2010年02月10日

[火電1番]素直に沈没

まあ、どう云ったって致し方無い。時化が収束した月曜日、そして火曜日に、いきなり大ヒラマサが連発。60オーバーの真鯛もあちこちの磯で釣り揚げられたら、水曜日は貰ったも同然と誰しも思う。思うが、船が欠航となってしまっては、為す術が無い。

まさか、高島に伝わる「お伊勢」の逸話の如く、海を泳いで渡ることもできず(逆お伊勢?(笑))、前夜の欠航の知らせを同行予定の仲間へ伝搬した。

外部リンク:浜田海上保安本部「高島灯台」

何が何でも狙った磯へ上がりたいがために、S師、マッサンことM師、それにY仙人を唆し、ベストメバーの4人を仕立てたというのに。

「明日は頑張ってくださいよ!」WD師だ。
「それが欠航になったんよ」
「マジっすかぁ!」

激励を頂くも応えようが無く、行く先を失った。カゴで釣るなら浜田か古湊。アジなら周防大島。三崎で惨敗を喰らった翌週が仕事で、無理矢理に和佐へ行ってみるが、敢え無くアジ一尾で撃沈。こうなったら何としてもカゴを放りたい。

「そりゃあ浜田でしょう。伍八」WD師は奨めてくださる。しかし古湊は火電沖波止へ渡す中本船長には、年が明けて以来、お目に掛かっていない。加えて不慣れな浜田で思うような釣りが出来るだろうか。

それでなくても堤防でひしめき合って釣るのが苦手。浜田の各所の渡船情報を眺めながら、伍八以外──『シャクリか。西沖は・・・』と思案を深めるも、遂に決断には至らず。たとへシャクリに乗っても、何処へ向けてどう釣れば良いか解らず、釣りながら背負うストレスは小さくないのである。

一方、火電沖波止もダメダメな様子がホームページから見てとれる。shigeさんのブログには、ダイバーが潜水調査をする旨もあり、期待は萎えるばかり。それでも──『やっぱり船長に会いに行こう』思って決めた昨夜だった。

『潮の案配を思うと1番か。北東の風が出るまでの午前中が勝負。水温が低いので、タナは深めに釣る。高島の大鯛が廻ってくる可能性、いや希望的観測がある故、ハリスは7号以上。高島へ向けて投げ、こう流して、こう誘って・・・』往路を走る深夜の車内で独り、具体的な釣りを組み立てる。

午前6時前。車内で仮眠をむさぼっていると、船長が窓をノックした。

「おはようございました」
「あ、おはようございます。久しぶりですわ」
「ほうじゃね。喰うとらんよ。(笑)」毎度真正直な船長。(笑)

すぐさま出航の支度をするが、昨年以来の中本渡船が奇妙に懐かしく、他のお客さんが居なかったので、しばし出航前の雑談を味わう。いつものインスタント珈琲も健在で、何かこう、不思議と気持ちが安らぐ船屋だった。

思えば、高島へ渡るきっかけを掴んだ火電沖波止であり、ヒラマサのイロハを最初に体験したのも火電沖波止。通っても、通っても、通っても釣れぬまま一夏を過ごし、そして渡った高島イケマで生涯最初のヒラマサを手にしたのである。

午前6時過ぎ。新たに波返しを備えたよしみ丸は、古湊を発った。

火電1番。中電寄りの、いわば堤防の付け根に位置する座は、左手に巨大な波消ブロックが堆く積み上げられた場所。基本的には引き潮が潮下になるので有利なのだが、満ち潮でも引かれ潮が出る場合があり、これが沖へ通すと絶好位となる。

浜田屈指の名手、T先生のスタンダードな座でもあるところから、全長800メートルの火電沖波止の中にあって、おそらく一級のポイントではないだろうか。次いで6〜7番、そして5番の辺りも、沖に瀬があって釣りやすい。

夜明け前の暗闇に、電ケミの緑色がぼんやりと浮かぶ。無風で大雨、しかも生暖かいという薄気味悪い天候の中だ。潮は動かぬベタ凪の中、いきなりウキがふわりと沈んだ。

『おっ、一投めじゃ!』(^m^)

しかし、これはナンノコッチャのメバル。(;´Д`)

仕掛けを打ち返すと、またメバル。続いてボッコウ。仕掛けは沖合の30メートルほどで、タナは2本半。それもかなり大振りな仕掛けだ。これに15センチほどの小魚が果敢に飛びつくのだから、ちょっと奇妙な海でもある。

やがてケミホタルが無用な明るさになった。しかし海には霧が覆っていて、高島はおろか東にある筈の鹿島さえ見えない。振り返ると三隅の山には低く雲が立ちこめていた。雨脚は、弱まったかと思うと再び大粒の雨に変わるなど、なかなか厳しい状態が続いていた。

遅れて隣へ入った3人組の一人が30センチほどのワカナを釣り上げた。『今日は精々、あれしか望めんか』思いつつ、しかしメバルよりはマシ。(´Д`;)

聞き慣れぬディーゼルエンジンの音に振り返ってみると、オレンジ色の服を着用したスタッフが乗り込んだ小さな船が堤防に向かっていた。『なるほど、これが潜水調査か』スタッフの一人が警備のために堤防1番で上がり、潜水夫が作業を始めた。尤も、この日の調査は湾内に限られていたようで、幸い釣りに影響は及ばない。

影響が及ばないのに、しかしアタリは無い。(笑)

10時を過ぎると少し北西の風が出て、やがて予報通り北東の風に変わった。堤防の際から20メートルの範囲はコッパクロとフグ。その沖はサシ餌が丸残り。行き始めた満ち潮がに一縷の望みを託して打ち返すも、サシ餌に変化は顕れない。

そのまま正午となり、潔く撤収。(´∀`)

何とも見所の無い火電沖波止の一日ではある。が、まあ、今日の日は船長の顔を見に来たようなもの。同じ坊主でも、大島のアジに舐められるより心が負う傷は浅い。(笑)

帰りの船屋にて。

「ありがとうございました。じゃあ、また来ますわ!」
「ああ、ちょっと待ちんさい」

通りかかった顔見知りの漁師さんから何やらビニル袋を受け取り、にこにこと笑顔を浮かべて船長が戻ってきた。袋の中を見てみると、水揚げしたばかりの赤ナマコ。「うへーっ、こりゃあ凄い!」。

先頃、御礼といって差し上げた酒のお返しのおつもりか、思わぬ土産をクーラーに納め、古湊を跡にした。

魚が欲しいければ今は浜田が有利。坊主覚悟で渡った火電沖波止では、予想通り素直に沈没。それでも愛して止まない古湊。(´∀`)

foujitas at 19:41コメント(6)TB(0)古湊釣房 | 潮待放談 
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コメント一覧

1. Posted by みやちゃん   2010年02月11日 00:13
4 こんばんわ。ふじたさん!今日は火電に行かれてたのですね〜
天気が心配でしたが本当にお気持ちをお察しいたします。
私もふじたさんと同様、火電一番が特級であると確信致しております、その一番で玉砕しては仕方ない事かもわかりません。
私も中本さんとこばかりですが…
なんかこんな街にのんびり住めたらな〜っと考えさせられるようないいトコですよね(^-^)v
また更新楽しみにしております!
2. Posted by ふじた   2010年02月11日 08:32
みやちゃんさん^^
毎度ありがとうございます。
どうも私は密集した釣り場が苦手でありまして、火電沖波止でもヒラマサがラッシュの時期になると人もラッシュとなり、足が遠のいてしまいます。結局、釣れない時期に通って坊主続きという数年間です。(笑)
それでも、あの港街が大好きで、結果的に高島と火電沖波止の二カ所だけがホームグラウンドとなりました。
坊主を喰らうとそれなりに悔しいのですが、いつも何故か、帰りの船屋では気持ちが和んでいるのも奇妙な事です。(笑)
3. Posted by shimo   2010年02月11日 09:46
ふじたさん
お疲れさまでした
当初予定の場所へ行けず変更した時に
釣果が無いと非常に悔しいですよね。
「あそこに行けていたら・・・」何て考えます
磯釣りの場合は魚に期待するよりも先に天候にお願いしなくてはならないのが辛いですよね。
私も釣り人が混々としている所は避ける傾向が有ります 何かゆっくり出来ないと言うか・・・。
次回 天候良好に期待して道具の手入れでもしましょう・・・。
4. Posted by ふじた   2010年02月11日 10:59
shimoさん^^
いつもありがとうございます。今回は高島が上向いていただけに悔しさもひとしおだったのですが、それでも中本船長にお目にかかれただけで納得の水曜日でした。
週に一度の水曜日が曲げられない生業ですので、こればかりは致し方ありませんです。しかしこんな日ばかりは週休二日が羨ましいものですわ。
そのうち巡ってくるチャンスに期待しています。
5. Posted by shimo   2010年02月11日 11:23
ふじたさん
お伝え忘れておりましたので・・・
ハリスですが やはりグランドマックスは強いです!
先日は1度 強烈な当たりとなかなか寄らない粘り強さの魚を掛けました・・・結果は3kgは有ろうかと言うイスズミだったのですが やり取りの途中に感じた瀬ズレにも関わらず取り込みました 昨年もクロ狙いの釣行で4kgジャストの真鯛の取り込みましたが この時も瀬ズレ有りでした、当ってしまう瀬の状態でどうしてもスパッと切れる場合も有りますが ズルズルと言った瀬ズレには滅法強いです(共に2号での話し)。高価なハリスですが魚に1番近い重要な部分ですので是非お勧めします(ふじたさん同様 私も交換する時に「勿体無いけど・・」何て考えながら交換しますよ)
6. Posted by ふじた   2010年02月11日 12:45
shimoさん^^
なるほど、やはりグランドマックスですか!
実は昨日の高島予定に先だって、大物に対処するため8号ハリスを買い足しました。しかし無念の欠航。
普段のヒラマサで瀬ズレすることは余りありませんので、せめて大物シーズンの時は奮発してグランドマックスを使おうと思います。
ま、得てして生涯一度の大物は、不意にやってきて大慌てするものですが・・・。ハリスは太くなると、そのまま値段に反映されているようで、陳列棚の前でいつも怯んでしまいます。(^^;

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