
Why JAPAN? 私が日本でプレーする理由
浦和レッズ キャスパー・ユンカー インタビュー 前編
Jリーグは現在、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになった。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、生活をどう感じているのか? 今回は今季途中から浦和レッズに加入し活躍している、キャスパー・ユンカーに話を聞いた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bb9c6f9c24cfeb17d330d22d75713895b823f88
浦和レッズ キャスパー・ユンカー インタビュー 前編
Jリーグは現在、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになった。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、生活をどう感じているのか? 今回は今季途中から浦和レッズに加入し活躍している、キャスパー・ユンカーに話を聞いた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bb9c6f9c24cfeb17d330d22d75713895b823f88
自身のSNSでファンとたびたび交流しているユンカー
うどんタイム🥢 pic.twitter.com/tqR1hXEanB
— Kasper Junker (@KasperJunker) July 23, 2021
今春、Jリーグのシーズンが3分の1ほど過ぎた頃、浦和レッズに北欧から新戦力がやってきた。デンマークの世代別代表経験を持つストライカー、キャスパー・ユンカーだ。
スタイリッシュなルックスの27歳はデビュー戦でいきなり得点すると、そこからリーグ4試合でネットを揺らし(計5得点)、5月のリーグ月間MVPに選出された。
さらに6月の湘南ベルマーレ戦では、逆襲からスピードに乗って相手守備陣の裏に抜け出し、最高速のまま美しいループシュートを決めて、これが月間ベストゴールに選ばれている。プレーのクオリティーもさることながら、その適応能力は見事だ。
ただし本人によると、彼のキャリアは見知らぬ環境へ飛び込み、困難な状況に挑戦することによって、好転していったという。
確かに過去の成績を見ると、母国デンマークではパッとしない数字が並んでいるが、2019年の夏にノルウェーに移ってから一気に得点感覚が開花したように見える。2020シーズンはボデ/グリムトでリーグ戦25試合に出場して27得点を決めた。
「その通り、ノルウェーに移籍してから、僕のキャリアは良い方向へ進んでいきました」とユンカーは話す。
「(19歳で)プロデビューする前は面白いようにゴールを決めていたけど、プロになってからは何年も苦戦していました。洗礼と言うんですかね。
そして年齢を重ねていくうちに、自分が成長するには、当時の居心地の良い環境を抜け出す必要があると感じるようになりました。家族や親友たちのもとを離れ、フットボールだけではなく、生活のすべてを自分ひとりで賄う環境に。すると、否応なしに自分と向き合うことになり、自分自身をよく理解できるようになったんです。
僕にとって、あの選択は大正解でした。成長のために、ぬるま湯から脱する──ほかの選手にも、勧めたいですね」
デンマークでは8シーズンでリーグ戦計8得点しか記録できなかったが、ノルウェーでは1シーズン半でリーグ戦計33得点。2020年の暮れには、『FIFA.com』に紹介され、翌年には複数のクラブから獲得の打診を受けたという。
欧州でステップアップすることもできたはずだが、彼はなぜ、Jリーグの浦和を新天地に選んだのだろうか。
「まったく新しい環境でチャレンジしたかったんです。いま一度、快適な場所から飛び出し、初めての大陸、初めての国、初めてのリーグで自分の力を試してみたかった。
それに、日本にも興味がありました。ヨーロッパでも日本の評判は良く、安全で快適な生活が送れる国だと知られています。人々は他者に敬意を払い、食事はおいしく、インフラも整っている。またJリーグはレベルが高く、ファンも多い。そんな話を聞いていたから、アジアに挑戦するなら、日本がベストだと思っていました。
加えて、Jリーグ史上3人目のデンマーク人選手になることも、面白いと思えました。ミカエル・ラウドルップ、ブライアン・ニールセンというレジェンドの次に、自分の名前があるなんて誇らしいし、歴史の一部になれた気がしましたね。
だから浦和からオファーをもらった時、断る理由はなにひとつなかったんです。僕にとって、パーフェクトな機会でした」
実際に来日すると、その印象はさらに強くなったという。特に人々の振る舞いや優しさに感銘を受けた。
「さすがに最初は、ちょっと寂しさを感じることもありました。なにしろ、デンマークとは7時間も時差があり(夏時間。冬時間では8時間)、僕が活動している時、家族や友人たちは眠っているわけだから、オンラインで会話をするのも簡単じゃなかった。
でも日本の人々が本当に親切にしてくれたから、問題にはならなかったですね。チームにトミー(トーマス・デン)という英語を話す仲間がいたのもよかった。僕らはすぐに打ち解け、毎日のように会話をしたり、コーヒーを飲んだりして、一緒に過ごしています。
食事も本当においしい。特に好きなのは、うどんと焼肉。今はコロナの規制で大人数で食べられないけれど、いつかチームメイトたちとバーベキューをしたいですね。
それからファン・サポーターの温かい歓迎にも感謝しています。彼らは敬意をもって接してくれる。だからこちらも、彼らの願いや期待に応えようと思うし、彼らに対してこちらも敬意を払っています。僕は日本で、人々からの愛を感じられています。本当にうれしいことですよ」
そう話すユンカーは、自身のSNSでファンとたびたび交流している。うどんを食べる姿をアップしたり、日本について質問したり、描いてもらった似顔絵をリツイートしたり。
「僕らを献身的にサポートしてくれる彼らに、少しでも何かを返したいと思ってやっています。特にコロナ禍の現在、多くのファン・サポーターはスタジアムに行けず、家で閉じこもっている人もいると思います。そんな時に、少しでも彼らに明るくなってもらいたいと思って、自分のオフショットを公開したり、コミュニケーションを取ったりしています。
もちろん、僕は本業をおろそかにしませんが、時には、こうしてファン・サポーターとやりとりすることが大切だと思っています。僕は日本と日本のファン・サポーターが大好きなんです。彼らとの交流を含めて、ここでの生活を心から楽しんでいますね」
スタイリッシュなルックスの27歳はデビュー戦でいきなり得点すると、そこからリーグ4試合でネットを揺らし(計5得点)、5月のリーグ月間MVPに選出された。
さらに6月の湘南ベルマーレ戦では、逆襲からスピードに乗って相手守備陣の裏に抜け出し、最高速のまま美しいループシュートを決めて、これが月間ベストゴールに選ばれている。プレーのクオリティーもさることながら、その適応能力は見事だ。
ただし本人によると、彼のキャリアは見知らぬ環境へ飛び込み、困難な状況に挑戦することによって、好転していったという。
確かに過去の成績を見ると、母国デンマークではパッとしない数字が並んでいるが、2019年の夏にノルウェーに移ってから一気に得点感覚が開花したように見える。2020シーズンはボデ/グリムトでリーグ戦25試合に出場して27得点を決めた。
「その通り、ノルウェーに移籍してから、僕のキャリアは良い方向へ進んでいきました」とユンカーは話す。
「(19歳で)プロデビューする前は面白いようにゴールを決めていたけど、プロになってからは何年も苦戦していました。洗礼と言うんですかね。
そして年齢を重ねていくうちに、自分が成長するには、当時の居心地の良い環境を抜け出す必要があると感じるようになりました。家族や親友たちのもとを離れ、フットボールだけではなく、生活のすべてを自分ひとりで賄う環境に。すると、否応なしに自分と向き合うことになり、自分自身をよく理解できるようになったんです。
僕にとって、あの選択は大正解でした。成長のために、ぬるま湯から脱する──ほかの選手にも、勧めたいですね」
デンマークでは8シーズンでリーグ戦計8得点しか記録できなかったが、ノルウェーでは1シーズン半でリーグ戦計33得点。2020年の暮れには、『FIFA.com』に紹介され、翌年には複数のクラブから獲得の打診を受けたという。
欧州でステップアップすることもできたはずだが、彼はなぜ、Jリーグの浦和を新天地に選んだのだろうか。
「まったく新しい環境でチャレンジしたかったんです。いま一度、快適な場所から飛び出し、初めての大陸、初めての国、初めてのリーグで自分の力を試してみたかった。
それに、日本にも興味がありました。ヨーロッパでも日本の評判は良く、安全で快適な生活が送れる国だと知られています。人々は他者に敬意を払い、食事はおいしく、インフラも整っている。またJリーグはレベルが高く、ファンも多い。そんな話を聞いていたから、アジアに挑戦するなら、日本がベストだと思っていました。
加えて、Jリーグ史上3人目のデンマーク人選手になることも、面白いと思えました。ミカエル・ラウドルップ、ブライアン・ニールセンというレジェンドの次に、自分の名前があるなんて誇らしいし、歴史の一部になれた気がしましたね。
だから浦和からオファーをもらった時、断る理由はなにひとつなかったんです。僕にとって、パーフェクトな機会でした」
実際に来日すると、その印象はさらに強くなったという。特に人々の振る舞いや優しさに感銘を受けた。
「さすがに最初は、ちょっと寂しさを感じることもありました。なにしろ、デンマークとは7時間も時差があり(夏時間。冬時間では8時間)、僕が活動している時、家族や友人たちは眠っているわけだから、オンラインで会話をするのも簡単じゃなかった。
でも日本の人々が本当に親切にしてくれたから、問題にはならなかったですね。チームにトミー(トーマス・デン)という英語を話す仲間がいたのもよかった。僕らはすぐに打ち解け、毎日のように会話をしたり、コーヒーを飲んだりして、一緒に過ごしています。
食事も本当においしい。特に好きなのは、うどんと焼肉。今はコロナの規制で大人数で食べられないけれど、いつかチームメイトたちとバーベキューをしたいですね。
それからファン・サポーターの温かい歓迎にも感謝しています。彼らは敬意をもって接してくれる。だからこちらも、彼らの願いや期待に応えようと思うし、彼らに対してこちらも敬意を払っています。僕は日本で、人々からの愛を感じられています。本当にうれしいことですよ」
そう話すユンカーは、自身のSNSでファンとたびたび交流している。うどんを食べる姿をアップしたり、日本について質問したり、描いてもらった似顔絵をリツイートしたり。
「僕らを献身的にサポートしてくれる彼らに、少しでも何かを返したいと思ってやっています。特にコロナ禍の現在、多くのファン・サポーターはスタジアムに行けず、家で閉じこもっている人もいると思います。そんな時に、少しでも彼らに明るくなってもらいたいと思って、自分のオフショットを公開したり、コミュニケーションを取ったりしています。
もちろん、僕は本業をおろそかにしませんが、時には、こうしてファン・サポーターとやりとりすることが大切だと思っています。僕は日本と日本のファン・サポーターが大好きなんです。彼らとの交流を含めて、ここでの生活を心から楽しんでいますね」
