2010年06月23日

高島ナベ(釣行記)ムロアジ包囲網突破不能

最後の最後、これで納竿という一投で、この日初めてサシ餌が残った。手返しの数だけは、先に大ボウズを喰らったカメと同等だったに違いない。あのときはサシ餌が落ちる事は無く残り通し。今度は餌盗りに完全に翻弄されてしまった──。

6月半ばの水曜日。日によって、磯によってムラが見える高島のイサキは、ここ数日がコンクリやスズメノコで活況を呈したという。月曜日と火曜日は数名だった恵翔丸は、この日に限って噂を聞きつけた人々で賑わいを見せ、なんと総勢23名。ほぼ満船の様相だった。

暢気に構えて予約を入れてびっくり仰天。しかし本日はS・JEOさんことSS師と一緒に二人で磯上がりする予定を立てていたのである。

「まあ、今日はもう諦めましょう。どこでもええですよ」どちらからともなく述べ恵翔丸へ乗り込んだ。

潮回りを見ると、今日の様子ならイケマとイワグチ。それからミヤノシタとスズメノコが当たり磯と読んでみたが、それも運任せ。磯割りの順番に従い、ミヤノシタへ先客を見送って乗った磯はナベだった。

ナベ。高島の北東の角磯。ナベ島と呼ばれるだけあって視界は開けていて、上げ潮、下げ潮ともに勝負が出来るが、潮表有利の鉄則に従えば、やはり下げ潮に分がある。主には秋から冬のヒラマサだが、真鯛、それにシーズンにはイサキも出る。

つべこべ云わず、道具の支度。ナベの定位置はホトケ石を背後にして正面へ構える、どちらかといえばマジマ側の海域を釣る座。階段状の磯を降りれば、一人で網を挿し入れることもできる。

潮を窺う最初の投入。上げ潮の時間帯だが、潮はやや左のワンドへ押されながら左流れの下げ潮方向だ。『おっ、これならええじゃないか(^m^)』気をよくして、こんどはやや沖へ遠投してみると、これも素直な下げ潮『よし、これならここで釣るべし』。

一方、SS師は広いナベの東側へ座を構えられ、正面からホトケに寄った海域へ仕掛けを入れていた。

一週間に集めた情報に間違いはなく、朝イチからムロアジが鈎に掛かる。それどころか、仕掛けを入れる以前に海面が盛り上がり、着水と同時に餌を喰い荒らすという状況で、群がった鳩に豆をくれてやるのと同じような眺めだ。

ムロアジだらけの海に為す術もなく、『サシ餌よ残れ!』と念じながら仕掛けを打ち返す早朝だった。二人の座は、釣果にそう大差が無いように思えた。

「あ、イサキじゃぁ」予想外の獲物にSS師が良型のイサキを釣った。『おわっ、あっちのほうがええんか(´Д`;)』いやいや、これからまだ時間はある──一度だけヒットした近くの海域へ仕掛けを入れてみるが、せっかく拵えた餌場を早々に見限るのは惜しい。

次の手返しで元のポイントへ戻り、根気強く釣ることを決めた。

ところで、あ2さんのアイディアを頂いて、セットしてきた仕掛けには鈎上矢引一本の位置へ枝鈎を備えておいた。

大物が掛かったときに結び目が切れる事を懸念し、エダスはウキ止め糸と同じ方法でハリスに固定。矢引一本の位置へフロートパイプを通し、爪楊枝で固定してある。もしも枝鈎に大物が掛かったら、ハリス上をスライドして、先端の鈎結びのチモトへ結び目が移動する仕掛け。

実は、最初の一投でその枝鈎にムロアジが掛かった。枝鈎はメバル用の緑色のサバ皮をアジ鈎に結びつけたもの。魚を掛けるというより、サシ餌を残すためのダミーとしての意味を持たせたつもりだった。しかしムロアジは、その鈎をめがけて突進してきたのである。

この釣況にあって、SS師のイサキを大変に羨ましく思いながら、狙った定点へコマセを入れ続けた。磯上がりから一時間ほどが過ぎたとき、仕掛けを回収するために竿を起こして、っそれに何かが乗ったような感触を覚えた。

『どうせアジか』いささかぞんざいに寄せたのだが、ムロアジとは少し違う。磯際まで寄せて『イサキかも知れん』と思い直し、殊更に丁寧な寄せで海面を見ると、ちょっと小振りではあるが確かにイサキだ。

「まぐれ当たりのイサキですわ」(^△^)SS師に告げた。

──結果的に、今日の釣りはここまで。

これより後、サシ餌は一度たりとも残らず、仕掛けを入れる入れないにかかわらずムロアジが回遊し、餌らしきものに飛びつく。あらゆるタナ、あらゆる仕掛け、あらゆる海域でムロアジは堅牢な包囲網を敷き、ナベは完全に孤立した。

まずタナを探ってみた。3本まで入れて正面を流すと、およそ11時の方角の沖合40メートル辺りでウキが止まった。どうやら瀬があるらしく、鈎がガッチリと掛かっている。竿と道糸を平行に引っ張り、辛うじて仕掛けを回収。

試しにタル固定を放り込んでみた。着水と同時に海面が割れ、タルウキはたちまち引き込まれた。もちろんムロアジだ。

タル遊動と-1号の水中ウキを組み合わせ、6尋の長いハリスをとってみた。アタリは出ないが、知らぬ間にサシ餌はすっかり無くなっている。どうやらハリスが弛んでいて、ウキに伝わらなかったようだった。

タル遊動で水中ウキを取り外してみた。ハリスは4尋。タルウキは一瞬、水中へ潜り、その後に道糸を引っ張るアタリ。云うまでもなくムロアジ。

師匠から陣中見舞いの電話が掛かった。話しによると数日前、ナベの低手(ホトケ側)に立ってカゴのチョイ投げ、タナ2本でイサキが出たという。こうなったら試してみるしか無い。日頃は余り座を動かないのだが、バッカンと網を提げて移動。その座に立って聞いた通りの釣り方を試みた。

「アジの巣に行かれますか?!」SS師だ。

5回投げて、うち2回は空振り。3回は大きなムロアジ。すぐに嫌気がさし、元の座へ戻った。

カゴの遊動仕掛けを拵えてみた。パイプ天秤によるカゴ遊動は、ハリスの挙動がシビアにウキへ伝わるので、繊細なアタリを取るためには有効なものだ。仕掛けを投じてみると、思惑通りウキはモゾモゾ、ピョコピョコと動き、着水から30秒ほどでサシ餌を撃墜しているムロアジの様子がよく解った。(´Д`;)

終盤になって、SS師の竿に大物がヒット。合わせた瞬間にハリスを切っていったという。この際、仲間の釣果であっても大歓迎だったのだけれども、これは惜しかった!

それから、タル遊動に戻して釣ってみた。風が強くなると水中ウキの無いタル遊動は、ほとんどタル固定と同じような挙動にしかならないが、カゴが沈下する間にサシ餌を盗られるよりマシと判断した結果だった。

渾身の力で遠投し、遠く沖合の潮に乗せても、やはりムロアジ。根掛かり寸前のタナへ落としてもムロアジ。投げる向きを変えてみてもムロアジ。もしも海の中を水族館のように見通すことが出来たら、おそらくムロアジが水槽へビッシリと詰め込まれたような眺めではないだろうか。

ムロアジの包囲網は、遂に突破することができなかった。

SS師の大アタリのすぐ後、チョイ投げのタル遊動に奇妙なアタリが出た。ムロアジとは少し違うように思って寄せてみると、ウマヅラハギのスレ掛かり。尾に掛かったハゲは懸命に泳いでいたらしい。

今夜のおかずとばかりに、丁寧に網で掬いあげ、これが取り込んだ本日二枚目の魚だった。

午前11時45分、納竿。

終日に左へ通した潮は終盤になって沖を走るようになり、ナベのマジマ側の海域は完全に潮留まり。そこへ投げ入れた最後の仕掛けを回収してみたら、まんまとサシ餌が残っていたのであるyo、とほほ。

SS師さん、今日はありがとうございました。m(__)m

foujitas at 19:24コメント(6)TB(0)高島回顧録 | 潮待放談 
グーグルの広告です

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by かっちん   2010年06月24日 00:18
ありゃ〜・・・・
ムロアジに好かれたようですなぁ。。   汗
海面が盛り上がるくらいの餌取りなんて凄いですね。
そんな中で、ツルッハゲじゃなかったから良しとしましょう。
来週に期待してます。   笑

私は、今週末も出撃できそうにありません。
仕事が・・・・・・・
今日も湯田温泉街に宿泊しております。  涙
2. Posted by あ2   2010年06月24日 13:44
ムロアジですか・・・。足は速いし、着水音に反応するし、口が大きくてでかいハリでもお構いなしですからなかなか厄介なエサトリですね。

そこそこの大きさになれば開いて、みりん干にしてもおいしいですね。もっと大きいやつなら保冷に気をつけてもって帰ってその日のうちに刺身でも酢の物でも結構いけるのですけど・・・。もって帰った様子がないので、魚が小さかったのでしょうか。

ヒラの時期なら泳がせて大物を狙うということも考えられますけど、まだちょっと時期が早いですかね。

しかしもう少したつとウチワの猛攻が始まるのでしょうか。いやいや釣りは難しいものですね。私も週末は出撃予定です。多分同じようにエサトリに翻弄されると思います。

楽しい釣行記をありがとうございました。
3. Posted by S・JOE   2010年06月24日 21:40
 こちらこそ大変お世話になりました。     おかげさまで、ピンと違い楽しい釣りができました。                          前回は丸坊主、今回は1匹ずつ、今度こそは、お互いタモ合戦と行きましょう。        なにはともあれ、懲りずにまたご一緒させて下さい。 ペコ
4. Posted by ふじた   2010年06月25日 04:30
かっちんさん^^
いつもありがとうございます。
今回は場所の巡り合わせが全てでした。前日まで閑散としていたのに、いきなり満船とはビックリ。これも仕方ない事です。
辛うじてお土産が二枚。トホホな高島でありました。
次回こそ、なんとか・・・。
山口も長いですねえ。そろそろ生湯も活気づいてきたみたいなので、また玉ちゃんとのペアマッチに期待しています。^^
5. Posted by ふじた   2010年06月25日 04:34
あ2さん^^
いつもありがとうございます。
釣りながらミリン干しの話しも出たのですが、先の高島で持ち帰ったムロアジが、やはり期待以下だったので、今回はすべてリリースしてしまいました。(^^;
いずれも30センチ前後のムロアジで、まったくサバのよう。(笑)
ウチワことウスバハギなら、同じ外道でも歓迎するのですが、あうう。

各地の水温も上がり、クロやチヌも良くなってきたみたいですね。週末は、どうかご存分に!がんばってくださいね〜。^^
6. Posted by ふじた   2010年06月25日 04:38
S・JOEさん^^
先日はありがとうございました。
いろいろなお話しが楽しかったので、まあ、イサキは許してやりましょう。(笑)
それにしても、やはりミヤノシタとイワグチ、それにワレも絶好調でしたね。今年はイサキの群が極端な偏りをもって回遊し、イサキが居ない磯には大量のムロアジが居るような、なにか奇妙な高島です。
次回は幸運に恵まれることを祈って・・・。
またご一緒させてくださいね。^^

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
BLOG foujitas
高島回顧録


ADMIN


必読オススメBLOG(^^)

いろいろ報告…錦帯橋

【プロフィール】
ふじたのぶお


最新のコメント
  • ライブドアブログ