2010年04月22日

高島タカミ(釣行記2)奇策を以て打開せよ

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手持ちの竿に集中力を戻し、正面やや右の定点を中心に、少しずつ範囲を広げて探る。タカミの沖合いは、それにしても本当に深い。高手を利して40メートルも投げれば、竿5本でも掛かる場所は無い。

イワグチ側へ流れ込んだウキがモゾモゾと動いていた。『いよいよ瀬に掛かったか』そう思って竿を揚げてみると、何かしら手応えがある。ハゲだ。

意外な苦戦が続くタカミにあってウマヅラハゲは貴重な食材。丁寧に掬って確捕。そうしているとき、ポケットのケータイが鳴っていた。おそらく師匠だ。

「おはよう。どんなん」
「ダメですねえ。辛うじてタイ1。そいからハゲ」
「スズメ(S師)はよう釣っとったよ」
「ほんまですか!やっぱりスズメじゃったか今日は」
「ハリス、細いのでしようるらしいよ」

S師の読み勝ち。やはりこの潮はスズメの潮だ。それにしても7号ハリスのまま意地を張って釣り続ける手は無い。せっかく師匠から得た情報である。ただちに仕掛けを揚げ、手持ちの最小番手である5号4尋を取り出し、11号の鈎を結びつける。

『うへへ、これなら』ハリスを落とすと、何故かしら喰いつきそうな気がする。(笑)

勝負は中盤に差し掛かった9時。潮が立ってきた。イケマの側から右流れに速い。先のハゲが合図だったかのように餌盗りが出始めた。しかし不思議なのは、イケマ側の左半分の海域ではサシ餌が完全に残るのである。

(後にK先生と話したところでは、「おそらく大鯛でも居るんじゃろう」という推察。K先生というのは、そうして狙いを定めた魚を本当に釣り揚げるから恐ろしい。)

5号ハリスに落としたが、チビハゲが鈎に掛かった程度で釣況に変化は無い。ひたすら打ち返す時間が続き、再々に時計を気にしてしまう。『今日はこのタイとハゲか?』焦燥感が募る。


ここまでの組み立ては間違っていない筈。二刀流の無駄はあったが、それ以外の攻め手はタカミの王道と云える釣り方であるに違いない。午前6時の上礁から一連する釣りを振り返り、考えてみた。『なにかヒントは無かっただろうか──』思い出せ!

「タナ5本、ハリス2尋みたいな仕掛けで釣ったらしい」。「ウキ止めを外してカゴを底に付けて、筋を張って手でアタリを取ったYG仙人。底の瀬に着いとる魚を釣った」。いずれも最近聞いた話しだった。『ハリス・・・か。よし』

凡庸な手を打ち返しても、もう釣れないだろう。時間が経てば潮が変わり、釣況に変化が現れる可能性はあるが、それは受動的な攻め手だ。限られた6時間なら、もっと能動的に釣るべし。

なぜハリスを切り詰めるのか、この時は未だその確かな理由が理解できなかったけれど、実績のある釣り方は、まず真似てみる事から始める。そうして実際に釣ってみれば、何かが解るかも知れない。直ちにハリスを半分以下の1尋+矢引1本にまで詰める。

見慣れぬほど短いハリス仕立てとなった仕掛けは、この際、カゴも交換。二回り大きなワカナカゴにして、底付近へ大量のコマセを打ち込む算段だ。いみじくも宇和海で教わった短ハリス仕掛けと同じ構成になっていた。

10時を過ぎたころ、藻が流れ始めていた。風に取られた道糸が流れ藻にまとわりつき、ウキを引きずる。頭を斜めにもたげたままウキは、潮に乗って流れていた。スプールの道糸が半分ほど出た遠くで、ウキはズバリと消し込んだ。

「うりゃ、入った!」(わはは)(^△^)

大きくフケた糸を手繰り、大きく合わせる。巻き取りを開始すると、これは確かに重たい。

獲物がまだ遠くにある間に、道糸のテンションを保ったまま取り込みをする座へ移動しておく。磯際へ寄せてから移動したのでは、バラしてしまう危険性が大きくならからだ。足下を確かめながら磯を移動。

『じゃが、こりゃ何かいの。頭を振るワケでもないし、走るでもない』不可解な獲物を慎重かつ躊躇無く寄せてみると、いよいよウキが見えてきた。『ん?』その向こうにカゴが見える筈だが、『あれは藻か?』(´Д`;)『お魚は・・・?』(;´Д`)

居た、居た。大きな藻がカゴに掛かっていて、その後ろにハゲが付いている(^^;。しかもハゲは25メートルの水深から急速に引き上げられたために、浮き袋が尻穴から飛び出して既にグロッキー。(笑)

タモを持ち、魚と藻を両方とも掬いあげ、またしても食材確捕。

しかし、これで少し解った。2尋に満たないハリスは、深いタナでもハリスに張りを持たせることが容易で、サシ餌の遊動にロスが無い。さらにアタリが明確に出る。底付近を釣る場合でも、根掛かりを回避するには、ハリスの張りが有利に働く。

『イサキが釣えんかのう』次の仕掛けを打ち返していたとき、また電話が鳴った。今度はK先生だった。「タナ5本6本よ、ハリスは短いよ1尋半でええ。短いほうがイサキが喰う」的確な天の声だ。

我が意を得たり。K先生も太鼓判を捺す釣り方なら、間違い無い。さらにK先生はこう続けた「右流れなんじゃったらタイが喰うよ」。

投じた仕掛けのタナは6本以上入っている。ウキ止め糸を動かし、1回転70センチのリールハンドルで換算すると30巻き=約21m。これに竿2本を加えるので、カゴは水深およそ30m強の位置にある。そして、これを支えるウキが沈んだ。

「よっしゃ、入ったぁ!」(^△^)

今度はハゲではない。真鯛が竿を叩く。終盤に入り、執念の奇策を以て真鯛を追加。大きくないけれど、凡退寸前の一工夫で真鯛を引きずり出した一手は、精神的な満足度が高い。

時計を見ると11時半を回っていた。半ば片づけながらも仕掛けを投じ、最後のワンチャンスを窺っていたのだが、手に持っていた水汲みバケツの糸巻きが折れ、バケツを海へ放り投げてしまった。(´Д`;)

潮に取られる前に回収しなくては──慌てて竿を揚げ、カゴに引っかけて回収完了。船着きまで戻る時間にも余裕が欲しい故、これにて納竿。

数、型とも吹っ切れぬ難しいタカミの釣りだったが、これも経験の一つ。

「魚が見えるだけでもええよね」大浜港は今日も和やかだった。



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コメント一覧

1. Posted by かっちん   2010年04月22日 22:26
お疲れ様でした。
久しぶりに鯛ちゃんゲットで溜飲が下がったでしょ。
ハゲちゃんも美味しいし・・・・・ 羨


最近はね大型の代わりに、数が出るらしいですね。
近々、玉ちゃんが出撃したいようですが・・・・
浜田も良いので迷ってるみたいです。  笑
2. Posted by ふじた   2010年04月23日 08:40
かっちんさん^^
毎度ありがとうございます。
一応の溜飲は下しましたが、どうもスカッとしない一日ではありました。でも、まあ、お魚が美味しかったので満足しています。(笑)
玉ちゃんの雄姿は印象的ですね。あの仁王立ちはラオウのような闘気を放っています。一睨みでヒラマサが浮いてきそう。(笑)
ぜひ、かっちんさんもご一緒に、高島でガッツリ。(^^)v

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