食品学講座 : 2010年04月

2010年04月

2010年04月28日15:14

カテゴリ: トピックス

参考書2010/04/28

☆下記の本が発売されています。
臨地実習にも役立ちそうです。

・「現場発！臨床栄養管理―すぐに使える経験知　知らないと怖い落とし穴」
　　宮澤　靖【著】
　　（名古屋）日総研出版（2010/02/27 出版）
　　174p / 21cm / A5判
　　ISBN： 9784776014751
　　NDC分類： 498.58
　　価格：￥2,500 (税込)

☆☆宮澤先生は、北里大学保健衛生専門学院の先輩、栄養科2期生です。

宮澤１

2010年04月28日09:29

カテゴリ: 管理栄養士国試対策

管理栄養士国試対策１日１問2010-22

　学院の桜もようやく満開となりました。

☆今日の問題

24-72.食中毒原因微生物に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)ボツリヌス菌は、pH6.5以下では増殖しない。
(2)黄色ブドウ球菌の毒素は、100℃、3分間の加熱で不活性化される。
(3)サルモネラ菌は、60℃、30分間の加熱で死滅する。
(4)カンピロバクターに感染すると、約5時間で発症する。
(5)腸炎ビブリオの増殖は、3％塩化ナトリウム溶液で抑止できる。

☆☆24-71の解答・解説
解答：（１）
解説：
a○：感染者の吐物や糞便から直接感染する。
b○：ヒトの腸管内で増殖する。
c×：ノロウイルスは物理化学的抵抗性が強く、60℃、30分間の加熱にも安定で、　　不活化には85℃、1分間以上の加熱が必要である。
　　また酸や消毒用アルコールでも容易に不活化されない。
d×：感染による症状は、下痢、嘔吐、腹痛、発熱、頭痛を伴う胃腸炎症状である。

2010年04月27日09:06

カテゴリ: 管理栄養士国試対策

管理栄養士国試対策１日１問2010-21

☆今日の問題
　今日から食品衛生学の問題です。

24-71.ノロウイルスに関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a　感染者の吐物や糞便から感染する。
b　ヒトの腸管内で増殖する。
c　60℃、1分間の加熱で不活性化する。
d　感染による症状は、手足の麻痺である。
　　(1)aとb　(2)aとc　(3)aとd　(4)bとc　(5)cとd

24-70の解答・解説
解答：（５）
解説：
(1)×：一般成分とは、水分、たんぱく質、脂質、炭水化物および灰分である。
(2)×：大豆製品のうち主要な食品のエネルギー値については、「日本人における
利用エネルギー測定調査」の結果に基づくエネルギー換算係数を適用している。
(3)×：収載成分項目における炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられていない。食物繊維も含まれている値である。
(4)×：収載成分項目における脂肪酸は、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に分けられている。
(5)○：文献等により含まれていないと推定される成分については、(0)と表示されている。
　　　成分表収載値の記号の意味
　　　０：最小記載量の1/10未満、あるいは「検出されなかった」。
　　　Tr：含まれてはいるが最小記載量に達していない。
　　　- ：未測定で測定も不可能
　　　(Tr)：文献などにより微量に含まれると推定される。

2010年04月26日09:07

カテゴリ: 管理栄養士国試対策

管理栄養士国試対策１日１問2010-20

☆今日の問題

24-70.五訂増補日本食品標準成分表に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)一般成分とは、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンおよび無機質である。
(2)大豆製品のうち主要な食品のエネルギー値については、FAO/WHO合同特別委員会のエネルギー換算係数を適用している。
(3)収載成分項目における炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられている。
(4)収載成分項目における脂肪酸は、n-6系とn-3系に分けられている。
(5)文献等により含まれていないと推定される成分については、(0)と表示されている。

☆☆24-69の解答・解説
解答：（４）
解説：
a×：砂糖は、親水基を多く持つため、生地中の水を奪いはグルテン形成を抑制する。
b○：シューの膨化は、生地内部に発生した水蒸気の圧力による。
c○：ドウは”ねかす”ことによってグルテンの網目構造が緩和され、混捏直後よりも伸張抵抗が著しく減少して伸長が増加する。
d×：ルウの調理では、160℃で加熱するとグルテンが失活し、でんぷん粒は崩壊、デキストリン化して溶解しやすくなる。￥

2010年04月24日08:56

カテゴリ: 食品学総論

2010年度食品学総論練習問題１解答

◇誤っているものは下記のとおりです。
(1)×：嗜好性も食品に必要である。
(4)×：食品の定義は時代とともに変化する。
(5)×：ダイオキシンは生物濃縮される物質である。
(6)×：人間は高次消費生物に属する。
(11)×：食料自給率を高めるためには米を主食とする方がよい。
(12)×：日本の自給率は先進国の中では最も低いので、改善する必要がある。
(13)×：日本型食生活の定着は、食料自給率を増加させると考えられる。
(15)×：輸入食品では、残留農薬の心配がある。
(16)×：食品ロス率は、食品ロス量を食品使用量で除して求める。
食品ロス率＝（食品ロス量÷食品使用量）×100
(19)×：嗜好は、個人の一生を通して必ずしも普遍的なものではない。調理上の工夫や心理的な要素など、多様な影響で後年、変化が生じることも多い。

2010年04月24日08:49

カテゴリ: 管理栄養士国試対策

管理栄養士国試対策１日１問2010-19

☆今日の問題

24-69.小麦粉の調理についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a　砂糖は、はグルテン形成を促進する。
b　シューの膨化は、生地内部に発生した水蒸気の圧力による。
c　ドウをねかす時間を長くするほど、伸張抵抗が減少する。
d　ルウの調理では、160℃で加熱してもデキストリンは生じない。
　(1)aとb　(2)aとc　(3)aとd　(4)bとc　(5)cとd

☆☆24-68の解答・解説
解答：（５）
解説：
(1)×：生のパイナップルを寒天ゾルに入れるとゲルの形成を阻害して、ゼリー強度が低くなる。
(2)×：砂糖の添加は、寒天ゲルの離漿を少なくする。
　　　他に砂糖の添加により、ゲルの凝固温度をわずかに上昇させる。
　　　粘弾性を高め、ゼリー強度を著しく高くする。
　　　透明度をよくする。
(3)×：ゼラチンゲルは、寒天ゲルよりも融解温度が低い。
　　　融解温度：ゼラチンゲル（25℃前後）＜寒天ゲル（約80℃）
(4)×：低メトキシルペクチン(LMP)は、カルシウムイオンなどの多価金属イオンの存在下でイオン結合型のゲルを形成する。
　　　高メトキシルペクチン(HMP)は、糖と酸の存在下で水素結合型のゲルを形成する。
(5)○：カラギーナン（カラゲナン）は、熱可逆性のゲルを形成する。
　　　カラギーナンは、ガラクトースを主成分とする多糖類であるガラクタンの一種で、ツノマタ、キリンサイ、スギノリなどの紅藻類を原料とする。
　　　寒天よりゲル化能は弱いが、透明性が高く、離漿が少ないなどの利点がある。

2010年04月23日09:02

カテゴリ: 管理栄養士国試対策

管理栄養士国試対策１日１問2010-18

☆今日の問題

24-68.ゲル状食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)生のパイナップルを寒天ゾルに入れるとゲル化しない。
(2)砂糖の添加は、寒天ゲルの離漿を促進する。
(3)ゼラチンゲルは、寒天ゲルよりも融解温度が高い。
(4)高メトキシルペクチンは、カルシウムイオンでゲル化する。
(5)カラギーナンは、熱可逆性のゲルを形成する。

☆☆24-67の解答・解説
解答：（１）
解説：
(1)○：電子レンジで加熱したとき、塩分を含む食品は表面が高温になりやすい。
　　　電子レンジ加熱において、水分含量は加熱時間や食品内部と周辺部の温度差に影響を与える。水分が少ないと内部の昇温が速く、水分が多いと周辺部の温度　が速く上がる。また、塩分を含む食品では、周辺部昇温傾向が強くなる。
(2)×：自然対流式オーブンでは、主に放射伝熱により加熱される。
(3)×：ほうろう鍋は、鉄に表面焼き付け加工（ガラス質）をしたもので、電磁調理器に使用できる。
(4)×：ステンレスは、鉄より熱伝導率が低い。
　　　熱伝導率：鉄（0.197)＞ステンレス（0.039)
(5)×：電磁調理では、コイルに交流電流を流して磁力線を発生させ、その磁力線を受けて鍋底が発熱する。鍋自体が発熱するため、熱効率は極めて高い。

2010年04月22日12:27

カテゴリ: 管理栄養士国試対策

管理栄養士国試対策１日１問2010-17

☆今日の問題

24-67.加熱調理器具に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)電子レンジで加熱したとき、塩分を含む食品は表面が高温になりやすい。
(2)自然対流式オーブンでは、対流による伝熱の割合が多い。
(3)ほうろう鍋は、電磁調理器では使えない。
(4)ステンレスは、鉄より熱伝導率が高い。
(5)電磁調理では、磁力線により食品内部で発熱する。

☆☆24-66の解答・解説
解答：（５）
解説：
a×：嗜好は、個人の一生を通して必ずしも普遍的なものではない。
　調理上の工夫や心理的な要素など、多様な影響で後年、変化が生じることも多い。
b×：だし汁に少量の食塩を加えると、うま味がひきたつ現象を対比効果という。
　　相乗効果：スクロースとフルクトース、グルタミン酸ナトリウム(MSG)とイノシン酸(IMP)の混合物は、それぞれ単独で存在する場合の感覚量の単純な和ではなく、それ以上の感覚が感知される。
c○：嗜好型官能評価のパネルは、一般消費者が適当である。
　　好き嫌いを判定する嗜好テストでは主観的判断が行えるパネルが適当である。
d○：砂糖の濃度が同じとき、ゲルでは水溶液に比べて甘味が弱い。

2010年04月20日09:00

カテゴリ: 管理栄養士国試対策

管理栄養士国試対策１日１問2010-16

☆今日の問題

24-66.食べ物の嗜好性についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a　嗜好は、個人の一生を通して普遍的なものである。
b　だし汁に少量の食塩を加えると、うま味がひきたつ現象を相乗効果という。
c　嗜好型官能評価のパネルは、一般消費者が適当である。
d　砂糖の濃度が同じとき、ゲルでは水溶液に比べて甘味が弱い。
　　(1)aとb　(2)aとc　(3)aとd　(4)bとc　(5)cとd

☆☆24-65の解答・解説
解答：（４）
解説：
(1)×：容器中の酸素を窒素に置き換えることで、酸化等の品質劣化を抑制することができる。
(2)×：冷凍保存では、冷凍焼けを防ぐためにグレーズ（氷衣）による処理が行われる。グレーズという薄い氷の膜をつけると（グレージング）、酸化防止効果がある。
(3)×：パーシャルフリージング（部分凍結貯蔵）は、-5～-1℃（約-3℃）で保持する方法である。食品の表面だけが凍結する状態では、冷蔵より鮮度保持能が高い。
(4)○：冷凍する時は、-1～-5℃（最大氷結晶生成帯）での滞留時間を短くする。　　　生じる氷結晶の大きさを小さくして、食品組織への物理的ダメージを小さく　　　することを目的としている
(5)×：水分活性が0.7以下になると、微生物は増殖しない。

2010年04月19日08:50

カテゴリ: 管理栄養士国試対策

管理栄養士国試対策１日１問2010-15

☆今日の問題

24-65.食品の保存に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)容器中の窒素を酸素に置き換えることで、品質劣化を抑制することができる。
(2)冷凍保存では、冷凍焼けを防ぐためにブラインによる処理が行われる。
(3)パーシャルフリージングは、0～-1℃で保持する方法である。
(4)冷凍する時は、-1～-5℃での滞留時間を短くする。
(5)水分活性が0.75以上になると、微生物は増殖しない。

☆☆24-64の解答・解説
解答：（５）
解説：
(1)×：サラダ油の製造では、ウィンタリング（脱ロウ）により固体脂を除去している。低温で固体脂を析出除去。
(2)×：ごま油には、抗酸化成分としてセサモールとセサミノールが含まれている。
(3)×：オリーブ油に含まれる不飽和脂肪酸は、オレイン酸が最も多い（70％以上）。
(4)×：硬化油は、マーガリン、ショートニングの原料に使われる。
　　　硬化油は、不飽和脂肪酸の二重結合に水素を添加し飽和脂肪酸に加工、
　　　融点が高くなり固体状となる。
(5)○：硬化油の製造中に、トランス型の脂肪酸が生成される。
　　　トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を固形化するため水素添加することにより
　　　飽和脂肪酸に変化させる過程で生じる。
　　　生体内で代謝されにくく、動脈硬化のリスクを高める等の報告があり、欧米
　　　諸国では食品中の含有量の表示が義務づけられている。

※4月20日、21日は出張のため一日一問はお休みします。