「BLOG 高島回顧録」洋服屋ふじたの四方山話。釣り、競馬、クラシックカーをこよなく愛する男が書き下ろす散文です。

2019年08月03日

悪夢のような火電沖波止から数日。アレコレと不具合が出ている道具に加えて、長年使っていた剛弓が折れて、魔法のタモも原因不明の故障。ついでに岩国と大浜港の往復に活躍している農道のポルシェことスバルサンバーも、いつの間にかクーラーが効かなくなっていた。

日中。13時頃に遠田のラーメン屋を出て国道9号へ、日原で187号へ乗って都合3時間の炎天下を走るのだけれど、この道中にエアコンが効かない自動車を運転するのは拷問に掛けられているも同然。

先の水曜日も、クーラーから出る風が余りにも生温いので、もしかすると窓を開けて走った方が気持ちよいのではないかと思ってやってみたところ、車内へ入ってくるのは熱風。暑くて事故るかと思った、冗談じゃない。

仕方ないので風の吹き出し口に顔を持っていき、タオルで汗を拭きながらの道中。もはや眠気など覚えている余裕はない。

かくてタモ柄は修理完了、サンバーのエアコンも高圧ホースの交換で復旧の目処が立った。残るは竿か、2番の根っこが3番の中に詰まったまま取れないが、まあ、たちまちの使い道は無い。交換したばかりの尻栓のOリングだけ外して保管しておけば良いか。

H師のセカンドハンドは無謀と分かったので、これは新たに買うしか無いか。高いなあ。

あとは天秤、カゴ、ウキ。いずれも2年ほど使い続けたモノで結構なガタピシ。そろそろ刷新の時期を迎えているところだったので、これはお誂え向き。コストは掛かるが、安心ではある。

いろいろ仕切直し。しかし次ぎの水曜日は台風とか。



foujitas at 17:43コメント(0)潮待放談 

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2019年08月01日

いまごろになって悔しさが酷くこみ上げてくる。

捕り損なった大ヒラだったが、その直後のこと、k先生は海を見遣ってぶつぶつと未練を垂れていたが、当のこちらは竿が折れて呆然。何を失ったのか考えるだけで精一杯で、修理代の憶測に意識が傾いていたのだろう、逃がしたヒラマサに関してはk先生ほど思いは深くなく、どうせ潜在的に折れていた2番『どこかで折れるだろう』と観念していた。

だから、火電沖波止のポテンシャルに改めて驚き、また再び釣りに来れば良いと思っていた。

それが一夜が過ぎた今頃になって悔しいではないか。あの瞬間にドラグを弛めていたら、いや、捕れなかったかも知れないが、もしも捕れていたら、穂先も失うことなく、天秤、ウキ、カゴを失うこともなく、大ヒラの自己新記録も打ち立てられたのに、チキショー!!!

帰る道中に釣り具屋へ立ち寄って一部始終、是然々と話して穂先と2番と全ガイドで部品代を聞いて目眩がした。これなら買った方が利口、分かっていても金額を聞くと眉が上がった。

されば、かつての釣り仲間で引退宣言をされたH師を訪ね、中古の剛弓と、できればタモ柄も譲ってもらおうと考えた。しかしH師は、引退後ほどなくして道具の一式を売却。手元には何も無いという。こればかりはご都合、仕方ない。

という事は剛弓に加えてタモ柄も新品の購入をしなくては釣りへ行けない、という事か。いったいくらするのか、再び目眩に襲われた。いまどきのハイエンドモデルは定価で7〜8万、中堅品の実勢価格でも3万円前後『こりゃ当分の間イワシで暮らさにゃならんか』。

まてまてまて、それはそうと、あの故障したタモ柄の原因は何だ?

6本継ぎの元竿の次だから、5番が元竿の中で固着して4番が半分だけ出る。単純な振り出し竿の、元竿の中で何が起こったらこんな状態になるのか。その原因を探ってみたくなった。場合によっては、先代のタカミヤ「響」とニコイチで使う事ができないだろうか。

しかし生産から数十年が経っているリョービの竿は、尻栓のアルミ部品が激しく固着して1ミリも動かない。バイスで固定してポンプラで回すという職人工具を使ってもダメ。

仕方ない。使えないのなら捨てるだけ。こうなったら尻栓の金属部をディスクカッターで切断するまで。自動車マニアを甘く見るなよ。

かくて切断に成功。アルミ合金の鋳物は凄まじい摩擦熱。しかし、尻栓を開けてみると何ら風変わりな事はなく、5番はあっさり出てきた。もちろん4番から上は正常。この分なら「響」へ移植することなく、リョービのまま使い続けられそうな様子だった。切断した尻栓の再固定だけが課題。

それなら、壊れるまでテープで固定すれば良い。全長と仕舞い寸法が3センチばかり短くなったが、タモ柄としては充分に使えるではないか。

こうしてタモ柄修理完了。魔法のタモはまだイケる。

しかし竿は買うしかないか。チキショーorz....



foujitas at 22:24コメント(0)潮待放談 

2019年07月31日


こういう事はしばしばある、釣れないときはこういうもの。高島がお休みとされた水曜日は、K先生と火電沖波止でヒラマサを釣る一日となった。夏に入って活気を帯びた火電では、マメヒラに混じって良型のヒラマサに出会える。ここには連続ボウズを喰らっているが、先生と遊ぶ一日なら楽しい。

今ひとつ、今回が辰丸渡船の初体験。船長さんともお話しが出来たので、今後は中本渡船と両刀でいける。これは頼もしい。

さて、午前4時半に古湊を出航した第二辰丸は1番へ。このところのヒラマサ人気もあって、あっという間に40人ほどの太公望が堤防へ並んだ。釣り座は1番段差の端。潮が左へ通せば、面白い釣りが期待できる。

しかし、噂に聞いていた餌盗りアジの猛攻は凄まじく、投げて届く距離ではウキが立つまでにサシ餌が落とされる勢い。手前はもちろん遠投しても結果は同じなのだから手に負えない。

それでも2番辺りで和気藹々と釣っていたファミリーにマメヒラ。後に聞くと6番辺りでも4〜5本のマメヒラが出たという。

真鯛でも出そうな絶好の左流れの潮に、K先生と二人で懸命に打ち返す。なにしろサシ餌が保たないので、手返しは恐ろしく早い。集中力が維持できる早朝の間に、やはりK先生は釣った。居食いしたウキのアタリを見逃さず竿を起こすとがま磯が景気よく曲がった。なぜk先生に当たるのか、これは流石としか云いようが無い腕前。


そのマメヒラを掬うべく、件の「魔法のタモ」を出したところ、これがまさかの故障。振り出しの柄を伸ばすが、元竿の上、5番が全長で伸びる前に何かに引っ掛かったように詰まって出ない。6mのタモ柄は実質的に5.5mほどににか伸びず、マメヒラを掬うのに難儀した。何があったのか──。

さて、釣りはその後、全くいけなくなった。左流れの喰い潮は7時頃になって逆転。普通の満ち潮となって右流れに。おまけにシュモクザメが足元を泳いでいるなど、何も釣れない、ひたすらアジの猛攻を交わす手立てを考える釣りに没頭する。しかし遂にアジ包囲網を突破する事はできず、こちらは1回のアタリも無いまま、k先生もマメヒラ以来は1回のアタリも無いまま11時を迎えた。

ところで、マゴ鈎を仕込んだ「よくばり仕掛け」(命名:k先生)を今回は試した。4尋の6号ハリスに金龍11号鈎を結び、ハリス上へスライドするように3〜4号フロロ+小型アジ鈎を編み込んで結ぶ。マゴ鈎にもオキアミを挿して投げると、餌盗りのアジがマゴ鈎へ掛かる→そのまま泳がせ仕掛けになる。

泳がせ仕掛けの餌となるアジは、できるだけ手で触れないほうが良い、また海から出さないほうが良い、その方が弱らない。オキアで歯が立たない時用に考案してみた仕掛け──これがラストにとんでもないドラマを起こす。

釣況は極めて低調。魚の姿が出ていた2番辺りも沈黙。隣の釣り人に至っては、何本もの竿を出して多様な釣り方でアプローチしてみるが、やはり反応なし。そのまま終了予定の11時になろうとしていた。

暑いこともあって潔く納竿の仕度。マゴ鈎付きの仕掛けを遠投気味に、タナは1本半で放り込み、ゆっくり通す満ち潮に乗せて放っておいた。バッカンのオキアミを袋へ戻し、周辺のゴミやテグスをゴミ袋へ入れていると、ピトンへ掛けていた竿が激しく揺れた、直後にドラグが悲鳴を上げて高速回転し道糸が走って出た。

「最後に来たよ!」何もアタリが無かったラストの一手にヒラマサが喰いついた。先のノヅキでも最後の一手。これは痺れる!

k先生も陽気にタモを持って来てくれた。「ええで、ええで、ムリすんなよ」アドバイスを受けながらドラグを調節して道糸を出し入れする攻防。「そうそう、だいぶくたびれて来たで。ええ感じじゃ」4〜5分が過ぎたか。漸く足元まで寄せてウキが見えた。

「ようし、ウキが見えた、あとちょっとじゃ」。しかし直下で突っ込みがある事は知っている6号ハリスを労りながら、ひん曲がった剛弓のバットの力に物を言わせ、突っ込みを凌ぐ。「だいぶ観念したで」アドバイスは、竿を持っているように的確で、何度かの突っ込みを凌いでいよいよカゴが見えてきた。

『もう浮かせられるか?!』油断したワケでは無かった、嵩を括ったワケでも無かった。ひん曲がった剛弓の胴の曲がり方がちょっとおかしい事に気付いていた。

「折れるかも知れませんよ、これ」
「大丈夫、大丈夫」

次の突っ込みが始まった。
『そろそろ終章か』
剛弓の2番はそこで大きな破裂音を上げて折れた。
『なんと!!!』

カゴまで見えていたのに──ヒラマサは弛んだ道糸を察知して一気に潜った。残された竿は3番から元竿。もはや木刀のようなもので、撓ることができない。後で考えれば、ここでドラグを少し弛めていたら結果が違っていたかもしれない、が、手応えから一気に浮かせて網で掬う方に賭けた、勝負だ。

そこで3番の先端にあるガイドのところで8号道糸は切れた。ヒラマサの姿を追うまでもなく、軽くなった竿を持って失意呆然『仕方ない』。

道糸が絡まったままの折れた2番と、その先の穂先。さらに天秤、ウキ、カゴ、すべてを失って、火電沖波止の釣りが終わった。堤防から身を乗り出して見たが、寄せる波が何事も無かったようにリズミカルな音を立てていた。

これが火電沖波止のポテンシャルか。姿見ずの獲り損ないでは何のネタにもならないが、また一つ、思い出深く刻まれた出来事が起こった。「古湊釣房」。おそるべし古湊のヒラマサ釣り。


実は、釣っている最中の9時頃か、仕掛けを投げた際に剛弓が「パキッ」と音を立てたのを聞いていた。どこかが折れたか、折れる前兆か(これだった)、はたまたガイドの破損でもしたかと思ったが、その後に変調は無く使えたので、大した事では無かったと安堵した。

ところが足元へ突っ込むヒラマサを止めている時の剛弓は、明らかに奇妙な弧を描いていた。それで折れるかも知れない事を予測したが、結果的に対処できなかった。2番の不具合が無ければ、おろらくもう少しの時間をかけてタモへ納めていたであろう、大ヒラマサ。

しかしこれは云っても虚しいだけ。また釣りに行こう。

その前に竿をなんとかしなければ。orz....



foujitas at 19:43コメント(2)古湊釣房潮待放談 

2019年07月20日

釣り鈎に特段のこだわりは持たないのだけれど、やはり潮乗りや引っ掛かりを考えると、好みの鈎が決まってくる。

半スレとされるカゴスペシャル(がまかつ)は軸の太さや重さのバランスが良いと思えるので、引っかかりや刺さりの鋭さから好んで使うもの。このところ見つけたケン付きの青物鈎も魅力的だが、やや太軸に過ぎるか。

一方で軽量細軸でありながら、アゴが強く70クラスのヒラマサなら獲れそうな尾長専用(がまかつ)は、鈎先が軽い眠り形状になっていて、引っ掛かりが強い。反面、軸が細いので口が軟らかいイサキなどでは、一度掛かった鈎が抜けてしまう事が気掛かり。

他ではハゲ王(がまかつ)はウスバハギやウマヅラハギを狙うには最適で、強引な遣り取りでも折れない。

さて、先のタカイワで気が付いたのは捻り鈎の効果だった。

論理的には居食いに対応しやすいと分かっていても、それを実感するシーンは少なかった。それが今回のタカイワで掛かるイサキの殆どが鈎を飲んでいるような時は、明らかに捻り鈎が有利だった。

金龍鉤。がまかつと同じく播州にある鈎の製造元。沖家室島に伝わっていた家室鈎を商品化するなど、地域の特徴的な釣りに寄り添う、素敵なメイカーではないか。金龍ヒラマサは、軸が太いが短く、それほど重たくない。ただしタタキが広くて大きいので、内掛け結びにしようと思うといささか面倒。しかし、先のタカイワでは充分な威力を発揮してくれた。

追加を揃えておこうと考えるが、今でも売っているのだろうか。





foujitas at 14:10コメント(0)潮待放談 

2019年07月19日

ベテラン勢の間ではしばしば「コスズメ」と呼ばれる場所。雀の子と書くのか、その大岩にな雀が営巣しそうな小さな穴が無数に空いている。場所は高島の地方にあってタカイワとコンクリに挟まれた、大岩の影になる場所で、平らな広い座が特徴。低手だけで3名は充分に釣れる。

スズメノコの難点は、釣り座のすぐ下にある沈み根と、同じく根に生えたホンダワラの巨大な群生。前者は道糸を擦って傷が付いたら高切れの原因になり、後者は取り込みのとき魚が海草に突っ込んだら鈎が外れてダラしてしまう。したがって取り込みは、できるだけ沖で浮かせて、寄せる経路を考えながら道糸を巻き取らなくてはならない。

それでもスズメノコの美点は、瀬と駆け上がりが混在しているところ。座から見てタカイワ側は潮が淀むところから、やや深みがある砂利底。正面あたりでコンクリ側へ向けた駆け上がりがあり、満ち潮のとき潮表となる。駆け上がった後は竿2本までの瀬が続き、それは俗称スズメノマゴと呼ばれる小さな磯の前を通り過ぎ、コンクリの手前にあたりヒラセの辺りまで続く。

中距離から遠投がセオリー。あまり磯に近いところには餌盗りが待ちかまえている。正面40mほどに放り込み、左流れで火電沖波止の煙突のようへ潮が通していたら釣りやすい。スイートスポットは真正面から11時の間にある駆け上がり。イサキやヒラマサを瀬で釣るなら、そこからスズメノマゴ前へ流す。棒ウキ、タルウキともに使える、釣りやすい場所。

獲物は主にヒラマサ、シーズン序盤のイサキがとても良い。イケマの辺りでイサキが活況になってくると、そろそろコスズメの番が回ってくる。座が広いので数釣りをするにも便利であり、また大人数を捌くにも最適。ただし深いところで3本半までなので、タカミやイケマのような4本より深いタナを釣りたいときはNG。


さて、この磯にあって高手をどう考えるか。

釣る人が多いときは高手へ上がると広々としていて気持ちが良いもの。また高手というだけあって、ちょいと投げれば遠投も可能で面白い。一方で、魚を掛けたら(6mのタモでは)自分では掬えないので、いきおい低手の仲間に頼ることになる。それもオーバーハングした磯際なので、ヒラマサが暴れたらけっこう厄介。

しかし、スズメノコの正面右側の沖は砂利底の平坦な海域。真鯛などを釣るには丁度良く、ときにヒラマサが乱暴に引っ張る。釣り場としては瀬のコスズメにあって、いろいろな攻め方ができる海域かいも知れない。

正攻法は正面の遠投。左流れの満ち潮に乗せて駆け上がりを流し、マゴ前の瀬を通す釣り。竿2本を基本に、時にタル遊動やタル固定、時にはアタリウキを付けたヒラマサ釣りなども威力を発揮する。

海へ向いて右側へ大きな岩があるので西寄りの風には強いが、逆に北東の風が吹いたら難儀する。

シーズンは通年。なかでもイサキが本格化する初夏から夏のマメヒラには強い磯ではないだろうか。



foujitas at 18:52コメント(0)高島の磯潮待放談 

2019年07月18日

タカイワの釣りは、こんなに難しかったか。

高島の多彩な磯をそれぞれに攻略して獲物を釣りあげる醍醐味は承知。だが、元々、一つの釣り場や釣り座を繰り返して究める事を好むもので、タカイワ一本に集中する釣りもまた一考。同じ釣り場であっても、同じ潮は二度とは無いし、海況釣況によって趣が違う。そして、なによりもタカイワの隅々まで熟知してこそ、その磯を攻略した達成感も味わえる。

かくて、連続4回〜3週連続のタカイワへよじ登った。イサキが落ち着いてきた感覚もあって、この日は大潮。もとより西磯はサメの出没情報があって、初夏の終盤を釣るのは、やはりタカイワと狙いを定めて大浜へ向かった。3週連続の高島が4年ぶりなら、4回連続のタカイワは初めて。しかし夏の瀬を釣るイサキ釣りには絶好位と考えた。

恵翔丸は11名。浜田のイサキが噂になると高島は落ち着く。それでも梅雨前線の停滞で島表は風が落ちる日がなく、常にウネリが磯を洗っているらしく、この日は島義丸と二杯でコンクリからワレまでを埋め尽くした。

数年前のシーズン終盤のタカイワで30枚超えのイサキを釣った経験を思い起こし、まずは釣り座の仕度。生け簀や網などをセットして、底カゴ+6号3尋半、これにフカセヒラマサ鈎10号を結んで仕掛けを放り込んだ。結果的に今回の鍵は、この鈎にあった。


初手。潮はまったく動いておらず、正面40mほどに浮かんだウキは静止状態。それでもタカイワなら瀬で釣れる筈、と経験則から次の手を繰り出す。駆け上がり、深み、そして瀬の上。またタル固定などあらゆる手を尽くすが、最初のイサキがウキを引き込むまで半時間が経過していた。サイズは上々、しかし、ここからタカイワは沈黙した。サメだ。

あの黒くて細長いサメはなんという名か、奴らは1時間おきに2〜3尾で泳いできては邪魔をする。どうもアタリが遠のいてサシ餌が残るようになったと思うと、それから15分後に三画マークが海面を行く。サメの襲来があると、その前後30分はまったく釣りにならず、これが1時間おきに10時まで続いた。

潮は行かず、サメが現れ、なんとも釣りにくいタカイワだが、瀬に少々のイサキは居るらしい。サメの居ない間に丹念に仕掛けを打ち返すとタナ2本前後でウキが動く。

この日のイサキの特徴は、鈎の飲み込みが多いこと。閂を貫通した元気のよいアタリは3回程度で、あとはほとんどが居食い。釣り上げてみると、鈎はすべての喉の奥へ地獄掛かりしていた。つまり活性が低いという事だ。

前回のタカイワの釣りでも居食いが多かった事から、今回は6号ハリスと段々鈎の下鈎は、金龍のフカセヒラマサ。捻り鈎なので居食いに有効。この計画はジャズトフィットしていたようで、喉へ掛かったイサキのほとんどを取り込んだ。


終盤になって潮が変わり、まともな満ちが通し始めた。こうなるとイサキの活性が上がる。案の定、2〜3の入れ食いとなるが、このとき失策。潮が変わったことを受けて、段々鈎を入れ替えた。予備の段々鈎には捻り鈎ではなく、通常のイサキ鈎を結んである。そして瀬を流したところでゆっくりウキが入ったアタリを合わせるが、鈎に乗らず。これが2連続で起こった。

そのときは不甲斐なく思うだけだったが、後になって考えてみるに、あれが捻り鈎だったら鈎に乗っていた可能性はものすごく大きい。せっかく良いところに気付いて選んだ捻り鈎なのに、ここ一番の勝負処で使い忘れてしまうとは、まだまだ修行が足りん。


一方、釣況は、サメの襲来で餌が残り、サメが居ないときにイサキを拾い釣りというパターンが続く。まさしく、鬼の居ぬ間の洗濯。

タカイワの選択は間違っていなかったと思うが、この潮ではダメ。それでも大型のイサキが少なかったこれまでに比べると、少し上向いたか。12枚中ババイサキは6枚。中イサキが4枚。チビが2枚。

猛省すべきは、せっかく釣ったババイサキを生け簀から出して庖丁で絞めるとき、手が滑ってまさかの放流。ばんごはんのおかずを一枚、失ってしまった。心残りといえば、足元まで寄せたババイサキが、口切れによって反転、そのまま逃げた1バラし。それに、鈎に乗らなかった瀬の先の2枚。これらは、もう少し気を利かせれば獲得できた獲物。勿体ない。

タカベの群も活性が高い時間帯もあった。これにハゲが1。

高島のイサキ祭も、そろそろ終盤の様相。この上は灼熱の磯にあって、たいしたものが釣れない真夏に突入する。精々、マメヒラを釣って秋のヒラマサに備えるか。



foujitas at 10:55コメント(0)高島回顧録潮待放談 

2019年07月15日

冬に比べると夏の海は穏やかで、いつも北からウネリが入る高島の周辺でも、総じて波が低くて凪が続く。秋になったら大型のヒラマサが廻るところから秋と磯呼ばれるナベやホトケとは対照的に、夏は瀬釣り。渓流のようだが、イサキがそうであるように夏になるといろいろな魚が瀬に着くようになる。

高島の地方は比較的浅い瀬が続く。とりわけスズメに東側、いまは磯着けされる事は少ないがオグソからミヤノシタ、タカイワ、スズメノコ、そしてコンクリまで竿3本までの瀬が続く。また、カンシキやチョボなど、凪のときしか乗れない磯もあって、夏磯といえば地方。

真夏になると釣り物も少なくなるが、梅雨時期から夏にかけて趣ある釣りが楽しめる。一方で深い西磯や表にはサメが大挙して泳ぎ回っていて、しばしば鈎に掛かって寄せている途中の獲物を横取りされる。魚は諦めるが、悪くすると道糸が高切れして仕掛け一式を失う場合もあって情けない。

高島にはサメの他にもバラクーダ、あういは鬼カマスが泳いでいて、この時期になると凄まじい大アタリで竿を引っ張るアレに遭遇する。気持ちは大ヒラマサなので、てっきりヒラマサを掛けたと思い込んで大興奮するが、殆どの場合はサメかバラクーダ。カゴスペ2-5号とか、道糸10号、ハリス12号とか滅茶苦茶な道具や大仕掛けを買い込んでみたが、その全ては徒労。まったく出番が無い。(笑)


一方で梅雨から夏へかけて深場では、ナンヨウカイワレやオキアジ、アカハナ(カンパチの幼魚)が混じる。カイワレは小さい割によく引っ張るので面白いし、また柔らかい身は食べても美味しい。

高島の良き外道。しかし夏になって水温が上がると、バリ(アイゴ)がウキを揺らす。釣るには面白いけれど、ヒレの毒には用心が必要で、また、そのアンモニア臭は如何ともし難い。身だけを大名取りしてみたが、やはりクーラーの中の異臭には鼻が曲がった。背びれなどを切って厚手びビニール袋へ密封し、腹を出さずそのまま板前に渡したら、それはもう素晴らしい白身のプリプリ刺身になって驚いた。いまだに何が違うのかわからない。

さて、梅雨の釣りで一番しんどいのは道具の段取り。がまかつの竿は雨に濡れると振り出しが固着するし、釣って帰った後の道具の洗浄は一仕事。しかし、これをやっておかねば次の釣りで更に難儀する。雨が降ったら道具も乾かない。

イサキ祭も終わってしまったのなら、いっそ早く夏にならんかなあ。



foujitas at 11:43コメント(2)潮待放談 

2019年07月11日

梅雨に入って風が強い。高島周辺では波や風が絶え間なく続くせいか、数字よりも荒れている場合が多いという。この日も朝の海はなかなか激しいもので、上礁する時間帯は東がコンクリ、イワグチまでの磯着け。ワレから北側は磯が洗われていた。

イサキ祭といって久しい今日の高島は3を頭に12名。当然、単独組は最後に回るのだが、元よりタカイワやカンジキなどは一人磯。慌てることはない。イケマから回った恵翔丸はタカイワとアカイワへ一人ずつを下ろしてコダンの沖へアンカーを沈めた。船は久しぶりに尻が浮くほど揺れた。

午前5時。隣のフカセ師に譲ってもらって、2週連続のタカイワへよじのぼる事に成功。一週間に集めた情報によると深い磯ではサメが回遊し、タカイワやコスズメのイサキも数、型ともに落ちてきているという。それでもタカイワの準備では先週と同じく、まず取り込み用バッカン、潮氷水、細番手の段々鈎などを予め支度しておき、1分1秒のロスをそぎ落とす。

初手。やはり6号3尋半のカゴを正面中距離へ投入。潮は程よく通す満ち。サシ餌は無くなって異常なし。アカイワ側、コスズメ側と探りを入れ、タナや餌盗りの様子を窺う。うまくすればウキが消し込むのだが、この日のカゴには反応が出ない。


そうしているとアカイワのフカセ師にアタリ。繊細なフカセ竿が景気よく曲がっているではないか。見れば良型のイサキがタモへ納められ、先を越された敗北感がタカイワには漂った。『焦るな、焦るな』言い聞かせていると、フカセ竿がまた曲がる。こうなるといけない。

失敗する時のパターンは、魚を釣っているのに隣の釣り師の好調を羨んで焦燥感を募らせるとき。まさにこのパターンだ、投入するこちらの仕掛けがアカイワ側に躙り寄っていき、タナもまたフカセ釣りを意識して極端に浅くする。こうなるとイサキどころではなく、フカセ師を相手に釣っているようなもの釣れるワケが無い。

カゴ釣りにはカゴ釣りの釣り方がある、矜持がある。フカセ釣りを羨ましいと思うなら、最初からフカセ釣りをすれば良い。そんな事を自分に言い聞かせながら、しかし反応が出ないタカイワの沖へ仕掛けを打ち返す。潮がほどほどに行っているのに、これはどうした事か。これがK先生が云った「喰いが落ちてきた」だろうか。

明るくなったころ、三角目印こと、背びれが沖の潮を横切った。サメだ。こればかりは仕方ない。

ここは辛抱時と堪えて手返しを続ける。乱暴なヒラマサが居ないことを確認し、6号を外して4号段々鈎へ換装。イサキの専用仕掛けを投入。タカイワのスイートスポットである駆け上がりをめがけて仕掛けを打ち返していると、ウキがモゾモゾとして水中へ引き込まれた。「よし、入った!」それを当然の事のように受け止め、竿を起こした。

この品のない手応えはマメヒラだ。右へ泳いで行ったかと思うと急に引っ張る。寄せてきたら根へ突っ込む。豆サイズとはいえ、その挙動はまぎれもないヒラマサ。4号ハリスはリールのドラグの世話になる必要も無く、竿任せの引っ張り合いを制することができる。午前6時、難なくタモへ収まり、まずは坊主脱出。


先週と同じ展開だが、このマメヒラには意外な効果があった。『カゴ釣りはカゴ釣り、何か打開策がある筈』こうなればもうフカセ釣りは気にならない。タナを少しずつ変えながら、海底の地形をイメージして、潮の動きに注視する。潮乗りを考えたカゴ錘も、先週と同じく18号に換装。これでイサキ釣りの準備は整った。

それから1時間ほどは再び反応が無くなるが、やはり瀬の中にはイサキが泳いでいるらしく、コスズメ寄りの10時方向へ浮かんでいたウキが消し込む。ここからは渋々と中型イサキを追加。この時期は瀬釣りが優位だが、イサキは本来駆け上がりを好む。深みは捨てて、正面からコスズメ側を丁寧に釣って、1時間ほどで3〜4枚のイサキを取り込んだ。地味な釣りだ。


そして潮が変わった。午前8時頃から潮は徐々に弛み、遂にはストップ。ジワジワと右へ寄せていく潮筋まである。こうなるとタカイワは弱い。だいたい左に流して瀬の上を釣るのがセオリーだから、潮が止まったり、逆潮が出たりすると攻め手を失う。クーラーの中は情けない状態だが、今日のタカイワでは仕方ないか。

思案の果て、何もしないのでは獲物は揚げられないので、餌盗りを覚悟で久しぶりに深みへ投入。するとウキがヌルリと入った。手応えは大きくないが、中イサキよりは重たい。寄せてみたらウマヅラハギ。これはおかず。

さらに半信半疑、いやダメ元で正面へ遠投を試みる。遠く沖の潮も止まったままだったが、結果が違っていた。勢いよくウキが消し込んだ、それは止まっている凪のウキがズバッと消えるのだから驚く。慌てて竿を起こしたら、これが結構な手応え。40センチ超えのババイサキだ。

『よし、一か八か』ババイサキが回ってきたのなら、もう一丁『この群を逃してなるものか』。(笑)

すると、どうだ、デタラメな予想がまさかの的中。同じ群なのか、素早く打ち返した仕掛けは前手と同じポイントで同じように消し込んだ。これも丁寧に取り込んで、さすがに三連発は無かろうと放り込んだ仕掛けが、また引っ張られた。いずれも今のイサキにしては大型。この日唯一の入れ食いだった。


この入れ食いの一幕でヒントを掴んだ。今日のタカイワは遠投に活路あり。たとえ潮が行かなくても、駆け上がりを狙った遠投なら餌盗りを交わして獲物にアタックできる。イサキもまた、最盛期のような連荘ではないが、コンスタントにウキを揺らす。そうと知って釣りを組み立て、そこそこに数を伸ばすことができた。

沖の潮から獲物を吊り上げる、まさしく遠投カゴ釣りの真骨頂。

他ではタカベ。やはり瀬の周りには群が居るようで、一度は仕掛けの着水と同時にスレ掛かり。そのままウキが沈む珍事にも遭遇。それからクロ。アカイワのフカセ釣りにクロが掛かっていたのを見た、その少し後だった。やはり瀬の上に止まっているウキがフワリと無くなって中型クロ。

これで五目釣り達成。ヒラマサ1、イサキ13、ウマヅラハギ1、タカベ2、クロ1。なんとも食卓が賑やかで楽しいが、しかし、こんな釣れ方をするのは夏の海になった知らせか。雑魚ではないけれど、ピシッとイサキのまとめ撃ちとか、マメヒラ大会という初夏の風景は無く、ダラダラと多様な魚が底カゴへ掛かるのは、そういえば夏の磯釣りによく見られる。


もう一つ特筆しべきは、イサキの掛かりが甘く弱いこと。マメヒラ釣りにしばしばある居食いは、ウキがモゾモゾと動いたり、一度沈んだウキが戻って止まったり。怪しい動きを察知してアタリを訊いてみると、「すわ獲物!」というシーンがある。その多くが地獄掛かり、つまり鈎を飲み込んでいる状態。

本来のイサキなら、景気よくウキが消し込み、大型になるとそのまま竿を引っ張る明快なもの。遠くから伝わる魚信が頼もしい。ところが鈎を飲み込んで居食いをすると、派手なアタリが出ないので、竿を起こしてみてから慌てる。それは魚の活性が低いことを示すもので、今年の高島が夏へ入っていることを表しているのかも知れない。

梅雨明けも近い。真夏の高島の支度を始める時節。



foujitas at 18:45コメント(0)高島回顧録潮待放談 

2019年07月05日

イサキ祭という祭りがあるワケではない。高島へ通う仲間の間で、産卵にやってくるイサキの群を釣ると、それはもう祭りだワッショイの勢いでイサキが釣れる。10数年前のイケマで5人が釣ったとき、全員の竿が次々に曲がり、もういちいち掬っていられない活況をみた、それをイサキ祭と呼び始めた。

近年の高島のイサキは、およそ5月の連休明けから西磯でポツポツとヒラマサの仕掛けに掛かり始め、初期の2週ほどだけ超大型のババイサキがゴウトウ周りでウキを沈める。イワグチの辺りは格好の産卵場らしく、イケマからワレまで大中のイサキが押し寄せる。こうなってくるとスズメノコやコンクリ、またナベからノヅキへかけての島表でも釣れるようになり、やがて中型のスリムな体型をもった雄のイサキが鈎に掛かる。

コダンやスズメががら空きで、ワレやゴウトウに人気が集中することも珍しくない。

そんな動向を見せるイサキだが、ここ数年は年中の魚となっていて、水温が上がっていない3月頃でも産卵前の中型イサキが磯の近くに居るらしい。そして今期。やはり連休明けに卵を抱いた牝が出るが、例年のようなババイサキが見えない。見えないまま雄が混じり始め、卵も腹パンパンというほどではない。明らかに産卵の動向が変化している。

かくて前回のタカイワでは、ババイサキのピークの筈が、大型は2枚だけ。あとは中型に終始する釣りで数も伸びない。餌盗りはえげつない程ではなく、むしろサシ餌が残るような時間帯もあった。それから一ヶ月、釣りへ行けない間に仲間から情報を集めると、ようやく瀬についてきたようだった。

ならば再びタカイワで勝負。ダメならカンジキか、そんな思いをもって大浜港を目指した。イサキが始まったことを受けてか、しかし恵翔丸は17名。3を先頭に2が5組という激戦で、単独組は磯を選ぶような事にならない。だが一人釣りが奏功することもある、今回のように、一人向けのタカイワが空く事がある。


おそらく高島釣行の中で最多の磯ではないだろうか。海底を見た事は無いが、その様子は立体的に頭の中にあり、潮の性質もだいたい経験していることもあって、磯における所作や魚の取り込みなど、ほぼ手慣れた場所。荷物の置き場までルーティンになっている。

午前4時30分を待たず恵翔丸は舫を解いた。タカイワによじ登ったのは午前5時すぎ。

イサキ釣りの極意は、その手返しにある。つまり釣った魚を鈎から外した後、どれだけ素早く仕掛けを打ち返せるかが釣果の明暗を分ける。魚が居るところへ仕掛けを入れれば誰にでも釣れるが、より多く、より大物を釣ろうと思うなら、手返しを上げるしかない。

したがってイサキ釣りのときは、仕掛け竿を出して初手を放り込む前に、タモはもちろん水やクーラーの潮氷水、血抜き網、段々鈎、細仕掛けの換装用ハリスなど、釣りの最中に釣る行為を中断する動きを可能な限り切りつめる。今回は水槽バッカンを持ち込んで、釣った魚をそのまま放り込み即座に手返し、ウキが馴染んだら魚を締めて血抜き、そしてクーラーへ。手返し効率は極限まで向上させる配備を敷いた。


そりゃあそうだ、事前にK先生や師匠からタカイワ界隈の釣況を聞いているので、それはもう一投目からぶち忙しい釣りになると思い込んでいた。

そして初手。タルが良いと聞いてはいたが、高島の早朝は何が掛かるかわからない、偶然回ってきた大ヒラマサや大鯛がパクリとやるのは、えてして底カゴ。したがってハリスは6号3尋半という70クラスのヒラマサなら強引にやりとりできるサイズ。

ところが、話しが違う。底カゴのタナを1〜3本で探っても、普通にサシ餌が無くなるだけでアタリらしいものは無い。セオリー通りに正面の駆け上がりへ流し込む要領で仕掛けを入れるも、潮が動かず、まったくダメ。仕方ないので瀬の上へ仕掛けを放り込むと、ごく僅かに左流れの潮がある。『これか?』喰い筋を探しては手返しを試みるが、一向にそれらしい気配が無い。

『やっぱりカゴがいけんのか?』一度だけタル固定を投げてみたが、はやりサシ餌は丸残り。

どうも怪しい、手前の仕掛けに自信が揺らいできた、これは拙い。カゴかタルか自信が持てなくなったら、途端に手が消極的になるもの。焦って沈着冷静な判断や洞察力を失い、我流の屁理屈で意固地な釣りになってしまう。殆どの場合、それは釣れない。

「魚とトモダチになったらいいよ」誰かが云ったが、まったくその通りで、釣ってやろう、喰ってやろうと思うと不思議と邪念は道糸を伝って魚に届く。(笑)

何も無いまま半時間が過ぎた。とにかく、アタリが拾えない。しかしカゴからタルにするための理由が無い。『潮さえ行けば』の思いとは別に、となりのアカイワの二人組をタル/カゴのマーカーにさせて貰った。

つまり、お二人のあのタル仕掛けにイサキが喰いついたら、こちらの手も即座にタル。ハリスの長さや潮筋を観察して、最も適していると思われる仕掛けで臨む。しかし隣のタルが物言わぬ限り、カゴで探ったほうが良い。なぜなら潮筋を変えるにも、タナを変えるにも、瀬を窺うにも、カゴの方が圧倒的に勝負が早い。とにかく「タル優位」のシグナルが出るまでは、丹念にカゴで釣るべし。(結果的にこれが奏功する)

そうして迎えた6時すぎ、待望のアタリが出た。それは、動かぬ潮に業を煮やして瀬の上へ直接放り込んだ底カゴ2本の6号ハリスだった。中型のイサキがウキを引き込んだ。はやり潮が行かないと釣りづらい。

早朝のイサキに大ヒラマサを諦め、さっそく4号段々鈎に換装。3号まで用意をしたが、ここはマメヒラ対応が出来るよう4号で行く。そうして打ち返した4号の初手は、瀬ではなくアカイワ側の深みだった。流れようとしないウキが突如消し込み、道糸が指を弾く。「ヒラじゃ」さっそくマメヒラの洗礼。根に当たらぬ限りこのサイズなら4号とイサキ鈎で獲れる、いささか強引に寄せてタモへ。マメヒラは上鈎に掛かっていた。


これが反撃の狼煙となるかと思ったが、喰いが立ったのは午前9時頃だった。それまでは、動く潮を求めて投入ポイントを少しずつ変える、するとコマセが効かなくなるので、潮筋を想定しながらジワジワとポイントを違えてはタナを探る。カゴは通常の20+α号から18号に変更。鈎にも潮受けのフローターを備えて、少しでも潮乗りを良くする。

そうしてポツリ、またポツリと中型のイサキを追加。ババイサキは出ない。『昨日までの釣況とはえらい違いじゃないか』、聞こえる筈もない師匠に恨み言を垂れながら、釣っては水槽へ。仕掛けを投じては魚を締め、暑い、ちきしょう。

そしてゴールデンタイムに突入。潮が行き始めた。こうなると一気呵成、それまでにマメヒラなどで傷められていたハリスを全交換。さらにマメヒラを掛けたときに、何故か切れてしまった段々鈎を再び全交換。蛍光ビーズなど、そこにあったものを流用して仕掛けを拵える。

ここからは、ほぼ入れ食い。もはやタル固定にする理由などどこにも無く、ひたすらカゴを投げる。タナは2本程度なので仕事は早い。仕掛けを空で回収することは3尾に1回程度で、実に忙しい。獲物はマメヒラ、イサキ、タカベ。クロやハゲは居ない。


しかし、ただ仕掛けを投げているかというとそうではなく、瀬を釣っていたら何時の間にか餌盗りモグレになってアタリが遠のく。あるいは駆け上がりの上を短く丹念に流しているとそこでアタリが出る。それでもダメならタナを下げて深みへ仕掛けを沈めては様子をみる。

一つの潮筋を外さぬようにポイントを変え、変幻自在に居場所を変えるイサキを探すような釣り。タル固定で爆釣というのとは、だいぶ様子が違う。そのせいか、結果的に30尾以上の魚をクーラーに納めたにもかかわらず、あまり釣った気がしないのが本音。

一方で磯での動きは激しい。ウキが消し込んだら竿を立てて巻き取る。掬っては魚を外し、バッカンにしゃがんで仕掛けのセット。立ち上がってキャスティング。そしてウキが消し込む。立ったり座ったり、体を捻ったり、磯を降りて血抜き編みを採り上げたり。3時間のヒンズースクワットの如き動作で、釣りながら筋肉痛が発症する。

マメヒラを掛けて浮かせた後、姿を見せたところで口切れで鈎を外していった奴があった。また、タモを取ろうとして濡れた足場で小さく滑った瞬間に竿のテンションを失い、鈎を外していったババイサキ。この2尾が心残り。

この日のババイサキは、やはり個体数が少なく4本に1本程度。しかしスプールの指をはじき飛ばす強烈なアタリを楽しませてくれたババイサキもあった。それから今日のポイントは、すべてのアタリが底カゴだったと点は特筆。あれだけタル、タルと云われてきた中で、試してみたタル固定には何らの兆しも無かった。となりのマーカーのおかげでカゴを投げ続けられたと云っても良いかも知れない。

都合、マメヒラ5本、ババイサキ7枚、中イサキ14枚、チビイサキ6枚、タカベ2尾。

最後の獲物は午前11時丁度。この日は半夜便が出るので回収は11時30分だという。ラストの獲物を取り込んだところで、潔く納竿となった。そのイサキは、この日一番のババイサキで45センチはあろうかというビッグサイズだった。VIVA高島。


思ったより早く迎えに来て、大慌てで収納。半夜便が出るときは、10分早く帰り支度する必要がある。

foujitas at 07:54コメント(2)高島回顧録潮待放談 

2019年06月07日

『大潮の高島は釣りにくい』。長らく通ってみた印象として残ったのが、潮まわりが大きいときの高島では、予測できない潮に遭遇して思うような釣りが出来なかった記憶が断片的にあって、これを繋ぎ合わせると苦手意識になる。長潮も同じように釣り難い。

この日は中潮。古老が云う『高島の潮は二日送れのように動く』を信じるなら、二日前は大潮の中日であり、長潮の二日後の中潮に当たると、同じように大きな一本潮に見舞われて釣りにならない。そして当日。

恵翔丸は3人を頭に数組14名という活況。みなイサキを思って集まっている様子だった。一人釣りは4組で他船は出ないというので、これなら悪くない。

イサキを想定するなら、早期のババイサキを釣るべし。ゴウトウ周りを目標に据えて前夜の大浜を目指した。本ゴウトウなんて理想的な磯ではないか!

そして恵翔丸の磯割りを相談していると、人数からみて本ゴウトウのチャンスはありそう。

船長「フジタサンどこにする?」

「本ゴウトウは?」「○○さんとジャンケンして」

「そんじゃタカイワ!」確定。


大潮を嫌った。どうやらワレやイワグチも空いていたようだが、西からゴウトウ周りで激流のような潮に当たったら釣りにならない。ワレやゴウトウは増水した川のように流れ、イワグチでは潮が底へ突っ込んで磯際で湧き返す。タカミだけが狙い目だったが、ここは底物組に優先権。イサキ祭の6月の最初で最後の高島の日を思うと、まだ早いかと懸念しつつもタカイワで存分に竿を振ることに意義を思ったのだった。(笑)

6月のタカイワ。瀬を釣るタカイワの釣りは高島の夏の釣り。イサキの産卵が一斉に始まったら素晴らしいポテンシャルを発揮するタカイワだが、走りの時期はゴウトウやワレに大型が集中する。先々のタカミではタナ4本、先のコスズメでは瀬には何も居ない事を経験しているので、この日のタカイワは一か八か、いや、四分六分で時期尚早を承知の上だった。

昨年晩夏以来のタカイワの風景。正面に益田川の大風車が見え、左右の視界が180度に広がる絶好の磯。アカイワ側から正面へ深みがあり、駆け上がりを経てコスズメ側へ瀬が続く。大鯛も出るが、主にはヒラマサとイサキが主戦となり、かつて大型の本石鯛やスマが出たこともある。磯は一人用、名前のとおり足場は高いが、コンパクトにして充分であり、なにより魚が掬い易い。竿は充分に引けるのでド遠投も可能。

こんなプロファイルを持つタカイワ。まだ瀬で釣るには早いと分かっていても、やはり仕掛けを入れると期待に胸は膨らむ。正面の潮は予想通りの左流れ。朝から活発に動いている。

イサキのセオリーに従ってナ2本の底カゴでスタート。ヒラマサの急襲に備えたハリスは7号。夏仕様とはいえ、どこに大物が潜んでいるか分からない高島の釣りだ。しかし7号ハリスは見向きもされない。初手から数回はサシ餌がそのまま戻ってくる有様で、ヒラマサどころかイサキの気配も無い。

6号、5号とハリスはあるが、およそ1時間後、潮の様子を見極めたここは一気に4号段々鈎にまで手を落として投入。すると小さな雄イサキがウキを揺らした。『やっぱり居ったか』思い通りに嵌った手にほくそ笑むが、しkしイサキは30センチに充たない小物。狙うはババイサキではないか。

今月から乗船は4時。恵翔丸一杯という事もあって、タカイワから磯着けが始まったので(こんなこと初めて)5時前には座につき、午前5時過ぎには釣り始めているのだが、最初の1尾を取り込んだのは、その1時間も後のことだった。渋い。魚が居ない。


凪の海が蒼く見えるようになった午前7時頃。弱い風がさわさわと吹いて気持ち良い。そしてそのときウキが消し込んだ。漸く釣りらしい風景になってきた。竿を起こして手応えから魚を予想する『少し大きなイサキか?』見えてきた魚影を確認すると、なるほどクロか。

仕掛けを投入する場所は正面。左流れの瀬へ乗せても魚信は無く、やはりイサキはまだ深みに居るようだった。しかしその深みも磯から届く50m範囲ではないのか、西磯のようにアタリは出ない。こんな釣況から考えられる攻め手は一つ、正面から左へ流す駆け上がりを手短に丹念に釣ること。タナを変えながらコマセを集中させて魚が巡ってくるのを待つしかない。

入れ食いのような反応は無く、一尾ずつ丁寧に拾い釣るようなタカイワ。それも大きな魚ならガッツも湧くがどれも30センチ足らずの小イサキ。集中力を保たせるほうに苦労する。

午前9時頃になるとイサキの気配は無くなった。居るのは足下のスズメダイとクロの幼魚だけ。試しにメバルを誘い出してみるが、この日はその姿も無い。いよいよする事が無くなった。トビウオを追いかけてメジが海面を割るので、せめてポケットに入れたジグでも投げてみてやろうかと思い立つが、ジグをセットして海を見遣ったら、もう何処で見たのか予想もつかない。諦め。

背後の山から朝の太陽が顔を出した。ウキの蛍光塗料は蒼い海へ映えて良いが、日陰の無いタカイワでは凄まじく暑い。真夏に照りつける太陽とは違うが、磯の暑さに慣れていない今の時期には充分な暑さではある。

こうなると辛い。海はというと、潮は通しているのに、餌盗りまで全員引き揚げたように気配が無くなり、またしてもサシ餌がそのまま戻ってくる。底カゴに不信感を抱き、タル固定に変えてみるが、当然のように何事もなくエサは返品。この上はタル遊動だが、サシ餌が丸残りの状況で仕掛けを作り替えるには、あまりにも理由が無い。タカイワへ立てかけた魔法のタモも沈黙していた。


時間はズルズルと流れて10時を回った。『あと1時間少々か』時計を見て量り、終盤の釣りを考える。考えるとは云っても、魚が居ないのだから手のうちようも無い。こうなったら出会い頭のヒット──この際、マメヒラでも何でも──を狙ってひたすらサシ餌を流すしか無い。

それなら4号段々鈎では不意の大物を取り逃がすおそれがある。ここは真新しい5号ハリスを出し、速い潮を考慮した3尋の仕掛けを拵え、さっそく仕掛けを流す。タナは2本半。深みに入れて瀬に乗せる、そのまま流し切ったら打ち返す。そのうちに何か──。

潮へ思いが通じたか、ウキが消し込んだ。

それはしかし再びウリボウのアタリだと決めつけて、バッカンの中を覗き込んでいると、腹へ当てていた竿尻がグイグイと体を押す。奇妙に思って穂先を見たら、なんと魚が筋を引っ張っているではないか。慌てて体勢を整え竿を起こすと、これはババイサキ!『やったっ!』。

静かに、しかし素早く道糸を巻き取って魚を寄せてみたなら、漸くお目にかかれた40cmクラスのババイサキ。お腹がはち切れそうな魚だった。

これに気をよくして、すぐさま手返しに移る。が、そう簡単に入れ食いとはならない。辛抱しながら打ち返していると、その5分後に再びうきが消し込んだ。いずれも深みではなく瀬の上だ。いよいよイサキ祭の到来か、期待が一気に昇華する。


しかしババイサキのアタリはこの2回。時計は11時を回ろうとしている。11時半の回収を考えると、そろそろ納竿か。時間一杯の15分まで粘ってみるが、2枚目の後にアタリは無く、また何もないタカイワへ戻っていた。

K先生とも話したように、一雨降るか、あと一押しのきっかけでイサキ祭が始まるに違いない。

次回高島は7月か。



後に聞いたところでは、この日のゴウトウ周りはやはり潮が速くて苦戦したという。芳しい釣果ではないが、結果的にタカイワで良かったのだろうか。潮と磯と魚。

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