2010年02月24日

高島マツガシタ(釣行記1)ピン芸人の悲運

「今日はゴウトウ周りがええ思うたよ」
「カメ、揚げよう思うたんじゃけどねえ」
「いやいや、今度は徒党を組んで来ますわ!(笑)」

大浜港の軽トラに腰掛けた船長との談笑。釣り終えた後のひとときは、反省や後悔、幸運や自慢が交錯する、奇妙な空気が漂うのである。

大浜港に到着したのは午前2時半。上弦の月が低く上がった美しい夜だった。駐車スペースには見慣れたクルマが一台。なんと昨日のノヅキで釣っていらしたO師が連荘で釣るらしい。そそくさとクルマを停め、簡易ベッドを広げて一休み──。

午前5時。次々に流れ込んでくるクルマの騒音で目を覚ましてみると、多数の自動車が並んでいた。暖かくなって釣り客が増えたらしく、この日は三杯の船が支度をしている。なんという悲運。こういう日に限ってピンで予約を入れている。

前日に潮廻りを見て立てた予測は、トロトロと鈍い上げ潮が通す一日。つまり西磯は潮が押し気味で、東磯は多分餌盗りだらけ。理想的な磯はゴウトウだが、ピンでゴウトウに乗れるほど甘くは無い。次に良いのは本ゴウトウが地のゴウトウ。ゴウトウが知人ならカメ。それもダメならイガラ。すなわちゴウトウ周辺の緩い上げ潮を釣る一日が理想だと考えていた。

磯の選定はその日の釣りを大きく左右するもの。英知を集約し、少しでも可能性が大きいと思える磯に立ちたいと思うのが人情だ。

前日のノヅキでは、瀬でヒラマサが掛けられた。ノヅキには人が入っていないのに餌盗りに苦戦した、という情報もあった。その日のイケマでは、チョイ投げのカゴにヒラマサがあたっている。

これはもしかすると、少し水温が上昇し、秋のフカセヒラマサの再来が一時的に起きているのかも知れない──そんな憶測も頭をもたげ、『スズメノコの辺りも悪くないなあ』と思いつつ迎えた大浜の朝だった。

しかし。しかし、明るくなって釣り人の数を見て、かかる計画というか理想というか、欲望は木っ端微塵。3・3・3・2・1・1・1の恵翔丸にあって、何が磯の選定か。(笑)──もう、行ける所へ行くしか手は無いのである。

恵翔丸は島義丸と競うようにゴウトウへ着けた。POOHさんが磯へ飛び乗る。涎を垂らしたい思いで師を見送り、続いてマツザキ、さらにO師一行をノヅキへ下ろした。地のゴウトウが空いているが、順番は更に一つ後。今一度ヨダレを飲み込み、恵翔丸はカメを目指した。

が、万事休す。西磯は満員。辛うじてマツガシタの空きを見つけ、ホースヘッドが押しつけられたのである。『く〜っ、マツガシタか! ま、仕方ない』

船の中で会話が弾んだSS師と、今日は初めての竿合わせ。「良かったら一緒に上がりましょういね」と誘ったなら、師は二つ返事で快承。まったく気さくな御仁である。(今日はありがとうございましたm(__)m)


こうして二人組のマツガシタが始まった。

「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ」

分け与えて貰った座は、コダン寄りの低手。マツガシタでは唯一竿が引ける座だが、遠投するためには波を被っている岩へ足を掛けねばならぬ場所。高島の地方なので岩海苔は無いが、この磯はよく滑る。

いそいそと竿を取りだし、最初の仕掛けを投入。潮はコダン方面へゆっくり上げが通していた。

『しめた、これなら何とか行けるかも知れん』

仕掛けはカゴ。ハリス7号4尋半とカゴスペ13号。大型の魚が掛かったときの用心ではあるけれど、13号鈎は鈎外れが多いという事前情報に基づいた支度だった。しかしハリス長に関しては、座が海抜同等のマツガシタでは長すぎる。半尋を詰めてスタート。

早朝は鈍かった潮も、午前9時頃には素直に行き始めた。しかも、その潮はイケマの最も好い潮である。イケマの足下からマツガシタの沖へ斜めの通し、コダンへ至る、あの潮だ。「イケマは今日は釣るじゃろうねえ。ぶちええ潮じゃ」話しかけるともなく独り言のように喋り、手返しを繰り出す。

打ち返す仕掛けを手に取ると、どうした事かサシ餌は完全な状態で丸残り。餌盗りの気配も無い。天気は良好、波も小さく、風も無い絶好の釣り日和だというのに、魚も休日なのか、アタリ以前の状態が朝から続いていた。

イケマのウキが時々、マツガシタの前に達する。『まあ、気持ちは解る。イケマに居ったら流しとうなるもんじゃ』少し辛抱をしながら沖に目を遣ると、マツガシタの正面40メートル付近には、カモメが旋回していた。


『なるほど、あそこに餌が溜まるんじゃのう』。背後に迫る岸壁の窪みを巧みに利用し、可能な限りの遠投を試みて、その餌溜まりへ仕掛けを運ぶ。するとウキは、カモメの水先案内に従うようにコダンの手前で滞留。それまで勢いを持って流れているウキが全く止まってしまうのだ。

やがて、イケマの方面から漁師の引き釣り漁船が目の前を通過した。

という事は──イケマは全員カゴ。あの潮は、もしかすると底から湧き上がるように駈け上がりをの上を通しているのかも知れない。という事は──コマセが沖合40メートルに溜まるその場所へ、タル遊動で流し込んだらヒラマサが「ガブチョ!」かも知れない。(^m^)

先の事前情報もある。物は試し。固定概念や先入観を捨て、起こっている釣況を素直に分析し、新たな手を試みるも釣り。イケマ、マツガシタ、コダンの全てでカゴにアタリが出ない今、タルは奏功する可能性がある。

さっそくタル全遊動を支度。水中錘を付け、タナ2本のウキ止めを調節し、遠投して活発な潮に乗せる。

それから二、三回を打ち返した時だった。イケマの底カゴに真鯛のアタリ。

『だはー、やっぱりカゴじゃん!』(;´Д`)

得意の屁理屈は、まんまと玉砕。つべこべ云って居ないで、丹念にカゴを打ち返しておけ──といういうワケだ。(はいー(^^;)

>>又つづく

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コメント一覧

1. Posted by S・JOE   2010年02月24日 20:43
 今日は大変お世話になりました。結果は惨敗で、船内で話しをしていたストレスの溜まるマツガシタでしたが、今日に限っては藤田さんと竿を出させて頂き心底楽しく釣りが出来ました。まさにヒラが欲しいだけの釣りでなく、釣りを通じての出会い(そちらの趣味ではないです)のありがたさを感じました。色々訳のわからないことグダグダ申し、大変不細工な所も見せましたが、また機会があればご一緒させて下さい、その日を楽しみにしておきます。本当にありがとうございました。                  追伸 へたくそ会をピンで立ち上げます?
2. Posted by ふじた   2010年02月25日 08:16
S・JOEさん^^
こちらこそ昨日は本当ありがとうございました。
満員の高島で単独釣行は条件が厳しいのですが、それでも竿を合わせていろいろなお話しをさせて頂き、とても楽しい時間を過ごせました。御礼を申さねばならぬは私の方。ぜひまたご一緒させてくださいね。
お薦めくださった浜田へ私も行ってみたいと思います。釣り場はどこでも、やっぱり何年か通ううちに解ってくるもの。今は高島と火電沖波止が専門ですが、少しずつフィールドを広げていきたいと思います。

拝復。 へたくそ会は四国の総本山があります(笑)ので、屁理屈会とかウキ入れ踊り同好会とか。(爆)

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