
原口元気の今夏の去就に関して、ドイツでも様々な噂が流れている。
先日は日本のニュースで誤訳した記事も見つけたが、ドイツ・メディアの『SPORTS BUZZER』は「ハノーファーの目標である1部昇格はかなり難しいものとなってしまった」と伝え、チームの来シーズンを心配する内容の記事を公開していた。
「これからのハノーファーは、来シーズンまた2部でプレーするためのプランをしていくことになるだろう。とりわけ心配となるのが中盤だ。ゲームメーカーである原口元気は、チームを去ることになるかもしれない。そうなればチームにはゴールへの危険性、スピード、遊び心のあるプレーが欠けてしまうことになる」(『SPORTS BUZZER』)
このチームにとって原口がどれほど重要な選手なのか。それは、地元記者がどう書いているかを探るまでもなく、試合を見れば分かる。今シーズンはトップ下を中心にプレーをし、リーグ全試合でスタメン起用。監督からの信頼は全幅で、チームに欠かせない存在になっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/368c3219d9354f5bdfcc0a0b56ff15834d0a19cf
先日は日本のニュースで誤訳した記事も見つけたが、ドイツ・メディアの『SPORTS BUZZER』は「ハノーファーの目標である1部昇格はかなり難しいものとなってしまった」と伝え、チームの来シーズンを心配する内容の記事を公開していた。
「これからのハノーファーは、来シーズンまた2部でプレーするためのプランをしていくことになるだろう。とりわけ心配となるのが中盤だ。ゲームメーカーである原口元気は、チームを去ることになるかもしれない。そうなればチームにはゴールへの危険性、スピード、遊び心のあるプレーが欠けてしまうことになる」(『SPORTS BUZZER』)
このチームにとって原口がどれほど重要な選手なのか。それは、地元記者がどう書いているかを探るまでもなく、試合を見れば分かる。今シーズンはトップ下を中心にプレーをし、リーグ全試合でスタメン起用。監督からの信頼は全幅で、チームに欠かせない存在になっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/368c3219d9354f5bdfcc0a0b56ff15834d0a19cf
1部昇格を目指すハノーファーは現在8位に沈む

改めて考えてみよう。なぜ、ハノーファーには原口が欠かせないのか?
試合を有利に進めるためには、ゲームの流れを掌握することが大切だ。そのためには、ボールと人の動きを、自分たちのゲームプラン通りにコントロールすることが必要になる。どのクラブの監督も、そのためにチームに戦術を浸透させ、試合に応じた戦略を練り上げる。当然、相手にゲームの流れを掌握された時の対策も講じているものだ。
ただ、ボールを保持して敵陣内まで持ち運べても、相手チームがきっちり対応してくる場合、攻撃面で変化をもたらせる選手がいなければ、なかなか得点機を作り出すことは難しい。ハノーファーで、そのカギを握っているのが原口なのだ。
今シーズンは5ゴール・5アシストというスコアポイントを残している10番について、『SPORTS BUZZER』は「チームにアイデアをもたらし、ゲームを操舵。そして疲れを知らずに走る続けることができる選手だ」と評している。加えて、状況に応じ、局面ごとにどんなプレーが求められているかを瞬時に認識し、プレーに落とし込むことのできる点も頼もしい。
とはいえ、現状は簡単ではない。1部昇格をめぐる争いは混戦状態だ。第22節終了時は4クラブが勝点42ポイントで首位に並んでいたが、第23節後は、ボーフムとホルシュタイン・キールが45ポイントに伸ばし、ハノーファーとの差は11ポイントに広がった(2部リーグは1・2位が自動昇格、3位が入れ替え戦プレーオフに回る)。
そして、上位陣のこれまでの負け数が4~6敗というのに比べ、ハノーファーの9敗はやはり多い。残り11試合だということを考えると、ドイツ・メディアで取り上げられているように、来季も2部リーグで戦うという想定でプランを立てる必要に迫られているのも理解できる。
とはいえ、シーズンはまだ終わっていない。混戦状態ということは、どこも万全ではない証拠でもあり、今後、調子を崩して連敗する可能性はある。ハノーファーにしても、ほとんどの試合で優勢的に試合を運べているのだから、攻撃陣がうまくかみ合い、連勝街道をひた走る可能性も否定できない。
昨シーズン、まだスタジアムで取材が許されていたころ、原口はこう語っていた。
「このチームで(一部に)上がれたら一番うれしい」
フィールドでプレーするの姿を見ていると、その思いは今も変わらず、むしろ、あの時よりもさらに強くなっているのではないかと感じるのだ。
前節のグロイター・フュルト戦は、2-2の引き分けに終わった。だが、1-1と同点に追いつかれて嫌な雰囲気が漂い始めた直後、味方が勝ち越しゴールを決めたとき、原口は誰よりも満面の笑みを浮かべ、勢いよく喜びの輪に飛びついていた。その感情のほとばしりからは、どれほどこのクラブを愛しているかがストレートに伝わってきた。
ドイツ・メディアでは「1部昇格を逃せば原口レベルの選手を保持できるだけの年俸を支払うことができず、放出もやむなし」という論調で書かれる記事も見かけるようになった。それもひとつの大事な要素だろう。だが、裏を返せば、それだけが理由になりはしないはずだ。
1部リーグでプレーしたいという思いも、選手なら当然の願いだ。そしてこのハノーファーでプレーしたいという思いも、選手にとって大切な原動力となる。
もし来季も2部リーグでプレーする状況になれば、マルティン・キント会長は「原口を説得するために話し合いをお願いするつもりだ」と地元紙のインタビューに答えていた。クラブにしても、チームの屋台骨となっている選手を簡単に諦めるつもりはないだろう。
最終的に原口は熟考を重ね、納得のいく答えを出すはずだ。けれど、今はまだその時期ではない。昇格への可能性がある限り、原口はハノーファーのために全力でプレーし続けるのだから。
試合を有利に進めるためには、ゲームの流れを掌握することが大切だ。そのためには、ボールと人の動きを、自分たちのゲームプラン通りにコントロールすることが必要になる。どのクラブの監督も、そのためにチームに戦術を浸透させ、試合に応じた戦略を練り上げる。当然、相手にゲームの流れを掌握された時の対策も講じているものだ。
ただ、ボールを保持して敵陣内まで持ち運べても、相手チームがきっちり対応してくる場合、攻撃面で変化をもたらせる選手がいなければ、なかなか得点機を作り出すことは難しい。ハノーファーで、そのカギを握っているのが原口なのだ。
今シーズンは5ゴール・5アシストというスコアポイントを残している10番について、『SPORTS BUZZER』は「チームにアイデアをもたらし、ゲームを操舵。そして疲れを知らずに走る続けることができる選手だ」と評している。加えて、状況に応じ、局面ごとにどんなプレーが求められているかを瞬時に認識し、プレーに落とし込むことのできる点も頼もしい。
とはいえ、現状は簡単ではない。1部昇格をめぐる争いは混戦状態だ。第22節終了時は4クラブが勝点42ポイントで首位に並んでいたが、第23節後は、ボーフムとホルシュタイン・キールが45ポイントに伸ばし、ハノーファーとの差は11ポイントに広がった(2部リーグは1・2位が自動昇格、3位が入れ替え戦プレーオフに回る)。
そして、上位陣のこれまでの負け数が4~6敗というのに比べ、ハノーファーの9敗はやはり多い。残り11試合だということを考えると、ドイツ・メディアで取り上げられているように、来季も2部リーグで戦うという想定でプランを立てる必要に迫られているのも理解できる。
とはいえ、シーズンはまだ終わっていない。混戦状態ということは、どこも万全ではない証拠でもあり、今後、調子を崩して連敗する可能性はある。ハノーファーにしても、ほとんどの試合で優勢的に試合を運べているのだから、攻撃陣がうまくかみ合い、連勝街道をひた走る可能性も否定できない。
昨シーズン、まだスタジアムで取材が許されていたころ、原口はこう語っていた。
「このチームで(一部に)上がれたら一番うれしい」
フィールドでプレーするの姿を見ていると、その思いは今も変わらず、むしろ、あの時よりもさらに強くなっているのではないかと感じるのだ。
前節のグロイター・フュルト戦は、2-2の引き分けに終わった。だが、1-1と同点に追いつかれて嫌な雰囲気が漂い始めた直後、味方が勝ち越しゴールを決めたとき、原口は誰よりも満面の笑みを浮かべ、勢いよく喜びの輪に飛びついていた。その感情のほとばしりからは、どれほどこのクラブを愛しているかがストレートに伝わってきた。
ドイツ・メディアでは「1部昇格を逃せば原口レベルの選手を保持できるだけの年俸を支払うことができず、放出もやむなし」という論調で書かれる記事も見かけるようになった。それもひとつの大事な要素だろう。だが、裏を返せば、それだけが理由になりはしないはずだ。
1部リーグでプレーしたいという思いも、選手なら当然の願いだ。そしてこのハノーファーでプレーしたいという思いも、選手にとって大切な原動力となる。
もし来季も2部リーグでプレーする状況になれば、マルティン・キント会長は「原口を説得するために話し合いをお願いするつもりだ」と地元紙のインタビューに答えていた。クラブにしても、チームの屋台骨となっている選手を簡単に諦めるつもりはないだろう。
最終的に原口は熟考を重ね、納得のいく答えを出すはずだ。けれど、今はまだその時期ではない。昇格への可能性がある限り、原口はハノーファーのために全力でプレーし続けるのだから。
