甲南大学・理工学部・生物学科・細胞学(アリ)研究室の日記
虫が苦手な人は、あまり見ない方がいいかもしれません。
研究室HP:https://www.konan-u.ac.jp/hp/aya-got/index.html

2023年!

今年もよろしくお願いいたします!

PC300107_2


 

今年も1年あっという間でした(2022年のふりかえり)

毎年言ってますが、「今年も1年早かった」。
それだけ充実した日々を過ごせていることなんだとは思います。

今年は特に、夏休み以降を論文書きにあてて、2つの論文を投稿できたのが私としては満足でした。
プレプリントとしてはすでに公開しています→以前の記事

その他に、もう少しで投稿できそうな論文が1つ、春くらいには投稿したい論文が1つ書き途中です。
書籍の分担執筆や日本語解説も依頼していただき、思い返してみるとたくさん文章を書いた年だったとも言えます。

その分、ブログの投稿数も少なかったと思うのですが、更新されない時は、がんばって執筆活動をしていると思ってください

また、授業アンケートでも高評価をいただいたようで、全体的に、なんだか過分な評価をされた1年の気がします。

というわけで、今年も良い一年だったと思います



あとは、いつも見ているはずのアリでも、知らなかったこと、気が付かなかったことがたくさんあるんだということを実感した1年でもありました。

と、ここで、1年前の記事を見返してみると、「長年アリの研究をしていますけど、普通種でもまだまだ知らないことばかりだなと思った一年でした。」 と書いていて、笑ってしまいました。

どんなに長く研究しても、どんなにポピュラーな生き物でも、不思議がたくさんで楽しいです。
多分来年も同じ感想をもちそうです(笑)
私はアリのことを、まだなにも分かっていないのです。

来年は、引き続きアリのことを少しでも知れたらいいなというのと、引き続き論文執筆、あとは体力作りもしておいた方がよいのかなと思っています。

皆さま、良いお年を!

P6101463_2022_2


アリの研究は楽しい

最近、研究の一環で、アリの生態写真をよく見ています。 
(趣味ではなくて、ちゃんと研究ですよ) 

この時間がすごい楽しくて、ベタな言い方ですが、あっという間に時間が過ぎます。
かっこいいorかわいい形のアリの写真とか、幼虫がたくさんいて、調子が良い感じのコロニーの写真とか、ワーカーが卵や幼虫の世話をしている写真とか、見ているだけでとても幸せな気持ちになります
もう一度言います。趣味ではなく、研究の一環です。

まあ、私の研究内容的に、趣味と仕事の境界線があいまいなところはあるのですが、好きな研究を続けられてよかったと心から思う今日この頃です。 

2つの論文のプレプリントを公開しました

女王アリの精子貯蔵メカニズムに関する論文をプレプリントとして公開しました!

ワクワクがとまらなかった実験結果(1, 2, 3の記事参照)を論文としてまとめました。

Gotoh, A. (2022) Proteomic analysis of spermathecal fluid reveals factors related to long-term sperm storage in ant queens. bioRxiv 2022.11.02.513948 →リンク 

Gotoh, A., Takeshima, M. and Mizutani, K. (2022) Near-anoxia induces immobilisation and sustains viability of sperm in ant queens: Novel insights into prolonged mechanisms of sperm storage. bioRxiv 2022.09.08.507031 →リンク

プレプリントとは、研究結果をとりあえず論文形式にまとめたものです。
通常は、査読という、研究者同士で研究内容を精査する過程を経て、認められれば学術雑誌に掲載されるという流れになるのですが、それにすごい時間がかかるので、とりあえず情報としてネット公開しようという流れからプレプリントという制度がはじまったそうです。

私が論文を書く大きな理由に、論文にまとめるのが研究者の当然の義務という考えも大きいですが、それよりも自分が知り得た情報を自分が抱えたままなのが嫌で、どこかに残したいというのがあります。
割と個人で研究していることもあり、私の身になにかあったら、本当にデータが埋もれるんですよね。
その前にどこかに残して、何年か後の誰かが発掘してデータを使ってくれたら良いなと思っています(使われるかは別にして)。
そういう意味では、私はプレプリントとの相性が良いのだと思います。
とりあえず、アップロードしたら安心するので。

とはいえ、きちんと査読付き論文には投稿します。
学術雑誌に掲載されたら、あらためて解説を行いたいと思います。

研究テーマの企画後、トライアンドエラーでなんとか進めるのも大変なんですが、結果が出た後に論文を書き上げるのもすんごい大変です。
私の場合は、データが出ていない段階でも、実験方法などの書けるところは空き時間にちょこちょこ書いています。
ただ、まとまったデータが出てくると、それに応じて結果や考察などもまとまって書くので、伝えたいことが溢れてしまって、言葉が大渋滞になります(笑)
しかも、その渋滞状態の中、その情報をここに書くなら、事前にこういう説明をこっちに入れといた方が良いよね、などとなり、あっちもこうしなきゃこっちもこうしなきゃと、ますます渋滞が進んでしまいます。
それでなんとか渋滞を解消して、ひとつの論文が出来上がるんですが、その時は「あ、できた」と若干放心状態になります。
私の場合はそこにあまり感情がなくて、ただ単にやるべきことの一つをこなすことができたという気持ちが大きいです(この後、学術雑誌に投稿しないといけないのもあるので、プロセス的には全然終わりではない)。

しかも、論文にしないといけない研究がまだあるので、終わりません…。

というわけで、今後の展開をお楽しみに!

IMG_0111_2
写真は、論文を書いていて、疲れてふと左側を見た時の景色です。
真ん中の植物は熊童子で、好きな多肉植物です。
 

今年飛行のキイロシリアゲアリ女王の近況

もう11月ですね。
暖かい日もまだまだありますが、今年のサンプリングシーズンも終盤です。

今年採れたキイロシリアゲアリ女王も、産卵を始めているコロニーが見られます。
PB030061_2

女王たちは、卵を囲むように鎮座しています。

こちらのコロニーでは、左側4匹の女王がきれいに並んでいて、最高にかわいいです
PB030068_2

 

祝・11歳!

うちの古参のキイロシリアゲアリ女王は、2012年9月の結婚飛行で採集したものです。
丸10年が過ぎ、11歳になりました!!
女王3個体=3コロニーおりまして、まだまだ元気です。
PA310041_2

写真の女王の下の方に卵塊がありますね。
これからも元気に長生きしてほしいです 
 

低酸素研究会2022に参加してきました

低酸素研究会2022という研究会で、「女王アリの長期間にわたる精子貯蔵メカニズムの解明に向けて」というタイトルでお話しさせていただきました。

できたてホヤホヤのデータもお話しに入れられてよかったです

現在、精子貯蔵に関する論文が出来上がる寸前で、今週か来週には投稿に持っていきたいです!

大変勉強になり、参加させていただいてとても良かったです。
 

キイロシリアゲアリシーズンの到来!

みなさん、今年もキイシリシーズンがやってきましたよー!!!

昨夜は途中から大雨になったにもかかわらず、オスと、2匹の女王を見つけました。
フライングで飛んでしまった感じですね。
RIMG5443_2


今夜はけっこう飛んでいました

キイロシリアゲアリに馴染みのない方は、この時期の赤みがかった羽蟻で、飛んで翅を落とした後に地面で群れている集団はヒアリではありませんので、駆除せずに暖かく見守ってください。

詳細は、「ヒアリと誤解されるアリの紹介」で!


死んでも絶対に離さない

甲南大学には、クロオオアリがたくさんいます。

それらの個体が同じコロニーかと思いきや、けっこう複数のコロニーがあるようで、以前あまり考えずに近い場所でとった働きアリを一緒にしたら喧嘩しはじめました。
人間にとっては狭い範囲なのですが、きっちり縄張りがあるようです。

先日、1匹のクロオオアリの脚に、かみついているクロオオアリを見かけました。
IMG_0359

写真の右下が噛み付いている方で、すでに死んでいました。
がっつりと脚をとらえていて、噛みつかれた方ははずせないんですね。
噛みつかれた方は、働きアリ1匹分の重さをかかえながら歩き、本日のお仕事(餌探し)をしていました。
たまに、胴体が離れてしまって頭だけになった働きアリを引きずっている個体も見かけます。
まさに、死んでも、頭だけになっても、なにがなんでも離さない状態です。


 

2022年度の自主実験

生物学科1年生向けの企画、自主実験をおこないました。

今年の参加者は2名で、ほどよく密回避となりました。

IMG_0325

内容は、毎年恒例のアリ採集です。

採集の時は雨天延期なのと、熱中症も心配なので、いつも天気予報を気にしています。
最近は、ゲリラ豪雨がよく発生しているので、それが予期しづらく、困っています。
雨雲レーダーはチェックしているのですが、個人で行く採集と違って、日にちを決定しないといけないイベントの場合は臨機応変に対応しづらいんですよね。
直前まで急な雨を心配していましたが、なんとか今回も無事に降られることなくアリを採集できました

採集後は研究室でアリの仕分けです。
さあ、何が採れたでしょうか?



  • ライブドアブログ