2010年01月22日

高島地のゴウトウ(考察)海苔と釣り

「タルできたかの!」

大浜へ帰港する恵翔丸の中で、O師が一際大きな声で云った。鳴り響くディーゼルエンジンの音に混じって、地のゴウトウの様子を話していた時だった。O師に曰わく、ヒラマサはカゴで釣ったと思っていたという。

「そういやあ海苔が少ないんよ。水温が下がってないんかのう」O師は続ける。

なるほど、海苔の育成過程を考えると、秋になって海水温が下がったら海苔は芽を出す。養殖においては、冬季に二番めに発芽した苗を採取し、少しの間、空気中で乾燥させ、それから再び海水の中で育成を促すらしい。

海苔が発育するとき、海水温が下がらなかったり、あるいは一度下がった温度が再び上昇することがあるという。こうなると海苔の養殖は不作となる。

八管による浜田漁港の海水温は例年のような値を示しているが、潮流によって運ばれる海水は僅かでも平年より高いのかも知れない。

O師の話しを続けるなら──水温が下がりきらない秋のヒラマサは、瀬に着いて浅いタナを泳ぐ。よって仕掛けは餌盗りとの分離も鑑みて、圧倒的にタルウキが有利になる。しかし水温が下がって餌盗りが居なくなると、ヒラマサのタナは深くなり、むしろ底カゴに分がある。

さらにはワカナの動向だ。例年、ワカナは水温が低くなる12月には沖へ出てしまうが、今年は未だに高島周辺で鈎に掛かっている。

たった三つの事実で結論を導くのは危ないけれど、「海苔が少ない」、「タルでヒラマサ」、「ワカナの釣況」は一様に水温が下がっていない1月を暗示しているではないか。

加えて、地球温暖化による海水温の上昇は、もはや疑う余地もなく地球規模で叫ばれる危惧である。

一介の釣り人が海水温を云々したところで戯れ言に過ぎぬけれども、磯上がりのとき『おや、海苔が少ないかのう』と察知したなら、『ヒラマサにはタルウキが有効かも知れない』という推理が出来る筈。

図らずも、地のゴウトウにおける真鯛は、5枚のうち3枚がタル遊動で釣り揚げられた。これも、もしかすると奇妙な水温の様子に何等かの遠因があったのかも知れない。

釣りの腕は、なにも仕掛けを投げ入れたり、魚を取り込んだりする事ばかりではない。

自然環境の些細な異変を日々に得た経験則に照らし合わせ、そこから弾きだした推論の下に、その日、その時の釣り方で試みる──これが当たっていれば、その釣りは「BINGO!」なのであるねえ。

未だ々々、高島の修行は果てしない。


余談。

上図は地のゴウトウの磯際、船着き付近の写真。

少ないとは云え、びっしりと貼り付いた海苔は大変滑りやすく、真新しい磯靴に助けられた。スパイクが磨り減った磯靴では底ゴムが海苔に接して危なかったに違いない。備えあれば憂いなし。(^-^)v

真新しいバッカンは、まあ、そのアレだ。見た目に美しい事以外は、チャックの動きが良い程度か。(笑)

foujitas at 07:55コメント(4)TB(0)高島回顧録 | 潮待放談 
グーグルの広告です

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by みやちゃん   2010年01月23日 08:26
拝啓、藤田様
いつも楽しく拝見させていただいております。
私、出身が長崎県で現在広島市内西区在住のヘッポコカゴ釣り師です。
実はふじたさんが、あるお方(私が知るかたの)記事を発見し、迷われてる面もあるのでは?と考えメ−ルしました。
それは 上五島ヒラス関連記事 中原氏の記事です(アタリうきなど)
私、実は中原氏と以前交友があり、よく釣りを教わってました。あの記事、実際とは若干、異なり、アタリウキ固定しておられましたよ。
(フリ−では使用してなかった)
実際、私の釣り経験ではホ−ムグラウンドは上五島を基点とし現在は浜田、三隅、(福岡沖ノ島も経験あり)です。
もし私の誤解でございましたらお許し下さい、長文失礼致しました。
2. Posted by ふじた   2010年01月23日 09:26
みやちゃんさん^^
初めまして。いつもお立ち寄りくださり、ありがとうございます。
良いお話しを拝読しました。なるほど、あの中原さんの実際は、そういうワケなのですね。目から鱗が落ちたというか、謎が解けて溜飲を下したような期がします。
お話しいただいたホームページは、確かに拝見しています。拝見どころか、隅々まで嘗め回すように読みました。
その記事の中で、アタリウキについて二通りの記述があり、お察しの通り途方に暮れていました。
仕掛けの写真を見ると、カラマン棒を活用されアタリウキは固定しているように見えました。が、仕掛け図を見ると「←フリー→」と書いてありました。
高島で先輩から教わったアタリウキは固定。これをフリーにする事に、どのようなメリットがあるのか、いろんな理屈をこねて悩んでいたようなワケです。
誤解なんて滅相もありません。教えて頂いて頭はスッキリ。ありがとうございます。どうか、これからもよろしくお願いします。m(__)m
3. Posted by みやちゃん   2010年01月23日 11:50
5 藤田様、さっそくのお返事ありがとうございます。
中○さんはそれまで佐賀県武雄市で釣具店を営まれておられましたが数年前店を閉められて釣り場にも沙汰がなくなってしまわれました。確かな腕はあったのですが、やはり業界の厳しさもあったのではないかと悔やまれます。私も中国地方に転勤で上五島釣行きは1シーズン2回位と激減(地元居た頃は毎週)、かわりに浜田に通ってます、是非、休みが会えば 「OJT」を宜しくお願いいたします。
実は明日朝、高島予約をしています。
4. Posted by ふじた   2010年01月23日 15:13
みやちゃんさん^^
これはコアなお話しをありがとうございます。
武雄で釣具屋さんを営んでいらしたのですか。道理でホームページを拝見したとき、その仕掛けが洗練されていた筈です。ヒラマサ釣りに関する記述は多くなく、いきおい釣具メイカーのサイトに辿り着いてしまうのですが、氏の解説は実践を知る方だけが明かせるような内容。仕掛けや道具もシンプルで、手返しに負担が無いように感じました。
OJTなんて恐れ多いです。上五島や宗像沖の島といったら、それこそヒラマサのメッカ。高島しか知らない私が教わる立場です、はい。
でも、もしお休みが合えば是非、ご一緒させてくださいね。高島は喰わなくても行ってしまいます。(笑)
先週は餌盗りも少なく、釣りやすい一日でした。早い時間に最初の一本がとれると良いですね。爆釣祈願!(^^)v

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
BLOG foujitas
高島回顧録


ADMIN


必読オススメBLOG(^^)

いろいろ報告…錦帯橋

【プロフィール】
ふじたのぶお


最新のコメント
  • ライブドアブログ