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あだ名は「エンジニア」!? ”フィジカルモンスター”・オルンガが、知られざるキャリアを語る

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昨季のJ1後半戦、報道陣の間でよく訊かれる言葉があった。

「オルンガって何者?」

昨年8月に加入し、ミカの愛称で親しまれたストライカーは、23節の磐田戦でデビューを飾ると、24節の長崎戦で初ゴール。28節の浦和戦では日本代表の槙野智章をものともしない"モンスター級"のフィジカルを発揮し、足もとの技術の高さも見せつけた。

ケニア人初のJリーガーは、チームメイトから「真面目」と評される。昨季は徐々に注目度を上げたが、10試合中先発は4試合、3ゴールという成績でJ1初挑戦は終わった。

戦いの舞台がJ2に移った今季、25節終了時点でチームトップの8得点。本領発揮しつつある大型ストライカーは一体、何者なのか。オルンガの稀有なキャリアを辿りながら、ケニア人FWの真髄をインテリジェンス溢れる言葉から探っていく。

※本記事のインタビューは7月24日に実施

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190813-00062762-sdigestw-socc

原点はストリートサッカー。ケニアでの飛躍のきっかけは―


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オルンガの生まれた1994年は、ストリートサッカー出身のロマーリオが、大会MVPに輝く活躍でブラジルをアメリカ・ワールドカップ優勝に導いた年だった。サッカーが大好きな父の下でオルンガも育った。

「気づいた時にはサッカーに熱中していました。アフリカではサッカーができる環境が整っていなかったから、僕の原点もストリートサッカー。そこは、ブラジルに通ずる部分があるかもしれませんね」

メキメキと実力をつける一方で、「高校の成績は良かった」と文武両道を貫き、13年にケニア技術大に入学。同時にケニア1部リーグのタスカでプロキャリアをスタートさせた。

「タスカは12年にリーグ優勝をして、経験豊富な良い選手がたくさんいました。そんなクラブでプロになれて嬉しかったけど、なかなか先発では出られなくて。

でも翌年、ティカ・ユナイテッドに移籍して、10ゴールを挙げた。中堅クラブだったけど、自分の知名度が上がったのはその頃かな。

おかげで15年には国内で人気があるゴールマヒアに加入できて、そこで力を出せた。28試合で19得点を決めて年間MVPに輝き、初の代表招集もその年。チームも無敗でリーグ優勝した。

もちろん、大学での勉強も続けていたよ[編集部・注/地理空間工学を学び、工学士の資格を取得]。僕を応援してくれるサポーターは、そんな文武両道な僕の姿勢を評価してくれて、『エンジニア』というあだ名をつけてくれたんだ」

「勉強熱心で、頭も良いんですね」と投げかけると、ミカは「たぶんね」といたずらっぽく笑った。

海外挑戦の真相。「実は15年シーズンの途中から…」


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ケニアで充実したキャリアを過ごしたオルンガには、「海外に挑戦したい」気持ちが膨らんでいた。16年、その野心はすぐに現実となる。

「実は15年シーズンの途中から、スウェーデン1部リーグに所属するユールゴーデンのスカウトが、僕のプレーをチェックしてくれていた。シーズン後に受けたトライアルで合格し、4年契約。

でも、初の海外は本当に大変だった。冬の時期にマイナス5度にもなる気候は未経験ですから生活するのも難しく、プレーも上手くいかない。試合に出られなくて得点も0で、約半年を棒に振って悔しかった」

それでも辛抱強くトレーニングを続け、異国の地にも慣れ始めると、ついにその日がやってくる。16年の8月8日、ヨーテボリ戦でようやく初ゴールを奪ったのだ。するとそこから怒涛の勢いでゴールを重ねた。

「結果的に16年はチームトップの12ゴールを決めて、良いシーズンだった。その後は、僕の活躍を見てくれた中国の貴州智誠から、当時(ユールゴーデンとしては)クラブ最高額のオファーを受けて、チームにお金を残すためにも移籍した」

しかし、中国では9試合・2得点と成績が振るわず、17年9月にスペインのジローナへレンタル移籍する。

「世界最高峰のリーグであるラ・リーガでのプレーは、自分のキャリアのなかで最も重要な経験だった。子どもの頃から憧れているバルサ(バルセロナ)やレアル(・マドリー)と対戦できるなんて、夢のようだったし、今でも満足している」

スペインで最も記憶に残っているのは18年1月13日、後半途中から出場したラス・パルマス戦だ。

「ハットトリックできて、今でもあの喜びを覚えている。ラ・リーガでケニア人として初の得点を記録できたのは誇りだね」

柏での2年目にゴールを量産できている要因は?


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スペインでのプレーは17―18シーズンで終えたが、オルンガは「スター選手と試合をできて幸せだったし、学べることはすごく多かった」と振り返る。貴重な経験を経て、今度は18年8月10日に柏への完全移籍を決めた。

「実は最初にオファーを受けた時、柏レイソルを全然知らなくて。でも、色々と調べていたら、日本では伝統と知名度があるチームだと分かって、素晴らしいチャレンジになると思ったんだ。(アンドレス・)イニエスタ(神戸)や(フェルナンド・)トーレス(鳥栖)もJリーグに参戦して盛り上がっていたし、決断までに時間はかからなかった」

昨季は193センチ・85キロという"モンスター級"のフィジカルとストリートサッカー出身者らしいテクニックで随所に能力の高さを見せたが、3ゴール、出場時間は496分に終わった。

「最初はカルチャーショックもあって……。異国の新しい環境に難しさを感じていた」

そんな1年目を経て、今季は好パフォーマンスを披露。その要因は"慣れ"だという。

「今季は開幕前から皆と同じスタートを切れたのが大きい。キャンプでチーム戦術やチームメイトの特徴もよく理解できて、連係面もかなり良くなったと感じている」

来日して約1年が経ったオルンガに、「日本語は覚えましたか?」と聞いてみると、嬉しそうに日本語で「おはようございます。こんにちは。ありがとうございます。すみません。右、左」と答える。日本語を覚えようとする前向きな姿勢に「真面目ですね」と伝えると、「そう見えるだけだよ」と照れた。

日本に馴染み始めたオルンガは今季、公式戦でふた桁得点を決めている。特筆すべきはゴールパターンの多彩さだ。

「15節の大宮戦(△1―1)では、ペナルティエリア内のこぼれ球に素早く反応して、ゴールできた。7節の長崎戦や21節の甲府戦では裏への抜け出しから相手を背負いながらもネットを揺らせたね。長崎戦でのCKからのヘディングも良かったと思う。どれも自分の特徴を上手く出せた良い得点だった」

どのゴールにもストライカーとしての信念がある。

「先手を取れるかどうか。リアクションのスピードと質を大事にしている。もちろん、身体能力は武器だけど、そればかりに頼ることなく、いかにボールに早く反応できるかを常に意識している」

今夏、チームにはジュニオール・サントスとマテウス・サヴィオという新たなブラジル人アタッカーが加わった。オルンガは「激しいポジション争いを勝ち抜くための条件はハードワーク」だと言う。

24節・栃木戦(〇2―1)でも1ゴールを決めた。相手DFより不利な位置にいたものの、味方からの最終ラインの裏へのラフなボールを諦めずに追って押し込んだ得点だ。まさに、「ハードワーク」を体現した一発である。

オルンガにとっての"ゴールゲッターの流儀"は「相手DFが脅威に感じる存在感を発揮し続けること」。加入1年目は190センチを超えるサイズばかりが目立っていたかもしれないが、日本に慣れた2年目は鋭い動き出しや愚直なハードワークなども見せ、真価を発揮しつつある。前半戦に7得点を決め、後半戦は「前半戦を超える8得点」を目標に設定したが、チームにフィットしたフィジカルモンスターなら達成できる数字だろう。

オルンガは前節、山口戦でハットトリックを記録。次戦は本日14日に天皇杯で鳥栖と対戦する。

コメント一覧

    • 1
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月14日 05:19
    • ID:oPsz8SaA0
    • 好きになってしまう
    • 2
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月14日 06:55
    • ID:5Qe.9WiQ0
    • 去年は外れ助っ人かな?と思ってたけど、アフリカンはやっぱりメンタルに左右されるんだね。J1で彼を見てみたい!
    • 3
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月14日 08:50
    • ID:dQDFz.BM0
    • オルンガ足元めっちゃ上手い
      長身だとついハイボールからのポストを求めたくなっちゃうけど
      足元はいった時が上手くて早くて懐深いから一番脅威になるんだよな
    • 4
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月14日 09:19
    • ID:vEQ5v3SV0
    • ちょっと活躍しすぎてるから中国、中東に抜かれる気がするw
      それくらいやばい
    • 5
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月14日 10:02
    • ID:WbSqhiJT0
    • オルンガ、ナイスガイだなー、好感度上がるわ
      やっぱイニエスタ、トーレスの獲得効果がリーグ移籍に好影響与えてるってことと、アフリカ系を積極的に獲得するCSLを見習って、もっとブラジル、韓国以外にアフリカ系も狙ってほしいな
    • 6
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月15日 10:55
    • ID:r6t.7rQ60
    • >>4
      中国はあんまり良い思い出は無さそうだから行かんでしょ
      それよりもコネクションがありそうな仏あたりのクラブに取られそうでなぁ
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