2010年04月23日

高島タカミ(考察)うるう月と高島の釣り物

タカミで釣った獲物は、それぞれ真鯛はカルパッチョに、ウマヅラハギはパン粉焼きとなって、その夜のステーキに添えられた。

むろん、やたらと美味しい。とりわけハゲは火を通したことで旨味が増したように、しっかりした食感を楽しませてくれたのである。

軽いミディアムボディのワインを愉しみつつ、高島の一日を振り返る。潮はどうだったか。仕掛けはどうだったか。ほどよく酔い心地に達っし、潮騒や潮風が彷彿する中で、ふと不可解に思った一コマに回想が止まった。このハゲを釣ったときの事だ。


ウマヅラハギは一般的に、脂の少ないアッサリした白身と評される。ふむ。

タカミの高手は足場がとても高い。通常なら釣った魚を絞めた後に血抜きを施すとき、血抜き網に魚を放り込み、ロープで吊して5分ほど海水へ浸しておくのだが、タカミではバケツに汲んだ海水の中へ魚を入れて処理をした。

脂肪分が多い青物やクロならバケツにはたちまち脂が浮かぶけれど、ハゲ類は普通、多くの脂は浮かない筈。ところが、いま箸を付けているハゲを釣った直後のバケツにははっきりと脂が出ていたのである。

その様子に気付いて『ありゃ、四月のハゲに脂?』。思ったが深くは考えず釣り続けた。

そして魚を持ち帰り、まな板に乗せて捌いた。きっちりと絞まった魚の状態は良く、腹を開けてみると、なんと驚くほど大きなキモが納められていたのである。ほとんど冬時期のハゲと同じか、いやウスバハギほど大きなキモを持たないウマヅラハギだから、それは平均的な大きさをゆうに上回る。

さらに肉質は美しい半透明の白身であり、それは厚い。包丁で捌きながら、思わず云った「ママさん、今日の(魚)はタイよりハゲのほうが美味いかも知れんよ」。

かくて、追々に高島の一日を辿った。時々の会話に出てきた人々の断片的な証言を並べてみた。さる漁師さん「今年は一ヶ月遅いわ」。S師「この頃は赤潮が出るじゃろう」。中本船長「まだ水温が上がらんわあ」。

それにタナ6本の釣り。そしてハゲの味。いまだ海には春が及ばず、冬のままの姿が見え隠れする。しかし一方ではムロアジが鈎に掛かり、shigeさんのブログによればイルカの群も見られたとある。

季節の変わり目は混沌とするものだが、今年の四月は余りにも不可思議な事が多い。

釣友H師が、興味深いことを云った。うるう月がある今年は、陽暦によると例年より一月ほど(自然環境)がずれ込むのではないか──。

うるう月。月の満ち欠けに沿った暦である「陰暦」は一年を354日で数える。現在の太陽暦との誤差は19年間に7回の「うるう月」を挿入する事で、朔望月に一致させた。多くは「うるう三月」として春の時期に「うるう月」を入れたという。

今年は、まさに辻褄を合わせるために「うるう月」を数える一年。壁に吊したカレンダーは4月23日を示しているが、陰暦上では「うるう3月」。すなわちもう一度三月を過ごしているという事になる。

文明が発達する以前の人々は、その暮らしを自然環境の変化から感じ取った経験則に基づいて成立させていた。潮の満ち引きや山の木々の様子、動植物の生態や本能を観察し、一年の流れを大きく掴んでいた。

立春から始まる二十四節気は、そうした経験則を元に陰暦の一年を二十四等分し、季節を表す言葉として創られたものだ。

尤も、うるう月を入れる一年が隔年、正確に再現される事は無い。しかし異変と感じる様々な断片の謎を解く鍵は、もしかすると陰暦に隠されているのかも知れない。

今日4月23日は旧暦でいう3月10日にあたるという。二十四節気の「穀雨」を過ぎたばかり。自然界ではこれから動植物が活発に生命を育む。

高島の釣りも、それに合わせて本格化するに違いない──おおいなる希望的観測。(笑)

foujitas at 08:35コメント(0)TB(0)高島回顧録 | 潮待放談 
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