2010年06月30日

[火電1番](釣行記)上半期をヒラマサで締め括る

2010年の上半期を締め括る6月晦日は、古巣ともいえる火電沖波止で幸運に恵まれたのだった。サッカーW杯日本対パラグアイの生中継を堪能し、それから出向いた一日。日本代表、よくやった!


閑話休題。

大した事では無いのだけれども、いみじくも47回めの誕生日を迎える前日が水曜日となり、何が何でも格好を付けたい意気込みで古湊へ向かった前夜。通常なら2時半頃には港に着いて仮眠をとるのだが、W杯を見た分だけ遅くなり、到着したのは午前4時頃の事だった。

火電沖波止の直近情報によると、いまのヒラマサは1番に集中しているという。折しも中本渡船の6月は偶数日が先出し。巧くすれば1番段差付近へ潜り込めるかも知れない。

暗がりの中で目を凝らせると、なんと、しかし駐車場は一杯。少し離れた場所にクルマを停め、急いで乗船名簿に記名をする。1便の定員は17名──やんぬるかな、名前を書いた列を数えると20番だった。『2便か(´Д`;)』

『今日は火電沖波止で、再び神にならねば』物は考えよう。ここ4日間の釣果が1番に集中ていたと云うことは、釣り人の大半は1番を目指す筈。汐見表によると大潮の後の中潮で、おそらく潮は右流れの一本潮になる。ならば──。

ならば1番に固執せず、敢えて2番辺りに立ち、1番の太公望が撒いてくださるコマセで漁夫の利を狙う手もある。いや、もしかしたら、むしろその方が良いかも知れない。ならば2番船は願ってもないチャンスではないか。物事を前向きに考えるのは、モチベーションの昂揚に直接的な作用を与えるものだ。

1便を下ろして戻ってきたよしみ丸へ乗り込み、再び1番階段へ着けてもらい、道具を担いで堤防へ飛び移る。堤防の上は予想通り、1番段差辺りを中心に釣り人がひしめき合っていた。2番へ寄るにつれて疎らになり、ちょうど2番プレートがある辺りに1人分のスペースがあったので、ここへ座を構える。

5時前の空は充分に明るく、明かりは不要。最初の一投までの段取りは良い。

無風状態の堤防から正面へ仕掛けを投じてみると、潮はほとんど動いていない様子だ。前日までの詳細な情報に従い、タナは2本丁度。ハリス6号4尋半、鈎はカゴスペ12号。潮が緩いのでフロートパイプをチモト付近へ装着する。


『さて、この動かぬ潮をどう釣るか』

諦めるには早い。高島スズメでは全く潮が行っていなくてもヒラマサは喰うと教わった。ただしかし、何もしないではダメだ。タナは、距離は、仕掛けは、コマセは──あらゆる要素を頭の中で検証し、組み合わせてみては手返し毎に試みる。

「比較的近いらしいよ」と事前情報を持っていたが、火電沖波止の豆ヒラは基本的に遠投。早朝の間は近場でもサシ餌が残ったが、明るくなってくる6時頃にはやはり餌盗りが目覚める。普通に竿を引いて投げても、無風が味方するせいか、仕掛けは思ったより遠くへ運ばれるので、この時間帯は中距離を中心に狙いを定めてみた。

左側の一人おいた向こうで青物が出た。ワカナか豆ヒラか、そのまま抜き揚げられた魚を見て、期待感が高まる。細かく調節したタナは2本半ほど──『もう少し浅いか?』。

潮が緩く、ベタ凪。風も無い。投入した仕掛けは素直に沈下し、竿で煽ったらコマセが出ている。長いハリスの先にあるサシ餌は、おそらく潮に引っ張られることなくカゴの近くで沈下し、ハリス弛んでいるのではないだろうか。ハリスの張りは、サシ餌で誘うときの重要なポイントだ。

そこで、ウキが馴染んだ後、なにもせぬまま20程数える。竿を煽ってコマセを出す。少し間をおき、今度は仕掛け自体の位置を手前に引っ張って寄せる。距離は斜めに伸びるハリス相当(4尋)をイメージして、リールのハンドルでいう4巻き(2.8m)分。これで放出されたコマセとサシ餌は近い位置関係になり、かつハリスにも張りが与えられる。

右側の数人先でヒラマサが出た。『やっぱり居るわ!』朝の時合に違いない。

仕掛けの操作が正しいと信じて打ち返す。同じく中距離40メートルほどの正面。静かに浮かんでいたウキが、ややゆっくりと沈んだ。居食いをしたヒラマサの特有な動き方だと直感した。一呼吸を待つが道糸は走らない。

ゆっくり竿を起こしアタリを訊いてみると、ズシリと重たい。

『よっしゃ、居る!』ふぇっふぇっふぇ(^△^)

そのまま竿を煽ってアワセをくれ、寄せにかかる。

さほど大きな力で抵抗せず、足下まで寄ってきた。豆ヒラかと思いきや、なかなかのレギュラーサイズ。隣で釣っていらしたカゴ師の方が、すかさず網を入れてくださって確捕。午前6時半頃だった。

やはりハリスの張りは重要なポイントではないか──タナ2本で釣り揚げたヒラマサを見て再考していた。

それから後も潮は丸で行かない。ときどき手前左に押してくるような動きを見せたが、半時間と経たないうちに停止。また湖面のような潮に戻ってしまった。それでも沖をめがけて仕掛けを投げ入れ、少し引いて待つ。ときどき誘って、また引いて待つ。

半時間ほどが過ぎ、ピトンへ竿を掛けて待ちながら余所見をしている時だった。リールの道糸が出て行く事に気付き、ウキを確認すると、無い。

竿を取り、寄せにかかって少し経ったところで、これはしかし無念の鈎外れ。先のヒラマサも網の中で鈎が外れているなど、どうも掛かりが浅い。

しかしヒラマサは間違いなく居る。同じ手口で忙しく仕掛けを操作しながら、また半時間が経った。行かない潮を見る限りは絶望的なのだが、細かく打ち返してみる価値はある。

沖合に餌盗りが居ないようなので比較的長く仕掛けは置いておけるのだが、コマセが切れてしまってはダメ。リズミカルな手返しは必須ではないだろうか。そう考え、穂先を下げたままリールを巻いて仕掛けの回収を始めたときだった。

「ドン!」
『おっ、居るわ!』(^△^)

竿を寝かせたまま横へ鋭く煽り、合わせをくれる。リールを巻きながら、やおら立ち上がり臨戦態勢。6号ハリスだが無理は禁物だ。緩めのドラッグで遣り取りをしながら、足下まで寄せた。先のサイズと同等のヒラマサだ。

隣のカゴ師の方が再び掬ってくださる。充分に弱らせて、さあ網へ──としたところで穂先が伸び上がった。南無三!『慎重に行き過ぎたか!(´Д`;)』ヒラマサは身を翻して海中へ潜っていった。後でハリスを査べてみると、何処にも接触していない筈のハリスは、なぜか数カ所がザラザラになり、チモトで切れていた。

掬う直前でバラした事にタモ助役の兄さんは申し訳なさそうにしてくださったが、これは釣ったこちらのヘマ。お詫び頂くような筋合いは無く、むしろ恐縮せねばならないのは竿を持ち、鈎を結んだこちらの方だ。グズグズしている時間は無い。時合を逃しては元も子もない。

「すみません、ありがとうございました。さ、早うもう一匹、釣りましょう!」そう云って空のタモを渡していただき、急いで4尋のハリスを支度した。

けれどもヒラマサのアタリは、どうやらここまでだった。

小さな雨が混じりながらも、また晴れ渡り、堤防の上には湯気が立っている。すっかり静かになった沖堤防では、午前9時頃になると竿を揚げる釣り人の姿も見えた。


「あの、『丸ふ』といったら・・・」背後からかけ声が聞こえた。高島回顧録をご覧くださっている方だった。親しみを込めて挨拶し、いろいろなお話しを愉しませていただいた。(その節はありがとうございましたm(__)m)昨日までは1番付近へ移動して再び喰いが立った、1番が空いたら動いてみようかと思います、というような話し教わりおおいに心が揺らぐ。(笑)

たしかに眼前の海域には餌盗りも出始めた。試しにハゲ鈎の団子鈎を付けてみると、それは小さな10センチに満たない豆アジが掛かる。どうやら餌盗りの正体は小奴らしい。堤防から40メートルほどの距離は豆アジだらけで餌が落とされる。釣るなら、その沖側か。あるいは豆アジをヒラマサのセンサー代わりにして、中距離を釣るべきか。

思案していると、隣のタモ助役をかって出てくださった兄さんが納竿。辰丸の船へ電話された頃を見計らって、先の御礼を述べに歩み寄った。

「今日はありがとうございました。もうお仕舞いにされるんですか?」
「火電は朝だけじゃけえねえ」
「さっきの兄さんと話したんですが、この後もうワンチャンス思うとるんですわ」
「がんばってくださいね」

長い立ち話を愉しんでいる間中、竿を手に持ち、放り込んだ仕掛けをそのまま放置していた。それはお見送りの挨拶をした直後だった。

波返しに登り、リールを巻き始めると酷く重たい。『なんかいの、こりゃ?』大きく曲がった穂先を見て、帰りかけた兄さんは興味の目線を保って見守ってくださっている。そう遠くない位置から寄せると、こいつはスズキだ。(^m^)

「スズキじゃ、スズキですわ!」

担いだ荷物を再び置いて、兄さんはすかさず網を入れてくださった。

「いやあ、ありがとうございました。最後の最後まで!」(ヤイバックスの白い帽子の兄さん、本当にありがとうございました。m(__)m)「帰り間際にええ物を見せて貰うた」。


後の中本船長の検寸によると、ヒラマサは68センチ、オマケのスズキは82センチ。クーラーの中で尻尾が曲がる眺めは、いつ見ても悪くない。(笑)

2010年の上半期を締め括る火電沖波止。船長にお目出度い写真まで撮っていただき、重畳なる一日の余韻を懐に、古湊を跡にした。

皆々様、本当にありがとうございました。m(__)m



foujitas at 19:55コメント(14)TB(0)古湊釣房 | 潮待放談 
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コメント一覧

1. Posted by S・JOE   2010年06月30日 20:54
 おめでとうございます。
火電もそろそろと思いながら、先週日曜日は、つい釣れている西沖に行きましたが、レギュラーサイズのタイ1枚でした。藤田さん正解でしたね。 羨ましー
 わたしは、あまりにも釣れないせいで、歯をくいしばりすぎて奥歯が割れてしまい、他の歯を抜き移植手術をし、悲惨な状態です。(涙)
 復帰したら、釣るぞー・・・・アジ
2. Posted by かっちん   2010年06月30日 23:50
冒頭の写真は・・・・
どうやら、やっちまったようですな。   笑

つづきを楽しみにしています。
3. Posted by ふじた   2010年07月01日 09:17
S・JOEさん^^
いつもありがとうございます。
昨日の火電沖波止も釣り人の数を考えたら豊漁という事でもなかったようです。2番船まで出たと云うことは、ざっと50〜60人。ヒラマサは10本程度ですから、徐々に上向きという感じでしょうか。豆ヒラの来襲より、大型の回遊が気になりますよねえ。
歯の治療は大事になさってくださいね。私も歯医者にはずいぶんと世話になり、そのお気持ちはお察しいたします。またご一緒させてくださいね。^^
4. Posted by ふじた   2010年07月01日 09:19
かっちんさん^^
いつもありがとうございます。
うへへ、今回は恵まれました。(笑)
直前バラシは格好悪かったのですが、スズキ君のおまけ付き。(^^)v
5. Posted by shimo   2010年07月01日 10:19
ふじたさん
おはよう御座います&おめでとう御座います。
ヒラスの姿はいつ見ても良いものです・・・
こちらはマダイも終わり パッとしないイサキの状況に 気持ちは既に10月からのヒラスシーズンに向いております・・・ああ待ちどうしい!
今期(必ず)来て下さいよ・・・小値賀へ。
6. Posted by あ2   2010年07月01日 10:39
素晴らしい釣果に恵まれましたね。いや恵まれたというより実力発揮ですね!私は先日の釣行でエサトリに撃沈されましたので、フジタさんも苦戦されるのでは?と思ったのですが本命を釣り切る辺りはやはり腕の差です。

ハリスがざらざらになるで思い出したのですが、フグの類がハリスを咬むのは良く知られてますがサバゴやアジゴもハリスのきらきらに反応するのかハリスを咬むことがあるようです。勿論フグの類ほど鋭くは傷つきませんけどちょっとささくれる程度にはなります。(というかなりました。)

スズキはオキアミも食べるのですね。何らかの動きが刺激になって食わせたのでしょうか?あるいは小アジが先に食いついていたのをスズキが食べたのか。

しかしうらやましい限りの好釣果、この調子をメインフィールド高島まで持ち込んでください!
7. Posted by 浜ちゃん   2010年07月01日 15:22
5 初めまして

高島検索してたらブログ発見して凄く勉強になります

この日曜に高島にイサキ釣りに行くか火電にヒラ釣りに行くか悩んでいるんですがどちらがいいですかね

アドバイスお願いします
8. Posted by シュシュ   2010年07月01日 22:33
誕生日と見事な釣果、おめでとうございます!

私もふじたさんに負けじと本日火電に行ってきました。結果はヒラ、ワカナ、etc。
場所は2番付近で、ヒラは諦めかけていた正午過ぎくらいでした。玉網の系が小さくなかなかフィニッシュできず冷や冷や汗汗。どっと疲れました。 
全体を見回すと前日までのヒラマサフィーバーはヒラの数・釣り人の数ともに小休止といった感じでした。

是非今度お手合わせの程よろしくお願いします。
9. Posted by ふじた   2010年07月02日 07:59
shimoさん^^
ありがとうございます〜&出遅れてすみません。(´Д`;)
久しぶりの火電沖波止はいささか不安でしたが、今回は幸運に恵まれました。
小値賀にもいつか行ってみたいのですが、日々の商人なので休みが侭成らぬ生業。でも夢を持って釣り続けたいと思います。本当に行ける機会がありました時には、ぜひよろしくお願いします。m(__)m
10. Posted by ふじた   2010年07月02日 08:07
あ2さん^^
いつもありがとうございます。
今となっては2本めのヒラマサに千切られたのが悔しいのですが、あれは私ほ敗北でした。ハリスの傷は、あの堤防で話した兄さんも同じような事を仰っていましたが、やはり可能性(というかアジやフグによるリスク)はあるのでしょうねえ。私の中では、もう少し早い勝負をかければ良かったという印象が残りました。
スズキは閂の外に鈎が掛かっていまして、てっきりオキアミを喰ったのかと思いましたが、帰ってから腹を開けたら小アジを発見。やはり井戸端談義をしている間に、ご想像通り、まず小アジが掛かったようです。まったくラッキーな一尾でした。^^
次週は高島へ戻ります。依然としてイサキが好調な様子なので、この勢いを持って二桁を狙います。
腕が鳴る鳴る、ガランガラン。(笑)
11. Posted by ふじた   2010年07月02日 08:20
浜ちゃんさん^^
初めまして。お立ち寄り、ありがとうございます。
高島の釣りは私の憧れの的でした。最初は右も左も判らず緊張するばかりでしたが、通っている間に少しずつ。そんな記憶をちゃんと経験則にしたいと思い、高島回顧録を書き綴りました。ヘタクソをした時には恥ずかしいのですが、これもまた経験。恥をかけば性根も入ります。(笑)
どうぞよろしくお願いします。
高島、火電沖波止とも徐々に上向いてきているようですね。高島のイサキは今なら南側の磯でも勝負になるようですから、少々人が多くても良いかも知れませんね。一方、火電沖波止も、豆ヒラではなくレギュラーサイズ以上の可能性が大きいので、こちらも捨てがたいところです。やっぱり悩ましい!
12. Posted by ふじた   2010年07月02日 08:27
シュシュさん^^
ありがとうございます&お見事!やりましたね〜、さすが!
火電沖波止のヒラマサは午後イチの時間帯に、もう一度チャンスが巡ってくるような印象がありました。早い時間帯に釣ってしまえば良いのですが、私はいつも朝の時合いにスルーされ、泣く泣く午後まで居残る釣り。今回は珍しい一日でした。(笑)
水曜日は浜田がお休みだったらしく、余計に密集してしまったのですかね。
ヒラマサを独りで掬うのは難儀ですよねえ。私も独りのときは、堤防から落ちそうになってヒヤヒヤです。
それにしても、フィーバーとはまで云えないあの火電沖波止でヒラマサはお見事だと思います!
ぜひ、またご一緒させてくださいね。^^
13. Posted by 浜ちゃん   2010年07月02日 08:55
アドバイスありがとうございます

本当悩ましいとこですよね

他のメンバーとよく話して決めたいと思います
これからチョクチョク顔出しますのでヨロシクお願いします
14. Posted by ふじた   2010年07月02日 09:11
浜ちゃんさん^^
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。
数人のメンバーがいらっしゃるなら、高島でも好勝負が望めそうですね。知人の話では、餌盗りは少なくないそうですが、それでもイサキの時合いはあるようです。
少なくとも、先のナベのようなムロアジだらけの磯に乗らなければ一人4〜5枚はいけるかも知れませんね。がんばってくださいね〜。^^

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