「BLOG 高島回顧録」洋服屋ふじたの四方山話。釣り、競馬、クラシックカーをこよなく愛する男が書き下ろす散文です。

2019年05月17日

結果的にイサキ6枚でタカミを終えた。

例年、GW明けの高島は釣り物が入れ替わる時期で魚影が著しく薄くなるもの。だが今年はイサキの動向が明らかに早く、先月のノヅキで釣った抱卵イサキがそれを思わせた。

イサキといえばタカイワ。あるいはスズメノコなど、本当ならワレやイワグチでイサキ祭を狙いたいが、単独磯ではそんなチャンス磯へ乗れる日は少ない。また大物が瀬を回るには、いくらなんでも尚早ではないか、そんな流れもあってイサキシーズンが始まるのなら、特大ババイサキを狙ってゴウトウ周りへ入るか、過去データからタカミが良いか、迷う出航前の恵翔丸キャビンだった。

恵翔丸は32111。やはり単独組は最後になる。舟は三杯。必然的に磯は限られる。そしてゴウトウとタカミは共に足場が厳しく、その反面、チャンスは大きい。この日は若潮(長潮の次)とあって潮は小さく、およそどこ磯でも釣りにくいということは無いだろう。そう予見して高島の外周を走ると、ゴウトウには島義丸の釣り人が見えた。

「タカミじゃね、空いとったらお願いします」ブリッジで船長に告げて、タカミの舟着、ヒトリゴト付近へホースヘッドが付けられた。上礁。




さて、タカミ。磯が濡れているときは遠慮していたが、乾いて入れば何とかなる。とは云え、高手で釣るためには重たい荷物を3回に分けて運ばねばならず、釣りの前に体力を大きく消耗する磯。しかし岬になった高手に乗ってしまえば、その座から扇角180度のポイントが狙える。だがタカミの落とし穴はここにある。

タカミの鉄則は岬の前の丸瀬の沖。潮がどちらへ動いても一撃必中のポイントといえる。それでダメなら左右、遠投、さらにタナは深い。沖へ投げればウキ留め糸で数えると8本、9本でもウキが立つということは、水深にして45m以上という値になる。

この手広さこそがタカミの難しさ。たとへばタカイワなら、沖の駆け上がりから瀬を流す釣り方が主体で、あとはタナや仕掛けの小細工で工夫を重ねる。たとえばコダンなら、火電煙突へ払い出す潮を主体に釣りを組み立てる。たとへばノヅキなら、舟着の深みを中心に攻め手を立てる。タナもせいぜい4〜5本まで。

ところがタカミときたらタナは舟釣り並みに深く、必中ポイントが何カ所もあり、時には超遠投やチョイ投げに効果が出て、さらに潮は動かぬか、左右か、当ててくるか、底へ突っ込むか、どうかすると左右への分水嶺に出くわすか、まったく変幻自在の動きに翻弄される。つまり攻め手や海況の変化が多い分だけ、釣り方の組み立てや選択を誤ると総スカンを喰らう。反対に決め手が嵌まると一気の大釣りに恵まれる。

この日もまさにそんなタカミだった。

座に着いて先ず行うのは取り込みの仕度。7mほどのすり鉢状の急傾斜になった磯の先端の僅かな水平が取り込み座。ピトンを打つ隙間は無いので、高手に撃ち込んだハーケンから落下防止の手縄を垂らし、取り込み座へ置いたタモ柄を結ぶ。バッカンとクーラーを安置し、初手を放り込んだのは、もう6時前だった。

丸瀬の沖へウキが立つと、潮はじわじわと左流れ。僅かに押し込んでくる。サシ餌は残る。『ふむ』

少し遠くへ投げるが余り変わらない。イワグチ寄りの潮はほとんど動いていない。イケマ側を伺うと、こちらも鈍い。タナが深いと聞いていたので初手から底カゴ3本で開始して、さて、半時間が過ぎ体力も回復してきた頃だった。

ウキが入った。「おっ、イサキじゃ」幸先の良いババイサキを確捕。ハリスは7号3尋半、定石のカゴスペ11号を結び、ヒラマサの急襲に備える。




これを取り込むのに用心しながら座を移動。うまく掬ってクーラーを置いた高手へ上り、魚を絞めて仕掛けを投入。それから竿をピトンへ掛けて血抜きしていると、またウキが無い。慌てて竿を手に取ってリーリング開始。またババイサキの手応えだ。

座を躙り降りて網を差し入れて確捕。磯をよじ登って魚を絞めて──。

最初の一尾から30分の間に5回の当たり。手返しは5回でいずれも入れ食い。『こうなったら鈎をやめて網でも入れたら良いのではないか?』そう思うほど同型のババイサキが連発した。

だが、タカミの高手にあって5連荘は、もはやナントカ式メゾッドと云えるスクワット。釣っている間に筋肉痛が発症し、腿、腰、背の筋肉が悲鳴を上げている。もうヘトヘト。

幸いか不幸なことか、入れ食いは半時間でピタリと終わった。終わったどころか、生体反応も気配も消え失せた。潮はじわじわと押し込んでくるだけで、どこにも変化が見られない。やがてサシ餌が残り始めた。

『こりゃあ、ヒラが回っとるんじゃ』。根拠も無く手返しを打つ。いや、正しくは、何も居ない雰囲気を強く察知しているが、自己暗示をかけていなければ釣り続けるのが辛い。足元のスズメダイだけが、目に見える魚影ではないか。

朝が過ぎて、タカミ沖に立った棒ウキが赤く反射する。何も起きぬまま時間だけが過ぎる。イワグチのフカセ師の釣りを見物しては出会い頭のヒラマサを待つが、そんな事は起こらない。

偏光グラスをかけて海を見ていると、銀色の腹を見せるように大きな魚影が海面すれすれで体をくねらせている。その前方にはイカナゴのような小魚の群れが、やはり海面付近を大量に逃げ回る。海中のナブラ。

後に聞いたところでは、あの大きな銀色の魚影はメジ、ブリの手前の、つまりハマチらしい。小さなミノーでも持っていれば投げてみる甲斐があったかも知れない。(持っていなかった)

無情な5時間が過ぎた。これからまた磯を下るのかと思うと気が重たい。そこで、舟着横のヒトリゴトから丸瀬のポイントが狙えないものか、その確度や距離を調べて記憶すれば、タカミの高手へ登らなくても勝負が出来る筈。そう考えて磯の大移動。




ヒトリゴトから狙いを定めて投げにくい体制からキャスト。ウキが立ったら竿をピトンへ掛けて、磯を登って高手へ行き、ウキの位置を確認する。再び降りて再投入。また登って確認。これを5〜6回やって、ヒトリゴトの位置を記憶した。またしてもスクワットだった。もう釣果はどうでもいい。

そんな仕掛けにイサキは反応する。一所懸命に汗をかいて高手へ登ってウキを捜すが、これが無い。『無い?』つまりアタリか?

慌てて磯を駆け下りてヒトリゴトへ。もう充分です。

結果的にイサキ6枚でタカミを終えた。

イサキ祭は6月初旬か。








foujitas at 10:23コメント(0)高島回顧録潮待放談 

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2019年04月20日

そもそも高島を目指すようになったのは、沖家室島で真鯛を釣っていて、あまりにもアタリが少ない事に閉口し、時の釣り仲間H師と申し合わせたことが始まり。

本浦の堤防の波返しに立ち、底カゴ仕掛けを遠投する。右手に古谷造船を見ながら、まるで気配の無い海原へ仕掛けを打ち返していると、一日に1回だけウキが消し込む。そんな日が一ヶ月に1回くらいある。つまりとてもヒマで長閑な忍耐の釣り。それでも一年を通じて毎週水曜日、水温が10度を下回っても、雨でびしょぬれになってもH師と毎週欠かさず2年にわたって通った。

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そんなH師と話していると、山陰へ行けば大鯛が釣れる。それもかなりの高確率で、足場のよい堤防から狙える。火電沖波止のことだ。

そして火電沖波止に通い始めると、真鯛に加えてヒラマサの事を知って色気が出る。だが、マメヒラとは云っても簡単には釣れないし、マメヒラ程度の引きでも、それまで体験したことの無い凶暴な手応えを味わう。こうなると目が眩む。

サメを掛けたのに大ヒラマサだと信じ込んで、あの魚を釣り上げると豪語して5号のカゴ竿を買い揃えた。そうして火電沖波止で稽古を積んで、遂に高島へ渡った。

まともな釣果が出せるようになるまで何年か掛かったが、それでもチャリコクラスの真鯛は釣れていた。コダンやイケマでは一人数枚も。カンシキで大鯛とか、コスズメで大鯛とか、地ゴウトウで大鯛とか、もちろんワレやイワグチ、ゴウトウ周りでも真鯛はよく釣れていた。

数年前から様子が変わってきたのだろうか、2月頃に真鯛が見えるが、その数は地味なもの。尤も、青物と違って大きな群ではないので、立て続けに真鯛ラッシュという事はないけれど、高島の真鯛は本当に少なくなってしまったのだろうか。

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foujitas at 15:04コメント(2)潮待放談 

2019年04月19日

今回も師匠に敵わなかった。結果的に大鯛で持ち直したものの、あの大ヒラマサには参った。

チャリコが掛かって、ハゲが掛かった。その頃に潮が一変して右流れになった。同時に餌盗りが出てきて、釣況は展開していた。師匠は僅かな釣況の変化を感じ取り、仕掛けや手を変えて獲物を釣り上げる。その方法というかタイミングは些細なもので、一緒に釣っていると『何故、今のタイミングでタル?』と怪訝に感じることも少なくない。

よく判らないが、その師匠と同じタイミングで手を変えたら、あらビックリ、ヒラマサが釣れた!という事もある。その師匠が、今回は潮の向きが逆転したことを知って座を動いた。今回は潮上を嫌って、かつ瀬の上を流す作戦だった事は想像できる。

しかし、その集中力は違っていた。

餌盗りが出た事を察知したのは二人同時。こちらはハゲが釣れた直前の体験もあって、続いてハゲを釣ってお土産確保に走った。いまの内にハゲを釣っておき、次ぎに潮が変化したタイミングでヒラマサ狙いに戻そう、そんな目論みで釣っていた。

しかし師匠はマジマ側の座へ移り、執拗な手返しを続けている。

「そっち、エサ、残りますか?」
「残るねえ」と師匠。

そう聞いても、こちらはサシ餌が落とされるので依然としてダンゴ鈎や段々鈎で雑魚を釣り続けていた。そんなときに師匠が大きなイサキをゴボウ抜きにした。『おおっ、やっぱり居るんか』ちょっと羨ましく思いながらも、依然としてこちらの手の内は変えない。

「5号ハリスが要るねえ」と冗談を飛ばしていた直後、そのヒラマサは師匠の竿を曲げていた。

完全にやられた。師匠はイサキを釣ろうが何をしようが、信念でもあるようにヒラマサ仕掛けを変えずにコンスタントな手返しを続けていた。投入ポイントも同じ。

釣りの集中力というのは、針の穴へ糸を通すような集中ではなく、長い時間にわたって気を散らさずに打ち返すことが出来るかどうか。それも無駄に打ち返すのではなく、潮の変化や餌盗りの具合、水温、潮の様子、もちろんタナや仕掛けに配慮しながら、小さな変化や合図を見逃さない集中力。

これが出来ると出来ないでは、釣果は大きく異なる。
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そう考えると、一人磯で釣っているときでも、おかず確保と云っては違うことに時間を費やすことがある。余計な事をしないで集中力を保っていれば、もしかしたら、丸で気配の無い磯でヒラマサを引きずり出す事ができるのではないか、あのノヅキの師匠のように。

しかし一方でK先生のように、臨機応変な仕掛けで確実におかずを持ってかえる釣りもある。ダメと判断したら、そこで釣れる魚を釣る。それも高島の釣り。だがK先生は、そんな事を云いながらでも年間100本を超えるヒラマサを釣り捲る。鬼じゃ。

また、T大先生は集中力が切れそうになると竿を措いて休憩する。6時間しか無い高島の磯で、敢えて釣らない時間を過ごす意味は、すなわち気分転換。よこしまな考えで自滅するくらいなら、30分ほど磯で居眠りしてでも、残りの時間に集中力を持続的に発揮するほうが良い。

釣りはすべからく集中力と見極め。まだまだ修行は続く。

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foujitas at 14:34コメント(0)高島回顧録潮待放談 

2019年04月18日

高島、ノヅキ。島表に位置する磯は底物のポイントとして有名な場所で、カゴ釣りが盛んになってから改めてクローズアップされたのかも知れない。ヒラマサ、真鯛とも良績が挙がり、ナベやマツザキと並んで人気を博す。足場が広く、大人数でも釣りやすいことも評判が良い。

しかし一方で時化には弱い。島表ゆえに北よりの風やうねりが生まれると、釣り座が低いこともあって、簡単に磯が洗われる。海上保安庁の指導もあり、ノヅキへの上礁は2名以上と規制されているという。実際、規制がかかる前の一人ノヅキで天候が急変。風雨に叩きつけられる磯では、恐怖に包まれながら回収を待つ以外になかった記憶も残る。

さて、正味5ヶ月ぶりとなったこの日の高島、というか釣りの一日は、師匠の第一人者M師と竿を合わせることになった。師匠には、10数年前に高島のイロハを教わる一方でカゴ釣りのあらゆるテクニックを盗みに行った御仁。なにしろ鬼がつくほど釣る、あの執念というか腕は、高島の四天王の一人と云っても決して過言ではない。とにかくよく釣る。そんな師匠だが、近年はこちらが休みを失っている事もあって釣り日がなかなか合わず、何年かぶりの二人磯上がり。率直に楽しい。

「ノヅキかね?地ゴウトウかね?」「やっぱりオモテに行きとうなるよねえ」などとタカミやコスズメを差し置いてでも、上礁チャンスが少ないオモテ側の磯を詮索する。船は磯上がりが16名で、なぜか水曜日だけ大人気。コダンから付けてフジタチームは5番手のノヅキ。

「さあ、どこでも釣ってくださいよ、師匠とじゃったら、どこでもええですよ」。近くのポイントで仕掛けが錯綜しても、師匠となら話しは簡単。潔く譲れるというものだ。かくて舟着の座を戴き、師匠は突き出した先端の座へ。二人が竿を並べる。

『ノヅキは舟着正面の深みを釣れ』。ノヅキの潮は左右のどちらに流れても釣れる。船長に訊くと、相対に左流れが良いというが、これまでの経験は右流れでも悪くない。ノヅキの正面には沖へ向けた海底の割れ目があって、その左右は浅い瀬が続くとされる。西向きはマツザキ、東向きはマジマへ向けて浅くなるので、その駆け上がりか、または瀬の上を釣るのが定石。希にマジマ側の「ヘイノク」前の浅い瀬でヒラマサが掛かる。

そんなワケで午前6時前、正面へ初手の底カゴを投入、潮を窺う。ウキはゆっくりと左へ流れて、途中から速度を上げる。つまり深さが変化して流速が高くなる、川の流れと同じ理屈で海底の瀬を推測。マジマ側の瀬へ入れたウキは早く流れたかと思うと、やはり正面の深みで速度を落とす。遠投が基本だが、およその位置で地形を見立てる時間帯。

しかし1時間が過ぎてもアタリは出ない。出ないどころかサシ餌はあらゆるタナで残る始末。近くの磯際では何かがサシ餌を突くが、遠投した沖合では、仕掛けが根掛かりするほどに入れても結果は同じ。魚が居ない。

「赤潮が出とったんじゃけえ、水温が上がっとるでしょうがねえ」とか、「この正面の駆け上がりで鯛がウキを持って行くんですよね」などと師匠へ話しかけ、手持ちぶさたの間を潰していたときだった。

「入った!」。こっちのウキだ。ポイントはやはり正面左寄り、左流れの潮だからいわゆる潮表の駆け上がりという、まさに定石通りのヒットだった。尤も手応えは小さい。クイクイと竿を叩くところから真鯛を予想。40センチに充たないチャリコだった。

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しかし貴重な初物。餌盗りさえ見えなかった海域で獲物が掛かったというのは、しぼみ掛けた期待を膨らませる出来事には違いない。『これならヒラも周りようるに違いない。餌が残るのはそのせいじゃ』予想のベクトルも180度転換するのだった。

そこから喰いが立つかと思ったが、どうも今日のノヅキはそうでもない様子で、だが餌は落とされ始めた。傾向は悪くない。そう思いながら師匠が仕掛けを回収すると、こちらのウキが無い事に気付いて「ごめん、仕掛け引っ張ったわ」。「いえいえ...」そう云いながら回収を始めると、こちらの仕掛けにはハゲ。外道とはいえ、よく肥えたウマヅラハギだった。

半時間が過ぎたころ、ノヅキの潮が劇的に変化した。それまでゆっくり左流れだったのに、磯際の潮は強い右流れ。驚いていたら、一旦左へ流れていたウキが巻き戻し映像のように右へ流れ始めた。高島ではドラマチックな潮変わりをしばしば体験するが、こんな変化は滅多に見たことが無い。いったい、どう釣ればいいのか。

そして師匠は座を動いた。「ちょっとこっちで釣るわ」潮下へ座を移し、右沖の瀬の上を流し始めた。『なるほど、瀬を釣るか』師匠の手の内を観察しながら、こちらは深みの駆け上がりを狙う。餌盗りの正体は何か、ハゲが居るのならハゲを釣るか。師匠や先生たちは、釣況に合わせて自在な仕掛けでお土産を確保していた。『ここはダンゴでウマヅラを追加するべき』と判断し、大マサを警戒する7号ハリスを外す。

ところがウキを揺らすのはハゲではなくチビイサキ。まあ、丸焼きにくらい出来る魚だが、こんなのを釣っていたのでは何もならない。自嘲気味に鈎からイサキを外していたら、師匠が大イサキを抜き揚げた、なんと!

「こりゃあ5号が要るかね?!」冗談交じりに云う『イサキが居るんなら段々鈎じゃ』。こっそりと仕掛けを交換して、依然としておかず確保に余念なく釣っていたところ──。続いて師匠の竿が満月のように曲がっているではないか!「うわ、ヒラじゃ!!」後悔先に立たず。

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またしても余計な釣り方で貴重な時間を浪費していたら、その隣で寡黙に打ち返していた師匠がヒラマサを釣る。これは10年前に習得した一番ダメな釣り方。執念深く狙ったポイントへ、なぜ打ち返さないのか。ヒラマサは磯際へ寄せられても抵抗を止めない。何度も突っ込み、そのたびにがま磯の穂先が海面へ突き刺さろうとする。掬ってみたら、なんと80超えの大ヒラマサ。『またやられた』orz....

猛省。こんな事をやっていたら、いつまで経ってもヒラマサなんて釣れない。久々の釣りで集中力が保てなかった事を省みて、さっそく段々鈎を中止。再び7号一本鈎でヒラマサに備える。だが影響は、これだけでは済まなかった。

「大きかったですねえ、あの辺ですか」相手が師匠なだけに、そう凹んだ気分でもなく、無事に掬えた事に安堵しながら、しかし気分はヒラマサを掛ける気満々。そんな手持ちの竿を道糸が引っ張った。

「わっ、来た来た!」。『やっぱりヒラはまだ居るんじゃ』慌てて臨戦態勢。ベールを戻して竿を立てる。竿が撓ったところで手応えが消えた。「ありゃー、外れたわ。餌を銜えたとこへ合わせたけえ放したんでしょう」見たような事を云って己を慰める。今度はもっと走らせてやろう『豆ヒラみたいな居食いをしよる』勝手な想像をして自信を漲らせる。

だが、原因は違っていた。完全な思い上がり。仕掛けを引っ張っていたのはヒラマサではなくイサキ。もっとも手に来るくらいなので小さくは無いが、決してヒラマサなどではない。それを「オレにもヒラが来た!」と決めつけて大合わせ。あんなに竿を立てたらイサキの口なんて一溜まりもなく切れる。そのことに気付くまで2〜3枚のイサキのアタリを無駄にしてしまった。アホか>自分。

そうと解ればこっちのもの。ヒラマサを警戒したハリスはそのままに、瀬を流してはイサキを追加。右流れの潮でも、やはり魚はパラパラと掛かる。長閑な風景がそこにあった。

高島で釣り悩んでいた頃なら、ここで自滅していた。相手は魚なのに、一緒に釣っている仲間の釣果に嫉妬して手が乱れる。それまで造り上げたコマセ場を見捨て、所構わず仕掛けを投げまくる。仕掛けを変えたり、ハリスを落として千切られる、丸でトンチンカンな釣りで時合いを流し、貴重な時間を失ってしまう。仕舞いには道具の扱いが乱雑になって筋を切る、竿を折るなど、まったく碌でもない事に沈んでいた。

だが、今日は違った。成長分と云っていいのか、相手が師匠だったからそうだったのか、人を妬むよりも半年ぶりの高島の釣りに感謝する思いが先に立ち、和やかに手返しを続けていた。午後11時。終了まで1時間を残して師匠は納竿。潮は再びゆっくりした左流れになり、残った磯を独り占めに仕掛けを打ち返していた。イサキが遊んでくれた。『これでいい』。

納竿まで10分。この一投を今日の最後にしよう。師匠のヒラマサを掬い、チャリコとは云えお目当ての真鯛も釣って、重畳なる一日ではないか。サシ餌を付け、正面の深みへ遠投。早朝のチャリコが掛かった辺りへウキが達したとき、強烈な勢いでスプールの道糸が弾けた。

「来たわ!」
「やったねえ、獲りんさいよ。獲ると獲らんじゃ大違いよ」

剛弓が円を描く。ポンピングでなくては寄せられないパワーで道糸が引っ張られる「どこへ寄せましょうか」、右手で竿を支えながら足場を確認し、浮いてきた魚影に目を遣ると、それはヒラマサではなく真鯛、大鯛だった。凹まず執念をもって打ち返した仕掛けに、最後の最後、高島の女神が微笑んだ。

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こうして半年ぶりの高島が終わった。聞けば東の磯でも80超えの大ヒラマサが揚がったという。アタリの数こそ少ないが、連休前のこの時節に魚が見えるのは良い傾向。結果的に真鯛2、イサキ3、ハゲ1なら上出来ではないか。

お腹をあけてみたイサキは、もう真子を抱いていて脂肪も蓄えていた。今年のイサキ祭は、少し早い立ち上がりかも知れない。VIVA高島!

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foujitas at 18:24コメント(0)高島回顧録潮待放談 

2019年01月01日



foujitas at 07:57コメント(0) 

2018年12月05日

気がついたら3ヶ月が過ぎていた。前回のタカイワは半袖のシャツ一枚で釣っていたが、早12月ともなれば長袖どころか、磯での防寒も考えなくてはならない。しかし折からの暖冬で、気温の表示こそ15度に達しないが、やはり極寒というワケではない様子。

そもそも風が強くなる予報で恵翔丸の出航も微妙だったが、なんとか出航。3人組を筆頭に、ピン釣り師が数名という布陣。舟は恵翔丸一杯なので、船内の磯割は和やかなもの。そうは云っても強風とうねりもあって、おそらくは西のイケマから精々スズメノコまでの地方だけが釣れるだろう。

そんな事を思いながらブリッジを覗くとMS師の姿。夏以来の無沙汰に盛り上がり、乗れる磯も少ない予測から、良かったら一緒に──と話しがまとまって、スズメの上礁を目論んだ。

12月初旬の高島は、実はそう多くの経験が無い。秋は釣りのチャンスが少なく、釣行前にブログを振り返ってみたところ、11年の同時期にタルで大釣りをした記録があった。磯はミヤノシタとタカイワ。この印象を強く持ってしまったことが、この日の釣りにどのような影響を与えるのか。

首尾良くスズメに上礁。曇天のこの日は6時半になっても遠くのウキが見えない。タルと思いつつも、しかしやはり初手は底カゴ。真鯛でも居れば、最初の5手ほどで当たりが出る。連続水曜日などでタル絶対有利という流れでもあるならタルスタートもあり得るが、やはりほぼ底カゴを繰り出してしまう。

御託はさておき。予見していたとおり餌盗りの猛攻は凄まじい。およそ磯から30mは見捨てて遠投を試みるが、それでも仕掛けが棚へ到達する頃にはサシ餌は無い。ウキが立って20秒もすれば餌は無くなり、やがて、仕掛けの投入に応じて海面が盛り上がり始めた。ウスバハギだ。

潮は鈍く引かれる「ように右流れ、スズメの潮だった。やや沖目の正面は不利と云われる左流れの満ち潮。

狙うはヒラマサ。ウスバハギも土産に持ち帰りたいが、今の時間帯にウスバを狙っているようでは本命に出会えない。すぐさまタル遊動に切り替え、右流れの潮筋をコダン方向へ見つけ、しつこく投げ続ける。

しかし当たりらしいものは出ず、あまりフナヒキの方へ寄るとベラが邪魔をする。MS師は堪らず座を変更。カンシキ側の高手へ上がり、正面の左流れを釣り始めた。依然として餌盗りが多いが、タルで沖へ投げて流せば芽があるのだろう。

そんなMS師がイサキをゲット。大きなイサキで羨ましい限り。こちらは左流れを嫌い、右流れのギリギリの線を攻め続ける。あっという間に3時間が過ぎた。

サシ餌は一向に残るような気配は無く、鈎を見ると塗装が落ちている。ウマヅラだ。

MS師のタル×イサキに後ろ髪を引かれるも、しかし当節のウマヅラなら食べるには充分な獲物。こちらを釣るべく、ダンゴ鈎の登板。目論み通りにウマヅラが連発し、都合3枚を釣った。

しかしそのほかはと云うと、ウスバハギの姿は見えず、なんとムロアジの猛攻。ウリボウでもなければベラでもない、晩夏に邪魔を繰るムロアジが大量に沸いていて、着水したタルに群がる。これに加えてヒラマサの当歳魚も居るようで、とにかく釣りにならない。

それでもチビイサキ、中イサキを鈎に掛けながら、遂にはタカベの登場。タカベと云ったら、真夏の魚だ。

水温はさほど高いようにも感じないが、まだ夏魚がウロついている事は間違いない。

それでも大ヒラマサの噂も聞こえてくる。翌週は風雨でダメ。年内最後のチャンスとなる次の水曜日に賭けるしか無い。

かくて、ほとんどおかず釣りの高島だったが、やはり磯に立って仕事から離れて過ごす高島の半日は、この上なく豊かな時間。また行こう、高島へ。



(釣行日:2018.11.28)

foujitas at 19:44コメント(2) 

2018年11月27日

8月の暮れに高島へ渡って以来の無沙汰。9月、10月、11月のハイシーズンを選挙と祭、商店街のお役目でやり過ごしてしまった。

唯一の情報源だったホームページ「沖、磯釣りドットコム(http://oki-isoturi.com)」の高島釣果情報も11月から停滞。それでも毎週水曜日には高島を目指すも、やはり時化やら前夜の飲み会などに阻まれてアウト。

今年のチャンスもあと二回。はたして──。

foujitas at 10:38コメント(0) 

2018年09月02日

大潮の高島に苦手意識を持ってしまって久しい。中潮の後の長潮はもっといけないが、潮が大きい大潮3日目という日は、二日遅れで潮が来るといわれる高島では、最も潮が大きい日となる計算。実際の磯では、それが影響しているのかどうかのか、様々な苦手が待ち受けている。

この日の恵翔丸は3221111で11名。当然、最後のほうの磯上がりだが、磯選びに迷う。潮が大きければ西磯は剛潮となる。コダンや地ゴウトウなど岬とワンドを持つ磯では、沖の潮の勢いが増して引かれ潮が出る可能性がある。

そうなれば地ゴウトウやスズメは面白いが、この日の島表はダメ。スズメも一か八か。理想的にはイケマ、タカミと行きたいが、そんな一級磯が空いているワケもない。

恵翔丸は最終組に近づき、名手F師が「フジタサン、ワレ一緒にどう?」と誘ってくれた。一瞬心が傾いたのだけれど、心の声は『大潮ならタカイワ、瀬釣り』と脳内へ語りかけ、誘いを丁寧に断る。ここで明暗は分かれた。

結果的にワレはカツオが3本も釣られ、F師の敏腕を証明した。一方、タカイワは──。

タカイワ。夏のイサキとマメヒラは瀬を釣れ。たしかに格言ではあるし、言葉のような結果も出してはきたが、この日のタカイワには手を焼いた。

午前6時ころに磯へ座を据え、まずは底カゴを投入。予想通りサシ餌は瞬殺。やはりタルだ。それに潮が動いていない。潮汐表はアテにならぬが、いつもの高島ならこれから7時にかけて通し始め、タカイワの釣りが活発になるはず。しかし待てど暮らせど新たな気配はなく、まったりとうす君が浮かんでいるばかり。

それでも7時前にタルウキがモゾモゾするのを目撃し、マメヒラの居食いを見抜いた。竿を起こし、きっちり鈎を掛けると、そのまま強引に取り込み。鈎はマメヒラの咽の奥へ掛かっている、まったくいの居食い。放っておけば吐き出されるか竿に乗る前に外されるか、危なかった。

タカイワのアタリは実に渋い。いつまでたっても動かない潮に業を煮やし、正面左の瀬の上を仕掛けを直接投入。動かぬ仕掛けを誘って誘って、どうにか釣り上げるのがイサキの中サイズ。魚は小さいかい、潮あ行かないかい、全く持って釣りにくい。


そうこうしている内に、潮は右流れ。つまりタカイワでい逆潮だ。これは堪らん。朝間詰めから9時までのゴールデンタイムに逆潮では、ほとんど打つ手が無い。仕方なく瀬の上を転々と投入点を変え、まさに拾い釣り。

大物など出るはずもなく、中イサキの途中に40超えの復活イサキが竿を曲げる、とは云っても頑張って3枚。あとは中イサキとチビクロばかり。ハゲも見えない。

5号のハリスで喰わぬなら、イサキ用の4号段々鈎改で挑む。これ魚が出なかったら、それはもう魚が居ないと判断して良い。ハリスを落とすと、その一投目に中イサキが掛かったが、アタリは散発。どうにも判断できないまま11時の納竿を迎えた。

結局のところイサキ10、マメヒラ1、チビクロ1という、アタリの数だけ一人前という無情な結果に終わった。ついぞ潮は納竿しても右へ引っ張っているだけだった。あかん。

瀬釣りは潮の釣り。僅かでも潮の動きを感じて、瀬のあるところへ餌を入れ、瀬をうろついている獲物を誘って喰わせる釣り。非常に地味で難しい釣りだが、今回のタカイワは学ぶことが多い釣りだった。

次週はまた台風か?


(釣行日2018.08.28))

foujitas at 18:37コメント(2)高島回顧録潮待放談 

2018年08月04日

前週は不慣れなナベで苦戦を強いられた。獲物が無いではなかったが、やはり満足に釣り切ったとは云えない内容。この時節だけに、一発の大物というより自身で納得のいく釣りで一日の高島を過ごせてこそ、釣った感覚が味わえるもの。その意味では、不慣れなナベを選んだ時点で負けていたも同然か。

そんな反省をしつつ中1週を空けた高島。おりからの猛暑もあって今度は釣り人が少ない。西磯、島表、ゴウトウ周りと選択肢があったが、ここは敢えて得意とするタカイワで勝負。相手がイサキやマメヒラなら夏の瀬釣りの真骨頂が味わえる。

争いもなくタカイワへ。もとよりハリスは5号でスタート。もはやヒラマサは豆サイズと決めてかかる。5号という選択肢は中途半端で出番が無かったが、この時節にはイサキ、マメヒラ、ときにカイワレやカツオなどの魚にも対応できる仕掛け。しかもスタートから改良段々鈎。

午前6時より早く初手。しかし潮が鈍く、アタリは遠い。ここはしか焦ってはダメ。潮が行き始めたら必ずマメヒラは寄ってくるに違いない──そう信じて、とにかくサシ餌に神経を尖らせておくべきだ。

仕掛けはマメヒラの居食いにも対応できる、金龍の捻り鈎を中鈎に、またカゴ錘も一段軽い物に換装し、棒ウキの感度を上げておく。大遠投は苦手だが、軽い仕掛けのほうが潮乗りも良い。

そんな仕掛けにさっそくマメヒラが食い付いたのは、午前6時30分だった。5号ハリスのバランスを考えながら取り込み。タカイワの取り込みリスクはとても低い。


7時前には餌盗りの活動が活発化。底カゴではまったくサシ餌が残らない、それどころか着水から1分もしないうちにサシ餌は落とされているので、これでは勝負にならない。堪らずタル固定に変更。サシ餌さえついていれば、そのうちにアタリは出る。

予想的中。7時を過ぎると徐々に潮が通し始め、えきるだけサシ餌を温存させるために、投入点を瀬頭に決める。駆け上がりに流し込むのではなく、駆け上がりから瀬を流す釣り。その手で仕掛けを流し続けると、およそ10時方向だから、かなりコスズメに寄った辺りでうすくんが引き込まれた。マメヒラ。


そんな調子でポツリ、ポツリとマメヒラを掛けていたところ、やはり瀬の上のタル固定に勢いのあるアタリ。午前8時だ。

少し潜ったかと思うと横に走り始める。しかしなかなかの手応えで剛弓を胴からひん曲げる。5号ハリスを労るべくドラグを弛めて応戦。どうやらカツオらしい。

少し時間をかけて寄せてみると、タカイワの磯際で浮いてきたのは、同じカツオでも胸の斑点をもつスマ、高級魚だ。そういえば本ゴウトウでスマを釣って以来、何年かぶりの獲物。ハリスを弛ませないよう用心しながら、魔法のタモでこれを確捕。ありがたい!

カツオやマグロは口が堅いせいか、網で掬った後に鈎はすっぽ抜け。ハリスを緩めていたら、バラしているところだった。くわばら、くわばら、やはり取り込みのテクニックは重要な釣技である。


スマに気をよくして続投。そろそろ日が高くなって暑い。この日は猛暑のため10時半の早上がりが話し合われていて、釣り時間が短いが、実際にはそれが正解。タカイワなんて1ミリの日陰も無い。

午前10時になるまで、サシ餌を残すことだけに集中し、投入点を決めてひたすら打ち返す。その間にマメヒラ3本追加、さらにネリゴが群れているらしく、居食いとスレで小型のネリゴを確捕。

10時頃にはもう暑さは本物で、アタリも遠のいて久しい。はっきり云って早く帰りたい。(笑)

そんなワケで10時15分に竿を措く。出来上がりはマメヒラ5、スマ1、ネリゴ2。短時間のタカイワなら、こんなものか。(今年はマメヒラの虫に出会ってない)


(釣行日2018.07.25)

foujitas at 19:01コメント(2)高島回顧録潮待放談 

2018年07月29日

7月になって高島の水曜日が続く。イサキ祭も終わってしまったが、やはり磯に立って一心不乱に過ごせるのは幸いな事で、猛暑を推してでも行く甲斐がある。とはいえ、なかなか良い事にはならぬもの。この日の恵翔丸は10数名で、やっぱり磯上がりは最終組。残った磯に福があるのかどうか。

ゴウトウ周りが空いていたが、朝イチの船長の「昨日は下げみたいなんが行きようった」という一言が気になる。ゴウトウに居て逆潮は辛い。かといって、夏は瀬とする、地方の逆潮も釣りにくい。くわえて西日本豪雨災害で出た大量の流れ物では、タカイワ辺りも釣りにくいだろう。

名手が大イサキを連発したナベか、引かれ潮を期待して地ゴウトウか。結局、単独のナベを決めて磯上がり。いにしえの高島を繙くと、ナベ島はコダン鼻と並んで高島の著名な磯。付近にはゴウトウと呼ばれた磯もあるなど、この島への興味は尽きない。古い文献によると、ナベから北東へ向けた瀬があり、格好の漁場だという。

さて、そのナベ。一人では広すぎる磯ではあるが、単独釣りで取り込みを考えると座はおのずと舟着付近の一カ所になる。磯は広いので道具の置き場に困ることは無いが、掬い易いかといえばそうでもない。

初手。底カゴ+3.5尋の6号ハリスで様子を窺うが、ほとんど潮は動かず苦戦を予想させる。ポイントは総じてホトケ岩を背にした正面から沖のマジマへかけての海域。ただしそれはヒラマサのポイントであり、イサキがどう反応しているのか経験と情報が無い。

サシ餌は残ったり落ちたり。潮も撚れたり停まったり。流れ物が動き出したことが、潮が立ってきた証拠。およそ半時間後に中型イサキがウキを持っていった。

しかし後が続かない。パラリ、パラリと小さなイサキは鈎に掛かるが、タカイワやコスズメのような卵を下ろしたババイサキが見えない。マメヒラが居るかといえなそうでもない。志気が上がらぬまま後半戦へ。

後半に入ると撚れていた潮が上げ潮方向へ動き始めた。こうなると手詰め。この潮で大きく釣った記憶が無いだけに、どこをどう釣れば良いのか見当がつかない。瀬や深みの場所を知っていれば攻めようもあるが、朧気な記憶を辿って、ホトケ側の広い座へ移ってみる。

だが、これは骨折り損。流れ物も酷く、潮は撚れるばかりでスカッと通さないし、2〜3回の手返しで降参。元の座へ戻る。


時刻は10時を過ぎて暑い。アタリも遠のき、魚の気配さえ感じない時間帯だった。餌盗りと闘うのもしんどいので、タル固定にして正面へ放り投げ、竿をピトンへ掛けて置き竿。一段低いところへ置いたクーラーの手当をするため座を離れていたときだった。

猛烈な勢いで竿が引っ張られている。仕掛けはイサキ仕様の4号段々鈎。こんな力で引っ張られたら、結び目は一溜まりもない。大慌てで座へ戻り、ベールを起こして凄まじく走り出す糸を手でブレーキを掛けるが、獲物は止まらない。

遂に竿を起こせないまま道糸が止まった。万事休す、獲物は瀬へ入ったらしく、ビクとも動かない。5分ほど押したり引いたりするが動かず。仕方ないので道糸を引っ張って千切ってみると、なんと段々鈎の中鈎がエダスから無くなっていた『そんなに浮いていたのか...』。

気を取り直して続投。終盤になってマメヒラが掛かってくれて、中イサキばかりだったクーラーの中がようやく高島らしくなってきた。

潮は満ち潮方向へ流れ始めた。こんどはシャンシャンと通す潮で、あきらかに潮相が違う。こうなるとお手上げ。この潮のなってからの攻め手が分からず、半信半疑というか、何か分からぬまま仕掛けを投入するのだが、アタリのイメージも持てない一手で魚が釣れるワケがない。

やはり経験不足というのは大きなハンデになる。磯にあって、時間帯や潮の様子、餌盗りの様子など、磯で得られる情報を集め、どんな時にどんな手が最善手か、あるいは敢えて2番手を繰り出すか、それは釣果を大きく左右する。

結果的に中イサキとマメヒラ。そしてハゲ。一応に獲物はあるが、なんとも釣り切った感のないナベだった。修行が足りぬか。



foujitas at 16:54コメント(0)高島回顧録潮待放談 

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