20190118-20




1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:15:20.617 ID:YpXg7za/0
<TV局スタジオ>

大御所「……」スタスタ



男(よし……大御所さんが歩いてきた)

男(あとはこの紙でできた壁から叫びながら飛び出して、驚かせる)

男(驚いたところで、『ドッキリ大成功!』と叫ぶ!)

男(メチャクチャ怒られるだろうけど、それはそれでテレビ的にはおいしい……)

男(俺自ら局に持ち込んだこの企画、絶対成功させる!)




4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:19:45.053 ID:YpXg7za/0
男(今だっ!)ダッ

ベリベリィッ!

男「わーっ!!!」

大御所「!?」

大御所「うわぁーっ!?」

大御所「……う」

ドサッ…

男「……え?」




5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:20:35.100 ID:qeaLZ2ycr
え?www




6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:22:17.129 ID:YpXg7za/0
男「あの……大御所さん?」

大御所「……」

男「ちょ、ちょっとしっかりして下さい! 大御所さん!」ユサユサ

大御所「……」

男「俺は……そんなつもりじゃ……」

ザワザワ… ドヨドヨ…

男「誰か、救急車呼んでくれぇっ!!!」




7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:25:29.596 ID:YpXg7za/0
……

大御所「……ん」

大御所「ここは……どこだ……? 俺はTV局にいたはずなのに……」

鬼「ここはあの世だ」

大御所「は? あの世!?」

大御所「俺は死んだのか!? な、なんで!?」

大御所「病気か? それとも誰かに殺されたとか?」

鬼「ドッキリで死んだのだ」

大御所「ドッキリで!?」




8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:28:02.539 ID:YpXg7za/0
鬼「ちなみに、お前が死ぬ原因となったのはこいつだ」サッ

大御所「……!」

鬼「売れないお笑い芸人が、お前を驚かせるドッキリを企画・実行し、お前は死んでしまったのだ」

鬼「まあ、こいつは社会的には終わりだろう。少しはお前の気も晴れるんじゃないか?」

大御所「……ちょ、ちょっと待ってくれ!」

大御所「俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ! 何とか生き返らせてくれ!」

鬼「なにをいっている。そんなことできるわけないだろう」




10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:30:46.905 ID:YpXg7za/0
大御所「頼む! 金ならいくらでも払うから!」

鬼「お前が全財産払おうが無理なものは無理だ!」

大御所「しかし、このまま死ぬわけにはいかないんだ! 地獄の沙汰も金次第っていうだろ!?」

鬼「しつこいぞ! 金棒で殴り倒すぞ!」

大御所「殴ってくれていい! だから……」

鬼「だったら望み通りに……!」

「……待て」

大御所「!」

鬼「この声は!」




11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:33:22.548 ID:YpXg7za/0
鬼「閻魔大王様!」

大御所「あ、あんたが……」

閻魔大王「本来ならば、死者が生き返るなどできぬ相談だが……」

閻魔大王「調べたところ、どうやらお前の死は、予定よりずっと早いものであったようだ」

閻魔大王「お前はあのドッキリで驚きすぎて、予定より早く死んでしまったようだな」

大御所「……だったら、生き返らせてくれるのか!?」

閻魔大王「そういうわけにもいかん。予定より早かろうが、死は死。そう簡単に覆すことはできん」

閻魔大王「だが、チャンスをやろう」

大御所「……チャンス?」




12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:34:55.340 ID:S0THfphUr
まさかの大御所が主役




13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:36:04.766 ID:YpXg7za/0
閻魔大王「これよりお前には試練を与える」

大御所「試練……」

閻魔大王「もし、その試練をクリアできたなら、お前を生き返らせてやろう」

閻魔大王「やるか?」

大御所「や、やる! やらせてくれ!」

大御所「……ちなみにどんな試練なんだ?」

閻魔大王「これからお前には、あの入り口に入ってもらう」

大御所(光り輝く洞窟のようなものがある……)




16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:38:37.112 ID:YpXg7za/0
閻魔大王「あの入り口の先に何があるか、それはワシにも分からん」

閻魔大王「だが、もしその先で、お前が“試練をクリアした”といえる行動を取ることができれば」

閻魔大王「お前は生き返ることができるだろう……」

大御所「……」

閻魔大王「では、ゆくがよい」

大御所「チャンスをくれてありがとう、閻魔様」

ザッ…

…………

……




19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:42:27.557 ID:YpXg7za/0
……

大御所「ここは……」

ワイワイ… ガヤガヤ…

大御所(どこかの繁華街?)

大御所(俺がよく遊び歩いてるあの繁華街だ! うん、間違いない!)

大御所(だけど、どこか様子が違う……)




20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:42:44.076 ID:OTrmxPRk0
地獄もグローバルな時代だからな




23: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:44:29.623 ID:YpXg7za/0
大御所(あのビル、俺がいた時代にはもう建っていたのに、まだ建設中になってる)

大御所(あのキャバクラ、とっくに潰れたはずなのに客引きがいる……)

大御所(というか、全体的に通行人のファッションが古い気がする……)

大御所(スマホをいじってる奴なんて一人もいないし……)

大御所「……」

大御所(そうか、分かった! これは過去だ! 過去の世界なんだ!)




25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:47:07.033 ID:YpXg7za/0
大御所(そうと分かれば――)

大御所「おい、そこの若いの」

通行人「へ?」

大御所「今日は何年の何曜日だ?」

通行人「はぁ?」

大御所「いいから答えろ!」

通行人「ひっ! ××年の金曜日だけど……」

大御所「ありがとう」

大御所(この時代の金曜日なら、きっと“奴”はこの辺をふらふらしてるはずだ!)




29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:50:03.165 ID:YpXg7za/0
ワイワイ…

芸能人「ウ~イ、もう一軒行くぞ! もう一軒!」

取り巻き「飲みすぎじゃないっすか~?」

芸能人「いいんだよ、もう一軒! 今度はもっと綺麗なお姉ちゃんがいるようなとこ行くぞ!」

取り巻き「しょうがない人だなぁ……」

芸能人「……ん?」



女「……あんた」




31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:52:33.163 ID:YpXg7za/0
芸能人「お前は……」

女「あ、あの……」

芸能人「?」

女「私、あんたとの子が……できちゃったみたい……」

芸能人「な……!」

女「だから……」

芸能人「ふざけんな! 俺はてめえなんか知らねえよぉ!」

女「そんな……少しの間とはいえ、付き合った仲じゃないの……」

芸能人「知らねえっていってんだろ!」




32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:55:12.324 ID:YpXg7za/0
芸能人「なんだ、金が欲しいのか? それとも結婚してくれってか? 冗談じゃねえぞ」

女「いいえ……どっちも望まない!」

女「だけど、せめてたまに会いに来てほしいの……。私じゃなく、これから生まれるこの子に……」

芸能人「ふざけんな! 俺はてめえなんか知らねえし、ガキなんかもっと知らねえ!」

芸能人「消えろ!」

取り巻き「い、いいんですか?」

芸能人「いいんだよ! 売れっ子にゃ、ああいうのが現れるもんさ!」

芸能人「よくあんだろ? 宝くじに当たったとたん、知らん奴が電話かけてくるみてえなことがさ!」

芸能人「行くぞ!」スタスタ

女「うっ、うっ……」




33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 00:58:24.649 ID:YpXg7za/0
女「ふぅ……今さらあの人が私の相手をしてくれるわけない、か」

大御所「お嬢さん」

女「はい?」

女(なに、この人? ものすごい貫録だけど……)

大御所「あの男のことは、この俺に任せてくれ」

大御所「そのお腹の子の親にさせるところまでは無理かもしれないが――」

大御所「何らかの責任は取らせてみせる」

大御所「だから……待っててくれ!」

女「あなたはいったい?」

大御所「大御所芸能人さ」スタスタ

女(大御所? あんな人、見たことないけど……)

女(でも誰かに似てたような……)




34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:00:54.696 ID:YpXg7za/0
数時間後――

芸能人「ウ~イ……楽しかったぁ……」

大御所「おい、若いの。いい具合に酔っ払ってるな」

芸能人「あん? 誰だジジイ?」

大御所「俺か? 俺は……大御所芸能人だよ」

芸能人「ンだとォ……? 俺はタレントだが、てめえなんか知らねえぞ!」

大御所「お前が知ってるかなどどうでもいい。とにかく話がある」

芸能人(こいつ、只者じゃねえ……凄まじい“大御所オーラ”を発してやがる!)




35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:03:51.965 ID:YpXg7za/0
大御所「お前はさっきの女の子を不幸にしたこと、これから何十年先まで後悔することになる」

大御所「男なら、ちゃんと責任を取るんだ」

芸能人「ふざけんな!」

芸能人「売れっ子タレントである俺が、あんな女と結婚だなんてありえないっしょ!」

大御所「結婚まではしなくていい。どうせろくな親にはなれん。だが、金ぐらい払え!」

大御所「月収何千万と稼いでやがるんだから!」

芸能人「やだね! 俺の金はみんな俺のモンだ!」

大御所「後悔するぞ……」

芸能人「するわけねえだろ」

大御所「いいや……一ヶ月後にはお前に参ったさせてみせるさ」




36: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:06:14.201 ID:YpXg7za/0
<芸能事務所>

マネージャー「……?」

大御所「おお、さすがにまだ若いな」

マネージャー「どちら様で?」

大御所「名乗る必要はない」

大御所「君は売れっ子若手芸能人のマネージャーだろう?」

マネージャー「そうですけど……」

大御所「よし、奴のこれからの仕事を全てキャンセルしてくれ」

マネージャー「は?」




38: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:09:06.553 ID:YpXg7za/0
マネージャー「なにいってんです。そんなことできるわけ――」

大御所「やるのだ」

マネージャー「う……!?」

大御所「やらねば……お前はただでは済まんぞ」ギロッ

マネージャー「う、ぐぅ……」

マネージャー(なんという……大御所オーラ! まるで芸能界のドンといった風な貫録を感じる!)

マネージャー(こいつ、いったい何者なんだ!?)

大御所「さぁ、やるのだ!」

マネージャー「わ、分かりました! キャンセルさせていただきます!」




39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:13:01.571 ID:YpXg7za/0
<TV局>

大御所「やぁ、やはり君もまだ若いな」

若社長「え、誰です?」

大御所「まあ、大御所芸能人とだけいっておこう」

若社長(こんな奴知らないけど……)

大御所「さっそく頼みがある。ある芸能人を……干してくれ」

若社長「へ?」




40: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:15:09.719 ID:YpXg7za/0
若社長「彼は“視聴率の申し子”ともいわれる売れっ子なんですよ。できるわけが……」

大御所「できる、できないじゃない。やるんだ」

大御所「あのバカは、一度それぐらいせねば目を覚ますことはできん!」ギロッ

若社長「う……」

若社長(なんて大御所オーラだ……! とても逆らえん!)

若社長「分かりました! やります! 彼を全ての番組から降ろします!」

大御所「うむ、頼んだぞ」




42: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:18:19.500 ID:YpXg7za/0
それから一ヶ月後――

芸能人「瞬く間に仕事がなくなり、このひと月で無職同然になっちまった……」

芸能人「どうしてこんなことに……」

大御所「よう」

芸能人「お前は!? あの時のジジイ!?」

芸能人「急に仕事がなくなったのは……まさかてめえの仕業か!」

大御所「その通りだ。俺が方々に手を回して、お前を干してやった」

芸能人「なんでこんなこと……!」




43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:20:03.013 ID:7gCvroE4r
大御所オーラ万能説




44: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:21:32.410 ID:YpXg7za/0
大御所「仕事がなくなったおかげで、懐は冷えただろうが、頭も冷えただろう」

芸能人「くっ……」

大御所「彼女のところに行き、せめて養育費くらいは払うと宣言しろ」

大御所「でねえと、一生干されたまんまにしてやるぞ」

芸能人「分かったよ……」

芸能人「ちゃんとあの女と話をつけてくる」スタスタ

大御所「……」

大御所(これでよし。後はちゃんと約束を守ってくれるといいが……)




45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:24:04.110 ID:YpXg7za/0
パァァァ…

大御所「……ん?」

「合格だ」

大御所(この声は……閻魔様?)

「約束通り、お前を生き返らせてやろう」



大御所「うっ、うわああああああああっ……!」




46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:27:32.468 ID:YpXg7za/0
……

<TV局スタジオ>

大御所「……う、ん」

スタッフ「あ、意識が戻ったぞ!」

男「よかった……!」

大御所(あっ、そうか俺は――)

大御所「ジャジャーン! ドッキリだったのさ!」バッ

スタッフ「え!?」

男「え!?」




47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:30:16.213 ID:YpXg7za/0
大御所「ビックリしたかね?」

スタッフ「ビックリしましたよ!」

スタッフ「まさか……これは逆ドッキリだったんですか!?」

大御所「ああ、死んだふりをしてたんだ」

男「だけど、どう見ても呼吸してなかったし、心臓も……」

大御所「ドッキリなんだから、それぐらいやらないと意味ないだろう? アッハッハ!」

スタッフ「へえ、大御所さんともなると、やることが違いますなぁ」

男「すごい……完全に騙された……」




48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:32:53.551 ID:YpXg7za/0
大御所「君」

男「はい?」

大御所「今度、一緒に飲みでも行こうじゃないか」

男「は、はいっ! よろしくお願いしますっ!」

スタッフ「大御所さんに気に入られたみたいで、よかったなぁ」

男「ええ、とても嬉しいです!」




49: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:35:05.278 ID:YpXg7za/0
大御所「ところで君、お母さんは元気かね?」

男「? ええ、元気でやってます」

大御所「そうか……お父さんは?」

男「父は……いないんです。だけど、養育費だけは払ってくれてたようで……」

男「おかげで大学まで出られましたし、今となっては感謝しています」

大御所「……そうか」

大御所(どうやらあいつ、ちゃんと約束を守ったようだな……)




51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:38:04.992 ID:YpXg7za/0
大御所「せっかくだし、なんなら今度といわず今夜にでも飲みに行かないか?」

男「いいんですか!?」

大御所「もちろんさ、逆ドッキリをしたお詫びに奢らせてくれ」

大御所(この彼に“君の実の父親は俺だよ”という特大のドッキリをすることになるのは)

大御所(そう遠くない未来のことになりそうだ)





おわり




52: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:40:06.204 ID:on7wJlRY0
乙!




53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:41:08.744 ID:9YiRYq710
命とひきかえの美談!




54: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:41:58.003 ID:7gCvroE4r

スレタイのわりにしんみりする系で面白かった




55: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:43:01.805 ID:W5hGrZL6M
イイハナシダナー




56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:44:34.800 ID:POASRGVH0
大御所は、自分を干してた1ヶ月何してたんだろ




57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/01/15(火) 01:55:08.429 ID:sWyGKVUM0
良い落ちついてた