2010年01月27日

三崎[馬のハエ](釣行記1)宇和海を釣る!

「っしゃ、入った!」──思えば、これが宇和海最初の雄叫びだった。2010年1月27日午前7時35分。巨大な風力発電設備を背景にしたウキが、すっかり海中へ消えていった刹那。


午前0時半。三津浜港へ上陸するとヘタクソ会悠遊さんが待っていてくださった。港で立ち話を楽しむには寒く、予め話し合っていた通り一路、松山市内にある釣具屋へ。24時間営業の「フレンズ」には見たこともないご当地道具があり、充分な時間をかけて具に見学する。

三崎までの行程は約120キロ。その途中で今日の釣りに関するブリーフィングをするため、ファーストフード店へ立ち寄る。

馬のハエ。三崎港から目と鼻の先にある沖磯では、足下から活発な潮が通り、大鯛の実績を多数持つ著名な磯。正面を向くと上げ潮は右へ通し、下げ潮は逆。季節になるとイサキも有望で、今の季節ならハマチやヤズも見込めるという。未だ見ぬ宇和海の景色を空想し、思わず肩に力が入る。

外部リンク:マップファン「三崎・馬のハエ」

途中のコンビニで簡単な食料を補給し、三崎港に着いたのは、出航予定時刻よりも1時間半早い午前5時だった。クルマの中で仮眠を摂っていると、悠遊さんが窓を叩く。

「船長、来ました。6時に出る云うて。アバウトなんですよ。(笑)」

急いで支度を整え、船に乗り込むと、佐田岬フィッシングとペイントされた船は、僅か5分後に馬のハエへホースヘッドを押し当てた。明るくなる直前のタイミングで、これは大きく期待できる。

「満ちが残っとったらこっち(右)へ流れて、あの辺で喰います。引きになったらこう流れて──」悠遊さんの実践レクチャーを受けた後、いよいよ佐田岬宇和海の釣りが始まった。

ケミホタルが必要な最初の半時間は満ち潮。如何にも喰いそうな雰囲気を醸してウキは流れている。しかしアタリを拾えぬまま半時間を過ごしたところで急に潮替わり。潮留まりの時間は少なく、今度は左流れの海になる。そのころ東の稜線が明るくなり、まもなく美しい曙が馬のハエを照らし出した。


『ようし、こっからが勝負じゃ』

暗い間の暗中模索では身動きが取れず、加えて周囲の地形も見えぬ故、ひたすらウキの動きだけに頼って釣るしかない。しかし明るくなれば潮の様子、波の形、周囲の地形からポイントやタナを探り、喰い潮を見つけ出すための情報ソースを集められる。

重要視される『磯に立って最初の5〜6投』は既に過ごした。ここからは潮を窺うべく、タナ2本から再スタート。正面、右、左、近く、遠く。更に360度に広がる海と陸の位置関係、シモリ岩、航路などを参考にして、丹念に仕掛けを入れてはウキの挙動を見つめつつ、目には見えぬ海中の様子を脳のスクリーンへ映し出す。

釣り座は、小さな沖磯で仲間が効率的に釣るため、観音廻りが原則。宇和海の沖磯ではしばしばそうされているという。郷に入らば郷に従え。ご当地の流儀に反してみても徳は無い。そんなワケで三崎の港を背にして立つと、正面に3人が立てる場所があるが、投げやすい座を順に譲り合って、ウキと道糸の段取りを整えるべく立ち位置を入れ替わる。

潮は左流れ。完全に引きの時間に入った。

「ボクは下げが好きなんですよ。隊長は満ちが好きなんですがね」
「ここは遠投するんですか?」
「TURUさんは遠くで掛けますねえ」(なるほど)

下げ潮になると左へ行くウキが、やや港へ向けて入り込んでいくようだった。

「この潮が真っ直ぐ出たらええやけどねえ」悠遊さんはウキをみつめながら呟く。『そうか、やっぱり沖へ出る潮のほうがええんじゃ』海面を見ると潮目こそ出ていないが、波やうねりの向きから、馬のハエの正面の潮は左へ、左側の潮は港へ、左45度付近(対岸のトボ方向)で潮が割れているようだ『よし、それなら──』。

狙うポイントは一つ。昇って間もない太陽の左側へ仕掛けを入れ、港へ入っていかない潮筋を釣ろう。タナは2本半を基準に餌盗りの様子で微調整する。港向きの潮に引っ張られながらも、ウキは淡々とトボへ向けて流れる。これで良い筈。

コマセを集中させて釣るのは、高島も宇和海も同じ。同じ潮筋へ仕掛けを投げ続けることで、そのうちに潮筋を回遊する魚がオキアミに気付く。タナを変えながら、餌盗りに屈することなく、手返しを繰り出す。

道具仕立ては、剛弓4.5号、トーナメントISO遠投5500、道糸8号、ハリス7号3尋半に5mmのフロートパイプ。ワカナカゴ20号と同負荷の中通し棒ウキ。自作ワイヤー天秤。要するに高島と同じ仕立てである。異なるのはハリスの長さだけ。

釣具屋フレンドでご当地仕様の道具を考えたのだが、──

潮が速いのならカゴが重たくてもハンデディキャップにはならぬ筈。むしろ仕掛けの沈下が素早く、手返しを早くすることが出来る。また場合によっては遠投も可能。強いて云うなら魚の喰い込みだが、「カゴが重たい事」と「喰いが落ちる事」は必ずしもイコールとした経験は無い。よって──

高島仕様をそのまま試みると決めた。

太陽の反射から逃れる辺りへ入れたウキが、少しずつ沖へ出るようになっていた。僅か数十分の間に潮筋は細かく変化しているようだった。トボがある対岸の岬にウキが重なると、見ている目の前で、それはスルリと消し込んだ。

「っしゃ、入った!」(^△^)

記念すべき、これが宇和海の初物。穂先を下げながら素早くフケ糸を巻き取り、竿を起こしてアワセを入れる。竿は空気を切り裂いて音を立てる。いつの間にか船着き辺りで港側を釣っていた悠遊さんに満面の笑顔を差し向け、今日の釣りの感謝を表した。

しかし、その・・・「こまいわ」(´Д`;)

竿だけは一人前に曲がり、確かに穂先を叩くのは真鯛に違いない。けれども5500番のリールには大した手応えは無く、いとも簡単に寄ってくる。一瞬、タモの用意を心がけてくださった悠遊さんに『無用』の意思を伝え、磯際まで寄せる。

ま、アレだ、チャリコ。orz....

ほとんどもう放流サイズで、こんなのを持ち帰ったら宇和海の方々から非難を浴びそうなのだけれども、思いを馳せて遙々やって来た三崎の初物なら、特別な恩赦も乞えよう。それに鈎も飲み込んでいて、既にもう──実に言い訳めいた独り言の後、これは確保。(^^;


「チャリコが2〜3枚釣れたら、今度は大鯛ですよ〜」大きく期待を膨らませて、次の仕掛けを打ち返す。

船用のビシを改良した奥の手で釣っていたH師は、船着きの横へ腰を据えて釣っていたが、小鯛のアタリにより、従来のカゴに戻す。悠遊さんは後ろを回り込み、同じ潮を釣る共同作戦。

「あの先端ですわ、あそこに重なってから10メートルか15メートルか」
「この筋か、あの筋で釣れそうですよ」
「やっぱり。そんな感じですか」
「湾へ入る潮もええんです、ボクのウキがあるあの辺まで」
「なるほど」
「そっからは浅くなってます」

そう云った後に観音廻りに仕掛けを入れ、潮上からトボへ向けて流していた悠遊さんにアタリが出た。クロだ。「なんなし魚が鈎に掛かるいうのはええ事ですわ」磯は和む。

つづく>> 三崎[馬のハエ](釣行記2)高島流儀

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コメント一覧

1. Posted by TURU   2010年01月28日 10:49
お疲れ様でした!臨場感たっぷりの文章ですね。行きたかったです。もう一度お越しください。全力でお相手させていただきます(爆)
4月になったら日本海を目指します。
続きが楽しみで仕事になりません
2. Posted by かっちん   2010年01月28日 22:22
オッ!!
好調なスタートですね。
続編を楽しみにしてますよ。  笑
3. Posted by ふじた   2010年01月29日 04:30
TURUさん^^
お返事が遅くなりました、ごめんなさい。帰宅後、山積していた仕事を片っ端からぶった切り・・・(笑)
今回はお目にかかれず残念無念。TURUさんとの遠投競争も楽しみにしていました。(爆)
かならずまた海を渡ります。大鯛の2〜3枚に私の名札を付けておいてくださいね。(笑)
これからも、どうかよろしくお願いします。m(__)m
4. Posted by ふじた   2010年01月29日 04:32
かっちんさん^^
いやはや、宇和海遠征となると書くことが多く、いつもにも増して甚だしい長文ブログになってしまいました。申し訳ありませんです。
宇和海でわいわいやっている間に、どうやら高島が絶好調モードになった様子。これはうかうかしておれません!(^m^)

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