20180720-17




1: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:27:16 ID:xR6
これはね、私が修行時代の話なんですけれども。
あの、私が修行してたのは、関東の、とある場所なんです。
この関東のとある場所で4年間修業をしてたんですね。

どんな修行をしてましたかって言うと、寮に入って、お経の読み方、筆の使い方、声明の仕方とか、色んなものをこの4年間で習う訳です。朝4時半に起きましてね。水を被って、掃除をして、先輩がまだいるときには先輩の世話までして。お風呂に入るときには先輩の背中を流したりっていう…
まぁ、正直、私にとってはすごく厳しい修行だったんですよ。この、すごく厳しい修行の中にいると、時折、こう、精神が病んでくるんですよね、修行とはいえね。




2: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:29:00 ID:xR6
ああ、しんどいなぁ、って思ってると、その私が修行させていただいてた寮の近くに“アフリカケンネル”っていう、まぁ、ペット屋さん、みたいなのがあるんですよ。
そこへ行きますとね、私は犬が大好きで、“アフリカ・マラミュート”っていう大きな犬がいるんですけども、その犬が居るんですよ。
で、ゲージにちょっと入らせていただいたりして、頭を撫ぜたりしてね。それがちょっと私、修行の息抜きになっていたんです。そこの方たちとも仲良く段々となっていきましてね。




3: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:29:31 ID:xR6
あるとき私が、またちょっと息抜きに寄せていただきましたら、その日はちょうどね、社長さんが来られてたんです。
関東で修業してますから、その社長さんとお会いした時に、すぐ分かった。
「おお、お前犬好きなんか?」
関西弁なんですよ。
ああ、なんか懐かしいなと思いながら、「あの、関西の方ですか、」ってお聞きしたら、「おお、せやねんせやねん、おお、なんや、お前も関西か」と、これでだんだん仲良くなっていきましてね。




4: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:30:12 ID:xR6
「社長さんと、こうなんか久しぶりに関西弁聞けて良かったです。私ちょっと修業を近くでしてまして、お坊さんの修行をしてて。たまに、ちょっとここ気休めに寄せていただいてるんですよ」
「そうかそうか、いつでもおいでや、そうかそうか、修行厳しいもんな」
そう言いながらね、コーヒー缶を並べはるんですよ、机の上にね。
「好きなコーヒー、飲んでええから。1本、飲みぃ」、そうおっしゃって下さる。
「ありがとうございます」
見ると、銘柄、全部一緒なんですよ。
熱い冷たいがあるのかな、と思って、ちょっと全部触ってみるんですけども、別にそれもないんですね。
じゃ、一本いただきます、ということでコーヒーを飲んで、ごちそうさまでした、と。




5: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:30:42 ID:xR6

「おお、お前、もしあれやったらさ、15分間くらい、ちょっとウチへ毎週喋りに来いよ、週に一回でいいから。そのついでにちょっと犬の散歩行ってくれへんか。そしたら月に15万やる」っておっしゃるんですよ。
「ええ!週に一回、ちょっと喋りに来て、犬の散歩ちょっと15分ほどして、それで一月15万頂けるんですか」
「おお、ええよええよ」
そうおっしゃってくださったんで、「私、修行してる寮に戻って、この寮監先生っていう先生が居られるので、その方の許可が頂ければ、ぜひとも私ここでバイトさせてください」ということで、私、寮に戻りまして、寮監先生にこの話をした。
そしたら寮監先生がね、
「お前は本当に情けない。修行中に気休めなんていらん、ましてやお金を稼ごうなど…欲を捨てるための修行をしてるのに何をやってるんや」と、ひどく怒られましてね。
で反省文を書け、と言われることになって。反省文を書いて、その日の夜に発表させられる訳です。アフリカケンネルでアルバイトの誘いがあったんですけども…みたいなことをね。欲に駆られて申し訳ありませんでした、みたいな文章を書いて。




6: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:31:05 ID:xR6
で、次の日、もう一度アフリカケンネル行きまして。社長さんに謝らなくちゃいけない。
「社長さん、すいません。実は、昨日のお話なんですけども…寮監先生の許可が頂けませんで…」
「ああ、そうかそうか。そら、お坊さんなるための修行大変やもんな。うん、そら、ええよええよ、別に。他の奴探すから」と言って、また缶コーヒー何本か並べられる。
「好きなん、取れよ」
「ああ、じゃぁ、すんません、いただきます」
幾つか触るんですけども、やっぱり全部常温なんですよ。
じゃ、これいただきます、と飲んで。
「そかそか、お前、神仏信じてんのか」とおっしゃるんで、
「はい、それで、信じてるので修行してる訳ですけど」って言ったら、
「あは、そらそやなぁ…まぁ、またな、気休め、時間あったら、いつでも来てくれ。じゃぁ頑張って修行しろよ」と言って、その日別れたんですね。




7: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:32:21 ID:xR6
それから、私もそのアフリカケンネルに、あまり息抜きで行くのもいけないことなのかな、と思って、あまり行かなかったんですけども。
まぁ、月日が経って、修行が終わる日、もう来月には私が修行終わって京都に帰る、そのときにこの最後のあいさつにアフリカケンネルへ行ったんですよ。
あの犬たちにもね、お別れを言って。ありがとうね、今まで修行辛いときにお前たちがいてくれたから頑張れたよ、なんて言って、犬に頭を下げて。
すると社長さんが居られて。
「おお、久しぶりやな、お前。どうした、もう修行終わるんか?」
「そうなんです、実はもうこれで京都へ帰るんです」
「おお、そかそかそか、ほな最後にお前コーヒーでも飲んでけよ」と言って、また何個かのコーヒーを並べられる、いつものように。
1本取って、ありがとうございます、と。
飲んで、私はその後、京都へ帰ったわけです。




8: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:32:55 ID:xR6
京都へ帰ってしばらくしますと、
テレビニュースにその社長さんが出ておられるんですよ。
(あれ、この社長さん何かあったんかな?)
よく見ると、『愛犬家連続殺人事件』の犯人なんです。
捕まってるんですよ。

で、この『愛犬家連続殺人事件』の、この犯人なんですけども、
実は私の先輩が、“教誨師”って言いまして、捕まった犯人と、一緒に罪滅ぼしのためにお経を読まないか、とかっていう話をしに行く仕事があるんです。
その教誨師の仕事で、私の先輩が行かれたときに聞かれた話なんですけど。

その犯人ね、殺すための条件が幾つかある。
ひとつに金が目的でないこと、ひとつに何々、ひとつに何々…
つ~っと指折り数えていく。
一番最後に、運が悪いやつは俺殺すんや、って、そうおっしゃったそうなんですよ。


「運が悪いやつって、どういうことですか」


「あんたお坊さんやから言うたげるわ。
 昔なぁ、ひとりの修行僧が、うちの、アフリカケンネルに来よった。
 毒入りのコーヒーを出した。
 1本だけ、毒のないもんを置いた。
 そいつ、3回とも、毒なしのコーヒー引いて、飲んどった。
 ひょっとしたら、神仏は居るんかもしれんなぁ」


そう言って、笑ったそうなんです。


これ後に映画になりまして、『冷たい熱帯魚』という題で映画化されております。
もしよければ皆さん見ていただけたらと思います。


どうもありがとうございました。




10: 名無しさん@おーぷん 2018/07/20(金)14:33:46 ID:xR6
久しぶりにゾッとしたンゴねぇ


三木 大雲(みき だいうん、1972年 - )は、日本の僧侶(日蓮宗)。怪談和尚とも呼ばれている。

次男であったため、継ぐ寺が長年見つからず、家族で極貧生活を数年間送っていた。仕方なく、僧侶を辞める決意をしたが、思い留まり、京都の町中で辻 説法をして生活。しかし、生活は苦しく、またも僧侶の道を断念しようとした。その時、インド人の知人に、幾度となくインドに連れて行ってもらい、そこでの 色々な体験から、再び僧侶を目指す決意をした。その数年後、蓮久寺の住職に就任。住職になってしばらく経って、大黒天の夢を見て、そこから数々の奇跡が起 こる。怪談をベースに法華経を絡めた説法が非常に分かりやすく、毎回の説法会には沢山の方が集まる。

住職になる前も、なってからも、不思議な体験に数々遭遇し、それらを科学的、仏教的に検証している。それらの体験談をまとめた本も出版している。関西テレビの『怪談グランプリ2010』『怪談グランプリ2013』に出演してどちらも準優勝している。『怪談グランプリ2014』では、優勝した。関西テレビ、「よーいドン」で「となりの人間国宝」に選ばれる。
山口敏太郎著『恐怖・呪い面 ~実話都市伝説 』(TO文庫)や、フジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」で話題になった「呪い面」を蓮久寺で保管封印していたが、山口が蓮久寺を訪れ、再び封印を解いてもらったところ、不思議なことに面をまとった布がボロボロになっていたという。
https://ja.wikipedia.org/wiki/三木大雲

埼玉愛犬家連続殺人事件(さいたま あいけんかれんぞくさつじんじけん)とは、1993年(平成5年)に日本の埼玉県熊谷市周辺で発生した殺人事件。マスコミ報道が先行した事件であり、被疑者の映像が連日映し出された上、完全犯罪を目論んだ残忍な結末が明らかになるなど異常性の高い事件であった。

埼玉県熊谷市にある元夫婦、SとKが経営するペットショップ「アフリカケンネル」は詐欺的な商売を繰り返しており、顧客らとの間でトラブルが絶えなかった。代表的な例として「子犬が産まれたら高値で引き取る」とうたい、犬のつがいを法外な価格で販売し、子犬が店に持ち込まれると、難癖を付けて値切るというもの。
経営する元夫婦SとKは、アラスカン・マラミュートのブリーダーとして名が知られていた。しかし、バブル崩壊後の売り上げの減少に加え、豪華な新犬舎兼自宅の建設などにより、借金がかさみ、店の経営に行き詰まった。

トラブルの発生した顧客らを、知り合いの獣医師から譲り受けた犬の殺処分用の硝酸ストリキニーネを用いて毒殺し、計4人が犠牲となった。
遺体は店の役員山崎永幸方の風呂場でバラバラにされた上、骨はドラム缶で焼却された。それらは群馬県内の山林や川に遺棄され、「遺体なき殺人」と呼ばれた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/埼玉愛犬家連続殺人事件