甲南大学・理工学部・生物学科・細胞学(アリ)研究室の日記
虫が苦手な人は、あまり見ない方がいいかもしれません。
研究室HP:https://www.konan-u.ac.jp/hp/aya-got/index.html

2023年度の卒研・修論発表会が終了しました

2月13-14日に卒研発表会と修論発表会がおこなわれ、無事に終了しました。
今年の冬は、春のように大変暖かく、まだ発表シーズンだと2023年度と感じているはずですが、もう私は気持ち的に新年度モードに入っちゃってます(笑)

なにはともあれ、お疲れ様でした。
P2130827_3
P2130832
P2130834_2
今年も、ヒトを撮影するのが苦手な私です…。

毎年お馴染みの、発表後のインタビューです

入江「発表前日は難しい質問が来ないか、上手く話せるか等不安だらけでした。しかし本番では、練習を何回もしていたおかげで、落ち着いて発表できました。話している間は緊張と言うよりも発表に集中し過ぎてよく分からない感覚になっていましたが、最後まで上手く話せて良かったです!


樋口「とても緊張しましたが、無事終えられてよかったです。良い経験になりました。」

宮田「同期や修士の方々の発表を見て、自分の実験への伸びしろに気づくことができた発表会でした。
他の人の発表を見て、改善できる点や、逆に自分の持ち味となる発表の仕方などを学ぶことができた一方で、同期の1年間での実験内容の濃さに少し焦りを感じました。
また、私の発表で受けた質問や、質疑応答の際に先生方がされる質問には、確かに、と納得することが多々ありました。私は、自分の研究以外の分野の発表では、理解できない部分があり、疑問が浮かぶことにすら至らないことが何度もあったため、幅広い内容を勉強することや、疑問を持つことの大切さを再認識しました。
一年間で、気が抜けた時期もありましたが、今回の発表会で気が引き締まったように感じます。二年後、質の高い修士論文を発表できるように、日々の研究に注力します。」

毎年感じていますが、練習は超大事ですね。ただ単にセリフを覚えるだけの作業ではなく心に余裕を持つためのステップでもあります。
なにか不測の事態があったとしても、練習していたという自信さえあれば、対処できますからね。

発表が終われば、春休みモード。
私は少しまとまった時間ができるので、実験ができるのです!
とその前に、書かねばならない論文がいろいろあるのですが

論文が出版されました!

内容は非常にシンプルで、女王アリの精子貯蔵メカニズムの一端を探るため、精子が貯蔵される場である受精嚢内の液に、比較対象である体液よりも多く含まれるタンパク質を網羅的に探したものです(下図参照)
論文へのリンク

いつもはキイロシリアゲアリを使っていますが、今回は受精嚢が巨大なトビイロケアリ女王を使っています。

スクリーンショット 2024-02-06 12.27.29


いくつか重要そうなタンパクが見つかったので、今後はこれらの詳細な解析をキイロシリアゲアリで目指します。
その詳細な解析が、まずはキイシリで確立しないといけないのでまた時間がかかりそうなんですけどね
非モデル生物の宿命ですわ。


Happy 文旦

今年も文旦をたくさんいただきました。
(写真はごく一部)
いつもありがとうございます
私はいつも、この絶妙なちょい苦さがクセになってしまい、食べ終わる頃にはもっともっと食べたい〜、とゾンビのような感じになってます。

IMG_0221

まだまだいろんなものが流行っているので、皆で剥いて食べる会は自粛中です。
いつの日か。


論文アクセプト!

長い長い戦いを経て、論文がアクセプトされました!

2021年、今までコンスタントに採集できた場所が整備されて目的の女王アリが全く採れなかったため、土日の業務も多い時期に猛暑の中さまよって巣を探し出し、強い日当たりと熱風の中採集した、あの時のど根性が昇華されて良かったです。
採集後も、アリのサンプル数も限られていた中での緊張感漂う解剖でしたが、なんとか必要量が確保でき、解析まで回せました。

レフェリーからは多くの指摘を受けましたが、おかげさまでこの分野の解析について、いろいろ学ぶことができました。

論文が出版されたら、また解説をします。

P7181042_2

2024年!

今年もよろしくお願いいたします!

PC090722_3





 

2023年も一瞬で過ぎました…

1日があっという間に終わり、1週間もすぐに過ぎ、気がついたら1ヶ月経って、シーズン的な研究をして力尽きた頃に冬となり、こうして年末になるのです…。

今年は特に暖かかったから、あまり冬という実感もなかったので、いきなり年末感が強いですね。

今年の仕事納め(アリの都合的に12月30日)では、成功率が限りなく低い解剖&測定を見事に成功させ、これで論文の図1つ分の最後のピースが埋まり(良いグラフとなった)、良い一年のしめくくりとなりました
正直、こんなにキレイに納められると思ってませんでした。


今年は、論文を2つ出せて良かったです。
1つ目は、うちのメインテーマである、受精嚢内の無酸素環境が長期間の精子貯蔵メカニズムの一端を担っていることを示した論文。→論文へのリンク
2つ目は、博士課程の時からかなり細々と続けていた、繭の後端が切り取られている種の報告。論文へのリンク (オープンアクセスではない)

2つ目の論文では、学生時代からよくお名前を拝見していた木野村恭一先生とお知り合いになれてとても良かったです。
木野村先生は、岐阜のアリというHPでとても美しいアリ写真を公開しています。
(見ているとあっという間に時間が過ぎます)


本当は今年もうひとつ論文を出せそうでしたが、意外と苦戦していて、来年早々にアクセプトされるといいなという代物です。
つい先日、前再々々(?)投稿した論文です。

この他にも、現在準備中が2つ(1つはポスドクの竹島さん論文)、今年の仕事納めのデータを含めたもので来年に投稿できたら良いなというのが1つ。
きっちりと世に送り出せますように。



今年も、楽しく研究ができました。
論文を書くのは正直楽しくなくて義務でやっていると思っているのですが(笑)、面白い現象を見つけた時とか、この技術を使えば面白いことが分かるかも!などとひらめいた時は、快感です。
これはもう、本当に中毒になるんですよ。
たまに、早く事実を知りたい、知りたい、知りたいよー、と深い欲望に取り憑かれる時もあります(笑)


いつもそうですが、やりたいこととやらないといけないことが大渋滞で、いつもアップアップしていましたね。
*注:やらないといけないことは、いくらでも地底から湧いて出てくるのです。
脳みそがいくつかあれば、並列処理できるのになーと思いつつ、1つしかないのでしかたありません。
来年も一つずつ確実に丁寧にこなしていきたいです。


IMG_1264_2

さよならとこんにちは

なぜか私は昔から物持ちが良く、身の回りにあるものは、一般的に耐久年数を超えているけどまだまだ現役のものが多いです。
居室のレーザープリンタは10年使用しましたが、少しエラーが多くなり、インクを使い切ったタイミングで新しいものに取り替えました。

物持ちが良いということは、一緒に過ごした(?)時間が長いため、お別れするときにも少し寂しさを感じます。
私が甲南大に着任したときに購入したものですので、私の講義資料に載っている教科書の図はすべてこれでスキャンしていますし、多くの書類、論文を印刷してきました。
PC240763_2
旧プリンタ


しんみりと、お別れを告げ、新しいプリンタとともにまた新しいことをしていきます(というと大袈裟ですが)。



とーお!!

と、論文を再々々?(すでに数は数えていない…)投稿しました。
非常にシンプルな論文なので、正直こんなにレフェリーとの攻防が長引くとは思っていませんでした。

クリスマス休暇にかぶらずに届くと良いな、と思いつつ。



第46回日本分子生物学会年会で発表してきました

神戸で開催された分子生物学会の「低酸素環境に対する感知応答機構研究の拡張と新展開」というセッションに呼んでいただき、発表してきました。

私は、「低酸素を利用した女王アリの精子貯蔵システム」というタイトルでお話ししてきました。
他の発表者の先生方はマウスを使った研究なので、毎回このような会ではすごく浮くのですが、楽しんでいただけたようで良かったです。
呼んでいただくうちが華ですよね


分子生物学会は、かなり大きい学会で、企業や機器メーカーのブースもたくさん出展しています。
私のような非モデル生物で手探り的に実験を進めている身としては、私の実験に使えるものがないか、頭をフル回転しながら各ブースを回っています。

いくつかアイデアが出たのと、やりたかった実験ができそうなサービスを見つけたので、楽しくなってきました


IMG_0115

心臓が止まるかと思った

ある朝、12年目を迎えたキイロシリアゲアリコロニーを見たら、女王アリがひっくり返っていました。
周りはワーカーが取り囲んでいて、いかにもこれから解体しそうな予感

そんな雰囲気だと、もうお亡くなりになったかと思うじゃないですか。
死んでしまったら、精子貯蔵12年目のサンプルとして急いで解剖しようと思って、ワーカーに解体されないように女王だけ別のケースに移しておきました。
よく見ると脚だけピクピクかすかに動いていたので、虫の息状態(その名の通り)だと思っていました。
よし、長い付き合いなのですぐに解剖せずに看取ろう、息絶えたら解剖だ、絶対失敗できないから緊張するなと思って、数時間後にもう一度見たら・


なんと、さっきよりも動いていました。

そのため、小分けのケースから元の飼育ケースに女王を戻したら、いつも通りの女王のふるまいに戻りました。

ひっくり返ってたアレはなんだったんだよー
心配したじゃんかよー
早まって解剖しなくて、本当に良かったよー



以上、最近の出来事でした。

大昔にブログにも書きましたが、キイシリ女王は死んだふりをします。
ただし、移動させるためにピンセットでつまんでいて、うっかり落としてしまった時にしばらく動かなくなります。
今回は振動は与えたわけではないので、死んだふりをするシチュエーションではないのです。何してたんだろう


写真は、当の女王です。長生きしてね。
PB150700_2


  • ライブドアブログ