実験では塩化ナトリウム溶液で処理したものが最もきれいに茹で上がり、ついで精製水で茹でたもの、酢酸で茹でたものは褐変しました。塩酸と酢酸の違いはありますが、色素液を用いた上述の結果と同様の結果が得られました。
 豚肉を用いた実験では亜硝酸ナトリウムで処理したものが茹であげた後も赤味が残っており、これはハムを加熱しても色が変わらないのと同じ原理です。

食実_ホウレン草2









食実_豚肉