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レアル・マドリーはなぜ久保建英をレンタルに出したのか?番記者が明かすマジョルカ移籍劇

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今年前半はFC東京の選手として、日本代表として、そして6月からはレアル・マドリーの選手として、日本だけでなくスペインからも大きな注目を集めた久保建英。世界最高峰の選手が集まる“ロス・ブランコス(レアル・マドリーの愛称)”の中でも、プレシーズンで輝きを放った18歳は日に日にその評価を高め、スペイン国内で大きな議論を巻き起こすほどの活躍を見せていた。

そんな久保だが、当初の予定通りレアル・マドリー・カスティージャの選手としてではなく、今季はリーガ1部マジョルカへの期限付き移籍が決定。スペイン最高峰のリーグでプレーを続けることとなった。

では、なぜレアル・マドリーは久保を期限付き移籍で放出したのか? なぜマジョルカが選ばれたのか? 今回『Goal』は、スペイン最大手紙『マルカ』でレアル・マドリー番記者として活動するミゲル・アンヘル・ララ氏に、移籍劇を読み解いてもらった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190824-00010019-goal-socc

マジョルカへ期限付き移籍


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レアル・クルブ・デポルティボ・マジョルカ。日本のような島にあるそのクラブは、大久保嘉人、次に家長昭博の家となった。そして今、久保建英にとってもそうなる。今夏、レアル・マドリーに加入した若干18歳の選手は、リーガ・エスパニョーラ1部でプレーするためにマジョルカを選んだ。この決断は長い時間と熟考を重ねた末に下されたものだった。

マドリー内部では久保をどのように扱っていくのか議論が生じ、会長フロレンティーノ・ペレスを筆頭とするグループの意見通りに事は運ぶことになった。彼らはカナダ合宿で久保を目にしたとき、レアル・マドリー・カスティージャが所属するリーガ2部Bが、この才能溢れる若き日本人選手にとっては似つかわしい舞台ではないと考えるに至った。2部Bでのプレーは時間の無駄であるばかりか、非常にリスキーな挑戦であると……。それを証明するのが、ここ最近にカスティージャが臨んだフレンドリーマッチだ。相手チームとそのファンにとっても最注目選手である久保は尋常ではないマークを受け、幾度も危険なタックルに身をさらすことになった。

その一方でクラブ内の議論で敗者となったのは、BチームとAチームの指揮官であるラウール・ゴンサレス、ジネディーヌ・ジダンを筆頭とするグループである。彼らは久保の成長を間近で見守ることを望んでいたが、しかし選手本人がマジョルカへのレンタル移籍を決意したのだった。

最初に久保に興味を持ったリーガ1部のクラブは、マドリーを古巣とするロナウドが会長を務めるバジャドリー。ロナウドはマドリーが久保の獲得を発表された直後から、レンタルでの獲得を執拗に求めていた。が、チームを率いるセルヒオ・ゴンサレスはそこまで日本人に魅力を感じていなかった。セルヒオのバジャドリーは1部残留を争う典型的なチームで、ロングボールとセットプレーを主要な得点源とする。そこにトランジションなしで相手を崩し得る存在で、さらにはメディアスターでもある久保を引き入れたとすれば、エコシステムを大きく変化せざるを得ない。セルヒオはマドリーと久保本人が求める出場機会を保証することができなかったのだ。

そしてマドリーと久保の要求を呑んだのが、昨季に1部復帰を決めたマジョルカである。NBAのフェニックス・サンズのオーナーでもあるアメリカの投資家、ロバート・サーバーが2016年に購入した同クラブは、久保の成長を助けられることを見込んで彼を迎え入れた。そもそもマジョルカは久保にとって何も目新しいクラブではない。バレアレス諸島最大の島に本拠を構えるこのクラブは、今年3月にFC東京でプレーしていた彼の獲得の可能性を模索していたのだから。だが獲得競争の相手はマドリーほか、バルセロナ、パリ・サンジェルマン、バイエルン・ミュンヘンと決して太刀打ちできないクラブばかりで、今回レンタル移籍という形で念願を叶えたことになった。

ビセンテ・モレノが率いるマジョルカの基本システムは4ー1ー4ー1。現在はサルバ・セビージャ、そしてマドリーの下部組織出身であるアレックス・フェバスがプレーするワントップ後方のポジションで、久保は主役の座をつかむ可能性がある(少なくともバジャドリーの4ー4ー2よりは、よっぽどはまりが良さそうだ)。ただし、昨季レガネスがGKアンドリー・ルニンをマドリーからレンタルで獲得しながらもほとんど起用しなかった例もあるように、いかにマジョルカが久保に出場機会を与える約束をしても、レギュラーとしてプレーすることが確約されているわけではない。監督が誰にもプレゼントを与えることのない、厳格なるビセンテ・モレノならなおさらだ。

「誰か楽しんでいる奴がいるぞ。なんで楽しむことができるんだ!」

「ふぬけた顔をしている奴がいるが、そんな顔は私の前では30秒しか続けられない。1部で楽しもうとしている奴がいるな。ちくしょうめが、もう我慢できない」

「この最初の練習でそんな顔をする奴を見るとしたら、少しでも気を抜く奴がいるとしたら、ここから出て行け! もし8人しか残らないなら8人でいい。別に構いはしない」

マジョルカを1部復帰に導いた44歳の指揮官は、今季プレシーズンの初練習で選手たちの練習の姿勢に不満を持ち、そう言葉をまくし立てた。これが久保を待ち受けていることであり、出場が確約されていると慢心できるわけがない。無論、スペインの同世代と比べたとしても謙虚で、努力を惜しまず、しっかり地に足がついているこの日本人が、そんな慢心をするわけはないだろうが。

兎にも角にも、レアル・マドリーに加入したばかりの久保は、当初の予定よりも大きな挑戦に望む。レアル・マドリーのトップチームの一員になる、日本最高の選手になる、世界トップクラスの選手になる――本人以外にもぼやっと、もしかしたら、はっきりと見えさえするような道程の歩みを、まずはマジョルカで進めていくことになる。
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次節、マジョルカ対ソシエダは明日25日24時より試合開始予定。

コメント一覧

    • 1
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月24日 22:42
    • ID:AIIaIdMp0
    • マガトに鍛えられた長谷部を思い出す…
      マガトよりはマシやろうけど
    • 2
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月24日 22:42
    • ID:Zjtxdn.N0
    • でも出場時間の確約盛り込まれてたんだよね?暫く先になるかもしれないけど確実に試合に出られるよね
    • 3
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月24日 22:54
    • ID:KbPCTMUY0
    • 監督おもろい
    • 4
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月24日 23:11
    • ID:JA19zPCF0
    • >>3
      いいよね
      好きだわ
    • 5
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月25日 00:02
    • ID:W3Mf6ki70
    • いい記事だな。
      一層面白くなる予感。
    • 6
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月25日 08:59
    • ID:LYcYgJJH0
    • 相手に怪我させることをなんとも思わない環境から脱したのは大きいね。
      早くチーム戦術に馴染んで、戦力として試合に出られると良いですね。
    • 7
    • Posted by
    • 名無し
    • 2019年08月25日 13:31
    • ID:wrEWgAOw0
    • 監督が人を見るタイプなら久保はフィット中のフィットで何の問題ないだろ。寧ろ怠惰なスペイン人のほうが不利だわ。監督が直情型の馬鹿ならご愁傷さま。
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