これはジョン・エヴァレット・ミレイのシンデレラという作品である。
ジョン・エヴァレット・ミレイは1829年にイングランド南部のサザンプトンに馬具製造販売業者の息子として生まれ17歳の頃から絵に携わった中でこの作品を描きあげています。

私がこの作品を介して言いたいのは、描く物体に対して どんな些細な部分でも見逃さないよう年月を重ね描き上げている、苦労したからこそ見えたという点で、単にそれだけで例え実物とは少し異なろうとも美しく見えるものだと思いませんか?
と言いたいのです。

昨今の日本の個展を見るとき、この点が、作品の完成を急ぐあまり、実に欠けています。
1年にどれくらい多くの、しかも大きな作品を描きあげるか、奇抜な作品を描くかをこぞって競わせているようにみえてなりません。
そのようにして完成した作品を展示しながら批評して優劣を決め表彰する。
表彰されると一気にその人の描いた作品の一般的な値段が跳ね上がると暗に伝えられる。
そうして出来た作品の数々を見るとき、まるで売らんかなと作者が画商に豹変して周囲をねめ回しているようで
大変不快になりますし、悪いことにそうなると絵の批評や感想を述べてくれる人よりも値段交渉をしてくれる人を重要視するようになられ残念でなりません。

魔法使いの少女を描いたようなこの作品は、印象派などと比較すると如何にも暗く感じます。
この点についてですが、有名な漁師の娘を描いたウィリアム・アドルフ・ブーグローは はっきりと細密画について、これを描こうとする難しさを考えれば印象派など・・・と語っています。
話は元に戻りますが・・・
しかしながら人物の持つ情景の豊かさ、生活臭さはこのような現実の生活を連想させるようなスタイル作品でこそ感じられると思うんです。
実際に絵をこのような方法で描いてみると、単色に見えるこの作品には、普通の人には感じ得ない、実に様々な色が使われていることに、じっと眺めて
日が経つにつれ気づかされます。

どんな絵を描くかは個人の自由という時代ではありますが、せめてもこれと同等以上の作品が諳んじて描けるようでなければ、ブーグロー曰く プロとは申せますまい。


ジョン・エヴァレット・ミレイ シンデレラ



ジョン・エヴァレット・ミレイ