
ブンデスリーガ公式サイトによると、今季デュエル勝利数部門でシュツットガルトの日本代表MF遠藤航が1位に輝いた。その数は実に448回で、見事この部門におけるタイトル防衛に成功している。
デュエルというのは解釈の仕方で捉えられ方も変わってくるので改めて整理しておこう。ドイツリーグ連盟(DFL)によると、「両チームの異なる選手がフィジカルコンタクトの可能性がある状況において、自分/自分たちのボール保持のためにしようとするアクション」と定義されている。
つまり、デュエルにおける勝ちというのは、「フィジカルコンタクトがあるボールを巡る競り合いにおいて、ボールを保持している選手は奪われずにキープ、突破、味方へのパス、あるいはシュートに持ち込んだ場合、逆にボールを持っていない選手がボールを奪い取る、カットする、あるいは相手のパスやシュートアクションを不成立にした場合、勝ちとしてカウントされる」ということだ。ちなみにヘディングにおける競り合いは別項目でカウントされているので、デュエルの数字には加えられないそうだ。
ボールを持っていた場合のデュエルとボールを奪いに行く場合のデュエルとをまた分けて分析したら違う側面が見えてくるだろうが、とりあえずデュエルに強い選手というのは、「フィジカルコンタクトがあるボールを巡る競り合いで自分たちチームのために優位にすることができる」という解釈は間違っていないはずだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b3fd1fcb37eb5cb6795544cf5c43898fafbd2306
デュエルというのは解釈の仕方で捉えられ方も変わってくるので改めて整理しておこう。ドイツリーグ連盟(DFL)によると、「両チームの異なる選手がフィジカルコンタクトの可能性がある状況において、自分/自分たちのボール保持のためにしようとするアクション」と定義されている。
つまり、デュエルにおける勝ちというのは、「フィジカルコンタクトがあるボールを巡る競り合いにおいて、ボールを保持している選手は奪われずにキープ、突破、味方へのパス、あるいはシュートに持ち込んだ場合、逆にボールを持っていない選手がボールを奪い取る、カットする、あるいは相手のパスやシュートアクションを不成立にした場合、勝ちとしてカウントされる」ということだ。ちなみにヘディングにおける競り合いは別項目でカウントされているので、デュエルの数字には加えられないそうだ。
ボールを持っていた場合のデュエルとボールを奪いに行く場合のデュエルとをまた分けて分析したら違う側面が見えてくるだろうが、とりあえずデュエルに強い選手というのは、「フィジカルコンタクトがあるボールを巡る競り合いで自分たちチームのために優位にすることができる」という解釈は間違っていないはずだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b3fd1fcb37eb5cb6795544cf5c43898fafbd2306
インサイドハーフでのプレーでも、リーグ最多のデュエル勝利数は特筆に値

ブンデスリーガにはシンプルなフィジカル的な数値でいえば、遠藤よりももっと強くて、もっと速いという選手は間違いなくほかにもいる。なぜ遠藤はデュエルでこれほどまでに勝つことができるのだろうか。
デュエルの局面で意識がボールに行ってしまう選手は次のアクションにつなげられないし、相手選手に囲まれてボールを奪われたり、相手の足や身体に引っ掛けてボールを失ってしまったりしてしまう。
遠藤は相手のチェックを受けながらも、次にいつ、どこへ、どのようなアクションをすべきかのインテリジェンスレベルがとにかく高い。加えて、ぶつかり合いがあるなかで身体を巧みに使いながらボールとの距離を適切に作り出せる。
そして、身体のぶつけ方がうまい。ぶつけて終わりではなく、ぶつかった後の勢いを次のプレーにつなげていける。だから競り合いの中で相手とボディーコンタクトがありながらも、バランスを崩すことなくボールを前に運ぶことができるのだろう。複数の相手選手に囲まれながらも遠藤が潰されることなくボールを運び出すシーンを何度見たことか。
守備時のデュエルにおいてはどうだろう。ここは注目点だと思われる。そもそも今季はアンカーが定位置だった昨季とは違い、インサイドハーフでプレーすることが多かった。ということはプレー基準も変わってくることになる。
突破を許さない、ボールを奪い取ることが求められるアンカーとは違い、インサイドハーフはまず相手にプレスをかける、かけ続ける、後ろを取られたら足を止めずに戻ってスペースを埋めるというタスクが求められる。
つまり、インサイドハーフでプレーすることは、毎回自分にとってベストのタイミングでデュエルへ行けるわけではないのだ。不利な体勢や状況でもプレスにいかなければならないことが多くなる。そうすることでアンカーや守備ラインが大勢を崩さないのを助け、味方がスペースでボールを受ける時間を作ることができるわけだが、個人データで見た時にはデュエルで勝てない局面も増えるということになる。
そうした状況下にあってなお、リーグ最多のデュエル勝利数を勝ち取ったというのは特筆すべきことでしかない。「デュエル勝率というデータで見ると、遠藤は上位には入ってこない」とか、「デュエルによる負け数もかなり多い」という指摘をするファンや識者もちらほらいるが、重箱の隅を楊枝でほじくるようなことまでして、なり得たことを正当に評価しないのはいかがなものか。
インサイドハーフでのプレーについて、起用当初は戸惑いも見られていた。いつ、どこで、どのタイミングで当たるべきか、どこまで深追いしていいのか、かい潜られた時はどうしたらいいのか。ちょっとした迷いは時間にしたらほんの瞬間かもしれないが、選手の足を止めたり、鈍らせたりしてしまう。でも試合中ではほんの1秒足を止めたことが致命的なピンチにつながることもあるのだ。
そんな遠藤のプレーが変わってくる。劇的な逆転勝利を挙げた第25節のボルシアMG戦(3-2)は戦慄のパフォーマンスを見せた。そして最終節ケルン戦(2-1)でも遠藤はピッチ上で鬼神のごときプレーでチームを引っ張っていた。
相手CBがボールを持つと鋭い出足で前に出てプレスをかける。GKまで下げられたらそのままプレス。パスを回されると遠藤はすぐに次のポジションに移動していく。距離を詰めて奪える局面では身体をうまく入れてボールを収める。
悪い時のシュツットガルトは前からプレスに行っているのに、後ろが前に出るのを怖がって中盤にぽっかりスペースが開くことが少なからずあった。だが、この日は違う。選手みんなが勇敢にチャレンジし続けていた。
中盤で守備や攻撃をするだけではなく、遠藤はペナルティーエリア内まで何度も駆け出していくし、そこでのシュートやパス頻度も増えている。それこそデュエルが行われたヒートマップがあったら、その範囲の広さに驚かされるはずだ。中盤センターだけが主戦場ではない。ハーフスペースも、バイタルエリアも、ペナルティーエリア内もすべて遠藤のテリトリーなのだから。
今季の遠藤は、チームでのタスクが変わり自分の間合いだけでボール奪取にいけないことが増えながらも、守備だけではなく攻撃でもより力を発揮することが求められた。さらに言うと、チームが苦しい状況で思うような試合展開ができないこともあった。
昨夏の東京五輪からの過密日程でコンディション調整の難しさが続きながらも、遠藤は文句を何一つ言わず現実と向き合い、自分のプレーをさらに成長させ、チームを見事1部残留へと導いたのだ。2年連続デュエルキングに輝いた遠藤の功績に、大きな拍手を送りたいではないか。
デュエルの局面で意識がボールに行ってしまう選手は次のアクションにつなげられないし、相手選手に囲まれてボールを奪われたり、相手の足や身体に引っ掛けてボールを失ってしまったりしてしまう。
遠藤は相手のチェックを受けながらも、次にいつ、どこへ、どのようなアクションをすべきかのインテリジェンスレベルがとにかく高い。加えて、ぶつかり合いがあるなかで身体を巧みに使いながらボールとの距離を適切に作り出せる。
そして、身体のぶつけ方がうまい。ぶつけて終わりではなく、ぶつかった後の勢いを次のプレーにつなげていける。だから競り合いの中で相手とボディーコンタクトがありながらも、バランスを崩すことなくボールを前に運ぶことができるのだろう。複数の相手選手に囲まれながらも遠藤が潰されることなくボールを運び出すシーンを何度見たことか。
守備時のデュエルにおいてはどうだろう。ここは注目点だと思われる。そもそも今季はアンカーが定位置だった昨季とは違い、インサイドハーフでプレーすることが多かった。ということはプレー基準も変わってくることになる。
突破を許さない、ボールを奪い取ることが求められるアンカーとは違い、インサイドハーフはまず相手にプレスをかける、かけ続ける、後ろを取られたら足を止めずに戻ってスペースを埋めるというタスクが求められる。
つまり、インサイドハーフでプレーすることは、毎回自分にとってベストのタイミングでデュエルへ行けるわけではないのだ。不利な体勢や状況でもプレスにいかなければならないことが多くなる。そうすることでアンカーや守備ラインが大勢を崩さないのを助け、味方がスペースでボールを受ける時間を作ることができるわけだが、個人データで見た時にはデュエルで勝てない局面も増えるということになる。
そうした状況下にあってなお、リーグ最多のデュエル勝利数を勝ち取ったというのは特筆すべきことでしかない。「デュエル勝率というデータで見ると、遠藤は上位には入ってこない」とか、「デュエルによる負け数もかなり多い」という指摘をするファンや識者もちらほらいるが、重箱の隅を楊枝でほじくるようなことまでして、なり得たことを正当に評価しないのはいかがなものか。
インサイドハーフでのプレーについて、起用当初は戸惑いも見られていた。いつ、どこで、どのタイミングで当たるべきか、どこまで深追いしていいのか、かい潜られた時はどうしたらいいのか。ちょっとした迷いは時間にしたらほんの瞬間かもしれないが、選手の足を止めたり、鈍らせたりしてしまう。でも試合中ではほんの1秒足を止めたことが致命的なピンチにつながることもあるのだ。
そんな遠藤のプレーが変わってくる。劇的な逆転勝利を挙げた第25節のボルシアMG戦(3-2)は戦慄のパフォーマンスを見せた。そして最終節ケルン戦(2-1)でも遠藤はピッチ上で鬼神のごときプレーでチームを引っ張っていた。
相手CBがボールを持つと鋭い出足で前に出てプレスをかける。GKまで下げられたらそのままプレス。パスを回されると遠藤はすぐに次のポジションに移動していく。距離を詰めて奪える局面では身体をうまく入れてボールを収める。
悪い時のシュツットガルトは前からプレスに行っているのに、後ろが前に出るのを怖がって中盤にぽっかりスペースが開くことが少なからずあった。だが、この日は違う。選手みんなが勇敢にチャレンジし続けていた。
中盤で守備や攻撃をするだけではなく、遠藤はペナルティーエリア内まで何度も駆け出していくし、そこでのシュートやパス頻度も増えている。それこそデュエルが行われたヒートマップがあったら、その範囲の広さに驚かされるはずだ。中盤センターだけが主戦場ではない。ハーフスペースも、バイタルエリアも、ペナルティーエリア内もすべて遠藤のテリトリーなのだから。
今季の遠藤は、チームでのタスクが変わり自分の間合いだけでボール奪取にいけないことが増えながらも、守備だけではなく攻撃でもより力を発揮することが求められた。さらに言うと、チームが苦しい状況で思うような試合展開ができないこともあった。
昨夏の東京五輪からの過密日程でコンディション調整の難しさが続きながらも、遠藤は文句を何一つ言わず現実と向き合い、自分のプレーをさらに成長させ、チームを見事1部残留へと導いたのだ。2年連続デュエルキングに輝いた遠藤の功績に、大きな拍手を送りたいではないか。
これよ