2010年06月17日

高島スズメノコ(釣行記2)頭で考え竿で釣る

つづき<< 高島スズメノコ(釣行記1)復活の狼煙はコスズメで

持っていたイマジネーションにピタリと合致して釣ったのは、いったい何時以来の事だったか。辛抱と苦心を重ね、竿さえ持てない水曜日を重ね、ようやく巡ってきたチャンスを己が浅はかな知識で自滅し、気が付けばもう梅雨の最中。失ったリズムを取り戻すには、釣果が何よりの特効薬であるに違いない。

スズメノコでは左向きの潮と左向きの風があり、遠く投げた仕掛けをサミングによって着水させると同時に、竿を大きく煽ってフケ糸を出す。フケ糸は風に乗ってフワリと左へ流れ、足下で見え隠れしている沈み瀬を越してその左へ落ちる。

いささか面倒な手返しだけれども、これなら確実にポイントを狙い撃ちできる。


復活の狼煙となった一尾のイサキだったが、やはり後が続かない。依然として沖へ向いて出る良い潮がある。

ハリスは開始から6号4尋。鈎はカゴスペ12号。緩い潮を見て、フロートパイプを追加していた。

一時間が過ぎる間に師匠やS師から陣中見舞いの電話が入る。通話中にウキが消し込むことはよくあるのだけれども、そういう期待というか欲をかくと見捨てられるもの。(笑)

電話を措き、徐々に速くなった潮を察知した。試しにタルウキを付けてみると、緩やかな風のせいか、二枚潮になっているのか、潮の表層は極端に速い。程よい潮ならタル遊動に交換するつもりだったが、これでは却って不利。底カゴで丹念に釣るほうが良いだろう──判断を下して、二度だけ投げたタルウキをカゴ錘に戻す。

『イサキは居る。どうすりゃあええか』

『潮が行き始めた。ならばフロートパイプはサシ餌が浮き上がって仇になる』これを外し、それから拡散するコマセを想像して、朝から使い続けているハリスを少し詰めてみた。3尋半のハリスでタナは2本強。これで再び定点へ仕掛けを落とした。

カゴのコマセを出し、再び立ち上がって流れるウキを凝視する。対岸の土田の稜線が切れる辺りで、まさしくイサキであるが如き素直な挙動でウキが引き込まれた。

「BINGO!作戦通りじゃ」(^△^)

今度は上手く藻の横を通過させ、あっさりタモで確捕。40センチは云いすぎだが、コスズメのイサキにしては良型の部類に入る。前のアタリから1時間ばかり経っていたが、二枚目のイサキが居るのなら、今日のコスズメは悪くない。時刻は9時を過ぎていた。

連続したアタリが無いのだが、何かしら手を打つとアタリが引き出せる。沖の潮に餌盗りは居ないので、この海域にヒントがある事はほぼ確信的に感じていた。そこで詰めたハリスを戻すべく、新たな6号4尋を取りだして結んだ。そして定点へ。

腹の虫を抑えるべく、それはパンをかじった直後だった。置き竿の道糸が引き出された。

「おおっ、やっぱり!」このリズムは良い。竿を持って寄せてみると中型のイサキ。丁寧に救い揚げて、魚の処置をするより前に次の仕掛けを投じておくべし。群で入ってきたイサキなら、この一手が釣果の差になる。

血抜き網を放り込んで座へ戻り、ピトンから竿を取ったと同時にヒット。これは少し小さい。バッカンへ魚を放り込み、矢引一つほどタナを詰める。バッカンのイサキを締めていると、またアタリ。入れ食いが始まった。

『こりゃあ忙しいわ!』(^m^)

寄せたイサキは再びサイズアップ。これも予想通りの獲物である。

こうなったら、短時間に何枚まで数を伸ばせるかが勝負だ。手返しのテンポを上げ、コマセの量を増やす。ときにサシ餌をじっくり流し、頻繁に誘いをかける。遠く流した仕掛けを回収すべく竿を取り上げた瞬間、道糸が引っ張られた。ヒット。

血抜き網からクーラーへ魚を移す合間にウキを見遣ると、これまたウキが見当たらない。慌てて竿の元へ駆け寄って起こすと、遠く火電沖波止の方へ走っていたイサキが浮いてきた。これで6枚め。半時間の間に4アタリは、なかなか忙しい。

時合いを過ごして磯は一段落。まだ時間はある。ここからじっくり釣って数を伸ばさなければならない。

4尋の長いハリスで連発したが、その後はアタリが拾えなくなった。右側の広い海にも魅力を感じるが、ここまで餌を入れ続けたポイントを捨てるのは口惜しい。多人数なら隣人任せに釣れる環境もあるが、単身のカゴ釣りの場合、餌場を拵えるのはたった一人なのである。

引き続いて同じ位置へ仕掛けを投入。やや潮が軟らかくなり、ウキを追いかける目線の移動も忙しくはない。ふわふわと流れる仕掛けを少し引っ張ってやると、何か乗っている事に感づいた。

『なんか居るんか?』半信半疑で竿を起こしてみると、これは結構な手応え。散発していたイサキだったが、ここへ来て再び良型に恵まれた。ところが、このイサキはすっかり鈎を飲み込んでいたのだった。

道理でアタリが出ない筈。イサキの居食いというのも聞いた事が無いが、朝のイサキはきっちり上顎に鈎が貫通していた事を思うと、この時間帯のイサキは何等かの意識変化が生じていたのかも知れない。

あるいは潮が緩んで長いハリスが海中で弛んでいた可能性も否定できない。そこでハリスを一気に3尋まで詰め、再び投入。何度か打ち返した後、今度はウキがモゾモゾと動いて止まった。やはり居食いか。

そろりと竿を起こして巻いてみると、このイサキも鈎を飲み込んでいる。

いささか不可解に思いつつ、これで8枚めの獲物。

半夜便が出る日は11時半に錨を揚げる、と云っていた船長の言葉を思い出し、時計を見たなら午前11時過ぎ。それまで緩かった潮は急速に立ち、わずか数十分の間に沖は川のような潮が行き始めていた。

イサキの気配は無くなり、むしろ青物が寄ってくるような海で、サシ餌は残り続ける。『ちょっと早いが竿を上げるか』11時20分納竿。

後回しで良いと譲った磯上がりによって、少し時期が早いかと懸念しながら辿り着いたスズメノコの一日。頭で考え、繰り出した手がズバリ的中して得た獲物は、都合イサキ8枚とオマケのワカナ1本。釣り切ったと思える自負心は、きっと次の釣りに活かせよう。

実は迎えの時刻を30分勘違いしていて、もう一頑張りできたかも知れないのだが、今日の日は上々。

大浜港に戻り、O師がクルマ越しに話しかけてくださった。

「苦労はいつか報われるよねえ、フジタサン!」
「うへへ。ありがとうございます!」

破顔一笑。



foujitas at 08:52コメント(8)TB(0)高島回顧録 | 潮待放談 
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コメント一覧

1. Posted by あ2   2010年06月17日 17:49
いやー、久々にフジタさんらしい釣行記を楽しませていただきました。

>ハリを飲み込んでいてかつアタリが出ない → イサキの活性が非常に高いものと考えます。活性の高い魚の場合、ハリを飲み込んだ後もコマセをそのアタリで拾い食いするのでウキにアタリが出にくいと思います。つまり居食いではなくて元気にコマセに群がっている状態ですね。

ハリスを3ヒロ、4ヒロとると魚がカゴの半径3ヒロ、4ヒロの範囲にいる限り浮きにはアタリが出ません。半径4ヒロというと直径12mの球ですからその大きさはかなりのものです。

グレは反転食いしますし、マダイはコマセカゴから離れた位置で食いますし、ヒラは12mくらいはビュンビュン泳ぎますからアタリは出やすいと思いますが、イサキはコマセに群れるようなのでアタリが出にくかったのかもしれません。

久々の麦わらイサキ。その味も絶品だったのではないでしょうか?ちなみにイサキの卵は明太子風につけてやるとおいしいです。ちょっと手間がかかりますけどね。

万歳!
2. Posted by 根獅子   2010年06月17日 20:44
5 うんうん…うん(^^)v★★★★★
ch9〜PR・・
今年の夏は…お世話になったあの方に〜
ふじた水産(株)の〜石見・高島産..ババいさき明太子は…如何ですか
柚子胡椒風味の〜季節限定、天然物のみ使用の為、数量限定です(^-^)/
3. Posted by かっちん   2010年06月17日 20:49
おぉ〜!!
おめでとう御座います!!
一気に溜飲が下がり、昨夜の酒は旨かったと思われますが・・・  笑

イサキは良いですねぇ。。
私も釣りたい・・・・・ 汗

   
4. Posted by 高島迷人   2010年06月17日 22:29
13日に久ぶりに高島へ行ってきましたよ。
コダンにてイサキ、ワカナ、タイの貧果でした。

この日は全体的によくなかったようです。釣れただけでもマシとしましょう。

しかし高島、大物はおりますねえ。この日、ツレが50?級のグレを釣りました。

この日は潮が逆潮や停滞ぎみだったので所謂コダン潮なら展開は変わっていたんでしょうけどね。
5. Posted by ふじた   2010年06月18日 06:39
あ2さん^^
毎度ありがとうございます!
おかげさまで今回は、思わぬ磯に上がって良い結果に恵まれました。釣った数はともかく、懸命に考えて繰り出した手が奏功しての獲物なので、嬉しく思っています。
イサキの捕食に関しては、また一つ勉強になりました。実は次号のエントリーでその事に触れようと思っていまして、大きなヒントを頂いたようです。
ところでイサキの料理は多種多様にありますよね。大物や駆け引きの醍醐味という点ではヒラマサが上ですが、釣り味、調理の妙味という点ではイサキのほうが一枚上と感じています。
磯からイサキが狙える短いシーズンですので、もう暫くイサキを相手に頑張りたいと思います。
真子の明太子風は、うへへ、次回やってみます!(また楽しみが増えました。^^)
6. Posted by ふじた   2010年06月18日 06:42
根獅子さん^^
いつもありがとうございます。
ふじた水産。だはは、恐れ入ります。(笑)
今回だけは配るだけの獲物がありましたが、先週や先月の様子では、たちまち倒産してしまいます。(爆)
暖簾を大きくできるよう、次回も頑張ります!わはは。
7. Posted by ふじた   2010年06月18日 06:45
かっちんさん^^
毎度ありがとうございます〜。
まさしく今回は溜飲下す一日でした。かっちんさんの好プレーの波を断ち切ってしまった前回でしたが、ここから再びイチロー選手のように連続試合安打を続けて行きたいと思います。
当日の夜はすっかり酔っぱらってしまい、まるまる爆睡。(^^;
そういえば生湯の磯でもイサキが出るのではありませんかね。また玉ちゃんとの爆釣ツアーを楽しみにしています。(^^)v
8. Posted by ふじた   2010年06月18日 06:48
高島迷人さん^^
いつもありがとうございます。ご無沙汰しています。
高島へ帰って来られたのですね〜。^^
イサキシーズンが始まっては居るのですが、どうも日によって、場所によってもムラがあるようです。私が釣った翌日のスズメノコは、すでに餌盗りの嵐。まだ藻が切れない海は、水温上昇が遅れているのかも知れませんね。
また教えてくださいね!

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