
カタール・ワールドカップ(W杯)本大会を今秋に控えるなか、森保ジャパンの“1トップ問題”は依然、課題として蔓延っている。日本のセンターフォワードは長らくエースの座に鎮座してきた大迫勇也(ヴィッセル神戸)に託すべきか、あるいは、再考すべきなのか――。アジア最終予選で志向してきた直近のスタイル、さらに6月シリーズの招集メンバーを踏まえ、改めてその解決策を探る。
結論から言えば、日本はいわゆる前線のポストプレーヤーに依存しないスタイルに舵を切っていると考えられる。もちろん“大迫不要論”といった安っぽい見解を展開することはないが、少なくとも最終予選の終盤戦で、すでに大迫が不在の状況で結果を出したことも森保監督にそうした判断をさせやすくなっているのは確かだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ffdf210451945a909526479ff5410a945a151fc
結論から言えば、日本はいわゆる前線のポストプレーヤーに依存しないスタイルに舵を切っていると考えられる。もちろん“大迫不要論”といった安っぽい見解を展開することはないが、少なくとも最終予選の終盤戦で、すでに大迫が不在の状況で結果を出したことも森保監督にそうした判断をさせやすくなっているのは確かだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ffdf210451945a909526479ff5410a945a151fc
W杯本大会に向け、日本の課題“1トップ”に焦点

それは大迫が招集外だったラスト2試合もそうだが、それ以前に90分ベースの起用法から変化は出ていた。先発した年明けの中国戦、サウジアラビア戦も前田大然(セルティック)に途中交代しており、前線にスピードのある伊東純也(ヘンク)、浅野拓磨(ボーフム)、前田を並べる別のオーガナイズが機能していた。
交代枠に関しては必ずしも大迫個人の問題ではなく、やはりコロナ禍で5人交代制が定着したことにより、多くの交代カードを切りやすくなったことも影響しているはずだが、そうした状況も踏まえながら、大迫がピッチにいないシチュエーションは段階的に進行してきたわけだ。
大迫に代わる前線の主力候補に上田綺世(鹿島アントラーズ)が上がっているのは周知の事実。ただし、182センチという体格は通じるものの、プレースタイルはかなり異なる。大迫と前田ほどの違いはないが、上田も基本は裏抜けや一瞬の動き出しを武器としながら、必要に応じてポストプレーもこなせる。しかも、ヘッドやワンタッチの落としが多く、ボールをおさめてタメを作るというタイプではない。
“万能型”と呼ぶには裏抜けの度合いが強い、生粋のストライカーだ。どちらかと言えば森保ジャパンでは未招集の鈴木優磨(鹿島アントラーズ)のほうが、大迫に近い仕事はできる。特にポストプレーに関しては日本人FWとしては特筆に値するものがある。
彼が国内組ベースとされるE-1選手権で招集されるかはさておき、上田をはじめ前田、浅野、怪我から復帰した古橋亨悟(セルティック)と、6月シリーズのFW陣を見ても、ターゲットマンありきでないことは分かる。
そうした働きをFWに期待するのであれば林大地(シント=トロイデン)やオナイウ阿道(トゥールーズ)を優先的に招集するだろう。彼らも所属クラブで目覚しい結果を残したわけではないが、決して悪いプレーではないからだ。彼らも森保ジャパン招集歴があり、今後の活躍次第でチャンスはあると見るが、現場は今回選ばれたFW陣より1つ後ろにいると考えるべきだろう。
本大会のドイツ戦やスペイン戦でも、前線でボールをキープしてタメを作れる選手は有効だと筆者は考える。ただし、短期決戦で日本のストロングを先鋭的に出していくことを考えた場合、裏抜けをベースに相手のディフェンスを下げさせながら、中盤の選手がボールを縦に運んで攻め切るスタイルがハマる可能性もある。
ただ、180度そうした方向に舵を切った人選をするのはグループリーグ突破だけでなく、ベスト8という大目標を考えた時に、得策とは言えない。それでも、繰り返しになるが森保監督のコメントを素直に読み取るなら、大迫がコンディションとパフォーマンスを取り戻せば、E-1選手権を含めた今後の代表活動に復帰する可能性は大いにある。
一方で、大迫のネックになるのは、仮にスタメンで起用しない場合、途中から出てきてガラリと流れを変えるとか、スクランブルで点を取るというタイプではないことだろう。少なくともそうした起用法で結果を出してきた実績が、この数年はない。
もちろん、前回のW杯を含む大舞台で結果を出してきた選手でもあり、勝負所で投入されて点を取ってくれる可能性もあるが、そこありきなら、もっとスピードや高さ、意外性に特長のあるアタッカーを加えるべきだろう。そうした起用法の事情も森保監督の腹積りにあるのではないか。
要は“大迫の代役”を無理に探すことなく、裏抜けの得意なFW陣をベースに前線の組み合わせをテストしながら、大迫の復調はもちろん、林などのさらなる台頭があれば組み込んでいくという優先順位だろう。それでも大迫は“ハリルジャパン”でしばらく招集外だったところから復帰して、いきなり主力に定着するなど、逆境を跳ね除けて地位を築いた選手でもある。
ここからヴィッセル神戸で“半端ない結果”を残して、文句ない代表復帰と最終メンバーのエントリーを果たす展開にも期待している。
交代枠に関しては必ずしも大迫個人の問題ではなく、やはりコロナ禍で5人交代制が定着したことにより、多くの交代カードを切りやすくなったことも影響しているはずだが、そうした状況も踏まえながら、大迫がピッチにいないシチュエーションは段階的に進行してきたわけだ。
大迫に代わる前線の主力候補に上田綺世(鹿島アントラーズ)が上がっているのは周知の事実。ただし、182センチという体格は通じるものの、プレースタイルはかなり異なる。大迫と前田ほどの違いはないが、上田も基本は裏抜けや一瞬の動き出しを武器としながら、必要に応じてポストプレーもこなせる。しかも、ヘッドやワンタッチの落としが多く、ボールをおさめてタメを作るというタイプではない。
“万能型”と呼ぶには裏抜けの度合いが強い、生粋のストライカーだ。どちらかと言えば森保ジャパンでは未招集の鈴木優磨(鹿島アントラーズ)のほうが、大迫に近い仕事はできる。特にポストプレーに関しては日本人FWとしては特筆に値するものがある。
彼が国内組ベースとされるE-1選手権で招集されるかはさておき、上田をはじめ前田、浅野、怪我から復帰した古橋亨悟(セルティック)と、6月シリーズのFW陣を見ても、ターゲットマンありきでないことは分かる。
そうした働きをFWに期待するのであれば林大地(シント=トロイデン)やオナイウ阿道(トゥールーズ)を優先的に招集するだろう。彼らも所属クラブで目覚しい結果を残したわけではないが、決して悪いプレーではないからだ。彼らも森保ジャパン招集歴があり、今後の活躍次第でチャンスはあると見るが、現場は今回選ばれたFW陣より1つ後ろにいると考えるべきだろう。
本大会のドイツ戦やスペイン戦でも、前線でボールをキープしてタメを作れる選手は有効だと筆者は考える。ただし、短期決戦で日本のストロングを先鋭的に出していくことを考えた場合、裏抜けをベースに相手のディフェンスを下げさせながら、中盤の選手がボールを縦に運んで攻め切るスタイルがハマる可能性もある。
ただ、180度そうした方向に舵を切った人選をするのはグループリーグ突破だけでなく、ベスト8という大目標を考えた時に、得策とは言えない。それでも、繰り返しになるが森保監督のコメントを素直に読み取るなら、大迫がコンディションとパフォーマンスを取り戻せば、E-1選手権を含めた今後の代表活動に復帰する可能性は大いにある。
一方で、大迫のネックになるのは、仮にスタメンで起用しない場合、途中から出てきてガラリと流れを変えるとか、スクランブルで点を取るというタイプではないことだろう。少なくともそうした起用法で結果を出してきた実績が、この数年はない。
もちろん、前回のW杯を含む大舞台で結果を出してきた選手でもあり、勝負所で投入されて点を取ってくれる可能性もあるが、そこありきなら、もっとスピードや高さ、意外性に特長のあるアタッカーを加えるべきだろう。そうした起用法の事情も森保監督の腹積りにあるのではないか。
要は“大迫の代役”を無理に探すことなく、裏抜けの得意なFW陣をベースに前線の組み合わせをテストしながら、大迫の復調はもちろん、林などのさらなる台頭があれば組み込んでいくという優先順位だろう。それでも大迫は“ハリルジャパン”でしばらく招集外だったところから復帰して、いきなり主力に定着するなど、逆境を跳ね除けて地位を築いた選手でもある。
ここからヴィッセル神戸で“半端ない結果”を残して、文句ない代表復帰と最終メンバーのエントリーを果たす展開にも期待している。

伊東と組ませるなら相性良いはず